分割民営化=大量首切り
攻撃との闘いは今からだ!
一度は廃案に追い込んだ郵政民営化関連6法案が、総選挙における自民党圧勝を受けて、10月11日には衆議院で、同月14日には参議院で可決・成立してしまった。07年10月から、持ち株会社の下で「窓口」「郵便」「貯金」「保険」の4つの事業会社に分社化・民営化するというものだ。
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総選挙で、小泉は、「郵政公務員27万人、短時間・非常勤を含めた40万人から既得権益を剥奪せよ」と絶叫した。そもそも、郵政労働者のどこに既得権益があるというのか。何もない。汗水流して働いている労働者に既得権益などあるはずもない。既得権益は小泉ら自民党政府の足下にこそあるのは既に明らかではないか。
郵政を食い物にしているのは誰か
郵便貯金や簡易保険で集めた金の残高は約350兆円。その金が旧大蔵省の特別会計に預託され、財政投融資として政府系金融機関など特殊法人に流れた。財政投融資とは言うまでもなく、各種公社・公団や金融公庫、また地方自治体への投資・融資などを行なってきた、いわば国の第二の予算とも言うべきものだ。01年度の財投改革で郵貯が国債の全額預託義務は廃止。郵貯から特殊法人への金の流れは切れるはずだった。だが、実際には郵貯が国債の一種である財投債を、04年で言えば発行される財投債41兆円のうち22兆円を郵政公社が引き受ける構造になっているのだ。05年2月、谷垣財務大臣は国会で「郵貯は国債引き受けの重要なインフラ」と語った。郵貯を引き続き「国債消費機関」にしておきたいのだ。政策投資銀や国債協力銀行の総裁は今も財務次官OBが務める。理事を含め天下りポストは温存されたままだ。
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郵便・貯金・保険という郵政事業は企業利益と違って公的事業だ。市民生活に不可欠の公的事業だ。赤字になったって継続すべき国の義務だ。私たちは、そういうものとして職場で働き、かつ労働条件を築いてきたに過ぎない。
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既得権益と言うなら、まさに現場労働者が築いてきた郵政事業を食い物にしてきた政府や特殊法人、特定局長、天下りする郵政官僚・全逓(JPU)幹部など、現場労働者以外の連中に過ぎない。
9・30地本委員長会議で
本部は、9月30日に地本委員長会議を開催し、「4分社化による民営化を現実のものとして受けとめ、その上で『公企業論』の考え方に基づく政策提言と要求対置を行なう」として、「三事業の一体経営」「経営自由度の拡大」「雇用の安定化」「働き甲斐の追求」「労使協議制・労働基本権の拡充」などを打ち出している。
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しかし、郵政職場で働く労働者なら、誰でも身をもって知っている。全逓が長い闘いの歴史の中で勝ち取ってきた諸権利を、本部自らがその一つ一つを「事業の発展のために」などと当局に差し出し、人減らし合理化に手を貸してきた。その結果、職場は、慢性的な欠員と労働過重、過労死、自腹営業、精神疾患、早期退職、団結破壊、命令と服従の無権利状態という抜き差しならない状態に陥っている。
まして、本部方針も黒字基調を方針の骨格とする以上、「新たなビジネスモデルの構築」「自由度の拡大」「効率化の推進」という、公社総裁・生田の経営方針と一体のものでしかないのは明らかだ。
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「雇用の安定」についても、9月14日の地本委員長会議では「雇用継承は、民営化までの雇用継承であり、『継続・安定』は確認できていない」と、今頃になって言い始めているのだ。
そして、民営化した4会社の経営規模・採用人数・雇用形態などを決めるのは、4会社それぞれの新経営陣か、持ち株会社か、持ち株会社の前身である「準備企画会社」(別掲・来年1月設立)かということなのだ。
そして何より、菰田JPU委員長自身が、読売新聞のインタビューに「将来は3分の1(10万人)くらいの職員が削減される」と答えている始末なのだ。
「労使協議制・労働基本権」と言うが、「コミ・ルール」を見直し、「事後対処方式」にして、当局の効率化施策にフリーハンドを与えたのは誰だ。基本権どころか、過労死・自殺まで生み出す職場状況をやすやすと許したのは誰だ。他ならぬ本部ではないか!そんな本部に、小泉の民営化攻撃と対決できるはずもない。
国鉄・NTTでは
国鉄分割民営化では、国鉄改革関連8法案が成立した86年11月28日の二日後、国鉄当局は22、778名の希望退職を発表。翌87年2月16日、205、000名のJR採用を決定する一方、6、800名に不採用を通知して、4月1日、分割民営化を強行した。清算事業団は3年後に1、047名を解雇した。NTTは、02年5月「実質50才定年制」を導入し、グループ20万人のうち10万人を退職させ、新設した子会社100者に再雇用させたが、そこでの賃金は3割カットというものだった。
2月「臨時全国大会」を現場の怒りで埋め尽そう!
本部は、「分社化」「民営化」を前提に、「雇用問題」「採用先の決定問題」「統一組織か、会社別組織か」「全郵政との統一問題」「労働条件と交渉ルール」「年金問題」等について、11月25日〜26日の全専従者会議で意思一致を図り、来年2月に、中央委員会を「臨時全国大会」の切り替えて開催し(日程・会場は不明)、一気に突っ走ろうとしている。
民営化法案は成立した。しかし、私たちの職場を決めるのは、国会や自民党などではない。現場労働者自身で職場がつくられるのだと思う。民営化攻撃は、常に組合つぶし平行して推し進められてきた。07年10月まで、待ったなしの2年間が始まる。その当面する最大の闘いであり、出発点が2月の「JPU臨時全国大会」だ。
組合も職場も現場労働者の手に取り戻そう!
現場労働者は今も健在だ。全国の仲間は力を合わせて頑張ろう。
政労交渉と労使交渉の進め方について(本部説明)
政府に対して、郵政民営化の実施に係わる法令等の説明責任を求めると共に、雇用・身分、処遇等に関する政労協議を行なう。
政労協議が開始された後、郵政公社に対して、郵政民営化に向けた準備説明を求めると共に、郵政民営化の実施計画並びに継承計画等に係わる事前交渉に入る。
なお、その際には、現経営陣の交渉当事者能力を検証し、法施行後に設置される準備企画会社(経営委員会)との関係を明確にする。
9/27イベント闘争で生田総裁を一喝!
東京・兵庫県人会が、「県人会第23回ふるさと兵庫ふれあいセミナー」を開き、郵政公社・生田総裁(東京県人会々員・神戸市出身)を講師に招き、「日本郵政公社の経営改革と展望」と題して、イベント(講演後は3千円会費の交歓会)を開催することが判明。
昨年6月30日の高裁勝利判決から1年以上が経過している。不当な4・28首切り処分から26年を過ぎてなお、被免職者の職場復帰を拒み続ける郵政公社・生田総裁に対して、抗議の申入れ・情宣を行なうべく闘いを取り組んだ。
9月27日、夕暮れ時の東京駅八重洲北口の「呉服橋ビル」前。横断幕を掲げ、ゼッケンを着け、参加者にチラシを配布しつつ、生田総裁を待つ。
40分ほど経ったその時、高級・公用車が我々の前を横切り、駐車場に到着。付き添いが二人降りて、最後にその人が降り立つ。被免職者が「生田総裁!4・28処分を撤回しろ!」と怒鳴ると、振り返り、いっとき睨み合う。数メートルの距離。気を取り直して会館内へ歩き出した総裁に、ハンドマイクで「判決に従って処分を撤回しろ!被免職者を職場に戻せ」と力一杯シュプレを叩きつけた。緊急の取り組みだったが8名の結集。感謝。
9/21郵政公社本社闘争を闘う
職員向けの朝ビラ段階から12名の結集を得て、4ヶ所の出入口で、普段の1・5倍の550部の「4・28通信」が配り尽してしまった。抜群の受け取り!
ビラまき終了後は、横断幕等を設営の上、自民圧勝に終わった総選挙の後ということもあり、民営化攻撃と現在の職場状況への怒り、高裁勝利判決が出ても居直る公社を糾弾する抗議情宣を貫徹した。結集は18名。
10/19大崎局闘争を闘う
長く続いた秋雨もやっと上がって、この日の闘い。前日の争団連統一行動の疲れも残るところ18名が結集。局窓口前で横断幕・旗で飾り立て、マイク情宣。総務課長を先頭に職制がパラパラと、立入禁止用の三角コーンとバーを手に出てくる。
大崎局被免職者当該のマイク情宣の後、当局に対して、4・28連絡会との団交に応じるよう、要求書を局長に渡すように要求。総務課長は腕組みして腹で押しながら「受け取らない」「拒否理由も言う必要はない」と生意気な対応を続ける。「判決を読んだのか」の問いにも「応える必要がない」だ。抗議のシュプレと再びマイク情宣。処分撤回・原職奪還の実現まで、最後の勝利までガンガン闘うぞ!
「ただ働き労働」が「適正な労働」なのか
〜「10・3生田文書」を読んで〜
郵政公社生田総裁から「全役職員の皆さまへ〜郵政事業民営化について」と題する10月3日付文書が配布された。
特定局長会が声明を出し、全郵政が方針転換、そして、我がJPU(全逓)も民営化反対の旗を投げ捨て、そして、いよいよ公社トップの生田総裁自身が「民営化=競争の邪魔になる職員は要らないんだ」と、大量首切り・権利剥奪・労働組合つぶしという攻撃の大号令をかけた、のがこの文章と見ていいだろう。長くなるが、抜粋して紹介したい。
「企業間競争の邪魔になる職員を安住させるご時勢ではない」
曰く。
【事業展望】
■公社のガンジガラメの規制を緩和して民間水準に経営の自由度を拡大し、早期にビジネスモデルを改善していくことがどうしても必要。
■「ながいきくん」「投信の販売」「ローソンでのゆうパック取次」など、我々が多少なりとも新しい事に動くと「民業圧迫」の大合唱が起る。そこで政府は、今回、民営化を選択した。
■民営化を必要とする国家マクロの目的の実現に加え、現在の枠組下におけるリスクシナリオから脱却し、自らの努力で「成長」への転換の途が拓かれる。
■私は今回の選挙戦を通じ、国民の多くが日本国全般の構造改革の推進を望んだと思います。
【経営ビジョン】
■郵政民営化法案の内容は、国民の生活の大切なインフラも維持しつつ、努力次第で3つの経営ビジョン(編集部注/@サービス向上、A経営の健全性、B職員の将来展望と働き甲斐)をより良くより大きくしうる内容になっている。
■例えば今回法案には、国際と物流事業に関する公社法の改正が盛り込まれ、これにより国際物流への出資も1年半前倒しして来年4月から可能になる。
■国際市場の開拓や国内の信書以外のビジネスモデルの導入により、増収増益という黒字構造に転換していく方策も視野に入ってくる。
■民営化によって、法人税、印紙税などの新たな租税負担、郵貯・簡保への政府保証が廃止され、預金保険等のコストがかかるが、こうしたマイナス要因を、新たなビジネスの拡大と生産性の向上によってダイナミックに跳ね返していくことが必要。
■市場競争力を強化して勝ち残っていくためには、経営幹部の的確な指揮と職員全員のムラのない懸命な努力が絶対不可欠。
【職員の展望と働きがい】
■「身分保障はどうしてくれるのか」というお気持ちがあるかと思います。この点は「民間企業になると雇用も不安定になるのでは」という心配から生じるのだと思いますが、経営がしっかりしている民間の企業ではそんなことはあり得ません。“事業は人なり”。シッカリした経営は雇用の安定を最重要視しています。
■プロとして自らの役割を果たす努力をしていけば当然公正に評価し遇されます。他方、適正・適切に働かないのに安定的な将来が保障されるべきであるということで安住する様なことがもしあるとすれば、それ自体極めて不公正なことであり、公務員でも民間でもその様な不公正は認められないご時勢だと思います。
■我々も公社になって公務員のままここまで成功体験を重ねてきました。民間人としてできないというのはあり得ない。きっと公務員としての制約から解放され、採用や評価や処遇などの人事面での柔軟性が増し、営業や契約面で規制がなくなり、やりやすくなるというメリットを実感できることになる。
■今回の法案により雇用はシッカリ確保されますし、従前の就業条件も公正に尊重されます。また公社の経営としては、こうした皆さんの心配をしっかり受け止めて、国会で法案の取扱が決まればまず、組合と誠心誠意話し合ってお互いに理解を深め合い、共に明るい将来展望を切り拓いていきたい。
■民間会社として市場での競争力を整備しなければなりませんし、国家保証はないわけですから、自ら結果責任を負わねばなりません。ほどほどに働いていれば誰かがやってくれるのではなく、我々全職員の自己責任による努力にかかっています。でも、やれば必ずできます。
何が“事業は人なり”だ!
民営前から「雇用の安定」どころか、人事交流、4日連続の深夜勤、12時間拘束、立ち作業、パワーアップ研修−降任・降格・給与ダウン、退職強要、過労死・精神疾患・自殺の急増などなど、郵政労働者は最悪の労働条件に追い込まれているではないか。非常勤・ゆうめいとの仲間、委託・請負の労働者は低賃金と劣悪な労働条件を押しつけられている。これのどこが“事業は人なり”か!
「民間になれば、民業圧迫ではない。民間相互の競争だ。文句を言うな、サービス業のプロとして適正・適切に仕事しろ、安住するな」と言いたいのだろう。
適正・適切とは何だ!全国の郵便局でただ働きを強制された労働のことを言うのか。しかも、2年間遡って支払い義務があるのに、公社はわずか3ヶ月分しか払わず、21ヶ月分もネコババしたではないか。これを適正・適切というのか。サービス残業・時間外営業をやれ、自腹営業をしろ!これまでの権利・労働協約に安住するな!と言っているのと同じではないか。
労働基準法さえ守られず
公務労働の場でありながら労基法さえ守られず、「ただ働き」が横行する職場状況が、「過労死」が横行する職場状況が、「長時間労働」が横行する職場状況、際限のない「人減らし合理化」と安上がり使い捨ての「非正規労働者が増大する」職場状況が、民間会社になったら、さらに横行するのは目に見えているではないか。
* *
民営化を迎え撃つ私たちの闘いも、待ったなしに問われている。まずは、07年10月までの2年間が勝負の分かれ目になる。雇用不安がせり出す中で、まるで「生き残りゲーム」のように職場に差別と競争が持ち込まれる中で、労働者として、どう団結を守り抜き、組合を立て直し、闘いをつくり出していくのか、真価が問われる2年間になる。
労働者の団結は労働者自身の作業です。しかも共同作業です。愚痴から反撃へ。一歩前へ!です。頑張ろう。
資料「ただ働き=不払い残業代の支社別支給状況」
(「4・28通信」本紙には掲載)
日本橋局「事務封筒免職」
高倉君激励集会に40名
仲間の30年勤続祝賀会案内に事務封筒を使ったことを「4通320円を横領した」として、日本橋局集配課の全逓組合員高倉真二さんが、今年4月28日付で懲戒免職となった。勤続28年5ヶ月目のことだった。高倉さんは、人事院で争う事を決意して、6月21日に弁護士を立てて審査請求。8月12日に当局から答弁書が出され、高倉さんもそれに対して9月15日、反論書を提出した。
9月20日、こうした経過の報告をかねて、高倉さん激励集会が職場の仲間の呼び掛けで開催された。
最初に古本晴英弁護士が、処分の経過とその不当性、人事院での争点について報告。
■わずか320円で退職金もなく
高倉さんは、勤続30年を迎える職場の仲間二人のために祝賀会を企画し、二人をよく知る15名に呼び掛けることにした。案内チラシを作って、日本橋局の10名には手渡しし、神田局の2人、足立局と田園調布局の各1名の計4名については手渡しができず、集配計画にあった事務封筒4通を使って、貯金保険課の差出として案内チラシを送付した。しかし、田園調布局の人は既に退職していて、郵便は、日本橋局貯金保険課に還付され、開封され、チラシに幹事・高倉真二と記載されていたことから、事務封筒の私用が発覚したのである。4月26日のことである。
■二日後には免職。
検察庁は不起訴処分なのに
4月26日は、高倉さんは休暇だった。当局は、この日のうちに東京監査室に連絡。監査室次長は「明朝、出勤したら別室で待機させておけ」と指示した。
4月27日、監査室の2名が来て、待機していた高倉さんを車に乗せて、監査室に連れ込み、9時半から午後7時まで取り調べを行なった。
4月28日も9時から取り調べが続行された。高倉さんは、出した郵便は4通であることなどを正直に話し、監察官からは「重くても停職1ヶ月くらいではないか」などと処分内容を示されたり、「日本橋局長宛の始末書を書くように」勧めたりされた。 一方、日本橋局当局は、この取り調べ内容と始末書を東京支社に送付し、処分内容の指示を仰いだ所、人事部人事課グループリーダー小瀬澤某から「過去の処分事例等を参考に検討した結果、免職が相当」との判断が通知された。
高倉さんへの取り調べは午後3時に終了し、そのまま待機を命じられていたが、午後7時、日本橋局から副局長が駆け付けてきて、郵便法第83条(料金を免れる罪=1年以下の懲役又は5万円以下の罰金)違反により懲戒免職処分を告げられたのである(処分辞令は国家公務員法82条)。しかも、同席した第一集配課長が「辞職」を勧め、「考えさせて頂きたい」と申し出たとたん、即、副局長から「免職処分」が発令されたのである。
しかし、その郵便法違反事件については、東京地検は5月23日、起訴するに値しない軽微な事件として不起訴処分としたのである。
■あまりに重すぎる
高倉さんと同じ「郵便料金免脱」での処分は、全て免職になっているわけではない。郵政公社の報道発表資料によれば、03年は免職は7名。しかし、停職6月が1名、減給1年、減給4月、減給2月、減給1月がそれぞれ1名づつ、戒告にとどまった者も2名いる。04年は免職が3名いるものの、停職6月1名、停職1月にとどまる者も1名いるのである。
高倉さんへの処分は、「過去の処分事例を参考にした」と言うが、当局の答弁書によっても具体的な事実の主張がなされていない。まして、高倉さんは、個人の利益のために事務封筒を使用したわけではない。本来、職場レベルで祝賀会を開いて30年勤続をねぎらうべきところ、近年、職場単位で開催されることもなく、気の毒に思って、また、職場での仲間意識の醸成を考え、幹事を買って出て主催したものであって、全くの私的な行為ということもできないのである。
■高倉さん頑張れ!
質疑応答の後、高倉さんの決意。高倉さんに会ったのは初めてだが、想像していたのと全く違っていたのでビックリした。勤続28年というが若い!ガッチリした体格で、イガクリ頭で、とにかく健康的なのだ。その彼が、申し訳なさそうに体を丸めて「軽率な行動で、迷惑をかけて申し訳ないです」と目に涙をためているのだ。「許されるのなら、28年間、雨の日も雪の日も配達して流した汗を、仲間の皆さんともう一度流したい」と、朴訥とした口調で述べた。
その後、同じ会場で、職場の仲間が準備したおでん鍋や乾きもの、ビール・焼酎で交流会。中部支部のみならず、多くの職場の仲間が参加。4・28被免職者も大崎局・神矢、赤羽局・斉藤が参加。懐かしい顔もあって交流を楽しんだ。連絡会としても支援カンパを手渡した。
人事院も、いよいよ求釈明・釈明と続き、証人調べに入ることになる。その際はぜひ多くの傍聴を!そして、支援カンパを!
【カンパ振込先】郵便振替口座 10520−5−6874301
加入者名 TSの会
(TSって高倉さんのイニシャル?)
藤沢局刑事失職裁判
次回は12月7日(水)13時10分〜東京高裁820法廷
10月24日、控訴審第3回裁判が開かれた。稲田さんは学生時代の1972年、ベトナム反戦闘争で逮捕された。藤沢局に入局して半年後に執行猶予の判決を受けた。判決当時、当局は新聞報道で知っていたくせに、職場で闘い抜く稲田さんを疎ましく思い「匿名電話を受けて、検察に照会してもらって、初めて知った」などと、2000年11月、27年前に遡って「自動失職」制度を悪用。退職金もなしという悪どさだ。裁判が進むごとに、匿名電話も検察云々も嘘っぱちであることが明らかになってきている。証人も申請した。裁判所も簡単には結審しない。傍聴を。
郵便内務10時間(12時間拘束)2交代制の導入
■18年度の実施を目論んで、公社とJPUが水面下で進める「10時間2交替案」がこれ。これが実施されれば、月の半分以上は「深夜勤」ということになる。現在の「隔週の計8回以下」「3連続・4連続」という「深夜勤」の中でも、過労死が相次いでいるのである。いずれは3分の2が「深夜勤」ということもないとはいえない。
■牛込局アウトソーシングが延期〜アクションプラン・フェーズUの目玉「郵便内務のアウトソーシング」17年度の実施局は牛込局(35名減員予定)だったが、延期されることが判明した。
しかし、18年度は全国の各郵政局1局(郵便内務50人以上の局)で実施する予定だ。郵便内務50人以下の局には「深夜勤務」を導入するという。
資料「10時間2交替制の勤務パターン」
(服務改悪に反対する全国ネット」より)
「4・28通信」本紙には掲載
共闘関係 短信コーナー
■品川臨職デモに88名
品川区の臨時職員佐久間さんが「雇用期限切れ」を理由に解雇されて30年。2年前の地労委命令で「解雇の違法性」が指摘された。安上がり使い捨ての方便である事が認定されたのだ。9月30日、南部交流会の集中闘争として、区役所前集会と区長自宅包囲デモを88名の結集で闘った。
■争団連 秋の闘い
連帯渡辺工業闘争の勝利に続けと、全争議団闘争の勝利をめざして、10月7日、総決起集会を約70名の仲間で開催。10月18日には、統一行動として、連帯労組大道測量闘争が、最高裁決定が出てもなお争議解決から逃げ回る経営を追い詰めるべく自宅闘争を早朝から72名で闘い、昼には、三多摩合同労組中大生協闘争が、不当配転を認める反動判決を盾に、解雇に加え争議行為の一切を禁ずる仮処分・間接強制攻撃をかけてきた生協理事会に対して、中大多摩キャンパス生協前で77名の結集で闘った。不当な対応や弾圧をはね返して、次の勝利へ!
■共謀罪を永遠に葬り去るぞ!
労働運動や反戦運動など「団結すること」それ自体を処罰の対象とする共謀罪。2年越し4度の国会で阻止してきたが、総選挙での自民党圧勝の翼賛国会の中で、またも上程してきた。どうなるかと思ったら、廃案への粘り強い闘いにマスコミもこぞって「現代の治安維持法」と警鐘を鳴らし、とうとう「今国会でも成立を断念」との報道も。気を緩めず、今国会はもちろん、永遠に葬り去るまで頑張ろう。10・1集会や国会前行動、10・22渋谷デモなどを闘った
■事務所をリフォーム!
五反田にある共同事務所「Vプロダクション」。もう25年くらい住みついている。連絡会がここに来てからも15年程になる。地域共闘組織である南部交流会や地域合同労組の南部労組、ふじせ・品川臨職・そして4・28という3つの争議団が入って、それぞれの裁判資料などの歴史が溢れかえって狭っ苦しい。立看・プラカード置き場になってるベランダは鳩一家団欒の巣になり、何度、雛(ひな)が生まれて巣立っていったことか。1ヶ月の奮闘で、見違えるほど快適なスペースに変貌した。フォー!
編集後記
■「〇〇局一読者」さんから一通のはがきが届いた。「いつも4・28通信を読んでいます。問題提起が鋭いと感じます。私は物事・事態が悪い場合に、他の責任にしたり、時代が悪いとしてあきらめてしまいますが、貴通信には、団結してぶつかっていく姿勢があり、スバラシイと思います。9月号の記事で「パワーアップ研修」の事で一言。2頁の記事で「合計100点満点のところ2年連続70点以下…」これは200点満点が正しいです。私もパワーアップ研修に行ってきました。ビックリする制度です。貴通信で詳しくハッキリと実態を伝えてほしいと思います。「知は力」です。ピンチはチャンス。男の子なら泣いちゃいけない・負けちゃいけない。あきらめないで明日に向かってゴー!」とあった。嬉しかった。頑張らなくちゃと思った。
■また、〇〇局の分会長さんからも郵便が届いた。管理者による労働者へのイジメ問題で、「上部組織に相談しても何もしてくれない。自分の力不足で当局と対峙できない、組合員の要求に応えられない。それでも〇〇名の代表として最大限ジタバタしたい。腐っても権利の全逓のはずだから。少なくとも現場の組合員は」と。
■民営化攻撃が、JPU(全逓)の変質に拍車をかける。しかし、このままではいけないと踏ん張っている仲間は一杯いるのだ。