最高裁の政治的判断を許さず、
処分撤回・原職奪還の実現を
民営化・大量首切り攻撃を現場からの力で打ち砕こう
郵政民営化法案・参議院否決にはじまった総選挙は、自民党の圧勝に終わった。しかし、選挙結果がどうであれ、郵政労働者から公務員身分を剥奪し、大量首切りに道を開く民営化攻撃が断じて許されるものではないことは明らかだ。
今、郵政の職場は、アクションプランTでの大幅な人員削減・労働条件の悪化に加え、フェーズUでもってこれに輪をかけた攻撃が推し進められている。その結果、1ネット(一人で全ての郵便物を配達、10時間労働・11〜12時間拘束)、配達デポ方式(拠点局が対面配達、集配特定局などが配達デポとして受箱配達)、2ネット(旧・新集配システム=非常勤による受箱配達)、スタンディングワーク、郵便内務事務のアウトソーシング(外注化ー今年度は牛込局、来年度は全国展開)、郵便課10時間2交代制、これらに加えて人事交流=強制配転、欠員の蔓延と労働過重、深夜勤での過労死の続発、精神疾患の急増、果ては「接遇ー訓練道場」「パワーアップ研修=降格人事」「人活センター」「賃下げ」と、雪崩を打つような攻撃が、JPU (全逓)本部の了解を取り付けながら強引に進められている。さらに、非常勤や委託・請負労働者の仲間たちに安上がり・使い捨て・無権利状態をを強制している。それでもなお、「郵政公務員27万人、短時間・非常勤を含めた38万人から既得権を剥奪せよ」と叫ぶ小泉に対して、腹の底からの怒りを禁じ得ない。 民主党も「民営化法案には反対だが、民営化は賛成」「国家公務員の人件費を2割削減」と広言し、郵政公社・生田はとっくに民営化に舵を切り、JPUも今回の選挙結果に圧倒され、現場労働者そっちのけで、「事業の将来展望のため」に民営化に軸足を移そうとしている。この最悪の状況をはね返すことなしに、職場に未来はない。現場労働者による現場からの反撃で、この民営化・大量首切り攻撃を打ち砕こう。
<4・28>正念場の秋年末闘争を闘うぞ
この選挙結果は、4・28をめぐる最高裁の動きにも影響を与えるに違いない。私たちは、1979年4月28日の大量免職処分攻撃以来、全逓本部の切り捨てにも屈することなく、26年間にわたって、全国の仲間たちに支えられて闘ってくることができた。そして、昨年6月30日、東京地裁の不当判決を覆し、東京高裁で「4・28処分を取り消す」という勝利判決を勝ち取ることができた。判決は「全逓反マル生闘争は労働組合としての争議であり、被免職者らは本部の指令・指導に従ったにすぎず、懲戒免職は許されない。4・28処分は、社会通念に照らして著しく不合理であり、裁量権の行使を誤った重大明白な瑕疵があり、取り消しを免れず、また、無効というべきである」として、処分撤回と職場復帰を命令を下した。まさに、被免職者を先頭に全国の闘う仲間全員の力で勝ち取った勝利判決だ。この勝利判決を絶対に後戻りさせるわけにはいかない。当該局・東京支社・郵政公社・総裁出席イベント闘争など現場実力闘争の強化をもって、処分撤回・原職撤回なくして闘いに終わりはないことを事実として示し切り、勝利をもぎ取っていく決意だ。
「訓練道場」の次は「パワーアップ研修」
降任・降格=58400円の給与ダウン
「接遇マナー」4級未取得者に対する「訓練道場」送りに続いて、「パワーアップ研修」がこの8月から全国規模で開始されている。東京でも9月15日からの二日間、各局の対象者に「洗面用具持参で国立の郵政研修所に入寮せよ」と通知し、「参加しなければ処分の対象。降任・降格も覚悟しろ」と脅している。
昨年4月に給与制度が改悪された。「人事評価結果を給与に反映させる」として、「職務行動評価」(@顧客志向、A自律志向、Bチームワーク、C品質向上、D指導・育成、E倫理・規律)と、「業績評価」(@費用対効果、Aお客様サービス、B業務プロセス、C人材開発)の各評価項目について、◎○△の評価を加え、合計100点満点のところ2年連続して70点以下の職員に対して、「パワーアップ研修」を行い、「行動変革」のための「年間行動計画」を出させ、それでも次の1年が再び70点以下なら降任・降格(給与のダウン)を実施するというものだ。<別掲>
例えば、東京の郵便内務の労働者は、対象者に選定された理由を管理者に問うと 「営業をしていないからだ」と言う。郵便工場のような内務労働者に営業チャンスがあるわけもない。要するに「自腹営業をしていない」というだけのことだ。南関東でも、神奈川から22名、山梨1名が第一弾として、国立研修所に送り込まれた。
今月号では、8月に「パワーアップ研修」に行った東海の仲間の報告を紹介する。(めいなん通信から抜粋転載)。
パワーアップ研修で何が
研修の事前に、当局は「このままでは降任・降格になるから、自分のどこが問題で評価が低いのか、評価をあげるために自分がどうしていくか」という事を書かせた上で「あなたのためなんです」と。
「パワーアップ研修」の対象者は高齢の方(55歳以上が大半)が多くいた。「これから何をやらされるのだろうか」と不安と悲壮感がただよう中、研修は始まり、教室の後ろには5人の教官が監視し、主査教官から研修の目的が話された(別掲の「研修の目的」と同一内容…編集部注)。まるで「厄介者」扱いだった。
その後、「CSのロープレ」と「自分の役割・責任を考える」「主任の役割とは」「業務知識・商品知識・業務処理能力がないとお客様、職場にどう影響を与えるか」という課題のグループ討議が実施された。
■「年間行動計画表」と個別面談
二日目は、今後1年間どう自分が行動するのかの具体的スケジュールを対象者自身に立てさせる「年間行動計画表」の作成と個別面談があった。「自分の取り組むべきことをじっくり考えること」「〇〇個売る、〇〇円売る、〇〇回行なう、〇〇までに行なう」などが良い事例と言う。できた者から担当教官に提出し、チェックが入り、合格するまで書き直すことが要求される。そして最後に、一人当たり2分30秒で 「私の最重要課題」を教官6名と研修者の前で発表し、「行動変革」の決意をさせられる。
「大区分を集中してやり、無駄な動きをせず、超勤削減する」「若い人に見習って無駄なく動く」「局内作業を削減し、早く外に出る」「ミスをしないようにする」 「月3回イベント小包を売る」…などと。これは郵政版「日勤教育」だ。
■プレッシャーに追い込まれ
多くの高齢の方は「こんなことをさせられるなら職場を辞める」「給料を下げられる前に辞めないと退職金まで減る」と口にしている。「この研修後は2割能率アップ・営業アップできるだろ」と事前に課長からプレッシャーをかけられた人や、ある局では「来年降格する」と当局に言ったら、この研修に来なくてもよくなった人もいるそうだ。
■「高齢者への退職強要」そのものだ!
高齢者をとっつかまえて賃下げをちらつかせて「能力アップ」を迫るやり方は、 「退職しろ」といってるのと同じだ。しかも、管理者の恣意的な評価は多くの職場で問題となっており、人事評価制度そのものへの疑問が職場で渦巻いている。
私たちは誰しも歳を取り、体力も能力も視力も低下していく。決して他人事ではない。このままだと、この厳しい職場でさらに体にムチ打ち、文字通り身を削って「自爆」もして働くか、賃金を下げられるか、辞めるか、の選択しかない。このような悲惨な現実をもたらす「能力・実績主義に基づく人事制度」と「パワーアップ研修」は絶対に許せないと痛感した。
研修生配布資料(東京)
パワーアップ研修の目的
●人事評価の結果、明らかになった情報は本人に知らされると同時に、時期に向けての助言、指導が行なわれます。職員は、自分の強み・弱みを知り、レベルアップに向けた取組みを実践することになります。
●しかしながら、そうした努力にもかかわらず、能力や実績が一定レベルに達しない場合には、職員自身にとっても組織にとっても過度の負担となることから、能力・実績に応じた役職等に降任していただくことが適当です。
●このため、管理者を含め、各役職段階に必要とされる能力・適性に照らして、能率発揮が不十分な職員については、降任・降格を厳格かつ円滑に実施するため、降任・降格システムを導入しました。
●降任・降格システムにおいては、原則として人事評価の結果が2年連続して一定水準に達しない職員に対し、個別対話方式による指導を含めたパワーアップ研修を実施し、今後の行動変革を促す動機づけを行います。
●そして、さらに1年再チャレンジの機会を与えることとしていますが、それでも、通算3年連続して評価結果が低い職員に対しては、降任・降格を検討することとなっています。
●皆さんには、この機会を是非前進するチャンスと捉えていただき、今後の行動変革への第一歩として、ハーワーアップ研修を前向きに、そして真剣に受講していただきたいと思います。
注; は当局の引いた下線
「いてもらってはこまる人」?!
今年7月開催の南関東支社〇〇局経営推進会議の資料(局長作成)の中に、こんな項目が!
* * * *
「役職者になる」と「役職者である」の違い
人は5種類に分類できる(お釈迦様)
(1)いなければならない人
(2)いたほうがよい人
(3)いてもいなくてもどちらでもいい人
(4)いないほうがいい人(じゃまになる人)
(5)いてもらってはこまる人
第60回JPU全国大会(奈良)
速記録に見る全国の職場状況(その2)
先月号・今月号の2回にわたっての連載です。「通信」を読まれた仲間の皆さん。「俺の職場と同じことが全国どこの職場でも起きているんだなァ」と思われたことでしょう。
JPU本部(地本も支部も)が情報支配・管理を強めている中で、全国大会のみならず支部大会での発言すら組合員に周知されていないのではないでしょうか。情報を広め、時間差・地域差でかけられてくる攻撃を共有し、一歩前へ闘いを推し進めよう。
●不払い残業
【東北】超過勤務手当が不足した場合の支社への上申方式を廃止し、事実発生主義へと見直しがされる。しかし、組合員の危惧は、超勤予算を使い過ぎると評価に影響するなど、現場管理者が社の目を気にして適切な対応にならないのでは、といった点だ。【東海】勤務時間管理も同様だ。各種報告物や営業、JPSの形づくりに追われる一方で、経費削減をしろと神わざが求められている中、管理者も役職者も職員どうしもほとんど見て見ぬふりをしているのが現状。超過勤務手当が予算主義から発生主義へと改善されることになったが、使用目安額をオーバーした場合は支社からの厳しい指導があることから、結果として従来と変わらないのではとの心配もある。
【中国】3ヶ月間の調査で32億円という結末になった。しかし、32億円は氷山の一角だということを皆んな感じている。
●貯金・保険
【南関東】集金件数が減ったから減員するのでは、客との会話を大切にしてきた外務職員という財産を失ないかねない。
●郵便輸送
【四国】本年4月、四国でも軽四取集便の競争入札が行われ、支社管内8局中5局を他業者が落札することとなった。公社スタート時、公社として、郵便輸送を子会社化し、自前の運送を持つことで輸送の将来展望を確立するとした方向は、今日どうなっているのか。
【北陸】北陸輸送支部においても、一昨年12月の競争入札により31名が退職し、残った組合員も大幅な賃金ダウンなどの労働条件引き下げを余儀なくされた。
●年末始繁忙手当
【九州】現行の20日間は必要とのスタンスです。
【沖縄】公社の示した案は、年末始繁忙期間が12月19日から1月3日となっており、今年の1月2日問題を含めて、郵便関係労働者が納得できるものではない。
【東海】公社案では、日曜休配復活に伴う週休非番の均等制や年休制限、廃休による連続出勤に対する補償が全くなくなった上に、職場事情に必ずしもマッチしていない能率向上手当や業務精通手当への上乗せが示されている。現場職員の働きがいにつなげるためには、職員に見えやすく、わかりやすい手当とすることが大切だ。
●新集配システム
【四国】現在試行中の新集配システムは、通区率の維持向上、非常勤の定着と、品質、営業展開という課題が当初の目的に至っていない。
【東北】現行の新集配システムを見た場合、基本理念と実態との乖離が相当認められ、受箱配達と対面配達の切り分けの再整理など総括をしっかり行なうことが必要だ。
●非常勤・短時間職員
【四国】非常勤職員の身分はパート労働法より劣悪だ。もともと国家公務員職場における非常勤の位置付けは、本務者がやむを得ず欠員状態での非常勤雇用の考え方になっており、非常勤雇用を前提とした現在の郵政事業運営実態と大きくかけ離れた状況にある。
【東京】非常勤職員の雇用について、6ヶ月雇用から2ヶ月雇用に切りかえられるという実態がある。非常勤労働者を安上がりの労働力、何でも言う事を聞く労働力として見る向きが少なからず現存していることを意味しているのではないか。東京ではここ数年、短時間職員の採用がなく、そのことが何よりも短時間職員の不安・不満になっている。欠員については短時間職員の採用による補充によって充足する必要がある。【関東】関東の職場の大きな課題として解決されないのが、慢性的な非常勤職員の不足だ。多くの個別施策の中で、様々な非常勤施策が提案されているが、果たして公社は必要な非常勤職員を確保できる確証があって提案しているのか。
【北海道】非常勤の方々の思いは、組合員の負担増でも、雇用の保障でもなく、労働組合が身近に感じられ、自分の問題に対して組織が対応してくれる、このことが一番の関心事であり、信頼できる組合役員と働きやすい職場をつくりたいというものだ。【東北】本務者への試験制度、特に面接試験の改善が必要だ。今年度の二次試験=面接で多くの非常勤が不合格となっている。不合格になった非常勤職員に聞いてみると、営業関係の質問が多く出され、それにうまく答えきれなかったと言う。ここにも、現在の営業中心の弊害が現れている。営業そのものを否定するものではないが、余りに行き過ぎた対応は優秀な人材の芽を摘むことにつながる。
【近畿】非常勤職員の予定雇用期間は、人事制度改革により、協約・規則で「1年以上続けて雇用される非常勤職員は6ヶ月雇用」となっているが、現実は任命権者すなわち局長の判断により、いまだ2ヶ月の予定雇用期間で雇用している局が多く存在する。6ヶ月ではなく2ヶ月の予定雇用期間とするのは、予算措置等の理由から、いわゆる定数非常勤は6ヶ月、その他の非常勤は2ヶ月の予定雇用期間とするのが主な理由だ。
●職員満足度
【北陸】私は、今の現状・職場では、集配業務に追われ、とてもESを感じ取ることはできない。冒頭、本部に対し、元気で明るい職場を何としても取り戻すことを強く要望する。郵便局現場は、業務運行を確保するのに精一杯であると同時に、目標達成主義と成績至上主義が台頭し、ES向上とは名ばかりで、働き甲斐のある公社とは程遠く、疲労感とあきらめが蔓延している実態がある。
●人事評価
【南関東】この制度を利用して職員間の差をつけることを目的化し、本来の目的である人材育成のツールして活用されていない。
【中国】評価に伴う精通手当にも問題がある。一例を挙げれば、郵便外務の手当は通区がカウントされるが、現状の職場実態では、通区率を上げようとしてもできない状態だ。形だけの通区訓練計画はあっても、できません。訓練用の超勤賃金は一般業務繁忙に食われているのが実情だ。新集配、2ネットになれば、さらに通区する機会が失われる。(了)
大森局で郵便課35歳の職員が急死!
8月25日午前、郵便課の総務主任が35歳という若さで急死した。職場の過重な職務内容から推して過労死であることは明白だ。
■誰が倒れてもおかしくない職場実態
亡くなったSさんは、若き総務主任でバリバリの働き手だった。だが、この一件は決して彼個人の問題ではない。今日の郵便局の過酷な業務実態を知るならば、誰が倒れてもおかしくないことを理解するだろう。その上で、Sさんの最近の勤務状況を見てみれば、彼が肉体的にも精神的にも限界にあったことが推察しうる。
■ガンは「深夜勤」と「新夜勤」
郵便課は、夜間帯に集中した変則勤務が特徴的だ。中でも「深夜勤」と「新夜勤」がガンであり、その廃止要求は勿論のこと、当面の課題としては指定回数の制限が労使間の争点とされてきた。局規模により差異はあるが、大森局のような普通局では、「新夜勤」(16時間勤務)が主体で、この「新夜勤」が1指定(4週間分)に5、6回入るのが普通だ。宿直責任者の課長代理は自分の仕事を「解放時間」にやらざるを得ないのが実情で、結局仮眠もできないという。そして、課代を配置しきれない 「新夜勤」の日にはSさんのような総務主任が代行させられることになるが、なぜか代役の手当はつかない。全く割の合わない責任だけの押しつけである。
この不眠の深夜長時間労働である「新夜勤」を終えると、皆一様にくたくたになって退社する。それでも定時(朝9時15分)で帰れるのはよい方で、業務上の不符号などで1、2時間の居残りをすることも結構ある。こうした事故処理対応が心身に及ぼすダメージは凄まじく深い。ところが、管理者連中にはその苦労をいたわる気遣いが寸毫もないばかりか、むしろ、その当事者を犯罪者のごとく責め立てることに使命感を覚える始末なのである。彼らにとっての労働あるいは労働者の価値とは、「真っ向サービス」などといった空疎で無内容な迎合念仏=マル生スローガンを、誰よりも厚顔この上なく絶叫しうる「考動」体質であり、その様なことに秀でた人達のことを指すのであろう。すなわち、そういう意味合いすら全く知覚させない、鉄壁の感性で武装した、反労働者的な人のことである。
このような予備知識を前提にした上で、Sさんが死に至った無念の気持ちを追想してみよう。
■新夜勤翌日の休日指定は、絶対に守れ!
Sさんは、8月に入って、亡くなる25日までの間に、やはり「新夜勤」を5回勤務している。そのうち何と2回も、「新夜勤」翌日の休日(週休または非番)を廃して出勤しているのである。さらに、もう1日マル超があった。そして、最後の「新夜勤」(22〜23日)の翌々日の朝(調整夜勤指定日)に、家族が気がついた時には亡くなっていたという。新夜勤明けの疲労は、翌日の休日1日だけでは完全に回復しきれないのが普通だ。そこへ持ってきての廃休・マル超の連続だ。こんな無茶な勤務を続けていたらどんな屈強な人であれ、いずれくたばってしまうだろう。
言っておくが、Sさんが、好きこのんでこんな勤務を申し出たわけでは断じてない。当局が進める人件費抑制政策としての職員削減の結果が、業務上の最低要員配置すらも確保できない職場実態を生み出し、休暇要員配置はおろか絶対に必要な分担そのものを埋まらなくさせてしまったことが減員なのだ。その責任を管理者連中が取るでもなく、ツケの後始末をあくまで現場労働者に転嫁するやり方だ。「分担が埋まらない」「業務が回らない」からと言えば通ると思っている。そして、狡猾にも弱い立場の人や下級職制を狙って強要するのである。
死んでしまってからでは遅い。皆、まず最低限の休日は守ろう!それが自己防衛のための合法的手段=権利なのだから。そして、組合だ!総分会は今回の事態を重視し、まず当局の責任を断罪し追及しよう。さらに組合上部も同罪であることを自覚させ、対応を迫ろう。二人目の死者を出させないために行動し、闘おう。それがSさんの無念の思いに応えることだと思う。
■フェーズU=民営化を阻止しよう!
公社総裁生田は、国会の説明委員として、自説の民営化賛成論をぶった。曰く「手足を縛られたままの公社では立ち枯れするのが必定。道は、自由を与えるか、民営しかない。その準備は万全です」と。小泉首相はご満悦で勝負に出た。
俗にいう企業合併や民営化とは、リストラ、首切り合理化である。郵政公社もアクションプランと称して先取り的にそれを実行している。フェーズUでは1万人削減、アウトソーシング(外注化)、郵便内務の10時間2交代制勤務等々が策定されている。すでに、フェーズT実施による人員不足や、JPSという新たなマル生運動がもたらす職場の歪みなどで、現場の労働条件は最悪の状況となっている。急死=過労死の続発がその実態を物語ると同時に告発している。企業防衛のために労働者が殺されてたまるか。「競争より団結」を肝に銘じ、死に追いやられる前に闘おう。【投稿】
深夜勤廃止裁判いよいよ証人調べへ
深夜勤を導入した就業規則の不利益変更の無効を求めて、組合の枠を越えた全国14名の仲間が東京地裁に提訴した裁判だ。恐れていた通り、深夜勤職場では現職死亡が続出している。裁判闘争の裾野を広げ、「命を削る深夜勤」を一日も早く葬り去ろう。
6月16日の第10回公判で双方の主張が出揃い、裁判はいよいよ証拠調べの段階に入る。原告団の主張は、@仮眠時間もなく、連夜の連続勤務である「深夜勤」は、今までの「新夜勤」よりもはるかに過酷な勤務であり、健康への深刻な影響が避けられないこと。A労働条件面でも救済措置が不十分であること。B労働者側との協議が尽くされていないこと。Cそもそも「深夜勤」を実施する必要がなかったこと。に尽きる。秋からの公判では、これらのことを原告本人や専門家などの証言で明らかにしていく予定だ。
[10時間勤務(12時間拘束)の2交代制勤務]が導入されれば、月の半分は 「深夜勤」ということになる。いずれは3分の2が「深夜勤」ということもないとは言えない。それを阻止するためにも、この裁判は重要な意義を持っています。
【「服務改悪に反対する会」ニュースより】
裁判日程
10月20日(木)証人調べ(1名)
10時〜17時 東京地裁705号法廷
10月31日(月)証人調べ(5名)
10時〜17時 東京地裁722号法廷
南関東だけで500名もの欠員が
南関東地本の議案書によると、今年6月30日現在の欠員状況は、普通局の内務が90名、外務が250名、特定局の内務が150名、外務が10名。トータル500名の欠員だ。外務職員の欠員は計260名で、そのうち郵便外務の欠員は200名前後だという。
今年度の新規採用は、予定数90名のところ、197名を採用し、郵便外務に約110名の欠員補充を行なったが、不足数には追いつかず、なおかつ、6月末勧奨退職の実施によって、欠員はトータル500名になっているというのだ。南関東支社だけで500名の欠員なら、全国でいったいどんな数になっているんだろう。
南関東支社によると、来年度の採用予定数は内務335名、外務170名だという。向こう半年間、この欠員状態のまま業務運行を行なうというのだ。しかも、来年度は現在の欠員とほぼ同数の505名を新規採用すると言うが、来年3月末には勧奨退職および定年退職が待ち受けているのである。505名では欠員はいっこうに解消されない。
■非常勤職員8時間雇用へ
JPU(全逓)6月全国大会で、非常勤職員の雇用実態が問題とされたが、7月の南関東地本大会で、その後の交渉状況が報告されている。それによると、地本は欠員の代替労働力になっている非常勤の処遇改善について8時間雇用を強く求めてきたが、支社内の調整が図られ、「非常勤職員の安定確保・定着対策の実施」として「6時間から8時間雇用への切替え」という郵便局指導が行なわれたという。これによって、例えば、有給休暇の賃金補償は8時間分となることや退職金の支給(毎年度末5万円)など労働条件は前進することになる。
しかし、当局は「安易に雇用時間を増やすことは、退職手当の支給など高コストにつながる」として、@一人あたりの配達持ち出しエリアの拡大、A雇用時間延伸に伴う配置人数の見直し、B配置人数の見直しに伴う区間走行に係る時分および雑務時間等の削減などの検討を行い、非常勤職員へ承諾の確認を行って、実施準備を進める、と労働強化施策を打ち出してきている。
日本橋局「事務封筒免職」報告・激励集会
仲間の30年勤続祝賀会案内に事務封筒を使ったことを「4通320円を横領した」として4月28日付で懲戒免職となった集配課のTさん。人事院で争うことを決意し、6月21日に請求を行った。8月12日に当局から答弁書が出され、Tさんも反論書を9月15日に提出した。この闘いを支えようと会員も集まってきている。9月20日、報告を兼ねた激励集会が開かれた。【詳細次号】
共闘関係 短信コーナー
■9・14反弾圧闘争160名余で闘う!
9月16日、第30回目の全都反弾圧集会・デモが闘われた。集会会場の京橋プラザ区民館前には、労働運動弾圧専門の公安刑事が33名もカメラやメモを持って集会参加者を威嚇する。とんでもない奴らだ。集会は、@「日の丸・君が代」被処分者の会などの連帯挨拶や、反戦ビラ入れ弾圧と闘う立川自衛隊監視テント村などの決意表明を受け、「共謀罪反対」「労働契約法反対」の2本の決議を確認し、銀座から霞ヶ関官庁街へとデモ。郵政公社に対しても「民営反対!4・28反処分!」のシュプレを叩きつけた。盾を振りかざすデモ規制を断固はね返し、総括集会。
9月5日には、9・14実行委として、日の丸・君が代処分と闘っている都立北養護学校の渡辺厚子さんを講師に学習会を開催。
■9・2南部反弾圧集会
「こんな時代だからこそ!職場に労働者の権利を」のタイトルで、労働運動の歴史や労働基準法・労組法などの法的権利と労働者が現在置かれている実態などを学習。職場報告として、全関労東急分会、全逓芝、南部労組(地域合同労組)のイデーやテックの仲間が、現在の職場攻防を報告。地域で共に闘っていくことを確認。
■中大生協闘争に間接強制攻撃
三多摩合同労組に加入する図書館パートの闘い。有給休暇・雇用保険も認めない生協の違法行為を指摘したら処分・配転命令。その後、配転裁判で敗訴が確定、解雇を強行してきた。それでも闘うことに対して、生協理事会は、8月5日、仮処分・間接強制を東京地裁八王子支部に申し立てた。中央大学や関連施設、理事長自宅など、合計12ヶ所の半径200m以内での一切の争議行為を禁止し、団交要求は面会も電話も電報も一切禁止し、違反すれば1回につき30万円を生協側に支払え、というものだ。10月18日、争議団連絡会議(争団連)の統一行動として中大多摩キャンパス生協前闘争を闘う。結集を!