委員長のきまぐれ「週報」 「争議団的暮らしとは」

第25回 会社の末期、もろもろの末期
( 2001年12月18日〜2002年2月1日)

組合活動週報
12月18日(火) 品川庁舎前、洋C波多野ビル前昼集会(中部・出労交集中)、鳥井電器支える会
19日(水) 柴法池袋、武蔵学園社前昼集会
20日(木) 品川出先職場情宣
21日(金) 4・28東京郵政局、争団連事務局、全国交流会担当者会議
22日(土) 三信社前、教育社高森自宅デモ(労争連集中)、争団連忘年会
23日(日) 南部交流会反日の丸闘争、南部労組大会
25日(火) ふじせ闘争支援共闘会議、日野遺跡庁舎内
26日(水) 渡辺工業社長宅、鳥井高裁判決、旭ダイヤ高裁判決、加部三井道路本社
27日(木) 鳥井武蔵小山駅頭・社前、旭ダイヤ高裁前抗議
28日(金) ケミカル間接強制決定、渋谷のじ連越冬
29日(土) 渋谷のじ連越冬・越年突入集会
2002年
1月1日(火) 4・28大崎局年賀出発式抗議、鳥井社長宅
7日(月) 杉並賀詞交換会、
8日(火) 学研本社朝ビラ、三多摩労争連旗開き(要請)
9日(水) ふじせ支援共会議、学研3ビル朝ビラ
10日(木) 学研2ビル朝ビラ、争団連「莽」作業、鳥井支える会
12日(土) 争団連例会
13日(日) 機械拡大会議
14日(月) 日雇全協総決起集会
15日(火) 三合労藤商会・基督教大学情宣、出労交幹事会
16日(水) 旭ダイヤ賀詞交換会
17日(木) 機械Y&J、南部交流会例会
18日(金) 教育社高森自宅、南部労組全体会
19日(土) 地域共闘交流会例会
20日(日) 共同行動駅頭ビラ
21日(月) 公園使用申請 鳥井武蔵小山駅頭・社前、品川庁舎前
22日(火) デモ申請、大地市川センター、争団連例会、ジャパマーイベント
23日(水) 4・28裁判、柴法池袋、4・28連絡会旗開き
24日(木) 藤商会本社、南部労組作業
25日(金) ふじせ24周年闘争、板橋区パート庁舎前、国鉄和田新橋駅・鉄建公団
26日(土) 全国交流会企画会議
28日(月) ケミカル青梅本社、スペースあい社前、出労交作業・例会
29日(火) 品川地労委、本山富士銀、旭ダイヤ本社
30日(水) ふじせ支援共、明大生協労組お茶の水
31日(木) 三河島そうじ団社長宅、三多労中大生協昼集会、鳥井電器支える会
2月1日(金) 教育社ニュートンプレス社前


 年末・年始の共闘課題、そして私たちの24周年闘争の準備などであっと言う間に1ヶ月が過ぎてしまいました。
 学研は年末に慌ただしく希望退職募集を発表しましたが、1月20〜25日の応募期間の最初の2日間で定員の130名が達成されたそうです。この素早い反応は長年、学研を支えてきた人たちが次々と会社に見切りをつけていることの現れでもあり、人材の流出と言ってよい事態です。高賃金の中高年の切り捨てでコスト削減を狙っているわけですが、出版という事業について分かっていない銀行筋からのリストラ圧力とこれに答えるポーズを取ることで借入れの保証を得ようとする無責任経営の結果が引き起こした事態です。長期の展望などなく、なりふり構わぬ経営陣のやり方は末期的な状況です。学研は2月3日の朝日新聞にでかでかと全面広告を載せて、学研教室の宣伝をしていました。この日、奇しくも教育社が同じく全面広告を載せていましたが、遅配・欠配が相次ぎ、賃金も払えず、いつ倒産してもおかしくないと言われている教育社(同じく、30年間の労働争議を抱えている)の派手な広告は会員を集めて、それを急場しのぎの運転資金につぎ込む詐欺に等しいやり方だと言われています。学研も似たりよったりだなと笑ってしまいました。
 末期的な事態は、学研だけではありません。学研は、この日の全面広告を、文部科学省が学校の完全週休2日制に向けて、塾に週末の体験学習等に取り組んでほしいと発表したのに合わせて載せたものかも知れません。文部科学省の教育行政がジグザグを繰り返し、子供たちには「ゆとり」も「学力」も身につかず、既に隔週5日制で、平日の授業時間が長くなり、塾通いと合わせて、子供たちは疲れています。週末には「家で寝ていたい」という声も多く、体験学習を学校でやっては5日制にした意味がない、文教予算も組まなくてはならない。ご都合主義的に塾に依頼するということになったのでしょうが、日能研の社長の「塾の事業にそぐわない」との批判をはじめ、反応は冷ややかなのが実状のようです。子供や親からみても自然体験も金次第では、情けない話です。学校教育制度を守るという立場では、ありませんが、教育現場はますます混乱を深めるでしょう。「私設文部省」を自認してきた学研には今や何の輝きもありませんが、混迷の文部科学省の尻馬に乗って行こうということでしょうか?
 さて、その他にも、年末には、旭ダイヤ、そして鳥井電器の争議で、東京高裁が不当判決を出しています。鳥井電器では、裁判所の判決が出るのを待って、会社の団交応諾義務を認めない地労委不当命令が一月に出されました。裁判官や公益委員らは、どうしてこんなデタラメな判決や命令が書けるのかと人格を疑ってしまいます。かつては、もう少し、双方の主張を検討し、負けさせるにしても、「会社側にも問題があった」等の事実認定をしていたものですが、審理の中で労組側が明らかにした事実に対し、まともに検討した形跡すらないのです。長いものには巻かれろをそのまま実行し、翼賛化している姿がここでも顕著です。「司法改革」が叫ばれていますが、その内実は、米国型の企業同士の訴訟など、経済司法を担う弁護士・裁判制度を増強し、労働者や市民の人権を守る弁護士活動を制限していく、また、刑事事件では、弁護権を奪い、「悪いことをやったらしい奴はさっさと罰してしまえ」という裁判の簡素化など治安重視の司法が目指されているものです。最近の「被害者感情」というものを前面に押し出し、「加害者」に重罰を加えるという流れもえん罪や不公正な裁判に道を開く(既にそうなっていますが)危険なものです。「被害者」には、「加害者」への縛り首的発想とは違った面からのケアが別個にされるべきです。仇討ち的思いを遂げさせるなら、国家が代行することなく、直接被害者と加害者を向き合わせる必要があるわけで、そこから復讐とは違った道を見いだすものでなければなければ救いがありません。最近、カウンセラーが、「被害者」と「加害者」の双方に会って、「心の傷」と「心の闇」を解いていくという作業を行い、こうした流れをくい止める努力も行われているそうですが。話が広がってしまいましたが、ついでに言えば、9・11以降の世界の状況、そして年明け早々からの田中外相更迭劇、雪印牛肉偽装、失業率5・6%等々、日本のどんづまり状況も、まさに末期的という事態ですね。
 終末思想や「歴史の終わり」的予定調和でなく、私たち、労働組合や労働運動も、どう向き合っていくのかが問われることが起きています。末期的な解体状況と言われても仕方がない動向も存在していますが、私たちは転換の時代に答えを模索しながら、進んでいくつもりです。
 今年の24周年の学研包囲デモにも、120名に達する多くの仲間が参加してくれました。いよいよ、学研との攻防も大きく煮詰まる2002年、ふじせ闘争への注目と連帯を訴えます。