7・28南部交流会集中闘争
学研社前昼集会を打ち抜く!
 
 学研で働く皆さん!前号(6月18日)から間が空きましたが闘争報告をお届けします。まずは、7月28日の学研社前昼集会の報告です。
 長い梅雨が続く中、昼から雨の予報で心配された天候だったがなんとか持ちこたえる中、11時30分から地域・全都の仲間が次々と結集してくれ、、社前で横断幕、幟の設営を手伝ってくれ、12時ジャストからふじせ支援共の仲間の司会で集会を開始した。
 シュプレヒコールの後、当該=ふじせ労組から昨年末から現在に至る経過を中心に報告を行いました。学研の法外な弁護士費用請求を控訴審で覆して認めさせなかった「ココファン新損倍」判決の最高裁での確定、昨年最大の焦点だった「間接強制決定違反」を言い立てての自宅第2次差し押さえに対して「学研の権利濫用」を認定させ、最高裁での係属となっている「請求異議審」で共に学研の訴訟攻撃を一定押し返す法廷闘争を闘ってきたこと、株主総会で「学研の権利濫用」につき質しても答えを拒否し、行き詰まり焦る中で「新新損賠」(ココファン第3次)を仕掛けている学研経営の民事弾圧との現在の攻防、そして新型コロナは学研の高齢者施設ココファン鶴間、四谷で感染者を出し、さらに先週本社内の「学研メディカルサポート」でも感染が発生し6階の職場は閉鎖になっていること、学研経営が情報を秘匿していることに対するココファン居住者からの批判が噴出しているとのこと、福祉事業部門を初め相次ぐ買収を行って学研ホールディングスは非正規が1万2千人を超え社員全体の63%となっている中、コロナ解雇・使い捨てを許さず闘って、「新新損賠」一審判決を迎える局面の闘いを展開していくことなどが訴えられました。
          続いて、連帯挨拶を3団体から受けました。争団連からは大半の加盟争議団が民事弾圧と闘い、7・18ウエブで開催した日韓連帯集会の成功をかち取ったことなど、労働法連絡会からは解雇自由化、裁量労働制反対との闘い、7・29学習・討論会への結集要請、差別排外主義に反対する連絡会から、コロナ状況で一層顕在化、拡大している差別排外主義、ヘイト増大の動きを打ち破り闘うことなどが訴えられました。
 続いて南部交流会から、集中闘争として結集していること、ふじせ闘争のような地域で長期化している争議の勝利をめざしていること、地域合同労組の南部労組では新たにタカナシ販売での組合加入と団交で過去2年分の未払い賃金支払いをかち取っての解決、
障害者組合員の課題への取り組み、福祉協会での現場ー都労委を貫く闘いの報告が行われた。最後の決意表明は、ふじせ闘争支援共闘会議から、悪辣な学研の民事弾圧と闘ってきた経過、この攻防はコロナ状況とも切り結んでおり、緊急事態宣言(改憲衝動)、自粛強要の安倍政権の混乱、支配の側の混迷と犠牲強要を打ち砕いて争議の局面を切り拓いていく決意が述べられました。
最後にふじせ闘争勝利、全争議団闘争勝利、諸課題の前進・勝利へ向けてシュプレヒコールを学研社屋にたたきつけ、集会を締めくくりました。
    
6・18学研社前闘争
 
 7時30分から学研社前闘争を展開した。中森専務が7時45分頃、小早川取締役(学研ココファンHD社長)が7時50分頃に出社してきて、続けてシュプレヒコールを浴びながら社内に逃げ込んでいきました。宮原社長は出社して来ませんでした。
 9時過ぎから座りこみ抗議行動に移り、マイクで社内と地域への訴えを行いました。
6・26三井住友FG株主総会情宣
 
 学研の預金口座差し押さえに情報開示で協力した三井住友銀行。6月26日の三井住友フィナンシャルグループ株主総会に対し、争議解決働きかけ要求、口座差し押さえへの協力糾弾の会場前抗議・情宣行動を展開しました。コロナの影響で出席株主が少なかったが、結集してくれた20名の仲間の力強い抗議の声をあげてインパクトある行動となりました。
7・18日韓労働者国際連帯集会を開催!
 7月18日、日本キリスト教会館で、「7・18民事弾圧を許さない日韓労働者国際連帯集会」が開催されました。主催は、争議団連絡会議・日韓民衆連帯委員会。昨年5月に韓国の仲間が来日し、参議院会館で民事執行法改悪に反対する院内集会を共にかち取り、学研社前闘争や民事弾圧に加担し不当判決を濫発する裁判所抗議行動、そして夜の日韓交流集会を成功させて、以降、8月に争団連、民衆連帯委員会で韓国を訪問しての争議現場共闘と交流を深め、9月には韓国から再来日し、現場と集会での交流を持ってきました。
コロナ感染で渡航できず、ウェブでの連帯集会に
 積み重ねてきた共闘の上に、今年5月には韓国の仲間を招いての集会を予定していました。しかし、新型コロナ感染症により韓国からの入国ができず、ネット接続での集会となったものです。

第一部 映画「死守」を初上映

 集会第一部では、主催者からの挨拶、レーバーネット国際部の安田さんの映画解説のあと、韓国金属労組ユソン企業支会の闘争を描いたドキュメンタリー映画「死守」が上映されました。今回の上映は日本初公開になります。2018年に韓国で公開されたドキュメンタリー映画「死守」は、露骨な組合潰しの暴力労政との終わりの見えない闘いが続き、それでも労組を守るために闘い続ける金属労組ユソン企業支会の仲間たちに密着した映像が展開、激しい弾圧の中で仲間が死に、悲哀と苦悩の日々が続くが、さまざまな連帯や支援の中で苦しい闘争を持続し打ち抜きます。組合内での熱い議論が描写されています。併せて描かれていた社前や街頭での熱気ある闘いの裡に葛藤を抱えながら苦闘している争議組合の人々の姿は同様の経験と想いを抱え長い争議を闘ってる仲間をはじめ、日本の集会参加者たちの心を打つものでした。
第二部 交流集会で互いの報告と活発な交流を行う
104分の映画上映の後、しばし休憩を取り、第二部の交流集会に移った。争団連から、集会基調の提起。互いに往来が適わない中、コロナ禍の災いを転じ、渡航費を節約し瞬時に互いの表情を見交わすのも一方法、と笑いを誘った後、この1年間の日韓労働者国際連帯の経過、成果と課題につき提起。通訳は都合で会場に来られなかったSさんがこれも大田区蒲田からネット接続で伝えてくれる。続いて、争団連の最近の民事弾圧との新たな闘いにつき、連帯大道測量の仲間が、日本での各争議での闘いが続いていることを報告しました。
続いて韓国からの報告では、「死守」を撮った生活共同体「恐竜」の監督からの挨拶が行われました。ここから通訳はKさんに交替。そして映画にも登場したユソン支会の当該から今も続く闘いの報告を合わせた熱の籠もった訴えがされました。そして、解雇を撤回させて今年5月に最後の47人が現場に復帰した双竜自動車支部のキム・ドクチュンさんからの報告に大きな拍手が沸きました。民主労総元仁川本部長のキム・チャンゴンさんから、民主労総で議論になっているリアルな現状も交え、コロナ禍の中での韓国労働運動の現在についての報告がありました。

 日韓の互いの現状について質疑応答も行い、この中では先週解散が伝えられた韓国サンケンからの状況説明と労組の対応なども伝えられました。韓国側では以上の報告者が平澤に集まって、日本側と映像でも手を振りエールを交換しました。
 最後に日韓民衆連帯委員会から韓国サンケン解散による新たな闘いへの結集の呼びかけを含めて、まとめの挨拶が行われ、集会を締めくくりました。
 これだけの多元中継となって、時間も限られる中、通訳の方をはじめ日韓連帯運動の関係者の皆さんの協力で初めての試みとなったオンラインでの日韓連帯集会を成功裡に開催できました。2次会も盛り上がりました。
 韓国からも、「今日は意味深いオンライン韓日労働者国際連帯集会になりました。準備してくれた日本のすべての同志に感謝申し上げます。」とのメッセージが寄せられました。
7・29労働法連絡会学習討論会を開催
  久原穏さん(東京新聞)が講演

「働き方改革」の嘘〜コロナがあぶりだしたもの
 7月29日、労働法制改悪阻止・職場闘争勝利!労働者連絡会は、東京新聞経済部編集委員の久原穏さんを講師に招いて、講演・討論集会を持ちました。
 「働き方改革関連法」が成立したのは2018年、この時期に久原さんの「働き方改革の嘘」が発刊されたが、今回の講演では著書での関連法批判から先に進めて、今、進められている「労働法制解体攻撃」とも言うべき労働政策の実態が現場にどう押し寄せているのかを語っていただいた。経産省が主導して「雇用によらない働き方」の拡大が進められ、そこでは労使関係を規定する労働法制が意味をなさなくされ、個人事業主とされた労働者への過酷な労働実態が蔓延させられます。
 経団連が「日本型雇用の見直し」をうたい、富士通、日立、東芝などでジョブ型雇用
(地域限定、プロジェクト期間限定で雇用責任回避)を採用、佐川、タニタなどでの個人事業主への置き換え、ウーバーイーツ等は、ケン・ローチ監督の映画「家族を想うとき」でも描かれている「もう社員は雇わない」(非正規社員ですらない)、プラットフォーマーというデジタル搾取への爆走であり、このどさくさに成立した「改正高齢者雇用安定法」にもコース化されています。解雇自由化や副業・兼業の推進も同根の「自由な働き方」を演出して進められるもの。コロナ危機が新自由主義下のウルトラな格差をあぶり出し、経済弱者への犠牲強要攻撃がより凄まじさを増している現状です。
 これらについての提起がされた久原さんの講演を受け、労働現場の現状、職安などでの労働政策、兼業・副業問題などに即して質疑・応答も活発に行われ、時間が足りなくなる充実した学習・討論集会となりました。