11・13請求異議・控訴審判決 
学研経営の権利濫用を厳しく指弾
不当部分に組合側も上告、最高裁へ

 学研の新規事業=高齢者福祉施設ココファンあすみが丘(千葉市)の居住者から寄せられた待遇改善を求める声を組合ニュースに掲載したことに対し、学研ホールディングスと事業会社学研ココファンは1320万円の損害賠償とウエブサイトに転載した記事の削除を請求する訴訟を起こし(2013年)、以降、仙台での東北ベストスタディで起きた内紛に関する記事への損賠請求事件とココファン関連を合わせて計4回もの損賠訴訟攻撃で私たちの組合活動=争議責任追及の闘いを潰そうと民事弾圧をくり返してきています。学研の高額請求は認めないものの裁判所が出した損害を認定する判決はいずれも労働基本権を否定する不当なもので私たちは現場ー法廷を貫き反撃をしてきました。
 特に2017年のあすみが丘事件の確定判決後、学研は同時にネット記事の削除を命じる間接強制を申請、組合は間接強制決定に従ってネット記事を削除しました。ところが、この決定に誤記(元々の一審判決の判決文から続く誤記)があったために、記事の一部に削除漏れが発生すると、なんと学研はその事実を組合に知らせて削除を求めるのが間接強制の趣旨なのに、67日経過してから「間接強制決定違反金」(1日20万円×67)1340万円を債権と言い立てて組合員の自宅を差し押さえてきた(これが2度目)のです。これに組合は請求異議審を提訴して争ってきました。
 今年4月に出された「請求異議審」の地裁判決は、学研の自宅差し押さえの債権と主張する1340万円に対して、160万円までは容認、これを超える部分の執行は権利の濫用と認定しました。学研経営側は控訴、組合側も全金額が請求無効として控訴していました。この11月13日に東京高裁から双方の控訴棄却=一審判決維持の判決が出されました。ただ、理由の中で東京高裁は一審以上に厳しく学研の権利濫用を指弾し、「(160万円を超えて間接強制違反金の支払いを求めることが)著しく信義誠実の原則に反し、正当な権利行使の名に値しないほど不当なものと認められる」と判示しています。組合は最高裁に上告しました。学研側も上告で最高裁で争うことになりそうです。
10月の社前行動で 宮原社長ら、役員に争議解決を迫る
10・2学研社前
早朝からの学研社前行動を展開。小早川取締役が7時40分頃に出社、正面玄関が空いていないので、裏側に回っていきました。抗議のシュプレヒコールを上げました。続いてすぐ、中森専務が出社、正面口が空いていないのでドアの前で立ち往生、中から社員が開けに来るまで専務にシュプレヒコールが続きました。
 朝ビラは夏から秋への闘いの報告を掲載して配布し、9時に終了、座りこみへ移りました。当該がマイク情宣を行っている9時15分頃に社長車が到着、「宮原社長は争議を解決しろ」等のシュプレヒコールを上げて抗議の意思をぶつけました。10時までの行動を打ち抜きました。
10・18学研社前座りこみ 社長の乗った車に抗議
 10月18日は、久々に12:30〜14:30の時間帯での社前行動を展開しました。横断幕、幟、旗を注水器に据えて、ビラを配り、座りこみ抗議を行いました。午後1時20分を回った頃、社長が普段乗り回している2台の車、センチュリーとアルファードが連なって地下の駐車場から出てきました。来客と共に社外へ向かうために社長が乗っている様子で全体でシュプレヒコールを浴びせました。14時30分まではりつき抗議・行動を打ち抜きました。

10・30新新損賠口頭弁論
 昨年12月の株主総会時に社前で配布した組合ニュースに対して1650万円の損害賠償請求が仕掛けられた訴訟で組合側は第2準備書面を提出しました。内容は、学研の数々の濫訴攻撃の実態を網羅して批判、訴権の濫用以外の何ものでもないことを示し、また、近年の名誉毀損訴訟はマスコミ報道等のマスメディア型事件と非マスメディア型事件があり、前者は報道機関等に裏付け取材が可能かつ求められているのに比して、後者は学研・ふじせ事件のような社会に広く知られていない当事者間の争いに伴う非マスコミの小規模ネット媒体等での表現について(こちらの方の名誉毀損訴訟が増加している)で、そこでは表現に厳格な証拠を要求して「真実性・相当性の抗弁」を求めることに意味はなく、表現に至る経緯や事案ごとに存在する個別的な事情に着目して、実質的に違法性の有無を判断する「個別的比較考量論」が適切であることを主張し、これにそった判例やふじせの株主総会時の質問や情宣の実態を論じ、名誉毀損など存在しないことを述べました。次回口頭弁論は1月15日、10時半からとなりました。
労働法制改悪を許さない!労働法学会、全労委総会、厚労省で情宣
 労働法制改悪阻止・職場闘争勝利!労働者連絡会は、この秋、以下の行動を展開してきています。
 解雇自由化−解雇の金銭解決制度、裁量労働制の拡大反対!
 解雇が無効とされても金を払えば労働者を解雇できる解雇の金銭解決制度の制定が3年越しで目論まれています。厚労省は「解雇無効時の金銭救済制度に係わる法技術的論点に関する検討会」を昨年6月新設し、公労使委員による以前の検討会とその報告(労働者側が明確に反対)を受けた労政審を振り出しに戻し、この新たな「検討会」(御用学者6名)で国会上程をめざした準備が進められています。この制度は解雇自由化・リストラ促進策で、狙いは解雇撤回闘争・集団的労使紛争防止、組合弱体化であることは明白です。また、データ改竄が発覚し昨年は成立を諦めた裁量労働制についても、政権は「裁量労働制実態調査に関する専門家検討会」(昨年9月新設)で、この11月に実体調査を実施、調査結果分析、労政審へとし、再上程を狙っています。実際の労働時間とは関係なく見なし労働時間によるただ働き、長時間労働促進を狙ったものです。
 9月26日、これらに対して厚労省前で抗議・情報を行い、また、10月19日には立命館大学で開催された日本労働法学会での情宣を行いました。
 労働委員会の団結解体機関化を許さない!
 いま都労委では、労働者の団結擁護に立つ救済命令を出さずに和解収拾での事案処理、十分な審問時間設定や必要な証人採用を行わない等々、不当な審査指揮が顕著になっています。この姿勢を質し、9月27日に都労委交渉を開催させました。対応した審査調整課長は不当な審査指揮、和解での第3者非開示条項の強要(解決内容をマル秘にし、労働組合が組合の闘いの成果を広く知らせる活動を禁じるもの)などの問題を追及されても、都労委のあり方を問う根本的な問いには一切答えませんでした。次回交渉を約束させて姿勢を改めさせいくことにしました。11月15日には第74回全国労働委員会連絡協議会総会への情宣を行いこうした労働委員会の現状に警鐘を鳴らしました。
関西生コン支部への刑事弾圧を許さない
11・16全国集会・デモが1200名で打ち抜かれる

 11月16日に大阪の西梅田公園で「声をあげよう!弾圧を許すな
!11・16全国集会」が開催され、南部交流会から参加しました。昨年7月に始まり逮捕・起訴・長期拘留が続いている全日建運輸連帯労組関西生コン支部に対する刑事弾圧への抗議です。  警察庁が指揮し、大阪府警、京都府警、滋賀・奈良・和歌山県警が連携し、ストや経営の法令違反を糾す情宣行動、非正規労働者の正規化要求等を「強要未遂」や「威力業務妨害」、ずっと以前の倒産争議解決金支払いを「恐喝」などに仕立て上げるなどで、この1年半でのべ89名もの労働者を逮捕、長期に拘留された仲間の保釈を勝ち取っても、別件での再逮捕がくり返されたり、保釈条件に「全組合員との面会・接触禁止」を付けるなど徹底した組合潰しです。そして、経営・業界、「産経」などの翼賛メディア、極右勢力などが一体になっての「関生支部=反社会的集団」キャンペーン、盗聴や広範囲の家宅捜索、PC内を含めた膨大な量の記録の押収などがくり返され、未遂でも組合執行部が共謀したなどの立証を図るなど、「共謀罪」適用のリハーサルと言われているような弾圧です。

 当日、会場には全国から1200名が結集し、組合、弁護団、支援団体、シンガーなどの発言・演奏で盛り上がり、デモ出発。大阪地裁前までの行進で人々に訴えました。
品川区の集会室使用規制は憲法違反だ
 品川区は集会室の利用について、2016年から「施設予約システム」を、それまでの『団体代表者と連絡担当者の登録』から『構成員全員登録』へと運用を改悪しました。そして、構成員全員を記載した用紙を提出しないと「施設予約システム」の登録受付を拒否する、としてきたのです。
憲法では集会・結社の自由と労働者の団結が保障されており、品川区の「施設予約システム」運用改悪は、明らかに憲法違反です。品川区は「営利目的で使用するなど、不適切な利用をなくすため」などと口実を設けていますが、このような運用の変更は適正(人々の快適で自由)な利用につながらないばかりか、労組の団結権、市民のプライバシーその他の権利を侵害するもので一種の「検閲」というべき悪質な措置です。
私たちは南部労組、南部交流会を先頭に、品川区に「施設予約システム」の運用をこれまで通り元に戻すことを再三求めてきましたが、品川区はいっさい応じようとしませんでした。そのため、約2年半の間、団体登録更新手続きが拒否され、南部交流会その他の団体が品川区の施設使用が出来ない、という状態を余儀なくされました。2018年8月、東京南部労働者組合が、改めて従前通りに代表者と連絡担当者を明記し登録申請を受け付けるよう窓口に行きましたが、品川区が拒否したため、2018年12月に東京地裁に違法確認を求める裁判を提訴しました。
口頭弁論が持たれ、10月29日には裁判所が和解を打診するなどの動きに入っており、裁判闘争はヤマ場に入っています。
 この問題は東京新聞にも取り上げられるなど、社会問題として注目されており、私たちは地域の諸団体にも呼びかけて、不当な憲法違反の運用を撤回させていくつもりです。
沖縄、辺野古新基地建設強行を許さないぞ!
 争団連・地域共闘交流会の沖縄派遣団の第11波目の行動が11月5日〜9日まで取り組まれました。5日、6日は名護で5名の仲間、7日からは6名の仲間がさらに加わり、9日まで宮古島での行動となりました。辺野古新基地建設を強行する沖縄防衛局は、名護市と本部町で埋め立て用の土砂を運搬船に積み込む作業を進めています。

             11/5土砂を積んだダンプが立ち往生

  5日は、本部港塩川地区、6日は名護市安和の琉球セメント門前での土砂を積んだダンプに迫り抗議する行動、7日からは、宮古島へ自衛隊のミサイル基地や弾薬庫がつくられようとしていることを許さず、地元の人々と工事車両が出入りする敷地門前での抗議行動に3日連続で取り組みました。
南部交流会からも3名が派遣団に加わり、行動を打ち抜きました。
☆ 12・14全争議団闘争勝利総決起集会へ
12月14日(土)午後1時30分〜 としま区民センター 主催:争議団連絡会議
12・20学研HD株主総会へ
 質問権の侵害を許さず、経営責任・争議責任追及へ! 12月20日に学研ホールディングスの第74回定時株主総会が学研本社で開催されます。私たちは毎回、学研社内・関連から寄せられた情報や告発の声を含めて、経営の重要事項につき、質問書にしたため事前に会社に送達し、株主権を有している仲間が会場で質問を行ってきました。いずれの内容も総会の目的事項に合致した質問であるにもかかわらず、学研経営は不当な総会運営でこれらに真摯に向き合わず、特にここ数年は宮原社長が「ふじせ関係者株主には発言させない」と言い出し、挙手していても質問をさせない許しがたい対応で総会を打ち切っています。明らかな株主権の侵害です。
このような運用を批判し、昨年12月の総会時に私たちが配布した組合ニュースで、私たちが会場内で翼賛株主の誹謗・中傷までされた事実を記載したことなどに対して、学研はまたまた損害賠償訴訟を起こすなど、争議責任隠蔽、ふじせ労組の活動潰しを狙ってきています。学研の下請で労組を結成したとたんに35名が行っていた学研からの委託編集業務を総引き上げし、会社倒産・全員解雇の攻撃を仕掛けた学研の争議責任は明白です。それを居直る学研の問題体質を改めることなくして、学研の真の改善はあり得ません。今年も、不当な総会運営を許さず会場内外の行動を展開していきます。