委員長のきまぐれ「週報」 「争議団的暮らしとは」

第31回 気分はもう戦中派?
( 2003年5月14日〜12月31日)

 5〜9月は記載を主なものにとどめます。

組合活動週報
5月
14(水) ふじせ闘争支援共闘会議
15(木) 南部交流会例会
16(金) 南部労組会議品川・杉並区長会
17(土) 柴法拡大会議
21(水) 3ビル朝ビラ、4・28控訴審
22(木) 2ビル朝ビラ
23(金) 行政訴訟慰労会、労働法国会前昼集会・座り込み
24(土) デイベンロイ労組フェスティバル
26(月) 出労交例会
27(火) 4・28大崎局
28(水) 学研社前、廣川昼集会
29(木) ふじせ支援共会議、連帯PCCWJ刑事弾圧麻布署抗議
6月
4(水) ケミカルイベント闘争、南部労組会議
5(木) 洋C弾圧地裁刑事判決、共謀罪反対国会デモ
6(金) 労働法国会前情宣・座り込み、武蔵学園昼集会
7(土) 争団連例会
9(月) 支援共
10(火) ふじせ支援共会議、共謀罪国会前昼集会
13(金) 争団連統一行動(柴法池袋、洋C神保町デモ)
18(水) 4・28全逓全国大会闘争
27(金) 学研株主総会闘争(3ビル朝ビラ)、4・28向島局
28(土) 三河島山本自宅デモ(北部集中闘争)
30(月) 本社朝ビラ、出労交例会
7月
3(木) 2ビル朝ビラ、「莽」作業
4(金) 品川庁舎前
5(土) 争団連例会
7(月) 南部労組会議
10(木) ふじせ支援共会議
11(金) 出労交労連大会情宣、
12(土) 大道社長宅デモ(西部集中)
15(火) 学研社前闘争
16(水) 南部交流会例会、南部労組駅頭情宣、品川区長会、
18(金) 柴法池袋デモ(中部統一)
19(土) 加部社長宅デモ(北部集中)
22(火) 9・14実行委員会
25(金) 4・28大崎局、洋C判決報告集会
26(土) 遠藤社長宅
28(月) 3ビル朝ビラ、出労交作業・例会
29(火) 本社朝ビラ、
30(水) 2ビル朝ビラ、ふじせ支援共会議
31(木) 南部労組森合さん裁判
8月
2(土) 争団連例会
4(月) 南部労組会議
12(火) 南部労組インターネット・コム団交
15(金) 南部労組会議
16(土) 争団連合宿(17日まで)
18(月) 学研イベント闘争(「教育工学研修セミナー」)、9・14実行委員会
19(火) 南部交流会例会
21(木) 前回支援共闘会議
23(土) 品川・集中討論
27(水) 4・28控訴審・連絡会例会
28(木) ふじせ闘争拡大会議
31(日) 機械拡大会議
9月
1(月) 9・14実作業・第3回実行委員会
3(水) インターネット・コム団交
4(木) 「莽」作業、タカギ団交
5(金) 南部反弾圧学習会・大井町駅頭ビラ
6(土) 争団連総会
8(月) 南部労組会議
9(火) 品川庁舎前
11(木) 三信自動車控訴審判決、
12(金) 9・14霞ヶ関情宣、9・14反弾圧集会・デモ
13(土) 全国交流会企画会議
14(日) 明大生協桜井理事長宅
17(水) ふじせ支援共会議、4・28向島局
18(木) 南部交流会例会
19(金) 南部労組会議、
22(月) 学研社前闘争
25(木) 第3ビル朝ビラ、ふじせ支援共会議
27(土) 都迷惑防止条例改悪阻止デモ、
29(月) 出労交例会
30(火) 南部集中・品川28周年デモ
10月
2(木) 4・28郵政公社東京支社、
3(金) 2ビル朝ビラ、インデックス申し入れ、争団連決起集会
4(土) 争団連例会
6(月) 教育社高森自宅、南部労組大崎駅頭情宣・会議
7(火) PCCWJ本社、柴法東弁前、品川・南部労組合同会議
8(水) 学研社前闘争、機械Y&J、
9(木) 旭ダイヤ地裁前情宣・本訴、
10(金) 加部地労委命令、出労交作業・幹事会
11(土) 加部本社張り付き、南西部実三軒茶屋情宣、
14(火) ケミカルメッシュ東京、4・28大崎局、品川・南部労組合同会議、
15(水) 明大生協大学会館前(中部集中)、南部交流会事務局会議、
16(木) 出労交労連中央委員会情宣、ふじせ支援共会議
17(金) 藤商会ICU、南部労組全体会
18(土) 品川・南部労組合同会議、南西部実三宿デモ、
19(日) 遠藤社長宅闘争、
20(月) 都市サービス地裁民事、柴法池袋、南部交流会例会
21(火) ジャパマー東映本社、争団連全国担当者会議、品川・南部労組合同
22(水) 渡辺工業茗荷谷、4・28例会
23(木) 三多摩労争連集中=中大生協大学構内集会、
24(金) 3ビル朝ビラ、教育社高森宅、洋C神保町、
25(土) 大道藤後自宅、品川・南部労組合同会議
27(月) 2ビル朝ビラ、都市サービス地裁(鈴)、出労交例会
28(火) 品川・南部労組合同会議
29(水) 山田荻窪、南部労組インターネット・コム団交
30(木) ふじせ支援共会議、三河島山本宅、争団連「莽」作業
31(金) 争団連統一行動=加部建材朝霞工場・品川庁舎前
11月
1(土) 争団連例会、ジャパマー東京国際映画祭
2(日) 南部・共生・共走マラソン、藤商会ICU学園祭、中部労組大会
4(火) 渋谷のじれん渋谷区抗議、南部交流会事務局
5(水) 渋谷のじれん東京都抗議、大地市川C
6(木) 学研本社朝ビラ、機械Y&J、
7(金) 教育社ニュートン、南部労組目黒駅頭ビラ・会議
9(日) 全国争議団交流会企画会議(福岡)
10(月) 4・28年賀発売(日)情宣、九州現地行動(オートウエイ・網中・ジャパマー)
11(火) 品川地労委命令、品川・南部労組合同会議
12(水) 大道社前、明大生協大学前、南部交流会例会
13(木) ふじせ支援共会議、労働法・全労委総会情宣、柴法池袋
14(金) 渡辺工業茗荷谷、のじれん代々(木)公園団交、加部建材三井道路
15(土) ケミカル瀬戸自宅(三多摩統一行動)
17(月) 旭ダイヤ本社、全国交流会担当者会議、出労交幹事会
18(火) 機械Y&J、シェル横浜事業所(中部集中)、品川・南部労組会議
19(水) 教育社高森宅、インターネットコム調印
20(木) 三河島山本宅、中大生協前、三信社前、出労交秋季集会
21(金) 学研社前闘争、4・28向島局、
23(日) 品川集中討論、
25(火) ス労自主朝ビラ、洋C極東・波多野、品川・南部労組合同会議
26(水) 三河島山本宅、板橋パート庁舎前(北部集中)、ジャパマー東映
27(木) ふじせ支援共会議、品川庁舎前、共同行動国会前情宣
28(金) 本社朝ビラ、柴法東弁前、
29(土) 大口本社、山田荻窪、
12月
1(月) 全逓臨時大会、出労交作業・例会
2(火) 学研イベント闘争、2ビル朝ビラ、品川・南部労組合同会議
3(水) 3ビル朝ビラ
4(木) 国鉄和田行訴
5(金) 全関労東急・東急本社前昼集会、印刷機搬入
6(土) 争団連例会
8(月) 教育社高森自宅
9(火) 三河島山本自宅、労働法会議
10(水) 大道社前、藤商会ICU前、南部交流会事務局会議
11(木) ふじせ支援共会議、加部三井住建道路、ブリタニカ社前、4・28連絡会忘年会
12(金) 柴法池袋、渡辺工業東大竜岡門、南部交流会例会
13(土) 連帯大地六本(木)本部、争団連忘年会
15(月) 4・28大崎局、出労交幹事会
16(火) 機会麹町デモ(北部集中)、赤羽闘う会・局包囲デモ
17(水) 品川・南部労組会議
18(木) 廣川書店昼集会、
19(金) 旭ダイヤ本社(中部集中)・洋C波多野・極東前昼集会(中部・出労交集中)、南部労組駅頭情宣・会議
22(月) 2ビル朝ビラ、都市サービス裁判、争団連全国担当者会議、出労交例会・忘年会
23(火) 渋谷のじれん越冬支援連帯集会
24(水) 3ビル朝ビラ
25(木) 学研本社闘争、ふじせ支援共闘会議納会
26(金) 品川臨職庁舎前闘争
27(土) 洋C公判対策会議
28(日) 渋谷のじれん越冬支援行動


 2003年が暮れ、この報告がUPされる頃は、新年を迎えていることと思います。
今年のふじせ闘争を振り返ってのまとめは、「パルス」12月号の方で10大ニュースとして掲載しているので詳しくは書きません。
 依然として危機から脱却できていない経営状況の中で、学研経営は、ひたすらリストラ=労働者への犠牲強要(人員削減では59期末に1000人を下回る計画、賃下げ・労働強化)で延命を図り、学校現場や消費者対象の新規IT関連事業等で「教育の学研」ブランド復活を夢想し、再建を図っていますが見通しは立っていません。役員体制も、03年冒頭、そして6月株主総会直後に変更し、一族色後退、暴力労政の象徴=高橋元常務の退任、古岡秀樹常務は平取締役に降格、古岡孝元常務は相談役、と経営体制刷新もアピールしようとしましたが体質は何も変わっていません。労働者への犠牲強要策の歪みが、今年は、長時間残業につき労基署から指導を受ける、ずさんな「ボランティア用語辞典」発刊・回収事件等として噴出しており、社内の士気低下は否定しようがありません。その中で、各領域から攻めてきているふじせ闘争に対しては、それが極大化しつつある学研労働者や学研関連の不満と結合することを怖れ、一部御用社員にネット上でふじせ労組中傷を行わせる等に出ていますが、これは学研経営の腐敗と焦りを現す結果にしかなっていません。また今春の最高裁棄却決定によりふじせ闘争が消滅するとの願望も打ち砕かれたのでした。2004年は、ふじせ争議の解決、赤字子会社の清算と悪徳商法の責任履行、犠牲強要策に明け暮れた経営の無責任体質の根本改革等がいよいよ迫られることになるでしょう。学研および関連の皆さんと共に、そして心ある多くの皆さんと連携し、さらに力強く闘っていこうと考えています。
 さて、共闘関係にも眼を向けましょう(さっそく気楽な気分に転調したりして)。今年も全都の争議団の集まりである争団連の各争議団は、「一人の抜けがけも許さず」(笑)、仲良くそろって越年となりました。勝利まであと一歩というところまできている争議団もあるのですがねえ。ここ数年、地域合同労組を通して新しい争議団が加入してきているので平均争議年数は少しは低下してもよいのですが、上がつかえているので、約30団体近い争議団の平均争議年数は15年を下らないという状況になっています。そして、4半世紀を越える争議の数も10団体を越えています。当該の平均年齢を正確に算定するのは恐ろしいくらいです。「若くない新人」も加入してきたりしていて、まあ50代であることは間違いないでしょう。
 始末が悪いことに、皆自分が若いつもりでおります。職場の軋轢から解放(追放)されている分、確かに気分は若い。青年期を過ごした時代の区分を基準に私たちは「戦後世代」と言われてきましたが、青年のままのつもりの私たちは、そのままの勢いで、いま国が戦争をする時代の中に突っ込もうとしているから、これからは戦中派になるのです。この勢いできっと頑張るから、うーん、もう少しで皆、荒畑寒村翁状態になるのかも知れません。「争議責任に時効はない」などと言い、中には組合規約で在籍資格を定年を越えるものに変えた組合もあるほどです。元気ですね。因みに寒村翁は1982年93歳で没。「寒村自伝」は日露戦争開戦前夜、世をおおう主戦論の流れに抗して幸徳秋水、堺利彦が反戦の態度を鮮明に「万朝報」に抗議の退社の辞を掲載したことに感激して愛国青年が社会主義への道を歩むところから始まります。以後、戦争と治安弾圧が文字通り一体化した状況下、彼は、平民新聞創刊、大逆事件、ロシア革命、米騒動、共産党結成、治安維持法、満州事変、太平洋戦争等の各時代を労働運動、無産政党運動に身を投じ下獄・出獄の日々、戦後も労働委員会、社会党や社会主義協会への参加と脱会等、労農派の系譜にありつつも組織の枠に収まりきらないスケールで結構勝手に我が道を行く波乱万丈の一生を送っています。23歳のときには、下獄中に恋人の管野須賀子と幸徳秋水が結婚したのを知って、拳銃を懐中にして2人が泊まる伊豆湯河原温泉を襲うなどに見られるように、熱血の行動家でした。上海から満州原野を経由して革命後のモスクワにわたり、共産党大会でトロツキーに突然頼まれて演説したりもしているし、この自伝ではかの時代の文化・風物への彼の関心も奥深く語られています。私の持っているのは筑摩叢書ですが、これは60年安保の年に論争社から出されたものが毎日出版文化賞を受賞、それに書き足したもので、その後岩波文庫にも入っているので、新人の争議団の仲間には、お薦めの一冊かも知れません。主義・主張とは別に得るところが大きいと思います。
 時代がかわり、戦争の形も変わりました。寒村がその中で生き生きと動いて輝いたマルクス主義とアナキズムが交錯する黎明期の社会運動の時代は遠くに去り、20世紀の「社会主義」も潰えました。いま、この戦争の時代に「不戦日記」を書こうが、ピースウォークに参加しようが、「抵抗」は恣意としての自由の中に拡散させられがちです。私たちの言う「労働者・民衆」も著書『帝国』でネグリが言う「マルチチュード」も明確な像を結んでいません。
 しかし、・・・。「米軍はほうほうの体でイラクから撤退することになるだろう」。現在ではなく、今春の開戦のときにこう言ったのはスコットリッター(98年まで7年間、米国人主任査察官として活動、根拠もなくイラク攻撃へと突き進むアメリカ政府を厳しく批判)でした。当時、圧倒的な「帝国」の力を前にして、このような予測を冷静かつ断定的に述べた者はいませんでした。犠牲者が出続けている現実に変わりはありませんが、やはり、楽観も悲観も禁物だということです。いまイラクでは、民衆の反感をかった米英の占領統治が破綻し、武装抵抗勢力等の攻撃により連日米兵らの死傷者を出す泥沼の戦争へ移行しています。愚かにも日本政府はそこへ派兵することを決定しました。前に「終わりの始まり」、「帝国終焉の序曲」と書きましたが、2004年は戦争を頂点とした力による支配の破綻が至るところで拡大していくでしょう。
 世界的な流動の中に兆している手応えを掴みながら、日本で、私たちとしては争議を闘い抜くことに集中していこうと思っています。足下の関係を転換させていくこと、それは世界につながっていくものだろうと確信しています。
 週報がついに年報に近くなってしまいました、トホホ。今回は、追われていて、南部交流会の機関紙に書いたコラムを加筆・修正して転載ということになりました。2004年はこちらの優先順位も格上げ(?)して、間隔を開けすぎないようにしたいと思っています。よろしく。