学研、前年に続き、コロナ禍を口実に事前登録・抽選で参加者を激減させ、株主権侵害の総会を実施
 学研経営は、一昨年に続き昨年12月24日の株主総会についても、新型コロナ感染防止を口実として、事前登録申請と抽選で、300人の会議室に約20名の株主しか参加させませんでした(一方で、議長・役員・執行委員席には密になって約40名近くが!笑止)。一昨年は不当な人数削減をやめて希望する株主を全員参加させろ、と抗議してロビー前玄関まで迫りましが、これに懲りた学研側は敷地にロープを張って「防戦」、私たちは敷地境界で抗議・申入れを行いました(写真=総務社員が対応)。
 
 昨年同様、ふじせ当該一人だけが抽選で当たった、と知らせてきたのは公正に抽選を行っているとのアリバイ作りとしか考えられません。
宮原社長「3億円を要求されている」とのデマ答弁
 ふじせ関係株主と結集した仲間で「希望する株主を参加させろ」と抗議のシュプレヒコールを上げた後、当該は会場内へ。会場内で参加株主に組合ニュースを配る。約20人のうち半分ほどの参加者に渡したところで総務が妨害に入り、「受け取らないでください」などと指示。始まった総会では、営業報告、監査報告の後の質疑応答で昨年同様の総会実施に抗議、ふじせ争議につき、使用者性判断の埒外にある倒産責任につき答えるように求めました。しかし、答弁に立った碇常務がいつも通りの虚偽答弁を読み上げただけ。さらに宮原社長は、「私からも」と切り出し、「3億円ですか、金銭要求があるが株主さんたちにも納得してもらえない」などと言い出しました。ふじせ労組が金銭要求しているとの社長の虚偽答弁はほぼ毎回ですが、「3億円」というのは初耳です。「どこからそんな話が出ているのか」「倒産責任につき回答しなさい」と自席から抗議の声をぶつけました。質問は2名まで、後が続かず、やっと「株価低迷」につき質問があり、短時間で総会は打ち切られました。

 以下の質問を予定も、事前の通知も認められず、質疑応答ができませんでした。5、6について少し触れておきます。
、今回の株主総会の実施方法について
2、総会運営について
3、昨年の市販雑誌部門のリストラに続き、事業会社3社の統合により予想されるリストラについて
4、パワハラ社長をいただきながら、経産省健康経営表彰を受けていることについて
5、読売新聞記事「サ高住での事故増加」と学研ココファンの情報公開について 
6、学研教室での労働組合結成と貴社経営の向き合い方について
7、東京ふじせ企画労組に対する会社倒産・全員解雇攻撃の責任について
5、6について下記を参照

サ高サ住事故、前年度5283件…氷山の一角との見方も
(21/12/20読売新聞より)
 全国のサービス付き高齢者住宅で2020年度、転倒や 誤嚥(ごえん)などの事故が少なくとも計5283件発生し、このうち死亡事故が165件にのぼったことが読売新聞の都道府県などへのアンケート調査でわかった。18年度比でそれぞれ約2割増えていた。「事業者から自治体への事故の報告は任意で、氷山の一角との見方もある」と12月20日の二面で報道されています。
 「サ高住で事故が相次いでいる背景には、重度の要介護者を受け入れる特別養護老人ホーム(特養)の不足があるとみられる。深刻な介護人材不足などを理由に、本来は特養に入所するような高齢者が、日中に見守りの職員を1人以上配置していればよいサ高住を「代替施設」として利用している実態がある。」とし、さらに社会面でも、「サ高住の事故把握、自治体で差…0件の愛知「事業者に報告するよう求めているが」として、「(アンケート調査では)、事故の把握状況について、自治体によって大きなばらつきがあることが分かった。事故の発生状況は利用者がサ高住への入居を判断する際の重要な情報の一つで、行政による実態把握と情報公開が求められる。」とし、埼玉県での110施設から事故報告があったうち、「転倒・骨折が約7割」との事例を挙げ、運営事業者が「費用が安く、人員配置の少ないサ高住が、様々な事情で介護施設に入れない人を受け入れている。どうしても事故は起きる」と打ち明けていることも紹介しています。
 この関連で、一昨年、ココファン鶴間で入居者1名がコロナに感染(4/29)、ココファン四谷でスタッフ1名が感染(5/1)した(本社でも社員家族の感染で本社フロアの一部閉鎖が起きた)と聞いているが、学研HDのウェブサイトでは情報公開がされていなかったのは何故かを質問したかったが2年連続の不当な総会実施で「回答」を得ることができませんでした。

学研教室の指導者が労働組合を結成
学研の団交拒否に対し都労委に救済申立て

 学研教室の「先生」(指導者)約200人でつくる労働組合が、会社から団体交渉を拒否されているとして、東京都労働委員会に救済を申し立て、12月13日、記者会見を開き公表した(申し立ては11月29日付)。学研経営(学研エデュケーショナル)は全国に8千ある教室の一部でのことで、指導者を代表するものでない、あるいは個人事業主は労働者ではないとして団交を拒否してきたようです。私たちも、かつて株主総会で学研教室の高いロイヤルティー等を問題として、質問してきた経過があります。
 労働組合は、タブレット端末やアプリを利用するICT化などの業務改革について、一方的な費用負担増や、現場に合わないICT機材の導入、今後の運用などについて、現場の声を聞くよう求めています。学研エデュケーショナルは昨年、「二大改革」として、アプリや端末を活用するICT化と、プロモーション(広告宣伝)の強化を始めた。しかし、システム障害や不具合が相次ぐ中で保護者と指導者に使用料を請求する手法や、広告宣伝費など月額約1万円の負担増に不満が噴出した。東京と沖縄では署名約400筆を集約。1月には全労連・全国一般東京地方本部・学研教室支部の結成へとつながった、といいます。
 資料によれば、教室の基本は国語と算数各週2回で、月謝が8800円。月謝の総額が22万~27万5千円の場合、そのうち40%をロイヤルティーとして会社に徴収される。最小規模だと49%にも上る。教室用の会場を借り、採点のアシスタントを頼むと手取り額はさらに圧縮される。
 組合結成に立ち上がった支部役員らは「(契約変更への同意を求められても)選択の余地がない。会社は個別に対応するので、意見を言えない人も多く、結局現場の声は反映されない。私たちはICT化に反対しているのではなく、移行への十分な時間を保障し、意見を聞くよう求めている」「未完成の機材の費用を支払わされている。現場を無視して進めるので『アベノマスク』のような不良品ができてしまう。高い年貢(ロイヤルティー)を払わされたうえに、負担を増やされるのは、私たちに辞めろと言っているのと同じ」と話しています。
労組法では、個人事業主であっても、従属的な立場にあり、対等に交渉するために組合が必要とみなされる場合は、労働三権が保障される労働者と認められる。要件はおもに(1)企業組織に組み込まれている(2)契約内容が一方的に決められる(3)報酬が業務量や時間に応じて算出される――などです。
個人事業主の労働者性をめぐる争議については、音楽家や修理工、バイク便などで認められています。2019年には、公文教室の指導者でつくる労組が救済を求めた事案で、都労委は労働者性を認め、運営会社に団体交渉に誠実に応じるよう命じています。
学研教室支部は今後、各地の先生たちの声を集めるとともに、組合員や協力者の拡大、公正取引委員会への要請など、取り組みを強める構えだ、とのこと。
●売上に直接かかるロイヤリティ
 申立書によると、学研教室のロイヤリティ(上納金)は、月謝売上に応じて決まる。たとえば、月謝売上4万4000万円未満だと、月謝の49%と最もロイヤリティの比率が高く、同33万円〜44万円未満の場合は37%など、月謝売上額が上がるほど低くなる。
 組合側によると、教室の会場を借りている指導者は、ロイヤリティを納めた後に会場費などを支払うことになるため、小規模の教室については利益がほとんど出ない場合もあるといいいます。
 組合側は会見で、「教室を持続できない先生が出てきている」「人件費や家賃は増えていく。仕事として成り立つわけがない」「一人では会社を相手にできないので、みんなでまとまって頑張っていきたい」などと話しました。
 一方、学研側は現段階でのコメントはなく、近日中にメディア向けの窓口をつくる予定だと言っているそうです。
    (弁護士ドットコムニュース2021・12・13、「機関紙連合通信社」記事等から)
12・23「新新損賠」の不当な控訴棄却、上告審へ
 今年3月に東京地裁で不当判決が出され、控訴していた「新新損賠」事件で、東京高裁の不当判決が12月23日に出されたことは、前号でお知らせしました。組合側は最高裁での上告審へ、手続きを行いました。
「サクラ損賠」の審理、東京地裁民事37部で始まる
不当判決を批判した記事にさらに損賠攻撃!?
 昨年3月29日に「新新損賠」=学研ココファン関連第3次損賠で出された55万円の損賠金支払いとネット記事の削除を命じる悪質な判決につき組合ニュースで、組合側が裁判で立証してきた経過も述べて説明をし、裁判所の判断への批判の記事を載せたことが、「名誉毀損」などとして330万円の損賠金支払いとネット記事削除を請求する訴訟を仕掛けてきた「サクラ損賠」事件の審理が始まっています。9月に答弁書を出し、11月に学研側の反論、そして今年1月14日の組合側準備書面で改めて、「裁判所の不当判決を批判すること自体が名誉毀損」とされる理不尽を指摘、訴権の濫用、学研の使用者性と争議責任等につき主張を提出しました。
 学研側の反論は「判決を批判するために、訴訟中で争われた記事を特定すること、被告らの主張内容や提出証拠の説明をすること、被告らの訴訟での姿勢を説明すること」
は判決批判として許されるが、「裁判所が不当な認定をしたとして、改めて摘示事実が事実であることを述べること」は名誉毀損となる、などとしています。しかし、裁判所の判断・判決に対する批判は、この前者と後者のように峻別されるようなものではないし、前者にとどまり裁判所の認定を批判することがなければ、判決批判はそもそも成り立ち得ないことを準備書面で指摘しました。次回は、3月4日10時30分~421号。

闘いの現場から局面を切り拓け!コロナに乗じた攻撃を許さず
新たな仲間との結びつきを強め、全争議団闘争勝利をかち取ろう!

12・18全争議団闘争勝利!総決起集会を開催

 加盟争議団の大半が民事弾圧を仕掛けられて闘っている争議団連絡会議が主催する「全争議団闘争勝利総決起集会」が12月18日に開催されました。
 午後2時から開始された集会の冒頭で、今年は各争議団の現場行動の映像や動画が上映されました。民事弾圧をかけられていなくても、経営の居直りや逃亡による争議解決の引き延ばしを許さず闘っている争議を含めて、現場でねばり強く闘っている様子が伝わる映像でした。
 連帯挨拶は、差別・排外主義に反対する連絡会、武蔵野五輪弾圧当該(特別報告)、戦争・治安・改憲No総行動、医療観察法を許すな!ネットワーク、労働法連絡会、沖縄一坪反戦地主会関東ブロック、立川自衛隊監視テント村からいただきました。


 基調報告は争団連から、運動つぶしを許さず、日常的な各争議現場の闘い、全国争議団交流集会、春季の各地域の共同行動への取り組み、7・17刑事・民事弾圧粉砕・日韓連帯全国集会、夏の集中討論、秋の2波の争団連統一行動、政治・社会諸課題を闘う仲間との連帯・共闘などを推し進めてきた1年間を振り返り、全争議団闘争勝利・闘う労働運動の前進、全ての闘いの勝利への決意が述べられました。
 特別報告は、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、ケアワーカーズユニオン闘争紹介(港合同南労会支部)、韓国サンケン労組を支援する会、韓国・金属労組サンケン支会(オンライン)から、全国の争議団からは九州の虹ヶ丘学園労組から、それぞれ熱のこもった報告をいただきました。
 各争議団からのアピール、明大生協労組、東京ふじせ企画労組からの決意表明、司会によるシュプレヒコールで充実した集会を締めくくりました。懇親会も盛り上がりました。
サンケン弾圧、尾澤さんの保釈かちとる
 民事弾圧を許さない共同声明運動の呼びかけ人でもある韓国サンケン労組を支援する会の尾澤さんが、暮れも押し詰まった12月27日ようやく保釈となり、さいたま拘置所での拘留を解かれました。5月10日に新座本社闘争で暴行をでっち上げられ逮捕起訴、威力業務妨害で起訴、7ヶ月を超える長期拘留でした。保釈金300万、サンケン本社へ行かない等の不当な保釈条件です。弾圧に屈せず、意気軒昂で出てきた尾澤さんの刑事公判闘争に勝利し、弾圧責任・争議責任を取らせてサンケン闘争に勝利しよう!