PΛl s 2019年10月2日号

学研の倒産・解雇攻撃を許さない
夏から秋へ、損賠攻撃をはね返し闘う!
7・18学研社前闘争
 一切の話合いを拒み争議責任を居直る学研経営に抗議し社前行動を打ち抜きました。学研で働く皆さんに朝ビラを配布していると、8時20分頃に小早川取締役(ココファン代表)が出社してきました。同27分頃、アルファードに乗ってやってきた宮原社長へと合わせて連続した抗議の声を上げました。この後、午前10時まで座りこみ抗議行動を展開しました。
 

    7・18車内の宮原さんに抗議                8・2学研社前

8・2 学研家族参観日行動
 猛暑の中、11:30から恒例の行事(この日は、前日の学研社員親子の家族参観日に続いて、一般の親子の学研職場見学)の行われた学研本社の前で、参加者への情宣行動を展開しました。学研側は例によって、妨害用の横断幕・幟を事前に据え付けて対抗。こちらは、注水器に据えた横断幕・幟・旗で争議状況を現出、ビラ配布、マイクでの訴えを行ないました。「会社樹木に据え付けて傷をつけるな」等の損賠攻撃準備の「警告」を行っている会社ですが、自ら会社の樹木に横断幕等を据え付けているのは滑稽の極みです。参加者の皆さんに下請組合潰しの倒産・解雇攻撃を仕掛けた学研の争議責任の実態は十分に知ってもらえました。
8・4ナーシングセミナー学研社前
 8月4日、学研メディカル秀潤社(看護雑誌等を発刊)が開催した「ナーシングセミナー」に参加する看護師、看護学校生に対する情宣行動を朝9時半から学研本社前で行いました。日曜日で普段とは違って閑散とした社屋周辺でしたが、約120名程の参加者のうち、それなりのビラ配布ができました。旗・横断幕・幟を据えて、8・2家族参観日情宣に続く取り組みを成功させることができました。
8・28請求異議控訴審、1回で結審 11月13日に判決
 8月28日に請求異議の控訴審が東京高裁511号法廷で開かれました。双方の提出書面の確認の後、高裁は審理終結を告げてきました。判決日は11月13日の13時15分からと指定されました。
和解打診に学研側は、「ふじせ労組が行動を止めたら応じる」
 ただし、閉廷の後、裁判所から和解の打診があり、16階の高裁第一民事部書記官室へ。まず、組合側が呼ばれ左陪席が説明。「裁判所としては一審判決の内容でよし、と考えているので、その金額をすぐに支払う、ということで和解してはどうか」と提案されました。これに対し、原告組合側は、組合代表が今日は来ていないので、今日は返事を保留し、9月20日までに返答する旨を答えました。しかし、次に呼ばれた学研側は、「労組の行為は違法だから、それを止めれば和解する」との表明をしたとのこと。
 組合側は、「そのような和解は応じられない」と答え、和解決裂、判決となりました。
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 今年4月、学研HDと学研ココファンによる「間接強制決定違反で1340万円」との債権を主張してのふじせ労組当該自宅の差し押さえ(2度目)に対する原告=組合側の請求無効の訴えで争われてきた請求異議審の判決が、「160万円を超える強制執行は無効」とされたことに対して、組合・学研の双方が控訴していました。
 学研の控訴理由は、当事件は、一審判決で引用されている判例の判断基準に当てはまらず、強制執行は権利濫用ではない、80万円×2(学研HD、学研ココファン)との金額の根拠がない、等を述べ、「違反金1340万円」相当の差し押さえは正当というもの。
 組合側の控訴理由では、一審で示された判例の判断基準(債務名義の性質、執行し得るものとして確定された権利の性質、債務名義成立の経緯、強制執行に至るまでの事情、強制執行が当事者に及ぼす影響)に即した各別の吟味において、判決は、間接強制制度の欠陥、間接強制金が著しく過大になった経緯につき判断を欠落させており、学研側が制度を悪用して、「決定違反」(記事の削除漏れ)の事実を組合側に指摘することを意図的にせず違反日数を稼いで巨額の請求債権を仕立てたことが「著しく信義誠実の原則に反し正当な権利行使の名に値しないほど不当」であることを明確に認定しなかったこと、発生した削除漏れの原因(裁判所の判決・決定の誤り)、更生決定の時期、損害賠償金との二重取り等の諸点についての判断が適正でないこと、等を指摘し、「間接強制違反金」は(160万円ではなく)、全額が無効であることを主張してきました。
 11月の控訴審判決は、和解打診での裁判所の表明内容から、双方の控訴棄却で一審判決維持の内容になりそうです。    
9・16ワトソン博士来日記念講演へ情宣行動
 品川駅港南口の東京カンファレンスセンター品川で開催された学研メディカル秀潤社の看護師向けのイベントに対して情宣行動を行いました。雨でしたが屋根の着いた駅からの渡り廊下でビラ配布。400人の参加者のうちかなりの人に渡すことができ、通行人も注目して受け取り、マイクでの訴えもあわせて効果的な情宣行動となりました。

       9・・16品川駅港南口で参加者へ情宣

9・4新新損賠口頭弁論
 2月に学研側が提訴してきた1650万円の損害賠償金支払いとネット記事削除を請求する訴訟の口頭弁論が9月4日に持たれた。学研側から出された準備書面では、ココファンまちだ鶴川殺人事件についてのロングライフサポート協会代表理事のブログを組合ニュースが引用している件につき、引用元に学研が抗議をしていないことを認めた上で、「引用の仕方が学研の社会的地位低下を狙ったもの」などと根拠を欠いた主張や、翼賛株主動員の株主総会運営につき、組合ニュースの総会発言者記録の些細な誤記を指摘するなど、これも内容に乏しい主張を行っています。
 裁判長は、組合の社前ビラが社員以外の周辺へも配布されているか否かを学研に質問。
次回(10月30日、15:30〜526号)、組合側の反論提出を確認して終わりました。
9月反弾圧闘争を闘う
 9月は毎年、弾圧に対して闘う月間になっています。日本の多くの人が「弾圧」なんて海外の独裁国家とかの話で日本にはない話だと思っていたり、「警察に逮捕される」などということは、自分は悪いことやっていないから関係ないと思っていたり、という受け止め方をしているようです。でも、それは全く違います。
関西生コン支部の労働者のべ87名が逮捕される
 いま、関西でコンクリートミキサー車を運転する労働者などが加入している全日建運輸連帯労組関西生コン支部に対して、大阪・滋賀・京都の警察が、この1年間に87名もの労働者を次々に逮捕し、うち組合執行部など多くのメンバーが起訴・長期拘留される事態が起きています。逮捕容疑はいずれもアルバイト労働者の正規職員化を要求したり、生コン業者の法令違反を追及する情宣活動などに対して、「強要未遂」「恐喝」などとして、正当なごく当たり前の労働組合活動を弾圧し、潰そうとしているのです。会社を倒産させ労働者が雇用と生活を破壊された争議では、会社に解決金を支払わせたというこれまた普通の労働争議解決に対して、滋賀県警が「1千万円を脅し取った」などとして恐喝で関生支部のメンバーを逮捕しています。権力を監視する使命を担うべきマスコミ、メディアの劣化もひどく、京都で7名が逮捕された恐喝・強要未遂でっち上げ事件で「京都新聞」は「アルバイトを正社員として雇用するよう不当に要求した」などと驚きあきれる表現で組合活動を犯罪視する京都府警の発表を垂れ流す報道をしています。いま安倍極右政権の下で労働者が権利を主張すること自体を許さない状況がつくられようとしており、それは「愛知トリエンナーレ・表現の不自由展」への介入・中止に見られるように全ての人々の表現への抑圧・弾圧にもなってきています。こんなひどい状況をはね返していかねばならず、日本でも、いや今の日本でこそ反弾圧闘争が大事になっています。
9・14反弾圧集会・渋谷デモを打ち抜く!  
 1975年〜76年、民間中小の争議に刑事弾圧が連続してかけられ、年間で約150名が逮捕されました。これに抗議の声を上げ、全都反弾圧集会・デモが毎年開催され、今年は第44回を迎えます(これまで、89年には「連合」発足=官・民貫くナショナルセンター発足で右翼的労戦統一が完成した年から翌年には、争団連の3争議に連続して弾圧がかけられ、逮捕・起訴・接見禁止の長期拘留が行われました。98年組織犯罪対策法成立が成立した翌年、争団連の長期争議へ5名逮捕、長期拘留の刑事弾圧がかけられました)。
 9月14日、千駄ヶ谷区民会館で開催された今年の反弾圧集会では、関西生コン弾圧や学研・ふじせ闘争をはじめとする争議への損賠・差し押さえ、現場禁圧の民事弾圧の激化をはね返そうと、全都の多くの仲間が結集しました。沖縄辺野古新基地建設強行、共謀罪適用阻止、改憲・戦争、治安国家化等の攻撃反対で闘っている各戦線の仲間の連帯挨拶、南部労組福祉協会など職場の仲間、全国から参加の争議団の仲間からの発言を受け、争議団連絡会議の基調報告、東京ふじせ企画労組からの決意表明、関西生コン支部のNさんの獄中からのメッセージ、労働法制改悪反対、戦争と治安弾圧に反対する集会決議を採択し、デモに出発しました。原宿駅前から渋谷の繁華街を通るデモは沿道の人目をひき、各所で外国人をはじめ写真を撮る光景が見られました。約1時間で解散地の神宮通り公園に到着、弁護団、宮下公園解体に反対する地元の仲間から発言を受け、昨年を上回る参加を得ての集会・デモの成功を確認して終了しました。
9・3南部反弾圧学習会
  「ネット社会と民衆の闘い」を開催!

 全都反弾圧闘争に先立ち、地域での取り組みとして9月3日に南部交流会主催の反弾圧学習会を南部労政会館で開催しました。今回は、上記のテーマで小倉利丸さんに講演をしていただきました。情報発信・取得やコミュニケーションのツールとして1995年以降瞬く間に社会に拡大・浸透したインターネットは、一方でGAFAに見られる人々の個人情報等、ビッグデータの利用や権力の監視の浸透が進み、民衆の側がこれにどう対処し権利の侵害を許さない闘いを創るかが求められています。小倉さんは、ヤフーやグーグルと手を切って、コミュニケーションを考える新しいライフスタイルをつくることを提唱、セキュリティーの手段、良識・節度をわきまえた検索エンジンの紹介等、具体的・実践的な方法も分かり易く説明してくださった。学習会前に大崎駅頭で配布した案内チラシを見て参加した若者や渋谷のじれんの若手などの仲間から活発な質問・意見も出され、活気ある学習会になりました。
争団連で韓国訪問(8/27〜30)
  日韓労働者国際連帯をさらに強めよう!

 エスカレートする民事弾圧との攻防を展開している争団連は、韓国で熾烈な損賠・差し押さえ攻撃と闘ってきている金属労組双竜自動車支部をはじめとする民主労総の仲間の参加を得て5月に民事執行法改悪反対の院内集会、学研社前・裁判所抗議行動等を共に打ち抜きました。「次は私たちが韓国へ」という約束をして、8月27日〜30日、韓国訪問となりました。争団連から中部労組旭ダイヤ、連帯大道測量、東京ふじせ企画労組が抜擢され、5月にもお世話になった日韓民衆連帯委員会のOさん、レーバーネット国際部のYさんに同行していただきました。

 GM社前 上の櫓で籠城、テントでハンスト
 
 非正規職解雇撤回の闘いが大きなヤマ場に入っているGM支部・民主統合推進委員会をはじめ、民主労総の各闘いや市民団体(米軍基地反対を持続している平和センター等)と交流をし、現場の闘いにも参加をしてきました。始まった日韓労働者国際連帯を、5月の東京から8月の仁川・平澤・ソウルへと、さらに深めることができました。
 特にソウル市内では各所で争議当該等の行動が展開されている光景に感嘆しました。高速道路料金所で非正規職1500人解雇に抗議するテント、青瓦台(大統領府)付近での抗議集会、起亜自動車の非正規職解雇 韓国ト
で雇用労働省前でハンスト(立ち寄りカンパを渡した)、全教組の非合法化に抗議する一人デモ、等々、いたるところに闘いの横断幕が張られ、活気ある行動がくりひろげられていました。
 大法院徴用工判決を契機とする安倍極右政権の経済報復、排外主義扇動で嫌韓・ヘイトが吹き荒れる状況の中、現場で闘う労働者同士が国家を超えて結びつきを強める意義も共に確認できた日々でした。9月にはまた韓国の仲間が来日し、争団連の3現場(武蔵学園・明大・大道測量)での闘いや、交流集会を共に成功させました。