委員長のきまぐれ「週報」 争議団的暮らしとは

第4回 株主さんの複雑な心境
( 2000年6月12日〜7月8日)

組合活動週報
6月12日(月) 出版関連労組交流会議幹事会
14日(水) 全逓4・28連絡会・処分取り消し裁判
15日(木) 争団連事務局、声の教育社昼デモ(出版関連労組交流会議集中行動)
16日(金) 学研第2ビル朝ビラ、品川臨職区長会闘争、南部労組全体会
17日(土) 南部交流会合宿・集中討論
18日(日) 南部交流会合宿・集中討論
19日(月) 学研本社朝ビラ、明治大学生協労組駿河台校舎前闘争
20日(火) 全金本山東京支店闘争、機械工業新聞Y&J闘争、渡辺工業東大竜岡門前、加部建材三井道路本社闘争
21日(水) 学研第3ビル朝ビラ、学研本社前闘争、9・14反弾圧闘争呼び掛け団体会議
23日(金) 鳥井電器社長自宅・社前、旭ダイヤモンド工業社前闘争、丸の内運輸社前闘争、南部交流会機関誌作業、鳥井電器支える会例会
24日(土) 三河島そうじ団社長宅包囲デモ
26日(月) 品川臨職区庁舎前、4・28大崎局闘争、教育社ニュートンプレス闘争、出版関連労組交流会議例会
28日(水) 加部建材刑事裁判(浦和地裁)
29日(木) 学研株主総会闘争、争団連機関紙作業、ED闘争解決報告集会
30日(金) 東工大刑事公判
7月1日(土) 争団連例会
3日(月) 南部労組執行委員会
5日(水) 連帯杉並区長団交要求
6日(木) 機械Y&J前闘争
7日(金) 出労交作業・幹事会
8日(土) 加部弾圧統一救対会議


 またまた、間が空いてしまい、文字通りのきまぐれぶりとなっています。この4週間の動きの中で、私たちの争議では、学研の株主総会闘争がありました。年中行事となっております。
 今年も株主権を取得している当該・支援の仲間、計5名が会場内で質問権を行使し追及を行いました。この総会の詳しい報告は、「ぱるす」7月号に掲載しますが、ひとことで言って、現在の学研という会社は、あまりにも嘘が多い。それをごまかそうとする隠蔽体質はひどいもので、答弁に立った社長以下役員たちの姿は滑稽極まりないものでした。こんな体質では会社建て直し(それは私たちとの争議解決抜きにありえませんが)の道は険しいものがあります。
 私たちの内、2名が学研の株を取得して会場内での追及を始めたのが94年、この時、学研の株価は800円したので、株主権取得には800円×1000(株)×2(名)で160万円の費用がかかったわけです。98年にはさらに3名の仲間が株主権を取得しましたが、株価は330円と下落、3人分で100万円弱ですみました。現在の株価は230円程ですから、さらに取得しやすくなっていますが、これって私たちが所有している学研株がだんだん紙切れ同然に近づいていっているということでもあります。うーん、株主としては困ったな。
 山一との蜜月とその破綻など数々の不祥事と争議を抱えて、信用ががた落ちして株価が下がるのも当然の成り行きなのですが。私たちは争議団の身、そうそう財政が豊かなわけはなく、心ある支援や共闘関係の仲間の協力で助かっているものの株主権取得のための費用も大きな支出になったわけで、株価のことも気にかけなければならないとは。組合の会計報告でも有価証券評価損や売却損に計上しなければならなかったりして。91年に勝利した微生研闘争のときは、まだ一株株主で大勢が会場内(メインバンク群馬銀行の株主総会)に入れたことを思い起こすと、今昔の感があります。
 今の学研の株は、売るに売れない状態ですから、学研には経営体質を改善して、(即ち争議も解決し)、信用と株価を回復してもらわなければならない・・・とすると、「おー!」、株主の利害と争議団の利害は私たちにおいて一致しているということになりますぞ。「よーし、争議を解決させて株を売却し、仲間に借金を返すぞ。できれば儲けるぞ」と変な動機で力が入ってきたりして。
 むろん、これは冗談です。経営者はこのような回路で業績と株価の回復を考えているわけではなく、リストラ(人員削減、賃下げ=労働者への犠牲強要)で危機乗り切りを図っているわけですから、私たちをあくまで敵視しているわけです。しかし、争議の中で、こうした対立は職場状況を含め極限まで来ていることに気が付かぬ学研経営陣はやはり経営者としても賢明とは言えないでしょう。私たちは投資目的で株価取得をしているわけではないので、金では買えないものを、株主総会闘争や、これらを通じた学研内外の人々との結びつきで得ています。争議を長引かせ、痛手を被っているのは学研経営の方なのです。こうなれば、労働者は結構強い!
 学研代理店の方から「しゃーない報」に掲載されている「学研を蘇生させる会」の文章に対する手厳しいコメントが寄せられました。批判文書を出す本社社員に対し、まだまだ甘いとして彼らを含む学研総体への批判を書いています。関連の人々の労苦の上にあぐらを書いている学研の経営陣たち、責任者はこのような声すら聞かぬふりを続けるのでしょうか? 「今週」は手短かにこれくらいで・・・・。