委員長のきまぐれ「週報」 「争議団的暮らしとは」

第20回 「会議は疾走する?」
( 2001年5月28日〜6月17日)

組合活動週報
5月28日(月) 機械Y&J、旭ダイヤ本社闘争、鳥井弁護団会議、出労交作業・例会
29日(火) ふじせ労組東京地裁前情宣、刑法・反弾圧集会
31日(木) ふじせ闘争支援共闘会議
6月1日(金) 地労委対策会議・東京地労委交渉、4・28連絡会東京郵政局闘争
2日(土) 争団連事務局・例会
3日(日) 全国交流会企画会議
4日(月) 関西現地行動
5日(火) PCCWJ恵比寿本社、一時金カンパ要請
6日(水) 学研本社朝ビラ、ケミカル闘争・展示会情宣、カンパ要請
7日(木) 学研第2ビル朝ビラ  南部労組全体会 、カンパ要請
8日(金) 学研第3ビル朝ビラ
9日(土) 鳥井電器闘争集中討論
11日(月) 出版関連労組交流会議幹事会、カンパ要請
12日(火) ふじせ闘争支援共闘会議、洋書センター労組・神保町情宣、5・29集会総括会議、争団連・全国担当者会議・事務局会議
13日(水) 大口製本印刷闘争・講談社前情宣、カンパ要請
14日(木) ふじせ労組・南部労組学研フリー労働者向け情宣、鳥井電器社長宅・社前闘争、品川臨職共闘区庁舎前闘争
15日(金) 機械・経営一族追及闘争、南部労組全体会議、カンパ要請
16日(土) 南部交流会合宿・集中討論
17日(日) 南部交流会合宿・集中討論


 ふじせ労組は、期日が6月27日に延びた行政訴訟の判決を控えて、5月29日朝に東京地裁前で情宣行動を行いました。また、6月6,7,8日と学研の3つの社屋前で朝ビラ(「パルス」)を配布しました。既にUPされていますので、ご覧ください。
 さて、今期も様々な会議が入りました。ふじせ闘争支援共闘会議、出版産別の共闘組織の会議、地域共闘=南部交流会の合宿・集中討論、地域合同労組=南部労組の会議、等。争議団の会議も東京(争団連)、全国交流会の企画会議がありました。この他に弁護団会議や、ここには掲載していない打ち合わせ等も入れると、大変な数の会議をこなしていることになります。
 いったい、そんなに会議ばかりやって、それが役に立っているのかと懐疑的な声を寄せる方もあるかと思います。「会議は踊る」という古い映画がありました。1814年のウイーン会議を題材にしたドイツ映画で、この題名は「会議は踊る、されど進まず」という言葉から取ったものだそうです。晩餐会や舞踏会に明け暮れた優雅で悠長な当時の宮廷外交の様を言い表したものですが、このドイツ映画の隆盛を極めたこの作品は、その二年後、ナチス政権成立と同時に上映禁止とされてしまいました。
 現代の私たちの会議は、これとは違って、たて込むスケジュールの中、限られた時間の間に、いかに有効な議論を進め、方針を決定するかに全力を傾けます。それぞれの個別闘争や共闘課題ごとに、関係者が集まって合意を図る必要があるわけです。私たちの会議は、「密集しながら疾走する」と表現したら良いかも知れません。特に、個別争議の重要局面をめぐる集中討論や拡大会議、共闘課題組織の集中討論や合宿での年間方針等、長期の方向性を決める議論は重要な場となります。随分、ヒートアップした議論になることもしばしばです。個別争議では、闘いの戦略・戦術や獲得目標をめぐる討議がしばしば起こります。
 だいぶ昔の話になりますが、争議団の支援共闘会議に定めてある規約をめぐって、争議団連絡会議の場で議論になったことがあります。上部団体や既成の労働運動の抑圧・切り捨てに抗して闘ってきた争議が多いので、私たちの仲間は、方針決定に於いて争議当該の主体性を重んじるのが当然のこととしてあります。支援共闘会議は、当該(労組)が支援と方針論議を行う場でもありますが、その支援共規約に「討議の末に(当該と支援で意見が一致しないときの方針決定は)最終的には当該が行う」ということが盛り込まれている争議もあります。しかし、「これは違うのではないか」という議論が持ち上がったわけです。確かに当該は争議の主体ですが、支援も直接の利害関係を持つわけではないものの、争議の帰趨は共闘関係に波及します。また、当該と同様に争議に関わり、責任を負っていくという点では対等な主体と考えることができます。主人公たる当該は神に祭り上げられ、支援はその主張に従って当該が決めたことを実行するだけ、というのは誤りでしょう。当該の立てている方針が重大な問題点を含んでいたりすれば、それを是正するところまで議論を詰めなければならないと考えるのは当然です。逆に支援共や上部団体が当該の納得を抜きに闘争を引き回すのも誤りであることは言うまでもありません。従って、このような二つの誤りに陥らないためには、とにかく皆が一致するまで議論を尽くす、規約はそれを保証すべきだ、という議論です。今でも、規約上、当該に最終決定権を委ねるという記述を設けている争議もありますが、実態的な運用としては、全員の納得を図るべく議論を尽くすという特徴が私たちの仲間の争議には見られます。「共闘」ということの重みを受け止め、形式的な多数決での方針決定等を行わないということです。しかし、大所帯の労働組合等の中では、この議論の徹底という方式は現実には成り立ちにくいものですね。その精神をどう生かすかということが重要ではないでしょか?
 さて、議論がことさら好きなわけではないものの、「共闘」とか「個と共同性の関係」とかを真剣に考えることの重要性から、丁寧に時間をかけて機関主義や官僚主義でない組織・運動実現を図ろうとして、私たちは、結果として長い会議になったり、効率第一でない運営になったりしながら、日々を過ごし闘っています。そして、会議毎に構成メンバーが違うとはいえ、私=気まぐれもそうですが、一人でいくつもの会議を抱えている人も多いので、最近は日程を入れるのに互いの調整に苦労したりします。毎回、議論白熱というわけではありませんが、「今日は早く切り上げられればなあ」と内心思いながら、あちこちの会議に足を運んでいるこの頃です。
 蛇足ですが、ふじせ支援共の会議は結構スピーディで早く終わることも多いですよ。当該のレジュメが良くできているせいでしょうか、などと自画自賛したりして。皆さん、私たちの支援共の会員になり、会議終了後のゆったりしたお酒と語らいの場を楽しむことを是非お奨めします。冷えたビールが旨い季節となりました。今回は、このへんで。