争議解決、他社ができて学研ができないのは?

未だにウェブサイトで責任を隠蔽する説明を掲載
 宮原社長の虚偽答弁と苦しい弁解は通用しない

 学研の下請組合潰しを狙った業務総引き上げ=倒産・解雇攻撃の責任を追及している争議=学研・ふじせ闘争をめぐっては、昨年2月の最高裁での「サクラ損賠」組合勝訴確定、8月の最高裁での「宮原損賠」組合勝訴確定を受けて迎えた2025年、学研経営は動揺を深めながらも、責任を取らないまま、逃げ切りを図ろうとする動向が未だに存在している様子です。
 この10数年間にわたって学研経営はふじせ闘争を潰そうとして民事弾圧を組合ニュース記事への立て続けの「名誉毀損」・損害賠償訴訟や間接強制攻撃として仕掛けてきました。しかし、組合員の預金口座や自宅を差し押さえるなどを含めて悪質金融なみの金の取り立てをする嫌がらせ訴訟や組合のニュースを転載したネット記事の削除を求める間接強制で私たちの闘いを潰すことなど出来ませんでした。
 連続訴訟攻撃は、千葉市の学研ココファンあすみが丘の居住者の方たちが当労組に相談を寄せてきた待遇改善を求める声を取り上げた組合のニュース記事への「名誉毀損」訴訟を第1弾として仕掛けられ、以降も、組合の記事が真実であるにもかかわらず言いがかりを付けて損害賠償請求するものでした。これらにつき裁判所が一部上場の大企業=学研の主張を鵜呑みにして下請け労組への予断と偏見に満ちた根拠なき判決を出したものでした(請求金額が1千万円単位に対して判決はいずれも100万円弱)。学研経営は味をしめて、株主総会の不当な運営(組合株主の発言を途中でマイク電源を切断する、挙手していても発言させない、翼賛株主がふじせ株主を誹謗する、など)を批判した記事、殺人事件が起きたココファンまちだ鶴川につき言及した福祉団体理事のブログ記事を引用して、この件へのコメントを求めた株主総会質問書、仙台の進学塾=あすなろ学園の学研による買収の過程で起きた経営の内紛・分裂の事実を伝えた記事、等々、いずれも「名誉毀損」などとは到底言いがたい事案につき不当な訴訟を仕掛けてきました。
 私たちは法廷で正当な真実の記事への言いがかり訴訟に対する反論の主張をその都度展開してきました。記事を転載したネット記事の削除を「間接強制」という手段で請求してきた件では、記事の削除を命じる間接強制決定(記事掲載1日につき20万円の支払いを命じるもの)で決定文の誤記から5本の記事のうち1本が削除漏れとなったことを学研が意図的に放置して日数を稼ぎ、学研はその事実を組合に知らせて削除を求めるのが間接強制の趣旨なのに、67日経過してから「間接強制決定違反金」(1日20万円×67)1340万円を債権と言い立てて再び組合員の自宅を差し押さえてきたのです。組合は請求異議審を提訴して争ってきました。その中で、裁判所は、学研の権利濫用を批判し、「著しく信義誠実の原則に反し、正当な権利 行使の名に値しないほど不当なもの」と間接強制制度を悪用するやり方を指弾するに至りました。私たちの法廷闘争での反撃の成果です。
 そして、昨年判決が確定した「サクラ損賠」事件は、不当な損賠判決を批判した組合の記事が「名誉毀損だ」などとして起こした学研の請求を棄却する内容で勝利、学研経営の民事弾圧での組合圧殺戦略が破綻したのでした。
「宮原損賠」判決への経過でも学研の争議責任隠蔽策の破綻が明確
 学研の損賠訴訟攻撃は学研HD発足を受けて社長に就任した宮原社長のもとで仕掛けられたものですが、宮原社長自身も株主総会答弁で毎回、ふじせ労組への誹謗をくり返して責任のない学研経営に組合が言いがかりを仕掛けてきて、金銭を脅し取ろうとしているという虚偽の説明を株主に向けて行い、この誹謗がエスカレートして2021年の株主総会では「組合に3億円を要求されている」などと全くのデタラメの答弁を行なったのでした。これが「宮原損賠」事件で、社長の答弁が名誉毀損となった対象です。 23年3月、東京地裁藤澤裕介裁判長は、「東京ふじせの業務再開を求め、金銭解決を固辞してきた原告労組の社会的評価を低下させるものと認められる」と判示し、「雇用回復を強く求め、金銭解決を固辞してきた原告労組の名誉を毀損するものである」、「被告宮原は、原告労組の要求内容について知悉しながら、本件発言に及んだこと、・・・殊更虚偽の事実を摘示したものと読み取れるから、悪質というべきである」と指弾し、損害賠償金の支払いを命じました。判決は、東京高裁(23年10月)、最高裁(24年8月)でも維持され確定しました。企業トップが平然と嘘をつき争議責任を居直っているのです。虚偽答弁での社長の発言は、会社のウェブサイトの中の株主・投資家の皆様へとして「東京ふじせ企画労組との問題とは」との標題を設けて、東京ふじせ企画の経営破綻に伴って、組合が会社に押しかけてきて言いがかりを付けている旨の説明をしていることとセットになっている悪質な嘘の説明です。学研のこの説明では、「何故、東京ふじせ企画が経営破綻したのか」についてはごまかして一切触れないようになっています。
 その上で、学研に責任はなく、「争議など存在していない」などという居直りを表明しているのです。学研経営が下請けで結成されたふじせ労組を潰す目的で、業務総引き上げ=下請会社の倒産攻撃を仕掛けたことで「経営破綻」=会社倒産・全員解雇となったのですから許しがたい争議責任隠蔽の説明なのです。このことが直接、満天下にさらされたのは、1985年に東京ふじせ企画の破産管財人が学研を相手に起こした損害賠償訴訟の判決でした。組合を潰すために学研が東京ふじせ企画を倒産させたことを明確に認定しています。
 宮原社長の虚偽答弁が指弾され、学研の争議責任も明らかであるにもかかわらず、未だに学研経営は、「争議など存在しない」とのあきれた主張をウェブサイトから削除せず掲げ続けているのです。
 宮原社長は、以前から総会答弁で、たとえ解決したくても、会社の経営資源から金銭を支払うことなど株主の皆さんが許さない、などと言ってきています。争議などない、責任がないことに金を使えば、株主代表訴訟の対象になるなどとほのめかしてきていましたが、全くもって失当です。私たちは株主総会の質問の際に、倒産攻撃を仕掛けた映画会社=東映の争議責任を追及して勝利したジャパマーハイツ労組の仲間からも株主になっていただき、発言してもらいました。同労組も東映株主総会で東映を激しく追及、最後には東映が使用者責任は認めなかったものの、争議責任を認めて関係会社に雇用を保証する形で争議を解決したのです。他にも、中央公論社争議や朝日・明和争議でも、解決が実現したことも学研との損賠裁判でも証拠として出してきました。組合の追及を受けて解決してきた労働運動での無数の争議で、解決が株主から歓迎されこそすれ、問題にされたことなどありません。そんなことは争議解決を拒むための虚偽の主張です。
 学研は、これを改め、「争議はない」などというウェブサイトの弁解を削除して争議を解決することこそ、株主に対しても責任ある態度です。他社が解決できているのに、解決を未だに決断できていない学研経営のなさけない実態を反省して解決を決断しなさい。


現場から争議解決を求めて、社前行動を展開
9・30学研社前行動

 秋季第一波の学研社前行動を9月30日に展開しました。8時過ぎに出社してきた小早川常務、安達取締役にそれぞれ「争議を解決しなさい」と抗議しました。宮原社長の出社はありませんでした。朝ビラの受け取りは良く、「頑張ってください」との励ましの声も複数の方からいただきました。9時からは座り込み、マイク情宣を行い、学研が動揺しながらも争議解決を拒んでいる実態をアピールしました。

     9・30社前行動                10・21学研社前行動
10・21学研社前行動
 10月21日は、昼休みの12時30分から14時までの社前行動を行いました。来客・取引先、学研関連の人々にビラを配布、効果的な訴えをすることができました。
<学研・ふじせ闘争とは>
 学研の下請編集プロダクション「東京ふじせ企画」に勤め、「○年の科学」「マイコーチ」などの編集業務を行っていた私たちが無給長時間残業・低賃金などの超劣悪な労働条件の改善のために組合を結成すると、わずか一週間後、学研は私たち34名に行わせていた業務の一切を引き上げ、会社を倒産させて全員の首を切りました。
 これ以前に本社では、全学研労組結成への14名の解雇・賃金差別、管理職らを総動員した吊し上げや集団暴行等で73年〜92年まで争議が続きました。結成直後から全学研労組員に仕事干しを行い、スト対策のために労組員から取り上げた業務を下請化した会社がふじせ企画でした。そこにも組合ができたことに学研経営が焦っての暴挙です。下請けの経営者も後に「組合潰しは学研の指揮・命令」と事実を明かしています。
 倒産後に東京ふじせ企画破産管財人が学研相手に起こした損害賠償訴訟では、東京地裁が「組合を解散に追い込む目的で学研が業務を引き上げた」と争議責任を有する事実を認定、ふじせ労働者に直接管理・監督して雑誌・教材を制作してきた学研の実質的使用者実態も認める判決を出しました。荒井裁判長は、「組合が起こしていれば勝っていた」と最後に口頭で付け加えました(経営同士の委託契約解除故に損賠責任は否定)。
 学研経営が唯一、居直りの口実にしているのが、この地裁判決と逆に学研の使用者性を認定しなかった労働委員会の命令です(後に行政訴訟で確定)。「労働者派遣法」が 85年に制定された流れで出されたものです。直接の雇用者と派遣先経営者を分離して、派遣先の使用者責任を免罪する悪法が親会社や派遣先の労働者使い捨てと今日の派遣切りを生み出しました。都労委不当命令は、組合潰しの業務引き上げ等の事実認定の中でも学研が主導した部分を意図的に削除し、下請経営者がやったことに書き換えて、「使用者でない学研が何をしたかは認定する必要がない」と言っているひどいものです。使用者性の有無を差し措いても、学研が下請会社を倒産させた事実は明らかで、労働者を解雇状態に追い込み、生活を奪った争議責任は重大です。
 争議解決のための話し合いを拒んで居直るばかりか、最近は組合のニュース記事に
対して損害賠償訴訟を濫発し、組合員の自宅を差押える等の悪質な金の取り立てまで
して争議責任追及の活動を潰そうとする学研経営の対応は許しがたいものです。