PΛl s 2019年6月25日号
6・10社前行動、居直る学研経営に抗議し
ミャンマー祭り関係者へ争議実態を情宣
6月10日、争議解決を求め、学研社前行動を展開しました。この日は、本社内で、「ミャンマー祭りのパーティ」がありました。5月25、26日に増上寺で開かれた恒例の文化交流のイベントの協賛企業で、ミャンマーに進出し学研教室も展開している学研が本社で開いたもの。外は夕方から暴風雨となり、大変な悪天候でしたが、私たちは社前で旗・横断幕を掲げ、「学研の倒産・解雇攻撃を許さない」とのゼッケンを着け、学研経営に抗議する行動を展開しました。シュプレヒコールを上げている中、ミャンマー大使館(外交官ナンバーの車で地下駐車場へ)や外務省から要人が参加。私たちの行動は会場内でもしきりに話題になったようです。ゲストで参加予定の安部昭恵氏は、私たちの行動中は来場を見合わせ、撤退してからやってきた様子です。最悪の天候の中、社前にはりつき、マイクでも争議の実態を訴えて情宣・抗議行動を打ち抜きました。
争議・労働運動潰しの弾圧を打ち破れ!
民事弾圧の拡大、民事執行法改悪を許さない
5・14 日韓労働者国際連帯の集いと行動を打ち抜く
5月14日、韓国で争議に対して私たちと同様の経営からの損害賠償・差し押さえ攻撃をかけられ闘っている民主労総の仲間と市民団体の代表が、連帯の思いを寄せて招聘に応じて来日してくれ、集会と現場の闘いを終日共に打ち抜きました。
@学研社前闘争
最初の行動は、朝から小雨がぱらつく中、8時からの学研社前闘争。朝ビラ配布と出社役員抗議の態勢にいつも出社してくる小早川取締役は姿を見せず。しかし、宮原社長の乗ったアルファードが8時半過ぎに到着、シュプレヒコールを浴びながら地下駐車場に逃げ込んで行きました。社前集会開始の直前、韓国の仲間(民主労総・GM労組のキム・チャンゴンさん)が労働歌を披露、大きな拍手が沸きました。
キムさんは、かつて仁川にあったハンドク金属労組で青年組合員たちが結成したバンド「昏睡状態」でドラムを叩いていたとのこと。
集会では、ふじせ労組当該から相次ぐ損賠攻撃と学研の法外な高額請求攻撃が破綻しつつある新損賠、請求異議審の判決等につき報告、韓国の仲間と連帯し民事弾圧を打ち破っていく決意が述べられました。続いて韓国・双竜自動車のキム・ドクチュンさん(金属労組・双竜自動車支部長)からの自らの争議の報告、市民団体ソンチャッコのユン・ジソンさんの支援活動の報告、そしてキム・チャンゴンさんからふじせ闘争についての感想を交えて連帯を強めて闘う決意が述べられました。続いて間接強制対策会議からケミカルプリントの仲間、集中闘争で取り組む南部交流会から南部労組福祉協会の仲間の発言、日韓民衆連帯委員会の仲間からもコメント。最後に、韓国の仲間の音頭で韓国流の吶喊の声を上げ、シュプレヒコールも社屋に向けてあげ、熱気に溢れた社前行動を終了しました。
A院内集会に約100名が参加
続いて11時から参議院会館で「労働争議と民事執行法改訂」と題して院内集会を開催しました。民事執行法改悪案は直前(5/10)に国会を通過してしまいましたが、この法改悪に対峙して、日韓労働者が声を上げる意義は大きいものがありました。争団連からの基調報告、ふじせ闘争の弁護団を務める浅野弁護士から、民事執行法改悪の狙いと争議での差し押さえ攻撃との攻防につき発言。韓国の代表団の紹介に続き、双竜自動車、ソンチャッコの仲間がビデオ上映を交えて報告を行いました。
2009年、韓国双竜自動車での3000人解雇に対し、労組がストライキで工場を占拠すると、会社は警察を暴力介入させ、ヘリコプターや放水車などで催涙液を浴びせ、凄まじい暴力で工場から排除しました。その後会社と国から数億円もの巨額損害賠償を請求され、仮差押えなどの弾圧を受け、9年間で30名もの組合員・家族が自死に追いやられました。労組の闘いで会社からの損害賠償請求は撤回させましたが、現在もまだ国から約8億円の請求が続いています。その内容は、ヘリコプターやクレーンの修理費等が96%とのこと。「労組の投げたパチンコの玉があたってヘリ機が壊れた」とか言っているのにはあきれます。労組は裁判で闘いながら、会社との交渉で解雇を撤回させ、原職復帰を勝ち取ってきて、今年7月には残りの解雇者48人も全員が復職することを確認しています。キム・ドクチュンさんは、ソウルの徳寿宮・大漢門の前に、亡くなった仲間たちの焼香所を設置したり、ハンガーストライキや高空籠城を行ってきたことなどを報告。2014年初頭には「愛ののり巻き」と称して長〜いのり巻きをみんなで作って工場の前で販売したり、家族と共にコンサートを行ったりしたこと、市民との連帯についてなど話してくれました。また、2018年には警察庁人権侵害真相調査により、警察の強制鎮圧作戦を最終承認したのは当時の李明博大統領だったことが明らかになりました。「当時の警察・検察国家権力と会社側が共同で行った労組破壊だった」と話しました。
キムドクチュンさん ユンジソンさん キムチャンゴンさん
双竜自動車支部や鉄道労組、韓進重工業、現代車非正規職労組など数憶、数十億円の損害賠償や仮差押え攻撃の深刻さに触れ、募金活動やイベントなどの支援を行っている市民グループ「ソンチャッコ(手を取り合って)」のユンジソンさんが支援活動について報告しました。双竜自動車、民主労総のメーデー集会、セウォル号の汎国民徹夜行動、キャンドル集会などについても報告。そして損賠・仮差し押さえが労組破壊戦略として繰り返され、弾圧の手口となったこと。双竜自動車支部の「愛ののり巻き」が雑誌で紹介され、「損賠に苦しむ労働者にも家族がある。市民として何か支援できることはないか」と「黄色い封筒キャンペーン」運動がおこり、「ソンチャッコ」が発足。賃金が以前は黄色い封筒で渡されることが多かったことにちなんで命名、共感する市民が中心となって募金活動が瞬く間に拡がったことを報告。「日本でも社会的支援運動創りを」と提起しました。
今回共に行動に参加した民主労総仁川地域本部の前本部長キム・チャンゴンさんは、主に夜の交流集会で発言いただきました(韓国民主労総の、非正規職の正規化等、7月にもゼネストを予定している闘い等につき報告、文在寅政権の現状についても発言、日本での民事弾圧との闘いを知り大変感激したこと、等々の感想も述べられました)。
B裁判所抗議行動
この日3番目の闘いは、裁判所抗議。予定より20分変更して14時50分に東京地裁ロビーに集合。学研・ふじせ闘争にまた新たな損賠攻撃(昨年末の株主総会向けの質問書で学研の動員した翼賛株主に言及した表現と、学研ココファンまちだ鶴川で起きた殺人事件につき福祉団体ロングライフサポート協会代表理事のブログで論評されている事実を指摘しただけのものを「名誉毀損」として1650万円の損賠とネット記事の削除を請求する訴訟を提起)が仕掛けられたことにつき、12階の地裁民事49部書記官室へ58名で迫力ある申入れ。学研の一連の民事弾圧、さらになりふり構わぬ今回の無理筋の訴訟提起に抗議、公正な裁判を求めました。また多くの争議弾圧に加担する傾向の判決を出している裁判所の姿勢も批判、民主労総の仲間からも自らの闘いを踏まえた抗議の声をぶつけていただきました。申入れ終了後、裁判所前で抗議集会。当該の報告に続いて発言する韓国の仲間たちの姿が来庁者の人目を惹き、ビラを配布しながらリレートークを続け、争団連から翌日の行動を控えた中部労組旭ダイヤの仲間が発言。民事弾圧粉砕、裁判所の加担糾弾、改憲・戦争・治安国家化粉砕、辺野古新基地建設を許さない等の力強いシュプレヒコールを上げました。
C日韓労働者交流集会
夕方までの行動の後、小休止を取って、夜6時から中野産業振興センターで日韓労働者交流集会を開催。院内集会と同様に韓国の仲間からの報告を受けました。キムチャンゴンさんは学研社前や裁判所前でのビラ受け取り状態に触れながら、「日本の市民は委縮していると感じた」と感想を述べ、「日韓連帯で変えていこう」と話されました。予定していた質疑・応答を、時間が足りなくなってしまいましたが若干行い、シュプレヒコールで締めくくりました。
前夜の打ち合わせや2回の懇親の宴、翌日の日韓民衆連帯委員会主催の晩餐交流を含め意義深い充実の3日間でした。今後も交流・連帯を深めていきます。
6・7サ高住研究大会で情宣
参加者、通行の人々へ沢山のビラを配布
6月7日、サービス付き高齢者住宅協会主催の恒例の研究大会がお茶の水のソラシティホール開催され、私たちは会場前で情宣行動を行いました。
争議を抱えている学研経営の実態、学研ココファンが学研HDとともに、ココファンあすみが丘の居住者の声を取り上げた組合のニュース記事に不当な損害賠償訴訟を起こし、その後もたて続けに新たな損賠攻撃を仕掛け、争議責任を追及する東京ふじせ企画労組の闘いを潰そうとして、組合員の自宅や預金口座まで差し押さえて悪質な金の取りたてを行っている民事弾圧が、さらに株主総会向けに提出した質問書掲載記事に対し、1650万円の損害賠償訴訟にまで至っていること等をイベント参加者に訴えました。
朝8時45分からビラを配布し、マイクで訴える行動は、お茶の水聖橋口前で人目を惹き、ソラシテイビルに向かう労働者、駅頭を通行する通勤者が関心を寄せ、沢山のビラを配布することができました。