宮原社長は虚偽答弁を謝罪し争議を解決しろ!
株主総会で宮原学研社長が、「(組合に)3億円を要求されている」などという虚偽の答弁を行ったことにつき、私たち組合と支援共闘会議が「名誉毀損」として起こした裁判で、今年3月に東京地裁が、「東京ふじせの業務再開を求め、金銭解決を固辞してきた原告労組の社会的評価を低下させるものと認められる」と判示し、「被告宮原は、原告労組の要求内容について知悉しながら、本件発言に及んだこと・・殊更虚偽の事実を摘示したものと読み取れるから、悪質とというべきである」と指弾し、損害賠償金の支払いを命じたことは、既に報告していますが、学研経営と宮原社長は控訴し、第1回控訴審が7月3日(11:30~812号)と決まりました。
宮原社長のこの虚偽答弁は21年12月の総会ですが、以前から株主総会で毎回のように「組合はゆすりたかり集団である」かのような印象付けを図って誹謗する発言をくり返していました。組合は金銭要求などしておらず、裁判や労働委員会などで争議の金銭収拾を提案してきたのは学研経営で、これに対し組合は「雇用と業務の保障」による解決を請求してきたのが真相です。学研が抱えているふじせ争議の本質に関わることで、今こそ宮原社長は虚偽答弁につき謝罪し、倒産・解雇の責任を認め、話し合いで争議を解決すべきです。
ところで、学研経営の株主総会での不誠実対応は日増しに強くなっており、争議責任を居直るばかりか、株主に対して果たすべき説明責任もないがしろになっています。碇秀行常務の退任は昨年10月末に決定していたようですが、12月の株主総会の招集通知にも、退任は何ら記載されておらず、ただ役員の一覧からは消されており、これにつき株主総会で何の発表もされませんでした。組合・支援共は、質問書でも、「8、碇常務の人事上の扱いについて」として、「招集通知には、前期まで常務だった碇秀行氏の名前が今期候補では無くなっている。今年1月、宴席でコロナに感染してしまったことで、グループの「SDGs責任者」「リスク管理部会長」であった氏への厳しい視線が生まれたとも聞いているが、解任されたのか、あるいは病状悪化で療養中、等の理由なのか、人事上の扱いを開示していただきたい。」と記載していましたが、何の回答もなく、しかも総会では、株主の質問の際に関連で碇氏が答弁も行っていました。後にこの総会の日付で退任とされているのですが、株主への説明もないままで、非常に問題です。
学研の非正規社員への依存度
『東洋経済オンライン』は4月に 「非正社員への依存度が大きい」トップ500社を発表しましたが、今年も学研HDは248位とランク入りし、非正社員数は1万3719人、正社員数8341で非正規の比率は62・2%と高くなっています。5年前からの増加数5612人となっています。この数字だけでは、学研のどの事業部門に非正規の人が多いかは分かりませんが、おそらく介護・福祉事業が一番多いのではないかと思われます。その中にも入らない私たちのような「業務委託」・下請けの労働者を入れると、学研の業務がいかに多くの労働者によって成り立っているか、それらに経営陣がどう目を向けているか、が問われるわけですが、昨年12月の株主総会で、委託先の方が「全ての人が心豊かに・・」という学研のキャッチフレーズは委託先の労働者に当てはまるのか、と質問した際、経営陣はこれに全く答えませんでした。以前に同様の質問があった時、宮原社長は「ふじせの人たちは入りません」と答えてあきれられていました。
3・31社前行動 3・31地下駐車場へ走り去る社長車
3・31入社式当日、学研社前行動を展開、宮原社長らに抗議
年度末の社前行動は、新入社員の入社式の日でした。朝ビラでは、「宮原損賠」「サクラ損賠」裁判で勝利判決をかち取ったことを大きく取り上げた組合ニュースを配布。小早川常務が8時前に出勤、宮原社長の乗ったアルファードも8時26分にやってきたので、逃げるように地下駐車場へ走り去る車へ抗議のシュプレヒコールをあげました。
7時30分から設営、マイク情宣も、平気で嘘をつく宮原という人物が学研の社長としての適格性があるのか、これまでも株主総会で追及してきましたが、裁判所からも宮原サンが指弾されたことを中心に、出勤してきた学研労働者に向けて、いつもより早く8時過ぎの段階から音声でもアピールしました。社前に争議状況を際立たせ、10時までの学研社前行動を打ち抜きました。
学研の第二四半期決算 営業11億円減益 純利益は51・4%減
第2四半期連結累計期間の連結業績は、売上高81,174百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益3,224百万円(前年同期より1,100百万円減/25.4%減)、経常利益3,266百万円(前年同期より1,121百万円、25.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,238百万円(前年同期より1,307百万円/51.4%減)となった、との発表がされています。
「教育分野は、主に出版事業の販売不振、返品率の悪化、原価高が要因で減収減益となりました。『地球の歩き方』やeラーニング事業は好調が続いているものの、児童書、学習参考書、塾教材等が低調に推移し、教育分野全体の収益を押し下げました。医療福祉分野は新規施設の積極開設と好調な入居率・定員充足率が寄与し、前期の不動産売却による一過性売上からの反動減や、光熱費・食材費の高騰がありながらも、高齢者住宅事業、認知症グループホーム事業、子育て支援事業のいずれも増収増益となりました」とされています。
学研HD、ベトナム教科書会社の筆頭株主に
学研はベトナムの教科書会社、DTPエデュケーションソリューションズ(ホーチミン市)に35%出資、筆頭株主となった。出資額は数十億円規模、取締役も派遣した。
DTPの連結売上高は2022年12月期で約36億円で、ベトナムの英語教科書市場で約3割のシェアを持つ。英語の教科書に強みを持つDTPに対し、学研HDは数学や科学など英語以外の教科について教科書や問題集の制作を支援する。ベトナムでは19年に教科書出版に民間企業が参入できるようになったばかりで、学研の教科書編集のノウハウが生かせると判断した。
学研HDは今回の提携を皮切りに、教科書・問題集の出版など東南アジアでの教育事業を拡大。30年までに海外売上高比率を現在の5%以下から約3割まで引き上げる。
(4月11日 日経新聞などから)
学研のオンライン塾、メタバース活用 対面に近い交流
「学研ホールディングス(HD)は4月、教育大手で初めて仮想空間(メタバース)を使った学習塾を開校する。対面に近い感覚で友人や講師とコミュニケーションができ、従来のオンライン塾よりも通塾する意欲がわくようにする。実際の教室が不要となるため料金も低く抑える。新型コロナウイルス禍で広がったオンライン塾の生徒を最新技術のメタバースでつなぎとめる動きが出てきた。」 (2023/2/22 日本経済新聞 朝刊から)
4・28南部交流会春季統一行動を打ち抜く!
南部交流会の春季統一行動として、4月28日、南部労組福祉協会と東京ふじせ企画労組の2現場の闘いを展開しました。
①知的障害者福祉協会前
8時30分から協会前での闘いを開始、朝ビラ配布とマイク情宣を行いました。末吉事務局長は普段出社し通常業務に従事していながら、団交には病気を理由に欠席を続けている。この日は前日に欠勤届を出して逃亡。正面口と裏手で情宣を行ったが、KDX浜松町ビルの管理人が写真を撮りに駐車場に出て来て、「警察を呼ぶぞ」などと言う始末です。行動終了後、警察がきて長時間の「事情聴取」が行われていたと分かっている。労働争議に警察の介入は許されません。
9時30分から社前集会を開始、当該から計17回に及んでいる団体交渉で、事務局長の出席に向けた協会の取り組み、職場におけるハラスメントの防止に関する規定での対応マニュアルの作成や研修状況、公正・公平な労働者代表選出、等の課題をめぐって追及してきて、2月には職員同士で労働者代表選出方法を話し合う場ももたれましたが、当該が提案している投票方式について一部職員に前向きな受け止めもあるものの、採用されず、また説明中に水内課長代理らが妨害発言を行うなど協会の組合敵視の対応が続いている等の経過と決意の表明が行われました。連帯挨拶を、ユニオン同愛会、南部労組鈴木さん、三合労幹福祉会、連帯武蔵学園、医療観察法ネットから受け、南部労組からの決意表明を受け、シュプレヒコールで集会を締めくくりました。
4・28福祉協会前 4・28学研社前集会
②学研本社前
11時15分から五反田の学研社前に移動しての行動。11時45分から集会を開始、
当該から、今春3月に学研から提訴の「サクラ」損賠控訴審と組合側から提訴の「宮原損賠」に相次いで勝利したことについて、判決批判への言いがかりの「サクラ損賠訴訟」が敗訴したことは学研の民事弾圧が破綻しつつあること、宮原損賠では、株主総会でのの宮原社長の虚偽答弁を悪質と断じた判決となり、「名誉毀損」は学研側が行っていることも明らかになりましたが、この訴訟では、損賠金を請求より減額する理由として、「これまでの損賠訴訟で組合の争議の正当性を否定する判断が確定している」との誤った認定がされている(「確定している」のは使用者性判断に過ぎない)ことについては、ひき続き裁判所の民事弾圧に加担する姿勢との攻防が続くことを報告し、共に弾圧と闘う仲間と共に闘う決意が述べられました。
連帯挨拶は、争団連、(ケミカル)、中部交流会(明大)、労働法連絡会(三多摩労法センター)、韓国サンケン労組を支援する会(弾圧当該尾沢さん)から、それぞれ内容の濃い熱のこもった発言を受けました。ふ璹hjhjhjhbじせ闘争支援共闘会議からの決意表明、南部交流会からまとめの発言を受け、シュプレヒコールで社前集会を締めくくりました。
5・27間接強制・損賠攻撃に反対する全国集会へ!
5月27日(土)13:30~品川・中小企業センター大講習室
主催 民事弾圧を許さない共同声明運動/日韓民衆連帯委員会/争議団連絡会議
<学研・ふじせ闘争とは>
1977年12月、学研の下請編集プロダクション「東京ふじせ企画」に勤め、「○年の科学」「マイコーチ」などの編集業務を行っていた私たちが無給長時間残業・低賃金などの超劣悪な労働条件の改善のために組合を結成すると、わずか一週間後、学研は私たち35名に行わせていた業務の一切を引き上げ、会社を倒産させて全員の首を切りました。これ以前に本社では、全学研労組結成への14名の解雇・賃金差別、管理職らを総動員した吊し上げや集団暴行等で73年~92年まで争議が続きました。結成直後から全学研労組員に仕事干しを行い、スト対策のために労組員から取り上げた業務を下請化した会社がふじせ企画でした。そこにも組合ができたことに学研経営が焦っての暴挙です。下請けの経営者も後に「組合潰しは学研の指揮・命令」と事実を明かしています。倒産後に東京ふじせ企画破産管財人が学研相手に起こした損害賠償訴訟では、1985年に東京地裁が「組合を解散に追い込む目的で学研が業務を引き上げた」と争議責任を有する事実を認定、ふじせ労働者に直接管理・監督して雑誌・教材を制作してきた学研の実質的使用者実態も認める判決を出しました(経営同士の損賠は否定)。
学研経営が唯一、居直りの口実にしているのが、85年地裁判決と逆に学研の使用者性を認定しなかった87年の労働委員会の命令です(後に行政訴訟で確定)。「労働者派遣法」が85年に制定された流れで出されたものです。直接の雇用者と派遣先経営者を分離して、派遣先の使用者責任を免罪する悪法が親会社や派遣先の労働者使い捨てと今日の派遣切りを生み出しました。都労委不当命令は、組合潰しの業務引き上げ等の事実認定の中でも学研が主導した部分を意図的に削除し、下請経営者がやったことに書き換えて、「使用者でない学研が何をしたかは認定する必要がない」と言っているひどいものです。
使用者性の有無を差し措いても、学研が下請会社を倒産させた事実は明らかで、労働者を解雇状態に追い込み、生活を奪った争議責任は重大です。
争議解決のための話し合いを拒んで居直るばかりか、最近は組合のニュース記事に対して損害賠償訴訟を濫発し、組合員の自宅を差押える等の悪質な金の取り立てまでして争議責任追及の活動を潰そうとする学研経営の対応は許しがたいものです。
<職場で困ったら> 東京南部労働者組合へ相談(無料)を
一人でも加入できる地域合同労組のリーフは大崎労政事務所や飯田橋の東京しごとセンターにも置いてあります。職場で困ったら、気軽に相談をお寄せください。
Mail southwind@mbr.nifty.com https://southwind.webnode.jp