委員長のきまぐれ「週報」 争議団的暮らしとは

第7回 週報が月報に!「しゃーない報」に負けそう
( 2000年8月28日〜9月30日)

組合活動週報
8月28日(月) 加部建材朝霞工場闘争、出版関連労組交流会議例会
29日(火) 三河島そうじ団社長宅闘争、鳥井電器解雇無効本訴
30日(水) 大道測量社前闘争、ふじせ闘争支援共闘会議
31日(木) ふじせ行政訴訟、争団連月刊紙作業、9・14反弾圧闘争第4回実行委員会
9月2日(土) 争議団連絡会議総会
3日(日) 治安出動訓練反対闘争
4日(月) 南部労組執行委員会
5日(火) 全国交流会担当者会議・作業
6日(水) ふじせ闘争支援共闘会議、洋C闘争反弾圧報告集会
7日(木) 機械工業新聞労組・経営一族追及(Y&J)闘争
8日(金) 南部交流会反弾圧集会
9日(土) 地域共闘交流会集中討論、統一獄組ジョイント・セミナー
10日(日) 9・14反弾圧闘争実行委員会
12日(火) 大道測量社前闘争、ジャパマーハイツ東映試写会情宣、品川臨職闘争拡大会議
13日(水) 連帯杉並区長追及闘争
14日(木) ふじせ労組&南部労組・学研五反田市販雑誌編集部情宣、9・14実行委員会霞ヶ関情宣、9・14反弾圧集会・デモ
15日(金) 全国争議団交流会企画会議
16日(土) ふじせ・学研役員自宅
17日(日) 東工大OB弾圧救対会議
18日(月) 三河島社長宅闘争、機械Y&J闘争
19日(火) 旭ダイヤ本社闘争、労働法連絡会事務局会議
20日(水) ふじせ学研本社朝ビラ、日野市遺跡労市役所闘争(三多摩労争連統一行動)、4・28連絡会反処分裁判
21日(木) ふじせ学研第3ビル朝ビラ、4・28連絡会大崎局闘争、教育社労組ニュートンプレス闘争、南部地区労働者交流会例会
22日(金) ふじせ学研社前闘争、鳥井電器社長宅・社前闘争、争団連事務局会議、鳥井電器闘争支える会
25日(月) 加部建材・三井道路本社闘争、出版関連労組交流会議例会
27日(水) 洋C神保町大情宣闘争、柴法拡大会議
28日(木) ふじせ学研第2ビル朝ビラ、鳥井電器解雇無効本訴、南部労組全体会
29日(金) 品川臨職解雇25周年・庁舎前集会・区長宅包囲デモ
30日(土) 武谷病院解雇9周年抗議デモ、加部建材弾圧報告集会



 とうとう、「週報」が「月報」になってしまいました。9月は前半が9・14反弾圧闘争の準備を中心に、後半は全都の争議団の集まりである争議団連絡会議が年一回発刊している機関誌=「莽」の作成で忙しい日々でした。特に「莽」誌の作成は、文字と写真がぎっしり詰まって100P程のものになるので、原稿集め、版下作成、校正にと時間がかかります。今回は、機械工業新聞労組の仲間に校正を分担してもらったので〆切りまでに間に合わすことができました。争団連主催の「全争議団闘争勝利総決起集会」が開催される10月6日には発刊となります。
 その集会のサブタイトルにつき9月22日、争団連事務局の場でああでもないこうでもないと議論になりました。もっとも、これが決まらないと困るという程のものではなく、集会に趣を添える、刺身のつま程度のものですから深刻な議論ではありません。へたなコピーライターが集まって呑気に雑談しているようなものです。しかも、最初は誰も考えてきていなかったので、私が「転換の時代をわがものとする不撓不屈の争議団共闘へ」という案を出して見ました。すると、若手の事務局メンバーから、「時代をわがものとする、というのは全共闘世代のような表現だなあ」と言われてしまいました。これは内心では自覚のある指摘で苦笑いして肯くしかありませんでした。さらに別の若手のメンバーからは、「不撓不屈、ってどういう意味ですか」と言われてしまいました。うひょー、私もオジサンになったということか、と思いつつ、意味を説明し、「確かに堅くて古い表現だよね」とつい弁解せざるを得ませんでした。結局、フレーズの後半を「争議団共闘の確固たる前進を」と変更することになりました。「確固たる」も古めかしいと言われればそのとおりなのですが、修正案を出したのも、私より年長の事務局メンバーですから、そんなに変わるわけがありません。タイトル全体が「ちょっと堅いな」と皆が感じたのですが、分からないと言う人はいないだろうし、ずっと持ち回るスローガンではないから、これで行こうということになりました。新しいメンバーが入って、じぶんたちの感覚でものを言う、争団連も若返りを実現し、これから、というところでしょう。
 資本の側からの労使関係の改変を初めとして社会の様々な面で大転換が訪れています。私たちは、この間の資本ー権力との攻防を「ねじり合い」と表現してきました。どちら側に回転させていくのか力勝負の真っ只中というわけです。経営者もこれまでのようにはやって行けなくなった、労働組合も変革が迫られている、現状維持はない、という中で、転換の時を自らのものとすることができるか、これは私たちのこれからの闘いにかかっていますが、その可能性は切り拓いてきていると思います。昨年から今年にかけて連続してかけられている刑事弾圧(洋書センター闘争ー加部建材闘争)は、警視庁公安二課が私たちの争議・労働運動を潰す目的で仕掛けてきていることは先に書きました(気まぐれ週報No3)。今まで、当たり前のこととして行われてきた経営者への直接追及や団交要求が、「逮捕・監禁」「威力業務妨害」とされて、逮捕・長期拘留・接見禁止という不当・理不尽な目に遭わなければならないのです。ここにも、大きな転換が訪れていますが、私たちは、こうした弾圧で運動を潰させはしない、逆に、弾圧を受けた争議団を皆で支え、この争議を勝利させていく共闘の力を高めてきています。
 さて、ふじせ闘争ですが、8月末に行った全国の学研関連(代理店・教室等)への情宣に対し、手紙、メールなどが届いています。「しゃーない訪」のコーナーで随時紹介をしていっていますが、同コーナーが一番盛り上がってきて、なんだか私たちのページが代理店や学研社員の方たちにのっとられてしまいかねない勢いです。うれしいことだと考えています。同時に、郵送物がかなりの数で戻ってきています。「ぱるす」にも報告しているように学研の切り捨て策とそれへの反発の双方の理由で代理店などの廃店がめだっています。
 私たちの闘いへの反響の増大は、学研のリストラの下で呻吟している多くの学研及び関連の皆さんが、倒産・解雇攻撃に屈せず長期に闘い抜いている私たちに信頼と評価を高めてくださってきているものであることが、手紙等の文面からも読みとれます。意を強くして頑張っていきたいと思います。この数年、社内からも告発文書や怪文書が多数飛び交いました。「学研を再生させる会」のように潰れてしまった様子の管理職グループもあります。同会については、「めだかのトトまじりでは戦いようがない。我々は巨悪を食いちぎる15頭のシャチとなる」等威勢のいい言葉が目立ちましたが、大言壮語やふじせを「外部」の者としか考えないこと等に限界を見ており、いずれ鼎の軽重は問われる(これも古い言葉ですね)ことを指摘してきましたが、予想された結末となっています。15人もいて(本当にいたのか?)、だらしがない話です。私たちは、「巨象を倒すアリ」に例えられたことがありますが、闘う己に陶酔する愚はよしにして、心ある学研及び関連の皆さんと共に、そして同じような闘いを展開している全都・全国の仲間と共に地に足をつけて前へ進むのみです。
 また、行政訴訟が8月末に正式に結審となり判決日が来年1月24日と指定されました。行訴の段階から弁護団に入って先頭で担ってくださっている伊東良徳弁護士、蜂屋信雄弁護士に感謝します。伊東さんが、名古屋出張中に先日の集中豪雨に遭ったときのことを「フリートーク」のコーナーに寄稿してくれています。「ダイハード」の主人公のように、この瞬間、自分が世界で一番ついてない男と考えたかどうかわかりませんが、窮地に直面しての思考の集中力の片鱗を垣間見ることができました。さすが、ふじせの事件を途中から引き受けて、過去の地労委・中労委の審問速記録(18年間、計70回分に及ぶ)や書証の膨大な内容を1ヶ月足らずで読み込み、頭に入れてしまい、裁判方針を提起してくれた、我らが頼れる弁護士さんです。でも、この度はほんとにお疲れさまでした。(と、慰労しておいて)「弁護士費用の振り込み、遅れていますが、もうちょっと待ってくださいね」
闘いの秋は忙しくなりますが、できるだけ「週報」らしいテンポで掲載していくようにします。