PΛlS  2016年9月28号 本号の内容
 9・14ココファン損賠控訴審でさらに酷い不当判決
 7・31間接強制・損賠攻撃に反対する全国集会開催し
   8・1裁判所ー三井住友銀行に抗議(強制執行=差押えに協力で)
 7・27ー8・4 連続して学研社前行動          
 共闘報告 六本木のミッドランズで解雇 9・27抗議行動

9・14ココファン損賠控訴審
       さらに酷いウルトラな不当判決

 7月、組合側証人申請も却下し、たった1回で結審させた東京高裁の川神裕裁判長はデタラメ地裁判決をさらに悪質に修正し、ふじせ闘争継続の根拠についての組合の主張を、「法治国家における裁判を通じての紛争の解決という裁判制度の基本的な機能をあからさまに否定するもの」と断じるなど、ウルトラな不当判決を出してきました。
 この判決は冒頭の「事案の概要」の認識からして全く誤っています。「学研からふじせ企画への業務委託が終了した後の昭和53年3月、東京ふじせが破産宣告を受けた。ふじせ労組は、その頃から学研が東京ふじせ従業員の使用者に当たるなどとして、学研に団体交渉を求め続けている(同団体交渉にかかる争議を、以下『学研・ふじせ争議』という)。」などとしています。ふじせ労組結成が前年の12月、組合結成から1週間で学研が業務総引き上げし、1ヶ月後に東京ふじせ倒産という会社ごとの組合つぶしの事実に目をつむり、「業務委託の終了」後の破産、などと白々しく述べている点はおくとして、ふじせ労組は、この頃、「学研が使用者」だなどと主張していません。学研が東京ふじせを倒産させた張本人であるから、そのことにつき組合の前に出てきて釈明し、業務を元に戻すように、と団交を申し入れたのです。「使用者」云々は、1年近く経って、東京都労働委員会に提訴する頃に言ったことです。つまり、この争議の一番大きな本質は学研による倒産攻撃であり、その責任の一部に実質的な使用者としての団交応諾義務(これが都労委以降、重要な争点になっていった)がある、ということです。
 今年2月の地裁判決が「労働委員会命令が2003年行政訴訟の最高裁決定で確定した以降、ふじせ闘争に正当性がない」とした判断をさらにおしすすめて、その後も使用者性を主張して闘争継続することなど、「法治国家における裁判を通じての紛争の解決という裁判制度の基本的な機能をあからさまに否定するもの」などと高裁判決は断じています。さらに「本件最高裁決定により解決された学研・ふじせ争議の蒸し返しにすぎない」とも言っています。これも2重の意味で間違っています。朝日放送事件との同一性を争点とすると約束しながらその点の判断を逃げてごまかしてしまった行政訴訟地裁判決以降の経過を不当とし、学研に使用者性があることを主張し続けることを裁判所から禁止される筋合いはありません。こうした使用者性判断は時代を経て変更され得るもので、最高裁の使用者性や労働者性判断が変わってきた歴史もあります。また、上に述べたように使用者性が否定されても、倒産攻撃の責任に基づく団交応諾義務があるのはあまりにも明白なことで、そうした争議の解決事例も多くあります。使用者性判断は大きな争点ですが倒産争議の責任追及はそこに限定されず、団交要求による解決を求める行動はなんら否定されるべきものではないのは当たり前です。
 中公闘争や本山闘争が裁判所の判決と異なる解決をかち取った事例を組合側は証拠にあげましたたが、高裁判決は、「これらは相手がそのような解決に応じたもので学研が団交に応じる理由がないとしている学研・ふじせ争議とは異なる」などと判示しています。解決に応じるまでの経営の姿勢は学研と同じで、解決は現場闘争のたまものであることを川神裁判長は何も分かっておらず、この論旨は滑稽です。判決に従わず、裁判所の権威を否定する輩は許さないと息巻いているのですが、「本件最高裁決定により解決された学研・ふじせ争議」などという言い方は、労使双方が解決を裁判所に全面的に委ねたわけでもないのに到底認められない、裁判所の分をわきまえない傲慢な言い方です。
 ビラの内容の真実性に関しても、高裁不当判決は、地裁判決の誤った証拠引用(居住者Iさんの証言を真逆にねつ造した)については見ぬ振りをし、Iさん、Hさん、そして今回提出した元居住者のSさん陳述のココファンあすみが丘の問題点指摘を学研側のシナリオに乗っかって、施設に反感を持つ少数者の主張(「IやHは施設と対立していた」などと平気で記述している)で、証拠もなく信用できない、としてビラの真実性も否定しました。詳しい判決批判は別の機会にしますが、よくもこんなことが書けるものだ、という記述が満載です。ちょうど同時期に 、辺野古の工事差し止めをめぐる不当判決を出した福岡高裁那覇支部のスタンスと一致する悪質きわまりない判決です。
 9月23日、組合側は上告手続きを取りました。不当判決に屈せず現場ー法廷貫く反撃を展開していきます!
7・31間接強制・損賠攻撃
    に反対する第4回全国集会を開催

 7月31日、間接強制・損賠攻撃に反対する第4回全国集会が実行委主催で、目黒区中小企業センターにて開催されました。ユニオンみえ、関西生コン支部、港合同、経産省テントひろば、明治公園弾圧と闘う仲間、争団連など、全都・全国で民事弾圧と闘う仲間たち50名が結集、それぞれの闘いの報告が行われました。間接強制対策会議からの基調提起、強制執行攻撃をかけられた連帯ライフエイド、東京ふじせ企画労組からの発言が行われ、この「民事弾圧における強制執行」とのテーマで山本志都弁護士から講演を受け、質疑・討論も行われ、活発な意見交換・民事弾圧への共同反撃の確認を行いました。2次会も盛況でした。
8・1裁判所ー三井住友銀行本店抗議を打ち抜く!
 7・31集会の成功を受け、翌日、裁判所抗議と三井住友銀行本店への抗議申入れ行動を展開しました。裁判所抗議では、地裁前情宣の後、地裁民事9部(明大生協闘争へ不当仮処分決定)、総務課(地裁立川支部の連帯大道測量闘争への仮処分・本訴不当判決、三合労中大生協闘争への不当仮処分決定)、民事21部(ふじせ闘争、ライフエイド闘争への差押え命令)、民事36部(ふじせ闘争への損賠不当判決)、高裁民事22部(中部労組スーパー富士屋闘争への不当判決)、高裁17部(ふじせ闘争への拙速結審に抗議し公正な判決を要求)と抗議・申し入れを力強く展開し、裁判所前でシュプレヒコールを上げました。



 続いて、大手町の三井住友銀行本店へ。学研・ふじせ闘争に対して仕掛けられたココファン損賠地裁判決で仮執行が認められたことを受け、学研HD経営は、当該が株主総会出席のため保有していた学研の株式を狙って証券会社の口座等への差押えを2度にわたって行って、空振りになり、さらに執拗に今度は、5月26日付で銀行口座への差押えを行ってきました。争議潰しの民事弾圧=解雇・倒産等で生活を破壊された労働者が責任追及を行う争議行為を禁圧し、間接強制や損賠攻撃でさらに金を奪い生計に打撃を与えて争議・組合活動を潰そうという悪質な嫌がらせです。
 「皆を中に入れろ」、「ゼッケンをはずして・・」 本店入口で攻防
 10時30分、銀行本店前に結集、横断幕設営等の後、ビラ配布、マイクでの訴えを開始。ガードマン4人が正面を固め、裏手にも2名、また公安らしき男もうろつく中、シュプレヒコールを上げ、10時55分から申入れ行動。全体で正面玄関からロビー受付へ向かうと、ガードマンが入口に立ちはだかり、「ゼッケンを外してください」などと言いながら入館妨害。「責任者が出てきて応対し、皆を中に入れなさい」と抗議。
 代表団で抗議、差押えへの協力につき問い質し、抗議・追及
 しばらくの応酬の後、代表団5名で受付へ。電話でのアポ取りに対応していたお客様相談センターの2名が待っていて、ロビー奥に案内。抗議・申入書を渡し、「電話でも伝えたように、学研との争議につき4年前に貴行に申入れをしたが、今回、不当な強制
執行が行われ、三井住友銀行が口座の照会に答えた件につき問いただしたい。学研の金の取り立てに加担している事実につきどう考えているのか、強く抗議する」等を述べ伝えました。本店は相変わらず曖昧な返事で、「申入書には本店で検討して中野支店から回答します」という形式にこだわった答えでした。
 代表団は店前へ戻り報告、最後にシュプレヒコールで銀行に抗議し行動を終了した。

7・27学研社前闘争
 早朝からの社前行動を行いました。この日は小早川ココファン会長のみ出社。不当なココファン損賠請求訴訟、学研HD取締役としての職責を果たさず、争議解決の団交申し入れに頑なに拒否対応を続けている姿勢に対して、抗議のシュプレヒコールを浴びせました。この後、社前座り込み抗議行動を展開しました。
8・4学研家族参観日・社前行動
学研はここ数年、宮原社長体制の下で「家族参観日」と称する社内イベントに社員家族(親子)を招いて、労働者を家族ぐるみで会社に取り込む労務政策を展開しています。この日は前日のそれに続き一般公募の親子を招いての参観日。社前で効果的な情宣を展開。ビラを受け取って参加の親御さんからの質問もありました。


<共闘報告>
六本木のミッドランズで解雇争議!
 解雇・パワハラ・退職強要・さらに、やり直し解雇
  9・27南部集中闘争=社前抗議行動を打ち抜く!
■仕事と無関係の「お見合いパーティ」出席強要を拒否すると「解雇」!
 六本木にある不動産会社ミッドランズ代表取締役社長=角張敏郎は2015年12月に、同社が加入する地元商店街主催のお見合いパーティへの強制参加に対し、難色を示した労働者に突然他の従業員のいる前で「すぐに出て行け」「2度と出社するな」「(未払いの)残業代払うから辞めてくれ」等と罵倒し解雇を通知しました。その後、自宅待機中に書面での解雇通知を求めると一転して「解雇してない、出社しろ」との書面が届きました。
 再出社してすぐの朝礼で角張社長は自身のパワハラ行為は棚に上げ彼の復帰につき「従業員に委ねる」として「彼は復帰してもいいか?」「改めて欲しいところはないか?」等を多数の従業員一人ひとりに発言させました。この「復帰裁判」ともいうべきやり方に対して、職場の仲間から復帰に反対するような発言はありませんでしたが、晒し者にされ、また、担当案件が複数剥奪されるという処罰も言い渡されました。
 その夕刻には角張社長に呼び出され「他の従業員から不満が出たら辞めてもらう」「お前は当社に向いてない」「できれば自分から辞めて欲しい」等の退職勧奨を受けました。
■団交欠席で「逃げる」社長、「職場に戻れる状態ではない」と復職拒否
 彼は、12月最終営業日より有休休暇を取得し、東京南部労組に相談、組合加入し翌2016年1月5日に角張社長に対し団体交渉の要求を申し入れました。団交は2回実施されましたが社長は欠席。会社側は「解雇」・「復帰裁判」の事実経過は認めたものの責任は早川さんにあるとし、「もう彼は復職できる状態ではない」と開き直りました。
■一転「出社しろ」も、「誠意ある労使交渉」を拒否し、あっせん打ち切り
 社長が逃げ続け団交が難航したため組合は3月に東京都地方労働委員会に斡旋を申し立てました。「『退職強要でない』と言うなら復職させるしかない」と労働委員会から勧告されると次回(5/18)では一転して「復職させる」と態度を豹変、しかし、会社の責任、復職のための環境や条件についての話合いを一切拒んで社長はまた逃亡した上、「すぐに出社しろ」「無断欠勤している」などと記した「出勤命令書」を出してきました。そして第5回(6/7)に向けた組合側の最終要求案も無視し、団交あっせんを一方的に打ち切ってきたのです。
■ 自主団交の場に社長と弁護士が出てきて「解雇」を通告、団交打ち切り
都労委あっせんを打ち切った会社 に対して、組合は復職のための環境・条件整備のための自主団を開催するように要求、7月22日に社長出席の団交を確約させました。
 しかし、この団交当日、社長は悪名高い第一芙蓉法律事務所の弁護士を同席させ、「出勤拒否」を理由に解雇通知を出してきたのです。
 9月27日、南部交流会集中闘争の社前抗議行動に地域・全都の多くの仲間が結集し、社内受付で迫力ある団交要求行動を行いました。社長は逃げ隠れしてしまったのか、応対に出た社員に団交要求書を読み上げて、社長に渡すようにつたえました。
 昼休みには、社前抗議集会を開催、南部労組の経過報告、争団連、三多摩合同労組、連帯労組、中部労組と全都の各地域の仲間から連帯挨拶を受け、南部交流会の決意表明に続き、当該Hさんが解雇撤回・団交再開へ向け頑張ると挨拶しました。皆さんのご支援を!