学研HD株主総会19・12・20)詳報
経営陣、回答拒否をくり返す不誠実な運営


 学研関連労働者の皆さん。今年もよろしくお願いします。

 昨年12月20日に開催された学研ホールディングスの第74回定時株主総会の詳報をお届けします。私たちは、毎年、事前に質問書を提出し、株主になっている仲間が総会に臨んでいます。今回は、前回73回総会以降の1年間の中で出された、学研・ふじせ闘争に関する訴訟での判決で、学研のふじせ労組員の自宅への悪質な差し押さえ=強制執行のやり方が、「権利濫用である」(東京地裁4月)、「著しく信義誠実の原則に反し、正当な権利行使の名に値しないほど不当なもの」(東京高裁11月)と認定されたことに対する会社の受け止め、学研経営の濫訴攻撃の中で法外な弁護士費用を組合側に損害賠償金の一部として請求していたものが却下された(東京高裁2018年末)が、この弁護士費用を含め、悪質な民事弾圧・損賠訴訟攻撃を担っている祝田法律事務所への支払いの実態・総額を明らかにすること、18年末の株主総会で、ココファンまちだ鶴川殺人事件に関して、会社の記者会見・説明を求めている福祉団体のブログ記事を引用して、総会での質問を求めたこと及び、その前年の株主総会に出席した株主の露骨な翼賛とふじせ株主への誹謗・中傷発言を問題にしたことを「名誉毀損」などとして、ココファン関連第3次の損害賠償訴訟(1650万円請求!)を19年2月に起こしてきたことの不当性、株主翼賛発言を背景に「株主総会がふじせ労組によって毀損されている」などと答弁した宮原社長の総会運営の不公正さ、突然退任した増山監査役の辞任理由、入居テナント=「㈱バウハウス丸栄」への社員食堂内装工事発注の経緯・内容について、城戸真亜子氏が社外監査役の役割を果たしているのか、また女性役員の登用への方針、などを質問する通知を出しました。
 学研経営陣は、以下の書面回答、質疑応答に見られるように、「係争中で回答を控える」「総会の目的事項でない」等を述べて、株主に関わる問題でもある事項への回答をことごとく拒否する隠蔽と逃げの答弁に終始しました。ただ、ふじせ株主を指さないように図る宮原社長の狙いは一般株主の挙手が少なくて崩れ、総会後半でふじせ株主と判っていても指さざるを得なくなりました。以下、詳細を報告します(以下、青の太ゴチック部分は当紙のコメントです)。
 朝8時から組合は全都から参加の支援の仲間と共に学研経営に争議解決を要求し、真摯な回答で株主総会を運営するように求めて、ビラ配布、マイク情宣を行いました。
 株主になっている仲間は9時半過ぎ、シュプレヒコールと激励の声を背に社屋内3階の会場に入りました。
 10時から始まった総会は、例年同様に議決権行使書の確認、監査役報告、事業報告書読み上げおよび決議事項説明から行われ、書面質問への回答が中森常務から読み上げられました。
書面回答
<東京ふじせ企画労組との訴訟について>)
 本総会の目的事項に関係なく、訴訟が継続しているので、回答は控える。
当社はお尋ねの訴訟に限らず、法律に従い適切に対応している。
判決が出されているのに、不都合な認定を総会参加者に知られたくない、反論の余地もない、ということが露わになっています。質疑・応答を参照。
<弁護士への報酬について>
祝田法律事務所の弁護士への報酬については実績に従い合理的な報酬を支払っている。
法外な費用として却下された弁護士費用も支払ったかどうかの事実、報酬の実態は  全く明らかにされていません。
<一昨年の総会での株主様の発言について>
 本総会の目的事項に関係ないので、回答は控える。
株主が総会で発言した見過ごせないことが、関係ないとはあきれる答弁です。
<一昨年の総会での議長の発言について>
本総会の目的事項に関係ないので、回答は控える。
これも同様です。「本総会」にも続いている運営の問題にもかかわらず、拒否です。
<総会運営について>
いつの総会でも株主の質問に真摯に答えている。議事の進行については、その整理権
は議長にあり、株主総会の目的事項について審議が尽くされたことを見極めながら大多数の株主の同意をもって議事の運営に当たっている。
虚偽答弁や回答拒否、3分制限で再質問もさせないでは問題は究明できず、とても真摯な回答などではありません。
<女性役員の登用について>
現在、女性役員を登用しているグループ会社は、20社になる。2014年1月より、ダイバーシティ研究室を設置し、2020年までにグループ全社で女性役員を登用することを目標に積極的に取り組んでいる。なお城戸取締役には、招集通知に記載のとおり、教育活動に関わってきた経験や知見から、教育事業の企画やダイバーシティの推進などについて有益な助言をいただいており、期待に相応しい職責を果たしていただいている。
学研が買収した各社では元から女性役員がおり、20社という数字になっていますが、本社をはじめ学研の男性に偏した実態を質問し、問題にしてきました。
<3号議案 監査役の選任について>
増山監査役から一身上の都合により、辞任する旨の申し出があった。
増山氏はセクハラで退任に追い込まれたとの社内からの情報が伝わっています。GPSで起きた事件で、同社長の中村雅夫氏の補欠での昇進という事態についても社内で取り沙汰がされているようです。これまでも同種事件が続いていますが、会社としての責任を回避することも含んだ退任劇だったのではと推測されます。
<学研ビル入居テナントについて>
学研ビルには数社が入居している。また、従来の工事についての質問には総会の目的
事項ではないので回答は控える。
  3年前に1Fエントランス、昨年夏に13F社員食堂の内装工事を実施したが、両案  件ともテナントである㈱バウハウス丸栄が施工しているそうです。工事金額は約5,000万円づつで計1億円とか。同社への工事発注については、社内から、2件ともコンペなど実施しておらず、不透明な随意契約ではないか、との声が上がっています。
<株主総会招集通知の遅れについて>
全ての株主に法令の定めに従い、総会開催日の2週間前までに招集通知を発送している。
  ふじせ労組の代表の株主には、2週間前(12月6日)に送達されず、問い合わせの電話をしたところ、「発送して届いているはず」との回答。しかし、このあと届いたのは、12月10日でした。
質疑応答
 宮原社長は、できるだけ多くの株主様に発言いただきたいので、「質問は一人2問、3分まで」と、いつもながらの制限を示しました。「発言を終えたらマイクスタンドの場所から自席に戻ってほしい」、とこれまた再質問は認めない意向を露わにしました。
株主A  宮原社長の顔を見たくて初めてきた。社長のもとで株価が上がっている。グローバル化の中で、他との比較で、いま外人株主とか多いが、配当利回りとして他の株と学研の株のどちらを買うかという基準で、学研の株を買うにはもう少し配当をあげられないか、と思う。
中森専務 株価については10年前と比べて、5倍弱のところまで上がっている。ただ言われたとおり、配当利回りに関しては見劣りする部分があることは承知している。
  配当性向については30%を目処に目標設定しているが、昨年の期末で30を超えて35%まで来ているので、これを今後も高める努力していきたい。
宮原社長 グローバル化にも対応していきたい。今の好調は、これまでの経営陣、社員の努力の結果だと考えている。これからも頑張っていきたい。
株主B 障害児の教育に携わっており、「実践・障害児教育」の長年の読者だ。学研が障害児教育に携わり、どのような理念を持っているのか問われていると思う。よりよい展開に向かって、ことさらコンプライアンス、コーポレートガヴァナンスについても改善が求められているということで、2点ほど質問がある。増山敬祐氏の退任理由につき、はっきりした回答が無かったが、最近発表された人事でわずか1年で常勤監査役をはずされ、後任に学研プロダクトサポート社長の中村氏が就任となったが、10月中旬に学研プロダクトサポートで女性社員にセクハラを行ったこと、これが監査役就任からわずか1年で退任となった理由であると聞くがどうか。また学研では過去にも障害者雇用枠で採用された女性がパワハラで退職に追いやられたり、その他、高額教材の強引な販売で学研GICが経産省から業務停止処分を受けた報道もあった。そして東京ふじせ企画労組との労働争議も現在ある。御社のウエブサイトでは、裁判所の判決が出された、争議は存在しない、としているが、裁判所の判決如何に関わらず、組合との話合い、争議解決を行うというのが会社のとるべき姿勢だと思うのだが、どうか。
木村専務  監査役退任の理由は書面での回答のとおり。ふじせの事件は法律上終わっている。コンプライアンス遵守の観点から法律の枠を超えてまでどう、ということは一切なし。
「答えていない」。「辞任の理由は?」「セクハラは?」と回答に抗議する声が次々と上がった。使用者性につき労働委員会命令が行政訴訟で確定しただけです。学研の倒産攻撃の責任は厳然としてあり、終わっているなどと言えるわけがありません。上に記したとおり増山氏はGPSでのセクハラ事件で退任に追い込まれたとのことです。
宮原社長  直接の質問ではなかったが、障害児教育についてはしっかりやってきた。
  実践・障害児教育を出している小林執行役員の方からも話してもらう。
「質問に答えないでなんなのか」との抗議の声があがる。
小林執行役員 実践・障害児教育については50年にわたり学校や保護者に向けて発刊している雑誌だ。今年度からは幼稚園・保育所に向け、発達障害の児童へ教材を提  供している。また、グループとして幼児向けの施設、クロッカ五反田を開設した(以  下、略)
宮原社長  関連して、と小早川取締役に発言を促す。
「セクハラ退任の話をごまかすな」「すり替えはやめなさいよ」の声
小早川取締役 クロッカ五反田を立ち上げた。障害がある児童、大人にサービスを展開していきたい。
「増山氏のセクハラはどうしたんだ」「答えてないじゃないか」の声。
問題を隠し、株主の関心を向けさせないために別のことを答弁させています。セク  ハラ事件は、単に増山氏のみの責任ではなく、会社で続いているセクハラ・パワハラの体質がある中で起きた問題です。ここ数年、社内で「セクハラ→降格&転籍」が数多かったが、今回は極めつけとの声が上がっています。
株主C 英語教材のオンラインサービスを使っている。平日、毎日利用でき感謝している。英語教育についてお願いがある。自分が高校生のとき、母が学研のおばちゃ んをしていて、その時の教材を是非出版していただきたい、今まで見たことがない中身で素晴らしい。英語のビジネスをもっともっと伸ばしていただき、売上げ、利益、株価、配当も増えて、ということを期待している。  
碇取締役  オンラインサービスは好評で、今日のお褒めの言葉もスタッフに伝えたい。 かつての「英単10000」はトップラーン、マイコーチ等を学研の直販でセールスレディが届けていたもの。
織田執行役員 東京都英語村は都教委との共同事業として昨年9月6日にお台場にて発足した。画期的な英語学習センターとして、グローバルゲートウエィには、外国人スタッフが40カ国以上から来ていて、日本人の子どもたちに対して英語のシャワ  ーを浴びせる、英語を話さなければ何もできないような環境の中で、自分の英語の力試しをする、そのような施設で、1年間に約10万人ほど利用されている。(以下、略)
株主D  数年前の株主総会で海外事業について話があったが、現状と目標につき聞きたい、また、大学入試改革への取り組みについても聞きたい。
木村専務  主要な会社として5社が海外事業の拠点を設けている。学研の拠点がない
  ところからのスタートで急速に伸びることはないが、ほぼ順調に進んでいる。学研香港が売上げ8億円、営業利益が100万円、ミャンマーの学研教室は1600人を超える規模になって売上げ4千9百万円で黒字化しそう、マレーシアの教室は公立学校の授業が終わった後に残って勉強するもので、クアラルンプール中心に100校くらい展開、来年は500校くらいに伸びる見込みで、勉強後の机の清掃・整理など徳育と呼ばれることも進んでいる、ざっくり言って以上だ。
碇取締役 大学入試改革だが、学力の3要素、知識・技能だけでなく思考力、判断力、
  表現力、というような要素を入れるということが一つ、それから英語の四技能というテーマがある。マスコミ等でも話題になっているが、英語の4技能については、民間試験の2021年導入は見送られ、2024年が次の目標とされている。当社グループは4技能に対応したカリキュラム、出版物等々の編集を進めているし、英 検とかGTECへ対応した問題集、参考書を発刊していく、
  学力の3要素では現在のセンター試験に替わる共通テストが2021年の1月に予定されていて、国語、数学に記述式の問題を入れることが、つい先日見送られた。ベネッセで50万人の採点者の確保が難しい、正確性が担保できないということで見送られていて、次はいつからということになるが、いずれにしても知識だけで学力を測る時代ではない、思考力、表現力が問われているので、それに合わせた出版物を作っていく、各大学、私立・国公立を問わず、入試問題にはそういう傾向が出てくるので、当社の学習コンテンツは対応でき、出版物に大きな影響はない。
福住取締役  塾・教室事業を担当している。今言われた新しい学力観というのが、知識だけでなく考える、判断する、表現する、というものが大事になっている。これは大学入試の直前ではなく、小学校の時代から、じっくり養う必要がある。センター試験を進める中で書く力が弱くなっている、そうしたいままでになかった点に取り組み、模擬試験を実施するなどして年間10万人を超える利用者を生み出している。
宮原社長 海外との取引というところで、中国の最大手の新東方とも提携している。
福住取締役 新東方は会員数200万人で、科学実験教材を提供している。
小林執行役員 私立大学の合格者の半数は、推薦による入学者だ。これに向け高等学校を対象に小論文の模擬試験文を展開し、事業拡大を図っている。
宮原社長  少子高齢化の中で、海外へのグルーバル展開を図っている。人口は減るが高齢者の数は増えていくので、サ高住、グループホームを含めた事業は積極的にやっていく。海外事業についてはアイシーネット というところを100%子会社にした。
株主E  優待目当てで学研を買って子どものために図鑑をいただいたのだが、サイズが大きくて普通の三段ボックスに楯に入らなくて不便なので検討してほしい。優待はいま100株単位だが、今後、400株単位から始まるのかを聞きたい。
碇取締役 図鑑はライブというサイズで発刊している。意見として伝えていきたい。
木村取締役 来年の4月1日をもって当社の株式1株を4株に分割する。現在、株価が7千数百円で推移しており、単位株が70数万円というかなりの高額であるので、投資単位を思い切って少なくする、当社の主要なお客様の子育て支援の方でも買いやすくするという目的で4分割する。いま100株持っている方は4月1日で400株持つことになる。株価は理論上は4分の1になる。株主優待については、分割後の100株について優待を考えている。内容については検討中。
株主F 先ほど、増山監査役の辞任ということがあったが、先ほどの質問者の話だとセクハラによって辞めさせられたのではないか、という話を聞いているとのことだった。会社の言う一身上の都合であれば細かいことは聞かないが、仮にセクハラということなら、それは役員として株主にセクハラがあったのか無かったのか、きちんと説明する責任がある、と思うので、きちんと話していただきたい。もう一点は、ふじせ闘争支援共闘会議のメンバーだった鈴木敏嗣さんが12月5に亡くなった。彼はいま闘われている争議において名前を間違えて被告にされ、おかしいんじゃないかと言っても敢えて被告にするという・・・ 
    (宮原社長「決議事項にそう質問を」と発言妨害)
  間違いだと判っても被告にするのか、何故間違えたのか、説明してほしい、憲法で保障された労働基本権で争議に対して損害賠償を請求するなど認められていない。おかしいと思わないのか。
木村専務  増山監査役の辞任に関する件は、これで3回目だが、辞任理由は先ほど言ったとおり一身上の都合だ。
      「嘘を言うな」との抗議の声。
   訴訟に関することで主張があれば、裁判所でやってほしい。株主総会なので、そのような質問は関係ない。
「学研が株主を被告にしているんじゃないか」「株主利益に合致する問題じゃないか」との抗議の声。
自分たちは、ふじせへの使用者責任が否定された訴訟の判決を執拗に口にしてきておきながら、訴訟関係で不都合な事実には口を閉ざす、という姿勢です。
宮原社長  他の株主は情けない総会運営だと感じるかと思う。40前からの訴訟で最高裁まで行って、学研側が勝った訴訟なので、どうしてもお金を払うことができない状況だ。今日も会場前でビラを配り、総会にも10名くらいで乗り込んできている。そうした嫌がらせがされ、金銭を要求していくということ
「何が嫌がらせなんだ」「あなたの言ってることは全て間違っている」等、強い抗議の声が各所から上がる
  先ほども障害児のことを切り口にしながらこういった質問する、先ほども鈴木さんが亡くなったことを使って問題を拡げていくというやり方は、人間としておかしいと思う。
「どっちがおかしいんだ」と抗議の声。 社員株主は拍手
  鈴木さんは何回も会っているから、そういう切り口でやっていくと鈴木さんはやはり冥福はできない、障害児もそういったところで利用されたくないわけで、
「誠実に答えてくださいよ」
  会社としては真摯にお答えしてるし、そういったやり方は違う、誇りを持ってやってもらわないと、
   と組合活動への意味不明の中傷を行い、何回も口に出している東日本震災の翌週に組合が社前でビラを配布したことが会社の活動の妨害であるような誹謗をくり返し、こども園の子どもたちにもビラをまいたなどと嘘出鱈目を述べた。
「そんなことしていない、何を歪曲しているんだあなた方は」「嘘ばかり言ってるんじゃないよ」の声があがった。
  自分たちの利益で金銭のために、とかも宮原社長は言いだした。
「金をせびってなどいない」「金の取り立てをやっているのはどっちだ、悪質な訴訟を起こして」の声。「セクハラ逃げおおせると思ってるのか」の声。
  これまで何回もくり返された宮原社長の弁解です。裁判で勝ったから話合う必要はない、という虚偽回答、ふじせに金を要求されている、という歪曲。悪質な金の取り立てで心理的圧迫を加え、倒産・解雇で生活を破壊した相手にさらに生活を侵害する差し押さえを仕掛ける異常な対応で争議を潰して責任逃れを図ろうとしているが学研経営の姿勢です。鈴木さんと会った、と言っているが株主総会質疑で対面したにすぎません。鈴木さんは不誠実な回答に対して、また不当に被告にされたことに怒っていました。
株主G  いま食育の仕事をしている。その観点から、成長している学研教室の指導者の方々は、お昼から、中学の生徒まで教えていると、夜まで働いているが、その中で家族の働き方改革というか、学研教室の指導者への働き方改革のプランなどあれば、是非ききたい。高齢者施設の中で食の関係でなにか特別の配慮があれば、聞きたい。
福住取締役  学研教室の先生、ほんとに身を粉にして夕方から毎日遅くまで仕事していただいている。小学生は6時頃までなのでそれほどではないが、中学生を教えていると、やむを得ないところだが、授業が終了したらできるだけ教室から退出していただけるようにし、余分な業務や報告事項にはできるだけ排除して行えるように配慮している。
小早川取締役 全国に440拠点の高齢者施設を運営している。入居者の平均年齢が80歳を超えているので、ほんとうに食というのは楽しみにしている方がいるので食事を楽しんでもらえるように、もっと改善する余地もあるので、様々なことを試み、おいしいものを食べて健康に過ごしていただけるように考えている。
宮原社長  では、あと2名の株主の発言で終わっていきたい
「なるべく多くの株主に発言してもらうんじゃなかったのですか」の声
株主H  学研の下請編集プロダクションで学研の科学・学習、マイコーチ等の編集業務をやっている会社の中にいた者です。そこで労働組合を結成したとたんに学研が業務を総引き上げし、会社倒産・全員解雇ということで、先ほどから少し出ていたが長年の争議になっている。それ以降、学研社内からいろいろな声を寄せられて、それで長く活動を続けられている。単に私たちの問題だけでなく、学研社内からいろいろな情報が寄せられて、それに基づいて私たちも質問している。先ほども他の株主が社内からの情報として指摘していたことは会社として福祉の看板にもとるような問題体質はないか、あれば改めてほしいということで、いろいろな人から質問が出ているわけだから、それについてきちんと答えてほしい、公正な総会をやってほしい。質問に入るが、鈴木さんのことがあったが、私たちは死を利用するようなことではない、ただ、鈴木さんは被告に据え続けられ、私も自宅を2回も差し押さ  えられる非常に悪質な訴訟によってわずかな債権を主張して差し押さえるというようなことが行われている。
(宮原社長は、「株主総会の目的にそった発言を」等、しきりに発言妨害)
   鈴木さんは、中央公論の争議の当該だった。宮原社長が裁判で決着がついたと先ほど言っていたが、地位確認の裁判で負け、組合側が19回も裁判で負けた。それでも中央公論社は争議を解決した。それにもかかわらず学研は解決する意思がないというのはどうなんだ、ふじせの件はたかだか使用者性が否定されただけで解決の意思がない、というのはおかしいんじゃないか、解決の意思を示す気があるかどうか、それが一つ目の質問。二つ目の質問は、学研がこのかん起こしてきた訴訟攻撃の中で、これに関連して差し押さえなどもされたわけだが、このやり方が、「著く信義・誠実の原則に反し、正当な権利行使の名に値しないほど不当なものだ」ということで学研とココファンの権利濫用を指弾する判決がついこの間も出された。こういったことをどう受け止めているのか、こういうことを言われてもまだ悪質な訴訟攻撃を続けるのか、この判決内容についてどう受け止めているか、答えてほしい。
木村取締役  法律上、完全に決着がついている
株主H    ついてない、何が完全なんだよ
木村取締役 法律の枠を超えて対応する事は一切ない
株主H    中央公論社は解決したぞ
木村取締役  訴訟の中身について主張があれば、裁判所でどうそ。ここは株主総会だ。
株主H    株主に関係あることじゃないか。
自分たちは最高裁決定(使用者性否定した)をしきりに総会の場で述べているのに、ご都合主義的屁理屈で回答を逃げています。
宮原社長  回答せず、次の株主の発言を促す
株主I    宮原社長は先ほどからふじせ争議は終わったんだと述べているが、誰が見ても終わってない状況が現実にある。労働争議というのは、会社だけでなく相手方がある。そこと向き合わなければ解決しない。裁判など、その争議のほんの一面にしか過ぎない。一昨年の株主総会で一般株主がふじせ労組の株主を誹謗して、いつも総会で古岡さんへの恨み言ばかり、と言ったのを受けて宮原社長は「ふじせ労組により総会が毀損されている」などと言っていた、先ほどの質問者からもあったように会社は株主総会で説明責任を果たしていない、株主と話し合って解決にあたるという姿勢が全くない、ふじせ関係者の質問も労働争議のことだけでなく、重要な経営事項、総会の目的事項にそった質問をしているのに回答していない、御用株主を批判することや、高齢者施設ココファンでの殺人事件に関して学研の意見表明を求めた福祉団体のブログを引用したに過ぎない、それがどうして名誉毀損になるのか、答えてほしい。二つ目の質問は、ふじせ労組側が起こした請求異議の裁判で、学研の権利濫用を厳しく指弾していることをどのように受け止めるのか、またその学研の訴訟を担っている弁護士がレイプ事件まで起こしている、その弁護士費用も明らかにせず、
     宮原社長の発言妨害に呼応してマイクの電源が切られる
    「あと少しじゃないか、なんでしゃべらせないんだ」
  法律事務所の言いなりになるようなことはせずに、このようなスラップ訴訟を改める気がないか、
宮原社長  退場していただくことになる
株主I  審議を尽くしなさいよ
宮原社長  くり返しになりますので、今の質問につき木村専務に答えてもらう
「木村はいいよ、もう」「嘘ばっかり言ってるんだから」の声
木村専務  同じ回答になりますが、
「まともな回答してみろ」
意見の相違があった場合は裁判所の裁判で結果を出す、それが法治国家だ。裁判ですべて終わっている。
「いまやっているよ」「終わっていない」「請求異議審の判決出たんだよ」 「その判決についてどう考えるか聞いているんだよ」
木村専務  主張があれば、裁判所でしてほしい。株主総会は裁判所ではない。
「株主として発言してるのですよ」
      「彼は株主でしょう。彼がどうやって裁判所で主張できるんだよ」の声。
宮原社長  一般の株主には大変申し訳ありません。こういう運営になっているが、
上場企業として裁判で決着がつかない限り、お金を払うことはできない。
「それ、間違いだと言ってるでしょう」
御用株主が木村に同調して「裁判でやれ」と怒鳴る。「裁判でやっているよ」
「あの株主は裁判でできないし、ここで質問してるんだよ」「株主にとって重要な問題だから発言してるんだよ」との反論に黙る。
宮原社長  質疑応答はこれで終わらせていただく。(社員株主、拍手)
「質問に答えていない」「審議を尽くしなさいよ」
このあと、議案の採決に強行移行し、総会を終了し、新任の中村監査役を紹介して閉会した。
「話合いの場に出てきなさい」「自信がないから私たちの前に出て来れないんでしょう」等の抗議の声を背に、役員たちは裏口から退場した。

1・6トーハン賀詞交換会で情宣行動
 恒例の賀詞交換会情宣を江戸川橋のトーハン本社前で行い、出版業界各社の労働者、役員へビラを配布、トーハンと提携している学研の争議の実態、現状を知らせました。多くのビラを受け取ってもらえました。
トーハン本社前→


新損賠、上告棄却決定(12/20)で確定

 ココファン第2次損賠で地裁(損賠額124万円、18年6月)、高裁(32万円、18年12月)を経てきた事件で、組合と学研側双方の上告が棄却され、確定しました。損害を認めての賠償金の支払いを命じたのは不当ですが、学研の法外な請求(特に間接強制申立に弁護士費用88万円がかかったという主張は高裁で却下され)に対して、損害額も大幅に減額されました。
1・15新新損賠口頭弁論
  昨年2月に起こされたココファン第3次損賠の口頭弁論が開かれ、前回の組合側準備書面(非メディア型名誉毀損事件での真実相当性の扱い、学研の権利濫用)に対する学研&ココファンの反論準備書面(2)と、組合側準備書面(3、学研の株主総会運営の不当な実態の事実経過)が確認され、次回で学研準備書面への反論を出すことになりました。(2)には他に、学研社前で総会当日も不特定多数の通行人に広く「名誉毀損」ビラが配布されていた、などという虚偽の主張と「証拠写真」なるものがありました。
次回期日は、3月16日(月)10:30~510号法廷(法廷は前回から変更)