07年。民営攻撃に立ち向かう団結を!
今年こそ4・28闘争勝利の年に!
 
    (元旦闘争「40名の職制暴力をはねのけ、元旦闘争で幕を明ける」)
 今年一年頑張るぞ!
 今年も、連絡会宛てにたくさんの年賀状を頂いた。冬季カンパも多くの仲間から寄せられた。年賀状や振込用紙に添えられた激励や決意の一言。
●厳しいときだからこそ、何よりも仲間を大切にし、団結を強化します。●今年こそ最高裁で勝利判決を勝ち取りたいですね。●労働組合の再生。闘いうる労働組合を!4・28闘争の勝利に向けて共に闘いましょう。●一日も早い最高裁闘争の勝利を共につかみとろう。●肝要なのは不屈の精神と作戦。●どこに居ても苦労もあり、落ち込むこともありますが、それでも充実感が大事と思っています。今年4・28勝ちたいですね。●格差社会・弱者切り捨てを許さず、07政治決戦に猪突猛進したい。●退職しました。パワハラによるうつ病性障害。60才までという気持ちでおりましたが悔しいです。無配特定局でも若い人も、それなりの年齢の人も、壊れそうな状況でいます。●郵政民営化との闘いは今年が関ヶ原です●処分撤回・職場復帰の実現に向けて今年も大いに闘って下さい。小生も不当免職から早38年。4・28通信を見ていますと、昔果敢に闘っていた時を思い出します。●被免職者の職場復帰願っています。●郵政民営化攻撃を許さず、今年こそ解雇撤回・職場奪還の勝利の年に。●年ごとに悪くなる日本の政治。今年はどうなるのでしょうね。●07年10月いよいよ民営化。本格的な労働運動の質が求められています。関西の労働者はアキラメていません。大きな波を職場からつくろう。
 多くの仲間たちの思いを、今年07年の闘いにつなげていきたい。本年もよろしくお願い致します。

 今月「帰属会社の内定通知」
    しかし、その先は?

 全国の職場の仲間の皆さん。
 2007年10月1日の「郵政民営・分社化」攻撃。いよいよ激動の年が明けた。帰属会社は、本人希望を踏まえて、1月15日、所属課長から「日本郵政株式会社・西川善文」の名前で「内定通知」の文書を渡され、「帰属会社」が課長の口頭内示という形で告げられた。帰属会社が希望に沿わない場合の苦情処理申請は2月2日までに行ない、その結果は3月頃までに通知される。そして、「帰属会社と労働条件の通知」は8月から9月にかけて行なうという。
 希望通りの帰属会社になったとしても、「帰属会社の業務内容は変化するので、民営・分社化後、同じ業務のみを担当するとは限りません」「帰属会社の決定は、将来にわたって同一の会社、局所、業務に就くことを約束するものではありません。業務等は会社発足後の人事配置で変わることもあります」との但し書きまで付いている。 「通信」前号で紹介した「内務職」「外務職」の職種統合は配転攻撃を自由にする以外の何物でもないし、先月、日本郵政㈱が提案した「労働条件」では、「出向・転籍の実施」を打ち出し、その「出向」は「本人同意は不要」と言い切っている。

 民営前の今でさえ
 そして職場は、民営を前に、すでに「コスト削減」を第一義に、一千局を越える集配局の集配業務の廃止(現在628局)、全国19万本あるポストのうち都市部・近郊の4万本の早朝取集の廃止、人減らしと非常勤化、慢性的な欠員状態、「立ち作業」など全く意味のないJPS=トヨタ生産方式、労働者を過労死に追いやる「深夜勤」、営業ノルマと自爆営業の強要、賃金抑制と「成果給」導入による競争意識、「マナー研修」「訓練道場」などなど…。結果、現職死亡、自殺、精神疾患が急増している。こうした職場状況の中で、この1年間だけで全国で勧奨退職希望者が1万4千人にのぼった。「このままでは心身共に壊れてしまう」…。これが職場の仲間たちの、特に年輩労働者の実感ではないだろうか。

JPU中央委議案は「会社利益第一主義」だ
  組織統合は「絶望の未来へ」の入り口

 2月15日~16日、全逓会館で第121回中央委員会が開かれる。日本郵政が12月に提案した「人事・労働条件」に対する本部の交渉スタンスと共に、昨年9月に全郵政に対して組織統合の条件として約束した「過去の運動の総括」が文章提案されている。
 労働条件向上は二の次でいいのか
 「地域給」は「公社時には導入しない」となったものの、「内外職種統合」はこの中央委員会で妥結承認を求めるとしているし、1048局に及ぶ「集配廃止」は今年1月以降、残りの420局全てで実施するとしている。集配業務の中に営業・マネジメントを組み合わせるという「ビジネス地域の外務のあり方の検討」も「営業力のアップ、サービス向上、従事する組合員の意欲向上のためにも必要」などと経営の言うがままだし、1ネット(一人で集荷・対面配達・営業を10時間労働で)の試行継続に伴う勤務時間等の協約改定も中央委に一任しろと言う。現場から即刻中止を強く求められたJPS=トヨタ生産方式は、「本部ー本社、地本ー支社、支部ー局の間に意思疎通の場を設ける」としているが、その名称は「JPS推進分科会」だし、立場は「真に生産性向上に結びつけるべく」というものだ。さらに、「公社から強く提案されている」という「郵便内務のアウトソーシングの実験実施」も「非常勤確保難」を理由に了承の構えを見せているのである。

 まるで「全郵政への吸収合併」
 全郵政は、昨年6月定期大会の議案で「全逓は反マル生運動以降、現実路線に転換、綱領を廃止、組合名称を変更した。しかし、一部地域で未だに旧全逓運動を引きずっている行動が見られる」とした上で、「JPUが自ら過去の運動を総括すること」を前提に「対等合併」を提案し、これが「反事業勢力を一掃するチャンス」だとして、「旧体質の職場実態や働かない職員をどうするかは、JPUに対しても突きつける」とした。そして7月、合併の条件としてJPU本部に①事業の発展などを基本とする全郵政の「綱領」を基本とすること、②連合運動を基軸に、左右の全体主義を排除すること、③「対等合併」とすること、④JPUが自ら過去の運動の総括を行なうこと、を要求した。JPU本部は9月、これを全面的に認める屈伏的回答を行った。即ち 「生産性向上運動など全郵政の綱領・運動方針を基本とする」「左右の全体主義の排除」「対等合併=組織・人事は数の論理で対応しない。組織指導を徹底する」「過去の総括はしかるべき決議機関で明らかにする」としたのである。
 その総括が、今中央委議案・付属資料「私たちの運動を振り返って=そして未来へ=」というA4版5頁の文書だ。その骨子は、曰く…。
【労使対立と労々対立の長く不幸な時間を生み出し、「反マル生越年闘争」のように社会や事業に対し悪影響を及ぼしたこと、郵政関係者に精神的な苦痛を与えたことは、歴史的な教訓として自戒の念を禁じ得ません】
【1965年に全郵政が結成されました。当時の激しい労使対立に加え、組織分裂の衝撃が感情論となって噴出し、全郵政組合員に対する暴力的な行為等、労働運動を逸脱する突出した行為があったことも否めない事実であり率直に反省するものです】
【民営郵政は市場変化に的確に対応し事業の成長・発展を実現しなければなりません。そのためには、事業の発展が労働条件の向上につながることを前提として、生産性の向上、収益の拡大等に労働組合自らの課題として積極的に取り組んでいくことが重要です】
【こうした認識に立って、明るい未来を切り拓くために、私たち自らの意識改革を更に取り組み、自由にして民主的な労働運動を全郵政の皆さんと共に推進することが、私たちに課せられた責任であり、歴史の要請であることを強く認識し、ここに民営郵政時代を切り拓くエネルギーを結集することとします】
 *
 とんでもない総括だ。
 「三役解雇と団交再開闘争」「非常勤本務化闘争と大幅増員闘争」「電通合理化反対闘争」「特定局制度を温存させる『簡保積立金転貸債』反対闘争」「日曜配達廃止闘争と新聞日曜夕刊廃止への波及」「頸肩腕症などの職業病闘争」「労務政策変更闘争」「スト権スト」「反マル生闘争」などなど、全逓結成以来、先輩たちが築いてきた闘いの歴史の中で、流した血と汗の分だけ、劣悪な労働条件を改善させ、職場に労働者の権利を打ち立ててきたのである。闘いの詳細は資料でぜひ調べて見て下さい。 こうした全逓の闘いを敵視し、当時の郵政省は1961年「新しい管理者」というテキストを作って「組合に反動と呼ばれるようになれば管理者は一人前であり、名管理者と謳われる」と煽り、組合つぶしのマル生攻撃が開始された。そして、1962年、郵政大臣自ら組合分裂=第二組合結成を密かに働きかけ、全郵政が分裂結成された。以来、当局は全逓の闘いをつぶすために全郵政にスト破りをさせる、「全郵政赤ジャン部隊」と呼ばれる暴力襲撃もあった。郵政省は、この全郵政を優遇・育成する一方、全逓組合員に対する人事・宿舎・転勤などありとあらゆる組合差別を行なった上で、局長自ら「全逓を辞めて全郵政に入った方が君のためだ」と組合脱退を強要し、結果、組織率は激減、反動と呼ばれる管理者が跋扈(ばっこ)し、組合活動への介入や、処分の乱発、命令と服従の暗い職場になっていった。1978年暮れの「反マル生闘争」は、こうした省当局の労務政策を変更させるために闘われた闘いだった。労働組合・労働者としての当然の闘いだった。この反マル生闘争で、61名の首切り、286名の停職を含む8千名を超える大量処分が発令された。4・28処分だ。指導責任より現場労働者を狙い撃ちにしたことで、4・28処分自体が「団結権を破壊する不当労働行為」と言われたのである。
 反マル生闘争をはじめ、幾多の闘いには当然理由があり、歴史的な必然性があり、闘いに立ち上がった全国組合員一人ひとりの思いがある。
 先輩たちが築いてきた闘いの歴史を改ざんし、踏みにじり、総懺悔的に「全郵政に謝罪し」「生産性向上運動を基本とする全郵政の綱領・運動方針に従う」というのである。私たち4・28連絡会は、反マル生闘争を闘い、首を切られた仲間の職場復帰を求めて闘っている者として、こんな総括と組織統合は絶対に認められない。

 ●組織統合検討協議会・中間報告
「全郵政綱領を基本に、逸脱は許さない」
 昨年9月14日を第1回として9回開催したという。「原則・部外不公表」ということだから、かなり生臭い検討内容なのだろう。その中で、「中間報告」として公表された内容は…。
基本理念と基本政策
     逸脱の排除

 
全逓にとっては一度廃棄した「綱領」だが、全郵政の綱領や上記のJPU基本的考えに基づいて新組織の基本理念と「綱領」の策定を検討し、その際「友愛」の文言を挿入するという。
 基本政策は、憲法・安全保障問題等は連合方針に従い、政治活動は民主党を基軸として、「組織方針や運動を逸脱した行動等は内部で整理する」とある。
 安倍反動内閣は、昨秋の臨時国会での、愛国心を前面に押し出した教育基本法の改悪、防衛「省」への格上げを強行し、今月から始まる通常国会では憲法改悪に向けた国民投票法案をさせるとしている。連合も民主党も、教基法・防衛「省」と同様、改憲も国民投票法案も基本的に賛成の立場でしかない。
 「逸脱行為は整理する」とは、除名を含む制裁を意味するのだろう。これが政治課題のみならず、職場闘争についても及ぶのは、先の全郵政の発言から見ても明らかだ。
会社別の組合にはしない
 「新会社5社全てに対応する単一組織とし、会社別組織にはしない」としている。 全郵政もJPUも、持株会社・日本郵政㈱を軸とする「グループ経営」を求めているからだ。「グループ出向・転籍制度」もこの考えから生まれたものだ。この関係で「民営化後の子会社について、本体組織との関係を検討」とあり、出向・転籍は子会社も含む広範囲なものになる可能性もあるのだ。
組合費引き下げと役員給与
 「組織統合のメリットとして組合費を引き下げる」という。額は継続協議としつつ、「役員給与体系」も検討するという。JPU本部役員の年収はいくらか。基本給・調整手当・扶養手当・専従手当・通勤費・ボーナス・単身赴任手当・帰郷手当・住居手当・調査研究費・などで平均1300万円を超えるのだ。労働貴族としての身の保身だけは図り、申し訳低度に組合費を若干引き下げるということだ。こんな連中に現場感覚を期待しても無駄という他ない。
被免職者の組合員資格
 「組合員の種類と範囲は継続協議」とある。現在の組合は一旦解散して新組合結成ということなのだろうが、組合員資格継続の手続きについては何ら言及されていない。JPUの組合員ならば自動的に新組合の組合員となるのか、一定の条件(宣誓書等の踏み絵?)を付けての再登録という手続きを取るのか。4・28被免職者は、全逓本部の闘争終結強行に伴い、91年6月、組合員資格を剥奪されたが、これと争い、98年12月の最高裁勝利決定で組合員資格を回復した。組合費を払い、組合室への立入りなど組合員としての権利を求めているが、権利行使は妨害され、常に排除の姿勢だ。現行組合規約は[別表第1 組合員の範囲と種類]の中で、本務者等の他、「〓企業離籍した者および退職者、組合活動を理由に解雇、免職により職員としての資格を失った者で、中央執行委員会が組合員としての資格の継続を認めた者」も組合員としている。4・28被免職者はこれに該当して、現在もJPU組合員だ。反マル生闘争も4・28反処分闘争も敵視する全郵政そしてJPUが、被免職者を排除するために、どんな規約と手続きを編み出すのか? 被免職者は本部に対して直接問い質していく予定だ。注目を!
 声を上げれば変えられる
 JPUはもはや、かつての「権利の全逓」ではない。実施計画に対しては、各事業会社の厳しさを並べ立て、「私たち自身もスキルを高め、新規ビジネス提供能力を習得しなければならない」と語り、「JPUスクエア(全逓新聞)」新年号の見出しは「すべての郵政関係労働者が一つになって“新生”日本郵政の船出を成功させよう」だ。本部の頭の中は「郵政労働者は労働条件を二の次にして、会社の利益にために身を粉にして働け」というものでしかない。
 しかし、昨年夏のJPU大会は、全国各地の代議員から、現在のどうにもならない職場の実態がリアルに切々と訴えられた。そして、この現場組合員の怒りの声が、 「2ネット」実施を7支社で延期させ、「外務職員不採用方針」も変更させたのである。現場労働者こそが職場をつき動かしていけることが実証されたのである。状況に流されず、あきらめず、愚痴を言い合い、職場の声を一つにしながら、分会を、支部を現場の手に取り戻していこう。

 最高裁決定は確実に近づいている
  今年こそ、職場復帰の実現を!


 06年6月30日の高裁逆転勝利判決から2年半を過ぎた。最高裁に対する双方の主張からも2年が過ぎた。最高裁にかかる事例のほとんどが1年以内に判断が出ているのにである。これだけ取って見ても、最高裁決定はいよいよ、いつ出されるかという段階に入ったと言える。「4・28」担当の第三小法廷裁判長に就任した那須判事も、就任会見で「忘れたころにではなく、国民が関心のあるうちに結論が出ることが必要だ」と裁判の迅速化の重要性を強調していたのである。
 ましてや、今年10月民営化となれば、なおさらの事だ。高裁判決を不当として最高裁に上告した日本郵政公社は10月1日をもって消滅するのである。最高裁は10月1日以降、一体誰に対して決定を出すというのか。どこが裁判を継承するのか。持株会社の日本郵政株式会社なのか、被免職者の「帰属会社」である郵便事業会社なのか。加えて、高裁判決は「免職処分を取り消し、日本郵政公社の職員たる地位を確認する」という判決だ。最高裁決定が10月1日以降なら、7名の原告を一体どこに戻すのか、日本郵政公社以外の会社を明示しなければならないのだ。困るのは最高裁だ。最高裁は、10月1日が来る前に、さっさと公社の上告を棄却して、被免職者を元の職場に戻せ!

  40名の職制暴力をはねのけ、
     元旦闘争で幕を開ける

 今年の元旦/年賀出発式は日本橋局。式典は8時から8時半で、郵政公社総裁・生田正治、東京支社長・伊東高夫、日本橋局長、総務大臣・菅などが挨拶した後、花束贈呈、除幕、そして郵便夫姿での年賀配達の出発というものだ。
 4・28不当処分からすでに27年が過ぎている。04年6月に高裁勝利判決を勝ち取ったものの、公社は不当な上告を行ない、今なお被免職者の職場復帰を拒み続けているのだ。公社総裁に「処分撤回」と「職場復帰」を迫る元旦闘争に対して、当局は東京支社職制の暴力と警察権力の不当な妨害が毎年繰り返されてきた。今回も、4・28を闘う3団体(連絡会、赤羽闘う会、ネット)共同の取り組みとして、街宣許可を取っての宣伝カーでの抗議情宣と「地上戦」で闘い抜いた。
 結集した24名の仲間は、ゼッケンを着け、横断幕・プラカードを押し立て、日本橋局前へ向かう。局前には、東京支社職制が約40名。警察権力も労働争議弾圧を専門とする警視庁本庁公安二課3名を含む13名、制服警官15名。警察ワゴン2台。職制は全員、左肩に青リボンを付け、中には乱闘服で身を固めた者も。伝送口の上の2階が式典会場で、窓には紅白の幕が見える。そして、40名の職制の内、25名が、我々を伝送口側に行かせない形で、歩道を横並びで塞ぐ。横断歩道をはさんだ向こう側には私服が10名待機している。この当局対応に「ここを通せ」と抗議。
 そして、伝送口前の道路をはさんだ向かい側に陣取り、被免職者がマイクで2階の式典会場に向けてアピールとシュプレを叩きつける。
 一方の宣伝カー。街宣許可は8時から。いざ出発という時、パトカーが「許可証を見せろ」「免許証を見せろ」とか「神田署に確認する」だのと、なかなか出発させない。当局と結託しての嫌がらせだ。これをはね返して出発。8時5分、シュプレを上げながら局前を通る。これに合わせて、仲間たち全員でシュプレ。
 宣伝カーに対する妨害は続く。伝送口前でのシュプレがよっぽど嫌なのか、信号は赤なのに「止まるな。進め」「警察の指示に従わないのか」。さらには、「シートベルトがゆるい。道交法違反だ」と言い掛かりをつける。こうした妨害をはねのけて、計5回、局を周回した。
 8時17分。伝送口のシャッターが開く。それに合わせて、伝送口前に並んでいた職制がジワジワッと我々に近付いてくる。そして、式典終了間際の8時25分、伝送口前に残っていた職制の大部分も駆け付けてきて、暴力的に体でグイグイ押してくるなどの暴力的対応でその場からの排除にかかってきた。前回の日本橋局の時は、我々を伝送口から見えにくい物陰に暴力的に押し込み、取り囲み、旗や横断幕を引き摺り降ろそうとし、シュプレもままならなかったが、今回は、参加者たちの踏ん張りの下で、職制からの「少しずつ押せ」の声も聞こえる中、若干、横に押されはしたが、攻防をやり切り、2階式場からバイクや郵便夫に扮した職員が下りてくる段階でも、伝送口からは横断幕や旗やプラカードが、そして我々自身も目に入る形での場所を確保し、シュプレをやり切った。2007年初頭の闘いを力強く闘い抜くことができた。
            

  日本郵政㈱が
 「民営化後の人事制度・労働条件」を提案


年休10日」「病休の無給化」は断念
 日本郵政㈱は12月7日、「民営・分社化後の人事制度・労働条件等の考え方」を提案してきた。当初は、現在20日の年次有給休暇(労基法上は10日だが、労働協約でプラス10日)を初年度は労基法のままの10日にし、計画年休も廃止にする、そらに、現在有給である病気休暇も無給化するなどの方向を打ち出していた。
 しかし、今回の提案は「現行と同様としたい」とある。これは、郵政民営化法173条に「公社の職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に配慮する」義務が明記されており、「年休初年度10日」「病休の無給化」を押しつけることは、配慮義務違反になることから断念したものだ。
「出向・転籍の実施」
「出向に本人同意は不要」

 
しかし、新たに「グループ出向・転籍制度」が提案された。JPUも同様だ。全く許せない事だ。「当面の間の措置」として、帰属会社が希望通りでなかった職員を対象に「出向・転籍希望を受け付ける」(ただし「希望は必ずしも実現しない」とある)というのだが、別表にある通り、「出向は本人同意は必要としない」というのが基本なのである。本人希望は帰属に関わる民営化の出発時だけで、後は、本人同意なしで「出向命令」一発で、どの会社にでも飛ばすことができるのだ。「転籍」については「本人同意が必要」とあるが、これだって「君はこの会社に要らない。嫌なら辞めてもらう」と脅され、「同意」せざるを得ない状況もあるのだ。今の郵政の労務姿勢をみれば誰だってわかることだ。そして、「通信」で何度も警告したように、分社化された4社に限らず、あらゆる子会社・関連会社への出向・転籍に道を開くものだ。 「内務・外務の職種統合」も、人を将棋の駒のように、どんな職場・職種にも動かしていこうとする流れに沿うものだ。
「整理解雇」の条項も
 さらに、「民間企業にならい『業務の廃止・縮小等やむをえない(整理解雇)を追加する」とある。その場合「30日前に解雇予告するか、又は30日以上の解雇予告手当を支払った上で解雇する」という説明まで加えている。現在、私たちは国公法で、個人の責以外では解雇できないなど、身分が保障されているが、民営化で「身分保障」の枠が外れ、「能力がないからといった普通解雇」も「会社都合の整理解雇」もできる、しかも30日分の賃金を払えば即日解雇できるというのである。もちろん整理解雇には「人員削減の高度の必要性」「解雇回避努力義務」「合理的な選定基準と選定」「誠実な説明・協議責任」の内一つでも欠ければ解雇は無効とされる4要件があるが、いずれにしても、経営側の武器になるのは間違いない。現在でも、ゆうメイトに「誤配一発」「自爆営業がないから」といった雇い止め解雇を乱発しているのである。

 社員区分=非常勤の安上がり使い捨て
 「非正規社員」は①アルバイト②パートタイマー③契約社員④キャリアスタッフ⑤エキスパート契約社員⑥スペシャリスト契約社員⑦郵政短時間職員に区分されている。雇用期間は①は1ヶ月、②③④は6ヶ月でこれが現行の長期ゆうメイト。⑤⑥は専門職、⑦は現行通りだ。②③④の現行ゆうメイトは16万人と言われ、ゆうメイトなくして郵便職場は回らない状況にある。しかし、彼らの労働条件は「ワーキング・プア」と呼ばれる低賃金に置かれ、かつ、いつ首にされるかという雇用不安にさらされている。
「良質なゆうメイトの確保」と称して
 公社は「良質か否か」という「見極めの基準」として「再三の指導にもかかわらず勤務態度や作業能率が劣る者」など4点を挙げ、勤務評価と併せて、「非常勤ゆうメイトを安易に再雇用しないように」と文書で指示しているのである。
 ゆうメイトの「スキルアップ」と称して8段階の評価制度(10円・20円の時給アップ)を導入し、特に優秀な者は、ゆうメイトの1%に満たない1000人(昨年10月段階)を「キャリアスタッフ」に指名して、一時金やユニフォームを貸与し、将来の正社員の道を開くという。
 本務者の人員削減を大幅に進め、戦力を非正規労働者に求める一方で、低賃金など劣悪な労働条件に置き、かつ、非正規労働者の間に格差を作り競争をあおることで 「戦力アップ」を図るというのである。低賃金も雇い止めも許さない、職場からの闘いを築こう。

 牟田さん闘争/裁判所の勧告で終結
    ~「名誉回復」「団結権保障」の福岡高裁判断を成果として~
 鹿児島東支部書記長だった牟田さん。当局は支部の闘いをつぶすために「勤務成績が良くない」「官職に適格性を欠く」として牟田さんを分限免職にした。多くの職場の仲間に支えられて人事院闘争を88年から11年半にわたって闘ってきたが、人事院は99年4月22日、事実認定もせず、当局の処分理由を鵜呑みにして「免職処分承認」という不当決定。同年6月23日に鹿児島地裁に提訴。05年2月23日、地裁判決は、処分理由の内、約10件について牟田さんの主張を認めたものの、結論は「請求棄却」。同年3月8日、福岡高裁に控訴。控訴審は1回で終結の可能性もあり、70名もの仲間が傍聴に駆け付けた。裁判長は第4回裁判で、牟田さん希望の「名誉回復」を柱に「和解」による話合いを提案するが、公社側はこれを拒否。昨年06年10月13日の第5回裁判で、裁判長は牟田さんに対して請求放棄を求める「勧告」を提起。
 「勧告」内容は、「処分理由となっている各行為はいずれも組合活動と関連していることは明らかだ。組合役員として組合と組合員のためにやむをえず行ったものと理解するが、法的見地から許されるものではない」とする一方、当局に対しても「職員の処遇と就労に関する規律が、労組法等による団結権の保障に対する配慮を欠いて行われることがあってはならない」と注文を付け、「免職相当の判決となれば、組合活動自体が萎縮し、阻害されることになりはしないかと危惧するものであり」「裁判所としては、公社に対して『適格性欠如等の主張を撤回すること』、牟田さんに対しては『訴えを取り下げること』で収束するよう勧告した」が、公社の勧告拒否を受けて、「牟田さんの請求取下げで収束を図ることを勧告する」というものだった。
 牟田さんは、「処分撤回とはならなかったが、名誉回復を勝ち取ることができた」ことを成果して、収束勧告を受け入れ、19年に及ぶ人事院・裁判闘争に闘いに幕を引いた。12月17日に「裁判闘争報告集会」を開催した。長い闘い、本当にご苦労様でした。

 短信コーナー
  ■ぜひ結集を!
   ◎今国会で今度こそ廃案へ!「さらば!共謀罪集会」
       1月26日(金)18時半~飯田橋しごとセンター
   ◎ふじせ倒産解雇29周年・学研糾弾!五反田地域デモ
    <南部地区労働者交流会・集中闘争/出版関連労組交流会議・集中闘争>> 
     2月2日(金)集会18時15分~
                  大崎第一区民集会所/第5・第6集会室
             デモ出発 19時半。