学研経営は長期争議を抱え、逃げ切れると思うな!
株主総会での宮原社長の虚偽答弁を指弾する判決も出る

 学研で働く皆さん、とりわけ採用が決まり内定式にご参加の皆さん!
学研HDは、本社ー下請けで、争議を引き起こし、それも現在まで解決せず、皆さんが驚くような異様な長期化を招いて居直っています。
 私たちは、学研の下請編集プロダクションでの労組結成と同時に仕掛けられた組合潰しの倒産・解雇攻撃の責任を追及して、学研の居直りを許さず闘っている労働組合です。
「サクラ損賠」「宮原損賠」裁判、学研経営6連敗の意味するもの
 学研経営は創業者一族の古岡会長・社長親子への団交要求行動や学研社前行動等に対して79年〜88年にかけて相次いで行動禁圧の仮処分攻撃を仕掛けふじせ闘争圧殺を図り、89年には労働争議への初めての「間接強制」適用攻撃をおこなってきました。仮処分決定に違反したら、一回の違反ごとに金銭を取り立てる制度です。私たちは全国の仲間と共にエスカレートする弾圧に全力で反撃し、間接強制を撃ち破る闘いを多様に展開して、これを撃ち破りました。
 そして、90年代から暴力労務政策のつけが回って経営危機に陥り、希望退職募集など労働者への犠牲強要を重ねる学研経営に学研社内・関連の仲間と結んで、社前闘争・株主総会闘争・イベント闘争等を展開、87年の都労委不当命令とこれを追認しただけの行政訴訟での判決に至る学研の使用者責任を否定する完全に誤った判断を許さず現場攻勢を展開していきました。これらの判断とは逆に倒産させられた東京ふじせ企画の破産管財人が起こした学研相手の損害賠償訴訟では、1985年に「学研がふじせ労組を潰す目的で東京ふじせ企画を倒産させた」と明確に認定する判決が東京地裁で出されています。古岡秀人・古岡滉の一族専制が破綻、沢田、小松、遠藤と社長が替わり、2008年の本社五反田移転、2010年持ち株会社化を受け社長を引き継いだ宮原社長の新体制下でも、学研経営はふじせ闘争を潰そうとして第2次の民事弾圧を組合ニュース記事への立て続けの「名誉毀損」・損害賠償訴訟として、この10数年に渡って仕掛けてきました。この攻撃下で、組合員の預金口座や自宅を差し押さえるなどを含めて悪質な金の取り立てを学研経営は行ってきましたが、この連続訴訟攻撃による民事弾圧もここへ来て破綻してきています。
判決批判の記事にさらに損賠請求するも棄却で組合勝訴
 学研が株主総会で翼賛株主にふじせ労組への誹謗・中傷を行わせた不当な株主総会運営を批判した記事を名誉毀損とした判決を批判したところ、この組合の経過説明・論評に対して学研経営がさらに「名誉毀損」などと言い立てて起こした「サクラ損賠」裁判で、学研の言うような「名誉毀損事実の再摘示」などではない、との主張を全面的に認めて、22年9月、東京地裁は学研の請求を棄却し、23年3月には東京高裁でも控訴棄却、24年2月の最高裁でも上告棄却で組合勝利の判決が確定しています。
株主総会での宮原社長の虚偽答弁は名誉毀損との判決!
 また、21年12月の株主総会で宮原学研社長は、争議解決の意思を質した組合の質問に、「3億円を要求されている」などという虚偽の答弁を行いました。以前から総会では毎回のように「組合はゆすりたかり集団」という印象付けを図っていましたが、組合は金銭要求などしておらず、裁判所や労働委員会などで争議の金銭収拾を提案してきたのは学研です。組合は「雇用と業務の保障」による解決を請求してきたのが真相です。
 一般株主向けに組合を誹謗する許しがたい名誉毀損の発言を行った宮原社長と学研に対して、23年3月、東京地裁藤澤裕介裁判長は、「東京ふじせの業務再開を求め、金銭解決を固辞してきた原告労組の社会的評価を低下させるものと認められる」と判示し、「雇用回復を強く求め、金銭解決を固辞してきた原告労組の名誉を毀損するものである」、「被告宮原は、原告労組の要求内容について知悉しながら、本件発言に及んだこと、・・・殊更虚偽の事実を摘示したものと読み取れるから、悪質というべきである」と指弾し、損害賠償金の支払いを命じました。「宮原名誉毀損」判決は、東京高裁(23年10月)、最高裁(24年8月)でも維持され確定しました。企業トップが平然と嘘をつき争議責任を居直っているのです。
 学研経営にとって、「サクラ損賠」敗訴は、学研の民事手段を使ったふじせ闘争圧殺策が破綻し、行き詰まったことを示しています。そして、「宮原損賠」敗訴は、争議をめぐる経営の隠蔽体質が法廷でも露わになり、続いてきた学研経営の争議・不祥事隠蔽体質が現経営陣にも引き継がれており、悪質であることを鮮明にしたものです。
動揺を深めるも、未だに争議責任居直りを画策する学研経営
 昨年2月の最高裁での「サクラ損賠」勝訴確定、8月の最高裁での「宮原損賠」勝訴確定を受けて迎えた2025年、学研経営の中には、責任を取らないまま、ふじせ争議から逃げ切りができないか、と思案する役員もいるようです。しかし、依然として倒産解雇攻撃を仕掛けた争議責任を居直っているものの、このまま争議を抱えていけるのかを考えざるを得ない局面を迎えていると言えます。
 自社ウェブサイトで、「東京ふじせ労組との問題とは」と題して、組合がふじせの経営破綻に伴い学研に言いがかりをつけ嫌がらせを行っている、などという虚偽の説明を掲載し、裁判で使用者性が否定されたことを持って「裁判で決着した。学研に争議などない」(IR「よくあるご質問」コーナー記載)などというトンデモ理論へのしがみつきで醜悪な弁解をしていますが、東京ふじせの経営破綻=倒産は何故起きたのかに触れず、東京ふじせ企画に倒産攻撃を仕掛けたことを隠し通せると思っているのでしょうか?
 学研経営が倒産攻撃を仕掛けた争議責任は免れられず、苦しい言い逃れは通用しません。今こそ、争議解決を決断すべきなのです。
社前・イベントなどで解決の決断を迫る行動を展開
 2025年は、二つの事件での裁判で組合側の勝訴が確定し(「さくら損賠」で学研経営の損賠攻撃=弾圧策が行き詰まり、「宮原損賠」で宮原社長の組合敵視、誹謗・中傷での争議責任居直りが「悪質」と指弾され、許しがたいものであることが明白になって)、学研・ふじせ闘争が最大の山場を迎えた年になっている。
 学研・ふじせ闘争は、今年前半の闘いを、2・27倒産・解雇47周年社前集会、新入社員を歓迎しての3・31入社式社前闘争、来客・取引先へ争議実態を知らせる4・9学研社前昼行動、継続して宮原社長の出社に抗議を浴びせた4・21学研社前行動、5・19社前行動、宮原社長が協会理事長になって2回目の5・29日本雑誌協会総会での情宣・抗議行動、事業会社学研ココファンがサービス付き高齢者住宅の業界団体の中心をしめて、内閣府や国土交通省の役人の講演や座談会を開催した6・9高齢者住宅協会のイベント、組合員の預金口座のありかを学研に知らせて差し押さえ=悪質な金銭取り立てに加担した三井住友銀行を糾弾する三井住友FG株主総会闘争、7・6夏休み応援の学研のイベントへの情宣行動、7・24計5波目の宮原社長迎え撃ちとなった社前行動等を展開して、社長と学研に争議解決を迫っています。
以下は、先月号以後の行動の報告です。引き続き、皆さんの注目と連帯、協力を呼びかけます。
7・24学研社前行動
7時30分からの社前行動。この時間での展開は5月以来。設営に続き組合ニュースを配布。8時30過ぎに出社してきた安達取締役に「争議を解決いなさい」と迫ると、顔をしかめて社内に入って行きました。
 9時までのビラ配布に続き、座り込み抗議へ。9時15分頃、宮原社長の乗ったセンチュリーが到着、全員で抗議の声を浴びせました。10時までの闘いを打ち抜きました。   

7・24地下駐車場へと走り去る社長車     
8・1ファミリーディ (学研社前)

8・1学研ファミリーディ情宣

 恒例の社員家族参観日として催された行事に対して、社前での学研経営抗議行動を打ち抜きました。学研社員に同伴してやってきた子どもたちは、好奇の目を向けていたが、学研労働者の皆さんは子どもたちにどう説明したでしょうか?内部告発を寄せてくれる労働者、ビラ受け取り禁止令に黙って従う労働者、学研の中でもいろいろです。この日のハイライトは、社前に据えたカラオケ兼用の音響装置で、支援共メンバーのお連れ合いが録音した争議の説明アナウンスが非常にクリアーに流れたことです。
 12時30分からの行動の最後14時までの30分、台風雨が一気に本降りになって
旗・横断幕等はずぶぬれ、参加者もぬれたが、皆で最後まで行動を貫徹しました。

<学研・ふじせ闘争とは>
 学研の下請編集プロダクション「東京ふじせ企画」に勤め、「○年の科学」「マイコーチ」などの編集業務を行っていた私たちが無給長時間残業・低賃金などの超劣悪な労働条件の改善のために組合を結成すると、わずか一週間後、学研は私たち34名に行わせていた業務の一切を引き上げ、会社を倒産させて全員の首を切りました。
 これ以前に本社では、全学研労組結成への14名の解雇・賃金差別、管理職らを総動員した吊し上げや集団暴行等で73年〜92年まで争議が続きました。結成直後から全学研労組員に仕事干しを行い、スト対策のために労組員から取り上げた業務を下請化した会社がふじせ企画でした。そこにも組合ができたことに学研経営が焦っての暴挙です。下請けの経営者も後に「組合潰しは学研の指揮・命令」と事実を明かしています。
 倒産後に東京ふじせ企画破産管財人が学研相手に起こした損害賠償訴訟では、東京地裁が「組合を解散に追い込む目的で学研が業務を引き上げた」と争議責任を有する事実を認定、ふじせ労働者に直接管理・監督して雑誌・教材を制作してきた学研の実質的使用者実態も認める判決を出しました(経営同士の損賠は否定)
 学研経営が唯一、居直りの口実にしているのが、この地裁判決と逆に学研の使用者性を認定しなかった労働委員会の命令です(後に行政訴訟で確定)。「労働者派遣法」が85年に制定された流れで出されたものです。直接の雇用者と派遣先経営者を分離して、派遣先の使用者責任を免罪する悪法が親会社や派遣先の労働者使い捨てと今日の派遣切りを生み出しました。都労委不当命令は、組合潰しの業務引き上げ等の事実認定の中でも学研が主導した部分を意図的に削除し、下請経営者がやったことに書き換えて、「使用者でない学研が何をしたかは認定する必要がない」と言っているひどいものです。使用者性の有無を差し措いても、学研が下請会社を倒産させた事実は明らかで、労働者を解雇状態に追い込み、生活を奪った争議責任は重大です。
 争議解決のための話し合いを拒んで居直るばかりか、最近は組合のニュース記事に
対して損害賠償訴訟を濫発し、組合員の自宅を差押える等の悪質な金の取り立てまで
して争議責任追及の活動を潰そうとする学研経営の対応は許しがたいものです。