委員長のきまぐれ「週報」 「争議団的暮らしとは」

第19回 「冬のかんぱ、夏もカンパ」
( 2001年5月1日〜25日)

組合活動週報
5月1日(火) 新宿メーデー
7日(月) 南部労組全体会
9日(水) 学研会社説明会情宣
10日(木) 学研会社説明会情宣
11日(金) 学研会社説明会情宣
12日(土) ふじせHP掲示板公開、争団連例会、三河島社長宅
14日(月) 鳥井電器解雇無効本訴判決(原告請求棄却)、出版関連労組交流会議集中討論
15日(火) ふじせ闘争支援共闘会議、ケミカル弾圧15周年青梅社前闘争
16日(水) 品川区長会闘争
17日(木) 労争連統一行動(教育社、日野、立川基地)、北部九州争議団・労組交流会共同行動(三栄、網中)、出労交・ダイヤモンド社労組との交流会
18日(金) 鳥井電器弁護団会議、南部交流会事務局、南部労組全体会
19日(土) 地域共闘交流会例会
20日(日) 遠藤次期社長自宅情宣
21日(月) 鳥井電器武蔵小山駅頭・本社前、品川臨職共闘・区庁舎前、ジャパマーハイツ労組東映本社前闘争、鳥井電器闘争弁護団会議
22日(火) 旭ダイヤ本社、争団連事務局
23日(水) 大地市川センター、刑法全都実・基調討論、南部交流会例会
24日(木) 渡辺工業竜岡門・社前、三信自動車社前闘争
25日(金) 教育社ニュートンプレス前闘争、鳥井電器闘争支える会


 5月の私たちの闘いとしては、恒例の会社説明会に参加の就職学生への3日間連続社前情宣行動を行い、今年も学生さんたちへ学研の争議実態を知らせることができました。こちらは闘争ニュース「パルス」を参照してください。5月12日には掲示板の開設を各方面にお知らせし、過去最高のアクセスがありました。書き込みは始まったばかりでまだまだ。これから徐々に増えていくことと思われますが、意見・感想、学研やご自分の職場等の身近なできごと、何でも構わないので、自由に書いてもらいたいものです。
 共闘関係では鳥井電器の解雇無効本訴で原告請求棄却の不当判決が出されました。会社が合意書に反する転勤を強要して解雇したことの不当性の確認と採用以来の不利益・外国人労働者差別扱いに対する慰謝料・損害賠償を請求したものですが、採用時の約束である在留資格に則った業務に会社が就労させなかったことや、賃金・身分の一方的変更、一時金不支給、社員旅行にも連れて行かない等の差別を、裁判所は、本人の日本語能力が会社が期待に反して低かったので、やむを得ない措置だったとする、全く事実に基づかない会社の虚偽の主張に乗っかって、容認する判断を示したことは承服しがたいものです。シャジャハンさんと共に闘う仲間は、直ちに不当判決に負けず現場から闘う意思を5月21日の社前闘争で示しました。
 5月17日には、ふじせ労組のメンバーは手分けして、九州と三多摩の共同行動に参加しました。私は九州から空路、都内に戻り、夜は出版関連労組の共闘組織が主催する職場労組(今回はダイヤモンド社労組)との交流会に参加しました。羽田から原宿まで出て、少し遅れての参加となりましたが、若い労組員も交えて現在の職場の人々の考えていることを知ることができ有意義でした。その多くの職場の労組と交流・共闘関係を結ぶことで私たちは自らの争議も成り立たせているわけです。
 5月の末から6月にかけて、各争議団は一斉に夏の一時金カンパの要請に各職場を回ります。冬と夏の「ボーナスシーズン」は、争議団が「営業活動」に勤しむ日々となるわけです。中には、カンパだけでなく物品販売を行っている争議団もありますが、いずれにしても闘争の現状を職場の支援労組の皆さんに知ってもらうと共に、争議団財政へも支援を要請する重要な活動となります。「カンパ」の語源はロシア語のカンパニアに基づくと聞いたことがあります。争団連に属する争議団だけでも、二十数団体が一度に動くので、同じ職場で要請がかち合ったりすることもあります。内心、「先を越された」などと思いながら、にっこり笑って「争議団、親しき仲にも敵意あり」などと冗談を飛ばして、前の人の話が終わるのを待ったりしています。ふじせのような長期争議団はもう大抵の職場の労組のカンパ取り組みが定着しているので、詳しい闘争報告が必要でない場合も多いのですが、争議当該としては年二回の機会なので、大事に考えたいところです。ところが、職場の労組の担当窓口の人は毎年変わったりします。こちらも初めての人には少し詳しく話したいと思うわけですが、いくら電話で事前にアポを取っているとはいえ、勤務に追われている相手に長話はできません。要点をまとめて話すわけですが、話しはじめながら相手の人の反応で、「今日は忙しくて、早く終わりたがっているな」とか「関心を示し、詳しく聞きたがってくれているな」、等を瞬時に読みとって判断し、こちらで話の時間を調節します。争議団も長くやっていると、こういうことにも習熟し、いっぱしの「ベテラン営業マン」となるわけです。でもやはり、梅雨空の下や炎天下を歩き、頭を下げて回る私たちには、親しくしてくれている支援の仲間が、昼休みに呼んでくれて食事などおごってくれながら、近況を聞いてくれる(こちらも職場状況など聞かしてもらう)のが、一番ほっとする時間ですね。
 最近、職場状況もしんどくなってリストラ・賃下げ攻撃の中、労組もカンパ活動への取り組みが樂ではなくなっています。私たち争議団も、アルバイトをやるなどしながら、カンパだけに頼ることなく、財政的自活態勢を敷いていく努力を怠らないようにしてやっています。そして争議に勝利すること、争議ー職場の共闘関係を強化することが、職場の労組の経営に対する力を強くすることでもあると考えています。