「争議」って何か、ごぞんじですか?
 
若い人の中には言葉としては知っていても、身近に体験したりしたこともなく、どういうものか知らない人も少なくないと思います。ストライキが行われたという報道も少なく(日本では特にそうです。実際は少数ながら、ささやかなストは行われている職場もあります)、労働争議の件数が激減しているから、それは当たり前かも知れません。
  争いは無いに越したことはない、と考えますか?私たちも争議は解決されるべきと考えています。しかし、いま争議が少なくなっている現状は、会社と労働者の間に問題はないからでしょうか? 若い労働者を中心に、労働基準法も守らずに劣悪な労働条件で使い捨てされるような状況が目立ち、 「ブラック企業の横行」等が問題になっています。それにも関わらず、争議は起こっていない。だとしたら、それは多くの人が会社と争うことなく泣き寝入りを強いられているから、ということが第一の原因でしょう。
 それに加えて、このかん行政が作ってきた「個別紛争処理」制度が、争議を未然に防止する目的で使われていることが大きく影響しています。これらの機関は、職場で問題を抱えて一人で悩んでいる労働者に対して、実はそれは職場全体の問題であり、硬い言葉で言えば、ほんと うは「集団的労使関係」として問われているのだ、ということをすり抜けて、個別紛争として救済するという名目で、処理して(片付けて)しまう、ということをやっているのです。その結果、不当解雇されても、わずかばかりの金銭で「解決」を強いられているケースが大半です。行政機関に相談する人の中にも早期解決を望む想いがあり、結果として、会社の責任は曖昧なまま認められることなく、後で、「これで良かったのか」、ひどい処遇を受けたことに対して、自分の尊厳は回復できたのかと悩むことも生じてしまいがちです。

泣き寝入りせず声を上げ諦めずに闘うことの意義
 かつては職場に一人のためにも皆で闘う組合があったり、なくても地域や産業別など会社の外から、解雇された仲間を支える闘いがつくられ、争議が闘われる、ということが数多くありました。会社の前で支援の人々も交えて抗議集会を開催したり、会社を倒産させて逃げ回っている経営者等の自宅へ行動を展開したり、ユーザーや取引先、メインバンク等に争議解決を働きかけるように申し入れ行動を展開したり、並行して、裁判や労働委員会に提訴して争ったりして、経営者を争議解決のテーブルにつかせて解雇撤回・職場復帰をかち取るなどの成果を上げてきました。
 泣き寝入りせずに起ち上がり、あきらめずに闘い続けている争議が存在することの意義は大きなものがあります。その存在は争議になっていない職場の労働者や労働組合にとって、会社側の踏み込んだ攻撃を許さない大きな後ろ盾になり、労働者は泣き寝入りをしないことを示し、労働条件向上のための闘いを押し上げる、という職場闘争と争議の一体化した回路が創れるということです。逆の言い方をすると、争議化を恐れない、争議を闘う腰の据わった闘いを展開しきれない労働運動は後退を強いられていく、ということになります。労働運動の歴史にもそういった分岐点があったと思います。
 労働運動が後退し数は少なくなっていましたが、いま私たちは、反転攻勢の芽を育てようとしています。いま職場は過酷な労働現場になっており、私たちの生存と生活をめぐる攻防は、戦争・治安国家化や労働法制の全面改悪へと突進している現政権の下で、極限化する生活破壊と労働者への犠牲強要の攻撃との闘いとなっています。闘わなければ生きていけない、負けるわけにはいかない、というところに来ていると思います。
  

 

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 全都の争議団の共闘組織である争議団連絡会議は、70年代初頭に、光文社闘争、日本教育新聞闘争など、解雇撤回−職場奪還の闘いを展開していた数多くの争議団、争議組合が交流を深める中から発足しました。  
 これまで、光文社闘争、朝日ー明和闘争、微生研闘争、中央公論社闘争、全逓4・28反処分闘争、東映・ジャパマーハイツ闘争等々の勝利をはじめ、40年間以上の様々な経験蓄積を活かして、日常的な現場共闘を軸に全争議団闘争勝利をめざして、闘っています。争団連加盟争議団は、それぞれが南部・北部・中部・西部・三多摩等の各地域共闘の中軸ともなって闘っています。争団連には現在、10団体をこえる争議が集まっていますが、それらの闘いの重要局面に即して、また、争団連の大きな活動等について、適宜紹介していきます(文責は、「発信25時」編集委員会です)。








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