PΛl s
学研・ふじせ闘争 社前版   2026年1月21日号
 東京ふじせ企画労働組合  ふじせ闘争支援共闘会議

学研HD株主総会 
宮原社長「名誉毀損判決」につき回答を拒む

不当な総会運営をネトウヨ株主も後押し、抗議の声で場内は騒然
 学研および関連で働く労働者の皆さん!今年もよろしくお願いします。
12月19日、学研ホールディングスの第80回定時株主総会が、大崎広小路の五反田JPビルで開催されました。今号は、その報告を掲載します。
 総会で発言した株主の方からも指摘されましたが、今年創業80年を迎える学研は、そのうち52年間にわたって労働争議を抱えているという、他に例を見ない異常な状況です。本社での全学研労組との争議(1973年〜1992年)に続く下請会社倒産攻撃での争議(1978年〜)は未だに解決せず史上最長の争議になっています。


           総会会場=五反田JPビル前で抗議・情宣

 「ふじせ闘争」は、下請会社=ふじせ企画での労組結成に学研経営が身を乗り出して介入し、組合潰しの委託編集業務総引き上げ=倒産・全員解雇攻撃を35名の労働者に仕掛けたことで始まった争議です。学研経営
は争議解決のための話し合いを拒んで居直るばかりか、最近は組合の真実のニュース記事に対して言いがかりの損害賠償訴訟を濫発し、組合員の自宅を差押える等の悪質な金の取り立てまでして争議責任追及の活動を潰そうとしてきました。
宮原学研社長の株主総会での「組合に3億円要求されている」
との虚偽答弁は「名誉毀損」との判決

 ふじせ企画労組は、この30年間ほど、毎年の株主総会で株主となり、ふじせ争議の責任はもとより、社内・関連から寄せられた内部告発の声も取り上げ、経営の不祥事や問題体質を追及してきました。しかし、宮原博昭社長は歴代社長と同様に、株主総会で私たちの質問にまともに答えず、組合が学研に言いがかりをつけて来て、金を脅し取ろうとしているかのような説明を再三、株主向けに行い、ついには2021年の総会で「組合に3億円を要求されている」などという根も葉もない虚偽答弁を一般株主向けに行いました。これに対して組合側から起こした「名誉毀損・損害賠償請求」訴訟で、社長の発言は名誉毀損であるとの判決が東京地裁・高裁・最高裁で出されました。「組合は金銭要求をしておらず、打ち切った委託業務の再開と雇用保障を求めていることを知悉していながら、このような発言を行った被告宮原の答弁は悪質である」と判決は指弾しました。また、株主総会で最近は挙手しているふじせ株主たちに発言もさせない質問封じと翼賛株主が組合株主に誹謗中傷を行ってきた不当な総会運営を批判した組合ニュース記事に対して学研経営が損害賠償訴訟を起こしてきた裁判につき、批判をしたところ、この記事にさらに損賠請求訴訟を仕掛けてきた「サクラ損賠」裁判でも、ついに学研経営側の訴訟攻撃は棄却され、こちらも学研の敗訴が確定しました
今次の株主総会では、特に「宮原損賠」確定判決に社長がどう向き合い、回答するかが求められており、会社側の回答が注目されました。株主総会開始に先立ち、大崎広小路交差点(五反田JPビル前)で株主や通行する人々に組合のチラシを配布しました。注目を集め、チラシの受け取りは良く、総会参加の株主もかなりの方々が争議実態を知らせるチラシを受け取り、会場に入っていきました。
10時から開始された総会では、監査役会報告、事業報告(ビデオ上映)、決議事項説明の後、メールでの事前質問の報告がされ、「認知症増加への対応」「第3の柱となる新規事業分野」「学研教室の高いロイヤルティで疲弊する教室指導者」「毎年、総会では経営に対する攻撃的な発言が見られるが、その真相は?」等が寄せられていることが分かりましたが、特に3点目、4点目には明確な回答がされませんでした。
質疑応答の冒頭から宮原社長への名誉毀損判決確定につき質問が飛び出す!
 この後、いよいよ質疑応答に入りました。議長である宮原社長は、「できるだけ多くの株主様にご発言いただきたいので一人一問でお願いします」と毎回のセリフを口にしましたが、本心はそんなつもりは全くありません。15名ほどの挙手がありましたが、その半数を超えるふじせ労組関係の株主には絶対に指さないように目をこらして見渡します。宮原社長に顔を覚えられたふじせ株主は、殆どの株主がここ10年以上、指名されずにいます。質問権を不当に侵害されているのです。やむなく自席から抗議の声を上げざるを得ない場面も多くなります。ふじせ労組に共鳴し、争議につき質問する株主も新しく生まれます。冒頭に指名されたのが、まさに宮原社長の知らぬ株主でした。
社長、慌てて質問を妨害、答弁拒否で逃げの一手に抗議の声で場内騒然
 株主は 「来年80周年を迎える学研は、そのうち52年間も争議を抱えています。 2021年の株主総会で宮原社長が答弁した発言が組合への名誉毀損であるとされた訴訟につき・・・」と話しかけた途端に、宮原社長の顔色が変わりました。彼は焦って、「株主様、具体的な質問をお願いします」と繰り返して発言をさえ切り、質問者の発言が他の株主たちに聞こえないように発言妨害をし、この対応を続けました。抗議の声が場内に飛び交いました。「具体的に聞いてるじゃないですか」「経過を伝えているのに発言妨害するな」。妨害にめげずに株主は、社長の発言が名誉毀損とする判決が確定したことを述べ、関連でふじせ争議の責任につき質そうとしたところ、「質問は1問ですので」と封じられてしまいました。宮原議長は、「ふじせ労組との件についての質問でしたが」として、安達取締役に答弁を振りました。安達取締役が回答、「総会の目的事項でないので、お答えは控えます」。これには当然、抗議の声が会場のあちこちから飛び交いました。「宮原社長が答えなさいよ」「一昨年は係争中を理由に答えなかったが、判決が確定したのだから答えなさいよ」「株主総会の社長発言であり、目的事項だろ」等々の声が続出しました。
ネトウヨ株主が、「彼らを退場させろ」と発言 総会は騒然となり一層紛糾
 宮原社長は、これらを無視し、次の株主を指名しました。これがネトウヨ株主でした。
開口一番、「野次を飛ばしている人たちを退場させてください」と発言。これに抗議の声がまた上がりました。場内はまた騒然となりました。宮原社長は「静粛に。指示に従わないと退場させますよ」とネトウヨ株主発言を引き取って繰り返すようになりました。この株主の質問は、「株主総会は重要な行事なので、会場に国旗と社旗を掲げてはどうでしょうか」「高市政権が誕生し、自虐史観を見直すことが言われています。参政党も躍進しました。自虐史観の教育を改めて、学研もよい教科書が発行されるようにして欲しい」。これらにまた抗議の声が拡大しました。さすがに会社答弁は、これにまるごと賛意を示すものではありませんでしたが、「若者の自己肯定感が弱くなっていることに自虐史観教育の影響がなくはないかも知れない」旨の答弁も一部あり問題でした。
3人目の株主、「学研TVについて」、4人目の株主、「株主総会の場所について」、5人目の株主、学研教室の先生から「高いロイヤルティで教室を維持していくのが困難なことついて」の質問が続きました。学研教室の先生たちからは毎年、質問があり、今回の会社答弁も、質問に答えていない内容だったため、また抗議の声があちこちから上がりました。6人目の株主から、「会社のサイバーセキュリティについて」、7人目の株主、宮原社長と細谷取締役の関係について」、両者を礼賛する質問がされ、これこそ総会の目的事項には疑問であり、また抗議の声が上がりました。
質疑を一方的に打ち切り、逃げるように立ち去る経営陣
 ここまでで、宮原社長は質疑打ち切りを宣告したため、「まだ11時半にもなっていない」「質問がまだあるのに」「発言させなさいよ」と次々、抗議の声があがりました。これらを無視し、宮原社長が決議事項採択に移ったため、場内は抗議の声で騒然となり、混乱の中、総会を打ち切り、社長ら役員たちは逃げるように退場していきました。ネトウヨ株主も追及をされると思ったのか、慌てて会場から逃げていきました。
宮原社長は何故、判決を真摯に受け止めないのか?その理由は・・
 宮原博昭社長が今度こそ「名誉毀損」とされた確定判決につき、真摯に受け止める姿勢を示し、話し合い拒否をやめて争議を解決するように求めていたのですが、なさけない限りです。嘘をついた、虚偽答弁であることを自身が一番よく分かっており、それを認めるとこれまで総会のたびに組合が金銭を脅し取ろうとしているかのような誹謗をしていたことにつき誤りを認め、争議解決をせざるを得なくなると考えてのことでしょう。しかし、ここまで来た以上、潔く責任を認め争議を解決する賢明で良識ある姿勢に転ずべきです。私たちは話合い解決を求めていきます。
<学研・ふじせ闘争とは>
 学研の下請編集プロダクション「東京ふじせ企画」に勤め、「○年の科学」「マイコーチ」などの編集業務を行っていた私たちが無給長時間残業・低賃金などの超劣悪な労働条件の改善のために組合を結成すると、わずか一週間後、学研は私たち34名に行わせていた業務の一切を引き上げ、会社を倒産させて全員の首を切りました。
 これ以前に本社では、全学研労組結成への14名の解雇・賃金差別、管理職らを総動員した吊し上げや集団暴行等で73年〜92年まで争議が続きました。結成直後から全学研労組員に仕事干しを行い、スト対策のために労組員から取り上げた業務を下請化した会社がふじせ企画でした。そこにも組合ができたことに学研経営が焦っての暴挙です。下請けの経営者も後に「組合潰しは学研の指揮・命令」と事実を明かしています。
 倒産後に東京ふじせ企画破産管財人が学研相手に起こした損害賠償訴訟では、東京地裁が「組合を解散に追い込む目的で学研が業務を引き上げた」と争議責任を有する事実を認定、ふじせ労働者に直接管理・監督して雑誌・教材を制作してきた学研の実質的使用者実態も認める判決を出しました。荒井裁判長は、「組合が起こしていれば勝っていた」と最後に口頭で付け加えました(経営同士の委託契約解除故に損賠責任は否定)。
 学研経営が唯一、居直りの口実にしているのが、この地裁判決と逆に学研の使用者性を認定しなかった労働委員会の命令です(後に行政訴訟で確定)。「労働者派遣法」が 85年に制定された流れで出されたものです。直接の雇用者と派遣先経営者を分離して、派遣先の使用者責任を免罪する悪法が親会社や派遣先の労働者使い捨てと今日の派遣切りを生み出しました。都労委不当命令は、組合潰しの業務引き上げ等の事実認定の中でも学研が主導した部分を意図的に削除し、下請経営者がやったことに書き換えて、「使用者でない学研が何をしたかは認定する必要がない」と言っているひどいものです。使用者性の有無を差し措いても、学研が下請会社を倒産させた事実は明らかで、労働者を解雇状態に追い込み、生活を奪った争議責任は重大です。
 争議解決のための話し合いを拒んで居直るばかりか、最近は組合のニュース記事に
対して損害賠償訴訟を濫発し、組合員の自宅を差押える等の悪質な金の取り立てまで
して争議責任追及の活動を潰そうとする学研経営の対応は許しがたいものです。