10/24日本郵政鞄ャ争を闘う
 〜争団連統一行動・南部集中闘争で69名結集〜


 日本郵政株式会社に対して、「4・28不当処分撤回」「被免職者の職場復帰」の決断を迫る社前闘争が、争団連(争議団連絡会議)の統一行動として、全都の争議団・地域の労働者、そして郵政職場の仲間など、50団体69名の圧倒的結集で闘い抜かれた。今年一番の寒風が吹く中、しかし、熱く、力強く、闘われた。
 日本郵政に一切の責任がある
 04年6月30日の「4・28免職処分を取り消す」という高裁勝利判決を手にしながら、郵政公社の最高裁への上告によって、今なお処分撤回・職場復帰は果たされていない。不当処分からあと半年で丸28年。被免職者の定年も刻々と近づいている。こんな理不尽な事が許されていいわけがない。
 日本郵政鰍ヘ、来年10月からの民営郵政の4つの事業会社の持株会社として、また、それまでの間は「民営化準備企画会社」として、職員の各事業会社への振り分けや、合理化や新事業プランなどの「事業実施計画」を次々に打ち出し、就業規則や労働協約の策定についても交渉当事者として労働組合との交渉にあたっている。こうした役割を見れば、郵政省ー郵政事業庁ー郵政公社と引きずってきた4・28処分に端を発したこの労働争議は、日本郵政鰍ェ引き継ぐ以外にない。
 4・28処分発令から今日に至るまでの一切の争議責任が、事実上の経営トップに立った「日本郵政梶E西川社長」にあるのは当然の事だ。
 私たちは、この間、団交開催要求書を二度にわたって配達証明で送ったが、回答すらしない。社前での抗議行動に対しても同様だ。
 こうした状況の中で、私たちは、この日の争団連統一行動を迎えた。
 社前をビッシリと埋め尽し
 虎ノ門3丁目。隣はホテルオークラ。到着した私たちを待ち受けていたのは、この日急ごしらえの「森ビル梶v名での「立入禁止」の張り紙と、あご紐を結んで気合いの入ったガードマンが普段より多い5名。駐車場がわの入口はシャッターを閉ざしている。公安警察も、争議弾圧を専門とする警視庁公安二課と所轄署の計4名。総務の3名は、我々が到着するや社内に逃げ込んだ。
 仲間たちが三三五五到着し、ゼッケンを着け、プラカードを手に。ただでさえ狭い社前は69名の仲間たちに埋め尽される。当該被免職者がマイク情宣、仲間がチラシを来客や通行人に配布。

 自動ドア閉ざし申入れ拒否
 そして、いよいよ団交開催申入れだ。申入れに先立ち「判決に従い、職場に戻せ」「日本郵政は争議責任を自覚して団交に応じろ」とシュプレを上げる。ガードマンは道を開け、被免職者を先頭に5名の代表団が社内の受付に向かう。しかし、手前の自動ドアは開かないのだ。ガラスの向こうにもう一人のガードマンが仁王立ち。その奥の受付の回りには総務3名が我々にカメラを向けて撮影する。我々を排除するために、次々に訪れる訪問客さえガードマンが「今はだめです」と断る始末だ。
 やむなく、団交要求書をマイクで読み上げ、自動ドアの隙間から差し入れた。そして、争議責任から逃げ回る日本郵政梶E西川社長に抗議のシュプレを上げて、社前集会に移った。
 集会は共に闘う仲間たちが
 司会は向島局被免職者・徳差。最初に大崎局被免職者・神矢が4・28連絡会を代表して闘いの経過と決意表明。「最高裁の判断が今なおない中、自らの力で勝利を切り開く以外にない。連帯・共闘を力に現場闘争を強化し、何としても職場復帰を実現したい」と訴えた。
 連帯あいさつは、@関西の地で争議を闘う全国金属機械港合同南労会支部、A共謀罪新設攻撃と闘う共同行動、B野宿者の公園排除と闘う山谷争議団。そして、この日の闘いを地域共闘の集中闘争として全力結集で闘った南部地区労働者交流会が決意表明を行ない、最後に、争団連から中大生協闘争の仲間が統一行動の成功を確認する発言を行ない、1時間半にわたる集中した闘いを終えた。
 この日の闘いをはずみに、秋から冬へ攻勢的に闘い抜くぞ!

●争団連統一行動ー日本郵政闘争の前段
   大道測量ー藤商会闘争を闘う
 まず、早朝の連帯労組・大道測量闘争の現場。久留米西団地に住む藤後前社長への責任追及。最高裁で地労委勝利命令が確定しても従わないという前代未聞のとんでもない奴だ。53名の結集の前に、ワゴンで到着した権力も手を出せない。


 続いて、高田馬場駅前の三多摩合同労組・藤商会闘争の社前。こちらも裁判で解雇撤回を宣言しながら、謝罪もせず、復帰職場も遠距離で賃金も半分にして、一方的に就労命令をかけてきている。64名が結集。
 共に、居直る経営を絶対に許さない構えを示しきった。

 9/29日本郵政鰍ノ初の朝ビラ
 9月8日、日本郵政叶シ川社長宛てに「団交開催要求書」を配達証明で送付した。回答期限を9月20日としたが、3月9日付の要求書と同様、何の回答もないという対応だった。私たちは9月29日、「4・28通信」に団交要求書を挟み、「争議責任を自覚して、即刻回答せよ!」と、被免職者ら4名で朝ビラを取り組んだ。ガードマン2名が「敷地に足を入れるな」などと口うるさく言ってくるが、「労働者が首を切られているのだ。裁判で勝っても、団交を要求しても、回答さえしないのが日本郵政だ。足が入った入らないどころの問題じゃない。社長を呼んでこい」と一喝。ガードマンはビックリして、社内に戻る。報告を受けた総務の3人が出てきて、監視態勢に入る。ビラ配布を妨害しようと、姑息にも駐車場口に社員を誘導する。そっちにも被免職者が張り付きビラ配布。
 これまで、社前での抗議情宣を闘ってきたが、毎回ガードマン任せの「無対応」という対応。今回、初めて総務の人間が出てきての争議対応となった。監視しながら、団交要求書を食い入るように読んでいた。


           写真=9・29日本郵政前朝ビラ                  写真=9・29向島局闘争

9/29向島局闘争を闘う
 昼、窓口前での闘い。設営を終えてマイク情宣を開始すると、7月28日の向島局闘争が南部交流会集中闘争での取り組みだった影響か、管理者・職制は12名という総動員。2階からはカメラ撮影。向島署の公安も2名。昼休みでのマイク情宣に、2・3階からは労働者が顔をのぞかせる。
 当該・徳差がマイクで「さあ、これから団交要求…」と言ったとたん、総務課長が通用口方向へ逃げる。とにかく窓口前での申入れを嫌がる。やむなく、全体で移動して、そこで団交の申入れ。しかし、相変わらず「局長はいない。関係ない」だ。12名の結集。

 4・28担当の最高裁判事またも交替
      しかも、最悪の裁判官
 4・28裁判を担当する最高裁第三小法廷(5名)の裁判官。今年5月に浜田裁判長が定年で退官(後任に弁護士出身の那須氏)したのに続いて、10月15日には、町田裁判官(最高裁長官でもある)も定年で退官した。郵政公社の上告に対する最高裁の判断・決定は、さらに先送りになるのだろうか。後任の最高裁長官は島田仁郎氏(最高裁第一小法廷判事)で、第三小法廷に異動した。島田は、別掲の新聞記事にある通り、狭山事件の再審を求める石川一雄さんの特別抗告を棄却するなど、とんでない奴だ。
 これで、第三小法廷を構成する裁判官は、
 裁判長/那須弘平なすこうへい(第二東京弁護士会/日弁連常務理事)
 裁判官/上田豊三うえだとよぞう(最高裁首席調査官/大阪高裁長官)
  〃  藤田宙靖ふじたときやす(東北大学法学部長/行政改革会議委員)
  〃  堀籠幸男ほりごめゆきお(最高裁事務総長/大阪高裁長官)
  〃  島田仁郎しまだにろう・最高裁長官(大阪高裁長官/最高裁判事)
 の5名となった。高裁勝利判決からすでに2年4ヶ月。即刻公社の不当な上告を棄却しろ!

     4・28反処分闘争の勝利へ
       絶大な冬カンパのお願い

        高裁勝利判決を手にしても、最高裁はいまだに
         何の判断出さず、27年という長期の闘い
          を強いられています。闘争財政も厳し
           い状況になっています。暖かいカ
            ンパを心からお願い致します。
         [郵便振替口座]
           00150−8−605198
            加入者名/4・28連絡会
 貯金・保険で「営業専担局」と
  「集金担当局」に切り分け


[灘局]
 「保険の営業専担局と集金担当局の分担化試行」について近畿支社から地本へ提示を経て、単局(灘局)窓口提示を受けたが、8月初めまでに外務員と対話を実施し、局の割り振り(灘か東灘か)を決定する。実施日は8月21日。
 支部は、近畿地本に対して「意見書」(別掲/要旨)を提出した。
■西陣局でも、「貯金の営業専担局と集金担当局の分担化試行」(中京局は営業専担局、西陣局は集金担当局)の施策が8月から始まった。
                     <きょうと通信より抜粋転載>
 * *
 JPU近畿地本藤井書記長殿
           2006.7.25
       JPU東神戸支部執行委員会
1.この唐突な支社提示に対して、地本は賛成の立場なのか、賛成の立場なのか。
2.組合への提示から1ヶ月という短期間での実施について、準備・交渉時間も充分 取れない状況をどう考えるのか。
3.職員へのメリットを感じられない提示内容だが、どう捉えているのか。
4.職員を選別して分断するような当局の手法を、地本はどう考えるか。
5.営業専担局での競争意識の増加・モチベーションの向上とあるが、単に競争を煽 る施策が職員のモチベーションの向上につながるとは思えず、また、勝ち組・負け 組の発生につながるのではないか。
6.集金担当局に配属される事が、「仕事のできない職員」といったレッテルを貼る、 ある種の見せしめ的な要素があると考えるが、どうか。
   ……以下略……

 組織統合/JPUが全郵政に屈服的回答
 全郵政にとって、「組織統合」の目的は「全逓の全郵政化」だ。
 そのことは、「連合」結成直前の1987年9月14日付「全郵政新聞」に、「秋年闘争方針」の「郵政労働運動の民主化」の項目の中で、明確に述べている。
                               <別掲>
●<別掲>「郵政労働運動の民主化」1987.9.14「全郵政新聞」
〓 郵政労働運動の統一は、民間労働組合の統一と同様に、全郵政が進める「自由に して民主的な労働運動」の理念の下での統一以外にはあり得ない。
〓 これには、第23回全国大会の決定方針どおり、@全郵政組織のさらなる量的拡 大A郵政労働運動の質的転換(つまり全逓運動の全郵政化等)が不可欠であり、全 郵政は、この二つの要件を前進させる道筋や延長において、郵政労働運動の統一等 を追及していく。
〓 …略…
〓 郵政労働運動の質的転換(全逓運動の全郵政化等)をはかるには、@全逓運動の 方針転換と体質改善A全郵組織の基盤強化と運動の一層の高揚ーなどがポイント である。
  なお、これを促進するものは、さらなる全郵政組織の拡大と全逓組織の減少であ ることは言をまたない。
〓 全逓運動の方針転換・体質改善をはかるには、@階級的労働運動との完全な決別 A日共系、社会主義協会系、セクト系組合員の排除B職場の運動体質、組合員の勤 務態度等の改善(生産性向上運動の開始等)Cスト権確立方針の変更D特定局制度 撤廃方針の変更E国民運動、平和運動等の転換ーなどが大きなポイントになる。 〓…略…
 * * *
 その5年前の1982年9月27日付の「全郵政新聞」でも、全逓第36回全国大会(蒲郡大会)で「全逓運動30年総括」の上に「柔軟路線」に転換したことに対して、「柔軟路線は本物か」と題して「全逓は長期抵抗大衆路線を捨てていない見るべきである。その何よりの証拠は『4・28反処分闘争の強化』を新執行方針の中でうたっていること。長期抵抗大衆路線の最たる闘いであったスト権違法スト、反マル生闘争にも何らの反省が見られないばかりか、平気で処分撤回闘争を組んでいこうとしている」と述べている。
 * * *
 要するに全郵政は、組織統合をしたいなら「4・28反処分闘争を投げ捨てろ」 「特定局撤廃闘争を投げ捨てろ」「スト権奪還闘争を投げ捨てろ」「左翼系組合員を排除しろ」と条件を突き付け、「運動方針を階級的労働運動から生産性向上運動に転換しろ」「権利や労働条件だのと四の五の言わずに従順に働け」「それが組織統一の条件であり、早い話が全逓の全郵政化だ」と言っているのである。
 「闘う者」「競争に勝てない者」は
       全て「事業阻害要因」

 
全逓はこうした動きに呼応して、4・28反処分闘争を被免職者ごと切り捨て、特定局制度撤廃闘争も投げ捨てた。
 そして全郵政は、今年6月の定期大会議案で、全逓に対して最終的な突き付けを行なった。すなわち、「全逓は反マル生運動以降、現実路線に転換、綱領を廃止、組合名称も変更した。しかし、一部地域で未だに旧全逓運動を引きずっている行動が見られる」とした上で、「JPUが自ら過去の運動を総括すること」を前提に「対等合併」を提案し、これが「反事業的勢力を一掃するチャンス」だとして、「統合によって、脱退者や、JPUの一部の反主流が指導力を発揮し、民主的労働運動が後退する可能性もある」としつつも、職場で権利闘争を闘う組合員・労働者を「事業阻害要因」として新会社からの排除を方針化している。今年2月の全郵政中央委員会で、書記長答弁は「旧体質の職場実態や活動、働かない職員をどうなくすかは、JPUに対しても要求として突き付ける」としているのである。

 新組合は当局の「労務部」
 これに対して、JPU(全逓)は、これを全て認める回答を行なったのである。
                                <別掲>
「生産性向上運動」など「全郵政の綱領・運動方針を基本にする」「左右の全体主義の排除」の名で「左派系組合員もろとも、闘う組合員を一掃する」「過去の運動の一切財切を含め、全郵政に全面謝罪する」というのである。
 「しかるべき決議機関で」と言うからには、来年2月の中央委員会だろうか。全郵政への全面屈服・謝罪を文章提案して、来夏にJPU解散大会、そして、全郵政化した労働組合とは名ばかりの合理化・首切り推進の新組合を結成するというのである。労働組合の名にかけて絶対に許してはならない。

「実施計画」を全面評価するJPU本部
 民営・分社化に向けた事業計画が、日本郵政鰍ゥら発表された。
 「JPUスクエア」(全逓新聞)のインタビュー記事を見ると、
■難波書記長(9月9日号)
◎「実施計画」への評価は?
「積極的な経営姿勢が示され、私たちが求めてきた姿に近いものと評価しています」◎職場で求められるものは?
「私たち自身もスキルを高め、新規ビジネス提供能力を習得しなければなりません」◎事業会社ごとの展望は?
「郵便局会社は、収益の90%以上を他社の業務委託手数料に依存しますから、コアビジネスが特に重要です。新規業務参入には商品知識が必要であり、品揃えと職員の販売能力をマッチさせなければ」
「郵便事業会社は、手紙・葉書の減少傾向が止まらない中、新規ビジネスを展開していく具体的プランが早急に必要」
「ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険は、新たなビジネス進出の方向が示されています。一定の枠組みができている既存市場への参入は大変な苦労がともなうことは間違いありません」
◎JPUとしての今後の取り組みは?
「来年4月1日からは『プレ民営化』が始まる。サービスや業務運行に支障を生じさせない体制を確立することが必要です」
■増田政策部長(9月23日号)
◎「基本計画」への評価は?
「日本郵政鰍フ強力なリーダーシップの下、グループ全体の企業価値を高める経営の確立が重要」
◎将来不安と労働条件は?
「経営見通しは各社とも既存業務に限っており、各種リスクに備えるための新規業務を手がけることがぜひとも必要」
「労働条件面は、郵政民営化法173条に『公社の職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に配慮する』義務が明記されています」
◎労働条件の変更は一切ないのか?
「国家公務員でなくなるため、労働条件の変更が生じるものもあります。『出向・転籍制度』も含め、『給与』『勤務時間・休暇』『定年』『退職手当』『共済』『労働保険(雇用保険・労災保険)』『社員区分』等、今後、日本郵政鰍ニの交渉で決定する」
 まるで経営者気取りだ
 新会社それぞれの厳しさばかりを並べ立て、日本郵政鰍フ提起する「基本計画」 「新規のビジネスプラン」以外に道はないと全面評価して、組合員・労働者に対しては「これを遂行できる能力を持て」「苦しくても、民営郵政の成功のために身を粉にして働け」「それが労働組合の役割だ」と言わんばかりの言い草だ。

 サラ金もNHK集金代行も
 「実施計画」を見れば、郵便貯金銀行はこれまでの業務に加え、全国233ヶ所の直営店を新たに設置し、個人ローン・中小企業ローン業務、クレジットカード業務、外貨預金等々を新たに始めるという。
 郵便事業会社は「新たなサービス提供」として、「NHKの委託を受けて集金業務を行なう」とある(別掲)。
 「ローンやクレジットカード業界はすでに飽和状態であり、その結果生み出された膨大なローン難民の存在を巡ってむしろその規制が問題にされている段階にある。NHK集金代行も、身から出た錆とも言える受信料不払いに業を煮やしたNHKが、その尻拭いを郵便事業会社にやらせようというのだ」(全逓文学集団通信)。

<別掲>
 「日本郵政株式会社の業務等の承継に関する実施計画の骨格」
                   平成18年7月31日
                     日本郵政株式会社
(3)民営化時において提供するサービス
 @郵便の業務 A印紙の売りさばき B年賀はがき C国内物
 流事業(小包) D国際物流事業
 Eその他の受託業務
  日本放送協会(NHK)等の受託を受けて集金業務等を行な
 います。なお、ひまわりサービス、郵便外務員を活用して行な
 う地方公共団体からの受託業務を引き続き実施します。

* *
 諸権利・労働協約は全て破棄
 労働条件は、「民営化法で保障されている」と言うばかりで、これも実際、毎年の全国大会で全国の組合員から、「JPS」「スタンディングワーク」「人事交流=強制配転」「深夜勤」「営業ノルマ」「慢性的欠員」など、悲鳴に近い訴えが巻き起こっても、まるで三猿の如く、しかとして、当局に要求すらしてこなかった。労働者の労働条件など彼らの頭の中にないのは一目瞭然だ。まして、全逓の先輩たちが築いてきた諸権利・労働協約を全部破棄して、「出向・転籍」まで制度化させるという。

 NTT型の「出向・転籍」
 NTTは2002年5月、「実質50才定年制」を打ち出し、グループ20万人のうち10万人を退職させ、新たに作った「人材派遣会社」のような子会社100社に再雇用させた。本体残留を希望しても「管理・企画・法人営業がお前にできるか」と、子会社転籍に追い込んだ。50才以下でも「出向」させ、51才になれば「転籍」させた。子会社への再雇用は、賃金はこれまでの3割カット。「仕事は社員自ら事業領域を拡大しろ」というものだった。NTT労組は「雇用確保のために」とこの合理化を受け入れた。
 かつて、全逓石川委員長は「出資条項で関連会社をつくることができれば、効率化・リストラになっても、そこに業務の一部をアウトソーシングして、その会社で頑張ることが可能ですし、業務拡大に再チャレンジすることもできる」(02年8月15日「公益企業レポート」)と語っている。石川も、増田も、「NTT型合理化を民営郵政でもやろう」というものだ。