委員長のきまぐれ「週報」 「争議団的暮らしとは」

第23回 「一人を支える力」
( 2001年10月15日〜11月22日)

組合活動週報
10月15日(月) 品川臨職イベント闘争
16日(火) 加部建材闘争三井道路、鳥井電器高裁
17日(水) 教育社高森社長宅
18日(木) ふじせ闘争拡大支援共会議
19日(金) 東工大刑事公判、三信自動車社前、9・14反弾圧闘争総括会議
20日(土) 連帯大地イベント闘争、地域共闘交流会作業
22日(月) 日刊紙業ユーザー闘争、南部労組会議
23日(火) 渡辺工業社前、機械工業新聞一族追及、労働法学習会
24日(水) 鳥井電器社前朝ビラ、柴法争議団池袋闘争、旭ダイヤ本社闘争、争団連事務局・全国交流会担当者会議、鳥井電器支える会
25日(木) 4・28向島局、南部交流会例会
26日(金) 学研社前闘争、鳥井社長追及・社前、品川臨職庁舎前闘争、地域共闘交流会討論
27日(土) 学研遠藤社長宅
28日(日) 三宿自衛隊駐屯地抗議闘争
29日(月) 大道測量社前闘争、出版関連労組交流会議例会
30日(火) 学研本社朝ビラ
31日(水) 全金本山労組東京支店
11月1日(木) ふじせ高裁行政訴訟、4・28年賀発売式典闘争、
2日(金) 学研第2ビル朝ビラ
3日(土) ケミカル瀬戸社長宅包囲デモ
4日(日) 南部労組・共生・共走マラソン
6日(火) 南部労組会議
7日(水) ふじせ闘争支援共闘会議
8日(木) 争団連「莽」作業
9日(金) 学研第3ビル朝ビラ、三多摩合同労組・中大生協昼集会、
10日(土) 争団連例会
12日(月) 出労交幹事会
14日(水) 機械Y&J、三合労聘珍樓新宿支店闘争
15日(木) 労働法連絡会全労委総会ビラ入れ、旭ダイヤ本社前昼集会、中央洋書社長宅
16日(金) 教育社高森社長宅、ジャパマーハイツ東映本社闘争、出労交平凡出版労組職場集会
17日(土) 大道藤後社長宅デモ、地域共闘交流会例会
18日(日) 全国争議団交流会企画会議(関西)
19日(月) 関西現地行動=黒川乳業社前闘争・デモ、ふじせ闘争支援共闘会議
20日(火) 労働法連絡会霞ヶ関朝ビラ、洋書センター労組神保町情宣
21日(水) 機械工業一族追及、柴法争議団池袋闘争
22日(木) 三河島そうじ団山本社長宅、渡辺工業東大構内闘争、鳥井電器高裁、出版関連労組交流会議秋年末交流集会


 闘いの秋、各争議が力を入れた闘いを展開し、忙しい季節は年末へとなだれ込もうとしています。また、争団連も来春の全国交流会九州開催へ向けて、大阪での企画会議と現場行動を行いました。争議だけでなく、出版業界が5年連続マイナス成長となり、出版各社が赤字続出の中、リストラ合理化・賃下げ等の経営責任転嫁の労働者への攻撃が強まってきており、職場攻防も激化しています。平凡出版労組(マガジンハウス)の職場集会や出版関連労組交流会議の秋年末交流集会にも参加してきました。
 私たちのふじせ闘争も10月18日に拡大支援共闘会議を開催し、普段の支援共闘会議に出席できない方を含めて、全都の共に闘う仲間が参加、闘争勝利へ向けて貴重な意見を提起してもらい、活発な討論を行うことができました。10・26学研社前、10・27遠藤社長宅闘争を行い、そして11・1には行政訴訟の第1回審理が持たれました。これらについては、「パルス」での報告を参照してください。
 最近、争議団関係者や支援の仲間の中にも病気で入院したり、体調をくずしたりということが起きています。相応の年齢に達した(50歳を過ぎた仲間も多い)ので不思議ではないわけですが。先日、ふじせ支援共の会議の後の酒の席で、支援のQ氏(当該より年齢がいってます)が「争議も野球並にシーズンオフ期間を設けたら」と言っていました。当該の人たちの健康を案じての冗談ですが、争議当該としてはそうも行きません。12月は年末闘争が続き、1月も元旦イベント(4・28闘争の年賀出発式等)に合わせた闘争や、会社の仕事初めに合わせて闘いがスタートするところも多く、しいて言えば8月くらいしか争議団の現場闘争が暇な時はないしねえ。というわけで、「支援共の手抜きも許さんよ」と言って、この提案は却下。まだまだ元気でどん欲なふじせ労組の当該たちでした。
 しかし、実際、当該が一人の争議のようなケースでその人が病気になったり、事故、弾圧があったりした時は、確かに大変です。自らの闘争の現場に立てないとき、本人も焦りやもどかしさがあるし、闘いを休止させないよう支援の仲間が当該の穴を埋めねばならず、職場を一方で抱えつつ、飛び回ったりしなければならなくなります。でも、こんな時にも私たちの「個別にこだわり個別を越える」共闘の力が発揮されます。全都の争議団の集まりである争議団連絡会議、そして各地域で争議ー職場を貫く関係を築いてきた地域共闘のメンバーが、こうした緊急事態を迎えた仲間の闘いをも共に支えています。その集中力はなかなか大したものです。ある病気や怪我の部位を周辺の組織が補い守る自然な治癒力を連想させる程の緊密な共闘関係です。「緊密な共闘関係」ということに対し、ある周辺メンバーがこんなけちを付けたことがありました。「親、兄弟でもあんまり親密すぎる関係は煩わしくて良くない。他の闘いには口を挟むべきでないし、クールな関係であるべきだ」。この人の言葉は、既成の労働運動の上部団体と下部組織のような関係を第一義とし、横の共闘関係強化を評価しない立場からの発言でした。「分かってないなあ」と思いました。緊密と親密は異なります。私たちは相互に自立した闘い同士の強固な信頼・共闘関係をどう作るかを課題にしてきたのです。それは単に、一つの闘いが潰れることが他の闘いへも打撃になるという捉え方以上に、どの闘いも我が闘いであるということです。「それが無くても別の闘いがあれば(増えれば)よい」式の考えではなく、どの闘いも他に置き換え不能で固有なかけがえのない闘いであることへの認識に基づくものです。私たちは「一人の首切りも許さない」という言葉を掲げていますが、これまでの日本の労働運動の歴史を見ても、このことを本気で実現しようとしたことはありませんでした。組織を残すために一人の労働者はもちろん、一部のあるいは多数の労働者を切り捨ててきたのが実情です。戦後の争議の歴史を見ても、それが分かります。それらの運動の「指導部」にいた人たちの回想録を見ると、そのことへの苦悶が全くなかったわけではありませんが、労働者に犠牲を強いてきた歴史は労働運動に対する信頼を失ってきた歴史であるのも事実です。
 私たちのこうした仲間のことを我が事として感受し、自然に動く信頼と共闘は、単に過去の運動史の総括ということではなく、自分たち自身の長年にわたる蓄積のたまものでもあります。先日のふじせの拡大会議に来てくれた他の争議団のメンバーも熱心にふじせ闘争の内容につき討論をしてくれたように、相互に自立し、互いの闘いにつき踏み込んだ共有ができているということが、私たちの共闘の強さであり、ふじせ闘争前進への大きな原動力の一つだと思います。
 かくして、一人を支える力は、一人の力の源にもなり、それはさらに共闘の力を生み出していくものでもあります。私たちはこうした運動の蓄積とさらに若い世代への継承を実現していきたいと考えています。
 スケジュールに追いまくられていて、今回は、手短かにこれくらいで。