学研の中間決算(5/10発表)好調も、職場では
 学研ホールディングスの第2四半期の決算が5月10日に発表されました。「連結業績は、売上高93,505百万円(前年同期比15.2%増)、営業利益5,141百万円(前年同期比59.4%増)、経常利益5,154百万円(前年同期比57.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,772百万円(前年同期比43.1%増)となりました。売上高については、教育分野における実用書や語学・社会人事業の伸張、学校事業における小学校向け教科書指導書の売上増の貢献に加えて、前年第4四半期から市進ホールディングス並びにエヌイーホールディングスが連結対象となったこと、医療福祉分野における順調な施設増と高い入居率維持に加えて、当四半期からグランユニライフケアサービスを連結対象としたことによって前年同期比12,331百万円の増収となりました」としています。
 市進に加え、今春に学研塾ホールディングスが愛知県で塾事業を展開するエヌイーホールディングスの全株式を取得したこと、昨秋、学研ココファンが京都に所在する高齢者住宅で介護サービスを中心とした運営業務を行っているグランユニライフケアサービスの全株式を取得したことが好決算の大きな要因になったようです。
虚偽答弁の宮原社長体制下、学研関連労働者への傲慢な姿勢
 持ち株会社発足から14年、M&Aをくり返し学研グループは膨大な規模に拡大していますが、週刊「東洋経済」が毎年掲載する「非正社員への依存度が高い500社ランキング」に常に名を連ねるようになっています。宮原社長は株主総会で「ふじせ労組に3億円を要求されている」などとの虚偽答弁が裁判所で名誉棄損との判決で指弾され、また同じく株主総会で、委託先の株主から「私たちは、学研の標語になっているすべての人々が心豊かにとの対象には入っていないのですか」との質問に答えぬ高慢な姿勢を見せています(「ふじせ労組は対象に入っていません」と公然と述べていた!)。学研の事業を担ってきた非正規や下請労働者を使い捨ての対象としか考えていないのか。声をあげた私たちには露骨な敵意を示し、民事段圧と誹謗・中傷を行ってきているのです。
 そればかりか、学研正社員労働者へも現場で怒りが充満するような姿勢を取っているのが宮原体制です。最近寄せられた社内からの声を振り返ると、「コストである社員の人件費を限りなくカットし、自分(たち)は目黒雅叙園に900万円も払って株主総会を開催、終了後贅沢三昧の宴会か」、「HDの決算は好調でも、出版のGakken社の業績が悪いので・・・と、グループ内連帯責任などという理由で全社的にボーナス低査定、トップを見ていれば、この退職連鎖に歯止めがかかるはずもない」。「社内弁護士として活躍していたY法務室長が突然1月に自主退社。入社してからまだ2年弱のはず。理由は、例の宮原裁判が敗訴した責任を(たとえ一部であっても)押し付けられ、ガチギレしたそう。」「パワハラ体質抱え、<経産省健康経営>など辞退すべきだ」等の批判が続出しています。 私たちは、社内・関連の心ある人々と共に、学研経営の争議責任を追及し、経営体質を変えていく闘いを持続していきます。
4・26南部交流会統一行動
福祉協会ー学研社前を貫き打ち抜く!

 
4月26日南部交流会統一行動を福祉協会前・学研社前の職場ー争議貫く闘い“山手線外回り”行動として打ち抜きました。
 第一現場の日本知的障害者福祉協会前で8時30分から開始、当該組合員は全1日の指名ストライキで、南部労組・福祉協会として通算21回目の現場行動した。福祉協会事務局のあるKDX浜松町ビルの正面と裏手の二手に分かれ、福祉協会闘争の経緯、そして組合活動に警察を介入、組合活動を理由に勤務時間中の組合員への事情聴取、組合対策弁護士に丸投げ……等々この間の悪辣さを増す協会の組合嫌悪・敵視姿勢を訴えた情宣ビラを通勤途上の労働者に配布。協会職員も出勤し終えた9時30分から、集まってくれた全都の闘う労働者・障害福祉関係者の仲間と共に集会を開始した。シュプレヒコールに始まり、結集してくれた6団体6名の仲間からの連帯挨拶、当該組合員の経過報告・決意表明、シュプレヒコールで締めくくり、予定通り10時30分に終了した。

  4・26福祉協会前                  学研社前
 
 第二現場の学研社前は、11時45分から簡単なシュプレヒコールをあげて開始。支援共のSさんが司会を初めてつとめる。まず、当該の経過報告では、この1年の民事弾圧との攻防で「さくら損賠」が高裁に続き2月の最高裁決定で組合勝訴確定、「宮原」損賠でも3月の地裁、10月の高裁判決で勝利、21年の株主総会での虚偽答弁が組合への名誉毀損とされただけに昨年末の学研HD株主総会でこの事実を問題にされることを恐れた学研が、悪質な総会運営での隠蔽を図って挙手してもふじせ株主に発言させない工作も弄したが失敗、株主からの追及が浴びせられた。今年中の最高裁勝訴確定も見据え、社前、宮原社長宅闘争など現場攻勢を展開していること、等が報告されました。
連帯挨拶は争団連(三信闘争)学研の民事弾圧や自ら参加した株主総会の様子などに触れ、全争議団の勝利をめざすという発言、破防法組対法に反対する共同行動からは、
画段階的な治安法攻撃の現在に触れた報告、日韓民衆連帯委員会からはサンケン弾圧刑事公判と新たな日韓連帯行動の韓国オプティカルハイテックの闘いの現状が報告され、三多摩労争連(ケミカルプリント闘争9からは5・15三多摩統一行動(ケミカル・横田基地)への呼びかけの発言がされました。
 ふじせ闘争支援共闘会議から現在の局面に触れ、学研・ふじせ闘争闘争勝利をめざす決意表明が行われた。最後に南部交流会から、統一行動のまとめの発言で闘いの成功を確認、当該からのシュプレヒコールで締めくくった。欠席を余儀なくされた仲間もいれば、数年ぶりに顔を見せた仲間もあり、集中して盛り上がった闘いになりました。
経団連提唱 「労使協創協議制」など
          労基法形骸化を許すな

 経団連は、今年1月、「労使協創協議制など労使自治を軸とした労働法制に関する提言」を提出しました。
「日本が高い産業競争力を維持し続けるためには、労働者の多様なニーズをくみ取り、労使双方にとってよりよい働き方を探ることが不可欠」、「現行の労働基準法は、工場労働のような、一ヵ所に集まり始・終業時刻が固定的かつ労働時間と成果が比例する労働者を前提とした、画一的な規制であり、職場実態をよく知る労使が多様な働き方を実現していくことが難しくなっている。」「労働組合の組織率が低下していることもあり、自社にとっての望ましい職場環境のあり方を個別企業の労使が話し合い決定するという、日本企業の強みともいえる労使自治を発揮できる場面が縮小している。」などとして、提言を発しているものです。
 特に、労働法制につき、「柔軟な働き方を求める労働者が増え働き方のニーズが多様化しているにもかかわらず、裁量労働制の対象業務の範囲なども含め、画一的な規制がその実現を妨げている状況にある。」などとして@【過半数労働組合がある企業対象】には労働時間規制のデロゲーションの範囲拡大、A【過半数労働組合がない企業対象】には労使協創協議制(選択制)の創設などを求めています。 Aについて、「労働者代表者と会社代表者との間で個々の労働者を規律する契約を締結する権限を付与すること、労使協創協議制の要件を満たさないものの、実質的に労使協議の機能を果たしている社員や社員親睦会等を相手とした労使コミュニケーションについても、その意義を強調しています。
 実際は労働者が強いられている「柔軟な働き方」、「働き方の多様化」を賛美し、労働法制がその妨げになっている、としていますが、私たちが見てきたように、「雇用形態の多様化」の実態は派遣・パート・限定正社員等の「非正規化」や「無権利」「不安定化」であり、「柔軟な働き方」の実状はプラットホーム労働や請負契約等の「雇用によらない働き方」の拡大など、労働者を分断し資本に都合のよい使い捨てを徹底化するものでしかありません。それらを前提として、「労使自治」の名による、『労使協創協議制』の創設等を「新しい集団的労使交渉の場を選択的に設ける」との位置づけで、労働基準法の規制からの逸脱・適用除外や規制緩和を拡大しようとしているものです。
 労働者保護、権利の尊重を言いつつ、労使自治の名の下で強行法規としての労基法の形骸化を狙うものであり、経団連のこのような提言を許してはてはなりません。今後の動向も注視し反対していきます。
セキュリティクリアランス法が国会通過。
労働現場でも切実

 経済秘密法案は4月9日、わずか20時間の審議で衆議院本会議で採決され、5月10日の参議院本会議で可決・成立しました。軍民共用技術に携わる大学や民間企業の研究者や技術者の身辺調査を内閣府の職員が行う。その際性的志向や飲酒の有無などプライバシーの侵害に当たることまでが調査の対象となりうる。また、家族や同居人の名前や生年月日、国籍等まで調べられ、どこまでが調査の対象なのかは不明です。
この法案も、経団連や日本商工会議所が、「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案の早期成立を求める」と声明を出し、「軍事転用可能な民生技術の獲得競争が激化するとともに、国家を背景としたサイバー攻撃の頻度が増す中、経済・技術分野においてもセキュリティ・クリアランス制度を創設することなどにより、わが国の情報保全を強化する必要がある。」としています。
重要経済安保情報保護法案 防衛や外交など4分野の情報保全を目的とした特定秘密保護法の経済安保版。重要情報を扱う人の身辺調査をする「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度を導入する。情報漏えいには5年以下の拘禁刑などを科す、ものです。数十万人の身元調査ができる仕組みが恣意的に運用されれば全国民が調査可能となり、日本社会を監視社会化し、表現の自由に対する委縮効果をもたらす可能性があります。国家安全保障体制の総合化への流れで、「安全保障」が人々の日常生活まで入り込んできて、、学術研究や企業活動の現場での労働が国家統制され、監視体制に置かれる。軍事転用可能な装置を不正輸出した疑いをかけられ、後に捜査の違法性が認められた大川原化工機事件のように「経済安保」の名で冤罪(えんざい)事件をつくり、公安警察に膨大な権限を与える法案でもあります。労働者の課題としても対峙していかねばなりません。
民事ー刑事貫き激化する弾圧=運動潰しをはね返せ!
労働者国際連帯を強化し、闘う労働運動の飛躍へ!

6・16民事弾圧(間接強制・損賠攻撃)
         を許さない!全国集会へ

 6月16日(日)13:00開場 13:30〜16:00
会場 大崎第一区民集会所 JR「五反田」駅、同「目黒」駅から徒歩10分
    第1集会室(品川区西五反田3-6-3)   東急目黒線「不動前」駅から5分
集会の概要
@冒頭映像 躍動する争議現場の映像 A連帯アピール B基調報告
C講演:在間秀和弁護士
   「日韓労働弁護士の交流と韓国『黄色い封筒法』」   質疑・討論
D韓国からのメッセージ E日韓民衆連帯委員会、韓国オプティカルハイテック闘争等
F全国各地からの報告、 等を予定
主催 民事弾圧を許さない共同声明運動 争議団連絡会議 
    日韓民衆連帯委員会


5・13サンケン刑事公判控訴審
        高裁・弁論なしで即日結審
 
意見書、嘆願書、証拠・証人申請を全て却下の暴挙!
 
5月13日、韓国サンケン闘争に仕掛けられた刑事弾圧で被告とされた尾澤さんの刑事公判の控訴審(一審はさいたま地裁で有罪・罰金40万円)が東京高裁であった。公判開始前には雨の中、100名を超える仲間が結集、裁判所前での集会を打ち抜いた。大法廷での開催も拒んだ高裁は、法廷は429号警備法廷、38席に傍聴制限して開廷。不当な訴訟指揮に抗議し傍聴席から声が出るや「退廷!」を命じ、抗議した弁護士に対しても退廷をほのめかす。弁護士から3人の教授が刑法、憲法、労働法などの立場から書いてくれた意見書の要旨を説明し、原審には事実誤認がある旨訴えたが、裁判長は検察官の意見を聞いて却下した。「3つの意見書は、原審について書いてある。当然調べるべきもの」「裁判官の職権でも採用できるはず」と証拠として採用してほしいと言ったが拒否。事件の端緒となったサンケン電気の関係者の証人申請も、韓国サンケン清算人からの「労使問題であり、最大限の善処を要請」という嘆願書も却下。判決日は追って伝える、として被告人の弁論も無しの結審を告げた。
 一方的な閉廷に怒りの声を上げた。傍聴できず弁護士会館で報告を待つ仲間と合流、改めて不当な訴訟に対して、仲間たちは最後まで共に裁判闘争を闘う決意を固めた。

岸田政権と戦争、パレスチナ民衆虐殺の国家連合を許すな!
5・9イスラエル大使館抗議行動を打ち抜く!

 
岸田政権は、ロシアのウクライナ侵略を奇貨として、台湾・朝鮮有事をあおり、軍事費GDP2%と、敵基地攻撃力(先制攻撃)保有などの安保関連三文書を発表、改憲へと突き進んでいます。23通常国会では防衛産業基盤強化法案、防衛財源確保法案、入管法「改正」案、マイナンバー法「改正」案を強行成立させました。これまでの日本の「安全保障政策」の大きな転換で、米軍と一体となって自ら戦争する国家へと突き進むものです。年明けからも治安法攻撃を次々と仕掛けています。いま、イスラエルのパレスチナ民衆虐殺に、全世界で抗議行動が起きています。国際法違反を長期にわたって重ね人道危機を引き起こしても厭わぬ残虐なイスラエルを支持する米国・西欧のNATO諸国政府の、ウクライナ戦争対応とのダブルスタンダードがあまりにも明白で、醜い国家連合となっているG7、これに連なっている日本の位置も問われています。
 そして、これらは労働法改悪・解体、民事・刑事段圧の攻撃と繋がっているのです。私たちは、労働者国際連帯でこれらをはね返し闘います。争団連・地域共闘交流会は昨秋から連続してイスラエル大使館への抗議行動を重ねています。   


イスラエル大使館抗議行動                    世界各国で拡大する抗議デモ