「さくら損賠」、最高裁上告不受理決定
学研経営の敗訴が確定!訂正のお知らせ
3月1日に発刊した本紙(社前版)で、2月2日に最高裁が、「宮原損賠」訴訟で宮原社長と学研側の上告を不受理とした決定を出した旨の記事を掲載しましたが、出されたのは「さくら損賠」での不受理決定でした。学研の総会運営やココファンまちだ鶴川で起きた殺人事件に関する組合のニュースを名誉毀損とした不当判決(21年)を批判したところ、これをも「名誉毀損事実の再摘示だ」などとして学研経営がさらに損賠請求訴訟を起こした裁判で、東京地裁(22年9月)、東京高裁(23年3月)が「名誉毀損に当たらない」との判決を出し、組合側が連続勝訴しました。これに学研が上告していたものです。
学研社長の2021年株主総会での「組合に3億円を要求されている」との答弁を名誉毀損とした「宮原損賠」東京地裁・高裁判決に対して宮原社長と学研経営が申し立てた「上告」に対しては、まだ最高裁の決定が出ていません。お詫びし訂正します。
「宮原損賠」の最高裁決定も今年末までには出されると思われます。損賠金については、昨年10月4日の高裁判決直後に学研・宮原側が敗訴確定を見込んで支払っています。
法務室長が突然の退社 宮原損賠敗訴の責任押しつけられて、との見方
この1月、入社して2年弱、社内弁護士としてグループ各社から頼られていたY法務室長が室長就任からは1年2ヶ月で退社しました。宮原損賠敗訴の責任を押しつけられ、会社に愛想をつかして辞めたとの声があります。分かりませんが、責任者は宮原さん自身です。私たちは現場で宮原虚偽答弁を争議責任と共に追及する態勢に入っています。
2・18宮原社長宅行動を打ち抜く!
昨年7月に続く第2弾の宮原学研社長宅行動を、2月18日に行いました。
東新橋のタワーマンション(東京ツインパークスL棟24階)に宮原社長は住んでいます。会社に金を出させていると言われています。
集まった仲間は、午後2時少し前に申入れに赴きましたが、応答がなく宮原宅は留守のようでした。私たちは、マンション居住者の方や地域の皆さんに向けて学研・ふじせ争議の経過と宮原社長が話し合いを拒み、争議を解決しようとしないばかりか、真実を伝えている組合ニュース記事への不当な損害賠償訴訟を起こしたり、自宅を差し押さえるなど悪質な金の取り立てまでして組合の正当な活動=争議行為を弾圧する対応をくり返していること、また、株主総会での組合への誹謗の虚偽答弁が名誉毀損とされていることなどをマイクで訴えました。
途中、マンションのガードマンが出てきたり、住民の方たちも関心を寄せ、一人は事情を聞いてくるなどの動きがありましたが、会社でも会おうとせず、逃げ回っている宮原社長に正当な組合活動として申入れにきていることを伝えました。
シュプレヒコールをあげ、マンション前の行動を終え、最寄りの駅=浜松町の北口での情宣行動も行い、午後3時前に終了しました。
1・23学研社前行動
終了間際に到着の宮原社長に抗議
1月23日、今年最初の学研社前行動を展開。7時30分から旗幕設営と年末の株主総会闘争報告を中心とした朝ビラ配布しました。組合ニュースでは、12月22日の株主総会の詳細を報告、株主に「宮原損賠」敗訴判決を隠し通そうと図った学研経営の思惑を打ち砕く宮原損賠判決が出された事実を指摘する質問が飛び出し、宮原社長は真っ青になったこと、総務担当役員が「係争中(上告)なので回答控える」とごまかし、社長は 無関係なふじせ誹謗の常套説明を繰り返そうとし、抗議の声はピークに達したこと、他にも学研教室の指導者株主の二人から「(高いロイヤルティで)やっていけず辞めている人が増えている」と経営批判する事態は拡大し、終始ごまかし答弁等への抗議で紛糾、騒然とした状態になったことを知らせました。朝ビラ配布後、9時から座り込み抗議。10時の終了間際に宮原社長の乗った車が出社してきて、抗議のシュプレヒコールを浴びせました。
1・23宮原社長の車に抗議 2・2学研社前行動
2・2学研社前行動
学研本社で開催された「学研・文理学参・辞典勉強会」というイベントに対する情宣に取り組み、結集してくれた仲間と行動を打ち抜きました。
パレスチナ民衆虐殺を許さない!
2・12イスラエル大使館抗議第3波の行動
争議団連絡会議・地域共闘交流会 呼びかけ行動
イスラエル軍によるパレスチナ民衆虐殺はとどまるところがない。大規模な空爆と地上攻撃を行い、既に3万人におよぶ民衆を殺戮している。老人や女性、子どもの上に爆弾を落とす冷血・惨忍な行為、世界で最も卑怯かつ残虐な軍隊の行為だ。イスラエル軍は、ガザ南部への避難を呼び掛け、その都度その避難先で狙い撃ちの爆撃で虐殺を重ねてきたが、いま、ラファへの進軍でさらに大虐殺を行おうとしている。これまで、パレスチナ民衆、難民救援施設の職員、病院の医師、ボランティアの医療従事者も、ジャーナリストも、意図的としか思われないやり方で殺害した。「テロの脅威を除く安全保障のため、自衛のために」と虐殺の続行を正当化してきたが、実態は全世界が知るところとなっている。多くの人々が、1948年のイスラエルの建国以降、パレスチナ人の土地を奪い、国際法違反の占領と入植活動を行い、「天井のない監獄」と「分離壁」をつくり、抵抗する民衆への虐殺と弾圧を70年以上にわたって行ってきた歴史に眼を向けるようになっている。爆撃による死傷だけでなく極度の食料不足による飢え、水不足による感染症の蔓延(まんえん)など、現地では深刻な人道危機が続いている。ヨルダン川西岸においても、昨年10月以降、300人以上がイスラエル軍に殺害され、経済封鎖が続いている。 全世界でイスラエルの虐殺に抗議し、中東、イスラム諸国はもとより、フランス、ドイツ等の欧州諸国、米国内でも、パレスチナ民衆に連帯する行動が燃えている。ユダヤ人の平和活動家、宗教者も行動している。
そして、南アフリカは2023年12月29日、イスラエルによるガザの攻撃が、「ジェノサイド罪の防止と処罰に関する条約(ジェノサイド条約)」の集団殺害罪にあたるとして、国際司法裁判所(ICJ)に提訴した。アパルトヘイトを体験したが故に、それが他国で繰り返されることを見過ごせなかった南ア、自らが被ったナチスによる民族的迫害を、いまは他民族に行使して恥じないイスラエル政府、対照的である。1月26日、国際司法裁判所は、イスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザでのジェノサイド(集団殺害)を防ぐよう命じた。既に、12月13日の国連総会は、イスラエルとハマスに即時停戦を求める決議案を、153カ国の賛成で採択(日本は賛成・米国など10か国は反対)している。
日本では、各地での反戦行動、イスラエル大使館抗議、英米に追随し国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金停止で人道危機を加速させている日本政府への抗議が行われている。これに加え、学生たちが先頭に立ち、イスラエルの軍事企業エルビット・システムズと協力関係を結ぶ覚書を交わした伊藤忠商事(子会社で防衛装備品の供給などを担う伊藤忠アビエーション)に抗議する行動がまき起こり、マレーシアでもファミリーマートの不買運動が強まる中、伊藤忠は軍事企業との協力覚書を近く終了する、と発表した。これに続き、日本エヤークラフトサプライも2月末でのエルビット社との協力終了を公表した。
私たちは、最も卑怯かつ残虐な軍隊の虐殺行為が、この時代に行われていることに黙ってはいない。イスラエル政府にパレスチナ民衆虐殺をやめ、軍は直ちに撤退することを改めて要求し、2月12日麹町のイスラエル大使館への第3波の抗議行動を行った。
毎回の事だが、麹町署警察官が大使館前の通りの入口を鉄柵ジャバラで封鎖、抗議に向かう団体を通さず、途中で代表団5人に制限し大使館入口へ前まで行かせる。今回は、最初の警察の対応も遅れ、指揮系統も混乱したまま、登場した私たちを暴力的に排除しようとし、現場は一層混乱する中、弾圧への抗議の声が上がる。
ようやく代表団を通した。5人は大使館と道を挟んだ向かいのスペースに押し込められ、そこで申入書を読み上げる。マイクなどなく声は中に届かない。読み終えて、ようやく大使館前に行き、鉄柵越しに申入書を置く。ポストも無く応対する者もない。この後、本隊に戻り報告を行って、全体で抗議のシュプレヒコールを上げ行動を終えた。
2・26労働法連絡会全体会を開催
2月26日、労働法制改悪阻止・職場闘争勝利!労働者連絡会の全体会が南部労政会館で開催されました。
この1年間の活動をふり返り、2024年度の労働法制改悪反対の取り組みに向けた集まりです。
この1年間の活動経過につき、解雇自由化=金銭解決制度を許さない闘い、過労死・長時間労働を促進する裁量労働制の対象拡大を許さない闘いを厚労省前で行ってきたこと、また、東京新聞記者久原穏さんを講師に行った「分断が進む『働き方改革』下の労働者の現状」と題した講演・学習会を持ったことなどを中心に報告されました。労働者をとりまく現状につき、劣悪化する雇用と格差拡大、労働組合、労働運動の状況、労働法制改悪攻撃と私たちの課題、個別的労使紛争処理制度による労働運動解体攻撃、労働委員会の現状、刑事・民事弾圧による運動潰し、裁判所の判決・命令に触れ、会計報告の後、向こう1年間の方向性も提起されました。
これら連絡会事務局からの提起を踏まえ、討論も活発に行われました。解雇自由化=金銭解決制度との闘いの評価と総括、労働審判の件数が逓減している点(職場で解雇事案よりパワハラの相談件数が多くなっているなどとの関係か)、今年1月に経団連が出した「労使協創協議制など労使自治を軸とした労働法制に関する提言」と「連合」の動き、厚労省の労働政策審議会労働条件分科会が発足させた「新しい時代の働き方に関する研究会」の照応した動向、日本クリーン事件(マンション清掃中のトラブルを社外労組に相談した組合員を「顧客情報漏洩」として諭旨退職としたことをめぐる裁判で判決は退職処分は重すぎるとしたが、「重大な非違行為」と認定)に見られる組合活動への見過ごせぬ禁圧動向と経産省の不正競争防止法改定や経済安保法制、最低賃金制と職場での賃上げ要求闘争、連絡会財政の有効な活用、などをめぐる多岐にわたる意見が出されました。
解雇の金銭解決制度については、「救済金の基準額確定」に向けた労政審議会の審議が事務局の「労使双方の主張に関するデータを収集する」としたまま1年以上中断した状態になっています。「解雇無効時の金銭救済制度」なるものが、個々に異なる多様な争議や労使関係の実態に基づいて「救済金」の額を一律に定めることなど出来ず、解雇の金銭解決は現場で先行し、また労働審判制度も機能している度し難い現状において、
この制度設計は不能で無意味となり、完全な袋小路に陥っています。
2015年の「透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方い関する検討会」から始まった今回の攻撃はデッドエンドを迎えていると考えますが、これで解雇自由化の攻撃は終わりません。資本・国家の雇用流動化の戦略にとって解雇自由化は不可欠であり、労政審議会への報告が出された2022段階で、 日経新聞は「解雇の金銭解決、日本も動き 柔軟な設計で新陳代謝促せ」との見出しで制度の創設を急ぐべきだ、と主張(最近はトーンダウンしているが)。経団連タイムスは昨年7月段階でも「労働局・労働委員会『あっせん』や労働審判手続きの『調停』も、金銭の支払いにより解雇事案を解決に導いているが、これらは当事者間の合意を前提とする制度である。金銭救済制度は、労使の合意が成立しない無数の労働者を救うことができる。」と必要性を強調し続けています。2013年に「産業競争力会議」で竹中平蔵、長谷川閑史らが、労働契約法に「解雇自由」の原則を規定し、再就職支援金を払えば解雇できる「事前型の金銭解決制度」を打ち出しましたが、この究極の狙いに向けて、ドイツの制度等を都合良く書き換えて、いずれ新たな解雇自由化攻撃を仕掛けてくる可能性について警戒する必要があります。
ここまでの闘いは、「金銭解決制度が労働者を救済するもの」などとした欺瞞を打ち砕き、職場復帰という労働者の意向を封じ、経営者の雇用責任を免罪し、組合潰しの解雇(不当労働行為)やリストラ・退職強要を容認・促進するものだ、ということを鮮明に打ち出して敵失によるとはいえ、金銭解決制度を破綻させていく、その一歩になった、と考えます。
引き続き、様々な面から労働者の闘いを潰す攻撃との攻防の中に「解雇自由化」を許さない闘いを位置づけて取り組んでいこうと考えています。 (連絡会K)