PΛLS 2017年12月22日号 本号の内容
 ■第71回定時株主総会 質問書
 ■東北BS損賠裁判被告本人尋問
 ■11・28学研社前行動


学研経営陣は悪質な総会運営を改めて
 株主の質問に誠意をもって回答しなさい!

 私たちは、学研ホールディングスの第71回定時株主総会において、以下のこと等について質問権を行使することを経営宛に通知しました(太ゴチック部分が通知書に載せた点です)。
1、株主総会の運営に関連して    
昨年の株主総会で議長席の後ろに陣取って二重橋法律事務所の3人の弁護士が参加しており、その任務は「事務局としてのお手伝い」との答弁だったが、具体的にどのような手伝いをしているのか、答えられたい。

この弁護士らの指導なのか、毎回指摘されているにもかかわらず、学研経営は適正 な総会運営を行っておらず、質問を妨害するヤジ部隊まで動員し、年々終了時間を早 めて、挙手している株主を無視して打ち切っています。この事務所は代表弁護士の大 塚和成氏(昨年も学研株主総会に参加)が自らの事務所所属の女性弁護士に対するレ イプ事件を起こして、今年2月、第二東京弁護士会から退会処分を受け、事務所は弁 護士も抜けて、祝田法律事務所と変名しています。
学研経営は、これまでも株主の質問中にマイクの電源を切ったり、不十分な回答に対して再質問を行おうとする株主を退場させるなど、悪質な運営で株主の質問権を侵害し続けています。悪質な総会運営を改めさせねばなりません。
2、教室・塾事業について
東北ベストスタディが今年4月1日に消滅会社となって埼玉の学研スタディエに吸収されているが、そこに至る業績の推移と消滅させた判断根拠を示されたい。
また、同社元社長出口鯉一氏が学研エデュケーショナル代表取締役社長を今年11月まで務めていたが、突然退いた理由は何か、お答えいただきたい。

学研は、悪質法律事務所を使って、組合の争議責任追及の正当な活動を潰そうとす る嫌がらせ訴訟を、学研ココファンに続き、仙台の東北ベストスタディでも起こして
 きています。本号の後ろにも載せてあるように、仙台地裁での11月の証人尋問・被 告本人尋問で、組合ビラへの学研の「名誉毀損」でっち上げが明らかになりました。
学研は東北ベストスタディが業績悪化で埼玉の学研スタディエに吸収されて消滅していることを隠していました。本号の先月号で掲載しましたが、この事件の争点であるビラの記事の真実性については、「学研が東北BSを買収してからの運営上の問題=不当な経営施策の押しつけがあったか否か」「2011年のリストラ=希望退職の際、東北BSの経営状況は危機的であったか否か、希望退職の実態は退職強要ではなかったか」が焦点になっています。これに関して、学研側から証人に立った出口東北BS元社長の証言は、反対尋問で、膨れる借入金の使途につき説明がつかず、希望退職前後の社員数も「分からない」等で大きく揺らぎ、他方、組合側証人のSさん(東北BSを辞めて他の中心メンバーと共に新たな進学塾=仙台おあば学舎を運営している代表)の主尋問で、このM&A後の学研側からの経営施策の押しつけが災いし経営が悪化したこと、また東北BSの希望退職募集では退職強要が行われた事実が社員から相談された事実として証言されました。また、東北BSにいて退職勧奨の面談を直接担当した元取締役の陳述書も合わせて、強要の事実が明らかにされました。

3、出版事業について
1)セグメントの名称変更で、「出版事業」は「教育コンテンツ事業」とする、とされているが、
  出版物の内容を教育に特化するという方針なのか否か、答えられたい。
2)不採算事業の内容は何であったか、その廃止に伴う損益の改善額を示されたい。また、組織再編によるコスト削減の内容として、人員とコストの増減を具体的に明らかにされたい。 
3)今期出版事業の業績の中で、「株式会社文理」の売上高と利益を具体的な数字で示されたい。
4、学研教育出版での障害者雇用枠で採用した女性社員に対する貴社のパワハラ・セクハラ、雇用打ち切りをめぐる裁判の今年7月の法廷で、多数の社員を業務命令で傍聴させた、と聞 く。社員の中からも批判の声が上がり、伝わってきている。その理由、根拠は何なのかをお答 えいただきたい。

  前期、出版赤字からの回復のためのリストラ合理化が行われました。今期の業績回 復の実態が、どのようなものか、出版部門では労働者へのしわ寄せの結果、いろいろ な問題が起きています。昨年10月の出版3社の合併前後で大量の人事異動が行われ、 出向先でつらい目に遭わされ、退職した人、学研プラスからエデュケーショナルへ出 向した労働者が精神疾患を患い、休職に追い込まれるなどのことが起きているそうで す。それらの点につき、問い質していきます。

5、総会での経営陣の答弁に誤りがあることが後に判明したときには、どのように責任をとるのか、につき、昨年、「仮定の質問には答えない」旨の回答がされた。仮定ではなく、誤りを指摘するつもりであり、それは重大な虚偽であるが、責任をとる用意があるか、お答えいただきた い。

6、その他   以 上

本社ー下請を貫き争議をひき起こし、通算43年間も抱えている学研
 学研が本社ー下請を貫いた労組弾圧によりひきおこした争議(全学研労組潰しの14名解雇、不当配転・賃金差別、職場での集団暴行、1973年〜1992年、全学研労組対策で導入した下請け=ふじせ企画での労組結成に焦った学研経営が35名の労働者に行わせていた「科学」「学習」「マイコーチ」などの委託編集業務を総引き上げ、下請会社を倒産させた、1978年〜現在まで)では、未だに学研経営が東京ふじせ労組との話し合いを拒否し、争議が解決していません。
株主の株式差し押さえや銀行口座差し押さえ、金の取り立てまで強行
昨年の株主総会会場では、総会の目的事項と無関係と言っておきながら、「東京ふじ せ企画労組とは」との掲示まで出しました。今年は、6月に確定していない仮執行付 きの不当判決で、学研の仕掛けた生活破壊の倒産・解雇攻撃に抗議している組合代表 の銀行口座を差し押さえて金の取り立てまで行った。そこまで敵対と対向関係を拡大 しながら、一方で「学研には争議はない」などと、とぼけ通しています。
今年ココファン損賠の不当判決が、2月に居住者の証言を真逆に引用する拙劣・粗 悪な地裁判決、9月に、2003年の最高裁判決(学研の使用者責任を否定した労働委員 会命令が確定)で争議は解決した、などとしている高裁判決として出ましたが、沖縄 辺野古埋め立て訴訟の判決と同様の裁判所の権限と立場を超えて根拠なく学研経営側 を勝たせるために、労組の争議権を否定する不公正きわまりない判決です。学研の使 用者性の有無に関わりなく、学研が仕掛けた倒産攻撃の責任は免れようがなく、その 責任追及の行動は労働組合の正当な活動であり、今回の東京高裁のような判決はとう てい認められるものではありません。
逆に1985年に東京ふじせ破産管財人が倒産責任に基づく学研への損害賠償請求
 を提起した訴訟の判決が出されましたが、そこでは、組合潰しを狙って業務引き上げ =倒産攻撃を仕掛けた学研の争議責任を明確に認定、学研の使用者実態も認定しまし た。判決は、学研の黒川学習・科学編集局次長らの証言は信用できない、と指弾して おり、本社ー下請けの力関係はあるが、経営間の同意による委託業務解約なので損害 賠償は認めないとしたものの、判決を読み上げた直後、裁判長は「もし、組合が裁判 を起こしていれば勝っていた」と敢えて付け加えました。学研の姿勢に許し難い腐敗 を感じての言葉だったのでしょう。

11・16、21東北BS損賠裁判被告本人尋問(仙台地裁)
 仙台の進学塾から組合に寄せられた相談、「希望退職募集」等の実態についてニュースに掲載した経緯を証言   
 学研が買収した進学塾=東北ベストスタディをめぐる組合ニュースの二つの記事(2011年)の記載に対して2年半も経過してから、ココファン損賠のついでに名誉毀損だとして起こしてきた660万円の支払いとネット記事の削除を請求する損害賠償訴訟が、11月16日、21日に仙台地裁で証人尋問、被告本人尋問を迎えました。
  前号で、出口鯉一東北ベストスタディ元社長、仙台あおば学舎のSさんの証言を紹介しました。
被告本人尋問
 他に、11月16日には当該組合のK、21日には支援共のY、Sの各氏が被告本人尋問を行いました。
 Kさんは、2010年当時、東北BSに役員として在籍していたSさんが、出口社長や学研の方針の押しつけや残業代も払わないなどの労務政策に抵抗し、出口社長から退職強要を受けている中で、労組結成に動き出した7〜8名の職員と共に、ふじせ労組に連絡をしてきたこと、Kさんは残業代請求や組合運営につき仙台まで行ってアドバイスをしたりし、その後、東北BSの経営悪化、退職強要などの事実をSさんからその都度知らされ、学研HDの株主総会で質問したり(この時は「名誉毀損」などの抗議すら学研からなかった)、組合のニュースに掲載した事実などを証言。組合活動を歪曲して非難がましく行われた反対尋問も全てはね返しました。
 支援共のYさん、Sさんは朝日明和闘争、中公闘争を通じてのふじせ闘争との関わりやふじせ闘争支援共闘会議加盟後の学研・ふじせ闘争の経過と争議の正当性などにつき証言しました。二人には反対尋問も一切なしでした。

11・28学研社前行動
宮原社長、中森常務、小早川取締役に抗議!

 11月28日、ふじせ労組と支援共闘会議は学研本社前での行動を展開しました。
 8時少し前に中森常務が出社してきました。団交申し入れに応えて、争議を解決しなさい、と声をかけても中森サンは硬い表情で正面玄関へ。抗議のシュプレヒコールを背中で受けながら社屋へ入っていきました。

    中森常務                     小早川取締役

 8時20分近くには小早川取締役が出社、同様にこちらの声かけに応えず、うつむいて正面玄関へ向かいました。学研ココファンの弾圧責任も含め、抗議のシュプレヒコールをあげました。
 8時50分頃には宮原社長の乗った車が社屋裏手の高速道路下の通りを回って、見つからないようにするすると減速して社前へ登場、地下駐車場に向かいました。車の後ろから抗議のシュプレヒコールをあげました。
 この後、9時までの朝ビラ配布を終えて、全体で正面でシュプレヒコールをあげ、社前座り込みに移りました。ビラに掲載した仙台の裁判のことなどをマイクで情宣・アピールしながら10時までの行動を打ち抜きました。


                 11・28学研社前行動

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