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2024年9月26日号
東京ふじせ企画労働組合
ふじせ闘争支援共闘会議
「宮原損賠」最高裁、社長・学研の上告棄却(8/19)
株主総会での社長発言は名誉毀損との判決確定!
2021年12月の株主総会で宮原学研社長は、「組合に3億円を要求されている」などという虚偽の答弁を行いました。以前から総会では毎回のように一般株主向けに「組合はゆすりたかり集団」という印象付けを図っていましたが、組合は金銭要求などしておらず、裁判所や労働委員会などでの和解打診に対して争議の金銭収拾を提案してきたのは学研の方でした。
組合を誹謗する名誉毀損の発言を行った宮原社長と学研に対して、組合と支援共闘会議は22年6月に提訴し争ってきました。昨春3月、東京地裁藤澤裕介裁判長は、「東京ふじせの業務再開を求めてきた原告労組の社会的評価を低下させるものと認められる」と判示し、「雇用回復を強く求め、金銭解決を固辞してきた原告労組の名誉を毀損するものである」、「被告宮原は、原告労組の要求内容について知悉しながら、本件発言に及んだこと、は・・殊更虚偽の事実を摘示したものと読み取れるから、悪質というべきである」と指弾し、損害賠償金の支払いを命じました。そして、昨秋10月には東京高裁でも宮原・学研側の控訴が棄却され、宮原・学研は控訴審判決直後に損賠金(請求165万円に対し判決11万円)を支払った上で、主に年末の株主総会での追及を避けることを狙って最高裁に上告していましたが、今年8月19日に最高裁で上告棄却となり、宮原社長と学研の敗訴が確定したものです。「サクラ損賠」(判決批判のニュース記事に学研が、21年7月、名誉毀損などして330万円の損賠請求訴訟を仕掛けてきたもの)の今年2月の最高裁での確定につぐ連続勝利となりました。
民事弾圧体制は破綻
学研は争議解決を決断するしかない!
この勝利の事実を広く情宣し、12月の株主総会でも追及、民事弾圧での争議行為圧殺策は破綻しました。宮原体制に争議解決を迫っていきます。
8・2学研ファミリーデイ社前行動
8月2日は、恒例の社員家族参観日(学研ファミリーディ)が行われた本社で情宣行動を11時30分から13時15分まで展開しました。昨年夏は、テレコムセンターにあるグローバルゲートウエィで開催されたこのイベント、今年は本社で行われました。午前に行われて出てくる親子連れは多かったものの、いつもより遅い12時過ぎになり、午後からの参加者は少なく見えました。午前と午後の2部制を改めたのかも知れません。親子連れの一部や行き交う来客にかなりのビラを配布することができました。猛暑の中、太陽が照りつける中、全都の多くの仲間が参加してくれて、横断幕・幟・旗を据えて、ビラ配布、マイク情宣、を行って争議状況を現出して成功裏に行動を打ち抜くことができました。
都労委 学研教室の労働組合に対して棄却命令
東京都労働委員会は、この4月に、学研エデュケーショナル事件(令和3年不第82号事件)学研教室の指導者が結成し、学研の団交拒否につき争ってきた)で、労働組合に対して、学研との関係で労働組合法上の労働者に当たらない、として棄却命令を出しました。
ポイントは、「契約者(学研教室指導者)が事業組織に組み入れられているとしても、それは、労働力としての側面のみならず、事業者という側面もあるものと認めるのが相当である。」との認定を行っていることです。
申 立 人は 全労連・全国一般労働組合東京地方本部と 同労働組合東京地方本部一般合同労働組合。被申立人は 株式会社学研エデュケーショナル(東京都品川区)です。
争点1は、契約者(教室指導者)は、会社との関係で労働組合法上の労働者に当たるか、争点2は、契約者が労働組合法上の労働者に当たる場合、①「申立人組合らが令和3年1月6日、6月29日及び8月18日付けで申し入れた団体交渉に会社が応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否及び申立人組合らの運営に対する支配介入に当たるか、②会社が、7月12日付文書を全契約者に対して交付したことは、申立人組合らの運営に対する支配介入に当たるか、でしたが、命令の概要は「申立の棄却」でした。
⑴ 争点1については、「本件において、①契約者は、会社の業務遂行に不可欠な存在として会社の事業組織に組み入れられており、②会社が契約内容を一方的、定型的に決定しており、③契約者の得る報酬は、契約者の労務の提供に対する対価とみる余地もあるが、事業報酬とみる余地も十分にあり得るものであり、④契約者が会社からの業務の依頼に対して基本的にこれに応ずべき関係にあると認められ、⑤契約者が、広い意味で会社の指揮監督の下に業務を遂行しているとはいえず、その業務の遂行については時間的拘束を受けているとまでは認められないが、一定の場所的拘束を受けていると認められ、⑥契約者は、相当程度の事業者性を備えていると認められる。そして、①事業組織への組入れの点について、⑤広い意味での指揮監督下の労務提供の有無及び程度、⑥契約者の顕著な事業者性の有無及び事業者性の程度を踏まえると、契約者が事業組織に組み入れられているとしても、それは、労働力としての側面のみならず、事業者という側面もあるものと認めるのが相当である。」
「また、③契約者の受領する報酬については、⑥契約者の事業者性の有無及び事業者性の程度と併せ考慮すれば、事業報酬としての性格を持つ場合もあり、契約者自身の労務の提供の対価又はこれに類する収入としての性格のみを有するとまでは認められない。」
「以上の事情を総合的に勘案すれば、本件における契約者は、会社との関係において労働組合法上の労働者に当たらないと解するのが相当である。」としています。
⑵ 争点2について
「本件における契約者が会社との関係で労働組合法上の労働者に当たらないことは、上記判断のとおりであるから、その余の点について判断するまでもなく、本件で不当労働行為が成立する余地はない。」との判断をしています。
公文教室の指導者の労働者性を認めた都労委命令から後退!
今夏の労働法連絡会の都労委交渉でも質問・追及
2019年7月、フランチャイズ(FC)契約を結んでいる学習塾「公文式教室」の教室指導者が労働組合法上の「労働者」であることを認め、公文を運営する株式会社公文教育研究会に対して、教室指導者らで作る全国KUMON指導者ユニオンとの団体交渉に応じるよう命ずる救済命令が都労委から出されました。労働委員会では、教室指導者がフランチャイズ契約を締結した独立した自営業者なのか、それとも労働組合法上の労働者なのかが争点となり、教室指導者の置かれた従属した状況を踏まえて、教室指導者が労働組合法上の労働者であると認めたものです。
全く逆の判断へと後退した命令です。昨年12月の学研HD株主総会に出席して、切実な訴えを行った学研教室の指導者株主の想いを踏みにじる命令となっています。私たちとは別の組合ですが、問題ありで、この夏の都労委交渉でも質問・追及しました。
南部労組に新たな仲間が加入
老人介護をメインとして東京城南地区に8店舗の営業所(従業員200名以上)を運営する会社に勤めているTさんが、ワンマン社長のパワハラ、不当な配転攻撃等に抗議、東京南部労働者組合に加入しました。
社長のエゴや片寄った考え方の為、従業員の退職者が後を絶たず、慢性的な人手不足と過重労働が続き、皆一様に「あの社長の考え方にはついていけない」「給料が少なく待遇も悪い」「社長は言っている事とやっている事が違い過ぎる」などの社長に対する不満が渦巻いてきましたが、社長は反省して改めるどころか、どこまでもワンマンにエゴを貫いて今も労働者を苦しめています。
そんな会社にTさんは、高齢者専門宅配弁当サービス部門の店長として一昨年の9月に正社員として入社。入社早々に人員不足や営業所全体の連携不足、アルバイトの一律最低賃金の時給など、その他数多くの問題点を感じ、ことあるごとに数多くの問題を社長に訴えてきましたが、聞き入れるどころか、恫喝によるパワハラや不当な責任転化、最終的には他営業所への移動を命じられるなど納得のいかない不当な扱いを受けたのです。9月24日に団体交渉の第1回を開催、しかし、社長は団交に姿を見せずに逃亡、「介護業界でカスハラ対策専門」をうたう弁護士が、他に経営責任・権限を有さぬマネージャーを書記として同席させて団交を仕切ろうとしてくる対応でした。労組法を全く解さぬ弁護士だった(労組との団交は初めて)ために、不誠実団交に該当していることを教え諭し、また社長のTさんへの退職勧奨の意向も伝えてくるという組合に入った途端の不利益扱い=不当労働行為を指弾、次回から、社長出席と配転・退職勧奨の撤回、パワハラによる休職状態発生の責任、賃上げ=労働条件改善、等を議題にした団交を開催することを求めて終了しました。
9/20南部交流会 反弾圧学習会を開催
◇NHKルポ「死亡退院」を観て、滝山病院事件を考える
昨年2月のNHKルポ第1弾放映から1年半。滝山病院では、今なお「死亡退院」が出続けている。「隔離・拘束、精神病院大国」として世界に名高い日本の現状に対し、「地域移行」を進めるために何が問われているのか?
ルポの制作ディレクターは、「一度内実を知ってしまったら見て見ぬふりはできない。それが精神科の取材です。なぜこのようなことが起き、放置されているのか。社会で見て見ぬふりがされているのか。患者さんの悲痛な叫びも、真剣に向き合おうとしない行政や国の姿勢も、全てのことは「精神科のなかで起きている」のではなく、私たちが暮らす社会と地続きであり、誰もが他人事ではいられない現実です。半世紀以上変わらぬ精神医療の問題について、より多くの方に関心を寄せていただけることを願いながら、取材を続けたいと思っています。」と語っている。NHKルポ「死亡退院」を観ながら、神奈川で具体的な退院・転院支援に関わってきた越智祥太さん(ことぶき共同診療所医師)にお話を伺い、ともに考えました。講師の越智医師は、NHKルポの中でも相原弁護士とともに朝倉重延院長(当時)に面談し、不適切な過剰医療について問い質していました。事件発覚後、第3者委員会が編成されたものの、メンバーは弁護士のみ(兵庫県・神出病院が設置した第三者委員会は弁護士、精神医療関係者、学識経験者を含む)であり、第3者性(滝山病院が直接選任した弁護士が委員長となり他のメンバーを人選)にも疑問があります。2023年12月に公表された報告書は現場職員を軸とした「虐待の事実関係」の認定に留まり、院長らの管理責任には言及しているものの、院長の直接関与については不問になっています。不要な過剰医療、逆に必要な処置の放置や不適切な医療等々の調査・検証については、「第3者委員会に委ねられた範囲・権限を越えている」として対象としていません。これでは、「死亡退院」の原因究明や再発防止に結びつかないことは火を見るより明らかです。越智医師は、この点についても「不適切な医療の実態に迫らずに、何の調査なのか」と強く批判しました。
質疑応答では、福祉の現場で働く仲間や精神障害当事者からの質問・意見が出され、精神障害と知的障害が分断されている実態や当事者の問題意識について具体的に提起・共有されました。
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