PΛLS 本号の内容
 
 5・13学研社前行動 宮原社長らに抗議
 5・25サ住協研究記念大会で抗議・情宣
 6・6学研大阪本社で抗議・情宣行動
 仙台地裁、学研側に文書提出命令(東北ベストスタデイ損賠訴訟)
 6・15ココファン損賠控訴審 控訴理由書、居住者の陳述書など提出
     高等裁判所は一回で結審!
 学研経営 組合員個人口座へ執拗に嫌がらせの強制執行 

5・13学研社前行動
 宮原社長、中森常務に抗議

 
5月13日、学研社前行動を展開し、8時前に出社してきた中森常務、8時半頃にレクサスで出社してきた宮原社長に話合いの場に出てきて争議を解決するように求め、抗議の声を浴びせました。社前朝ビラも配布、仙台での裁判で学研経営が東北ベストスタデイ消滅の事実を隠して臨んだ点などを報告、反響を呼びました。その後、社前でのはりつき行動を打ち抜きました。

       5・13学研社前行動                     5・25サ住協イベント会場(よみうりホール)前で
5・25サ住協研究記念大会で情宣
 毎年、情宣行動を行っているサービス付き高齢者住宅協会のイベントは、今年会場を有楽町よみうりホールに移しての開催となりました。読売新聞社も主催に加わり、午後からは記念講演やシンポも入りました。
 冒頭で協会会長に就任した小早川学研ココファンHD会長の挨拶もあり、朝9時〜10時過ぎの情宣行動に加えて、午後12時半〜13時過ぎの情宣にも取り組みました。全都から多くの仲間が結集してくれ、参加者の大多数がビラを受け取り会場に入っていきました。
 学研総務西川部長らが道路向かいで不当な監視・カメラ撮影を行っていました。午後からは学研経営にたきつけられたらしく、よみうりホールや一階のビッグカメラからも根拠のないクレームがありましたが、イベント参加者への訴えの情宣の正当性を述べ、引き下がらせ、行動を貫徹しました。
6・6学研大阪本社で全国の仲間と抗議・情宣行動
 6月6日、学研大阪本社への抗議・情宣行動を行いました。昨年2月に続き、2回目の行動です。御堂筋線の「江坂」駅前の大同生命ビルに大阪本社を構える学研につき、下請け組合潰しの倒産・解雇攻撃を仕掛け、さらに民事弾圧まで仕掛けて争議責任を居直ろうとしている現状を知らせるビラ配布は今回も多数の人々が通行する出勤時間帯の駅前で注目をあびました。
 

     「江坂」駅頭で情宣                       学研大阪本社へ申入れ

 朝9時を回ったところでシュプレヒコールを上げて、情宣を切り上げ、11階にある大阪本社への申入れに移りました。受付で、責任者が応対するように求めましたが、出てきたのは学研エデュケーショナルの社員で、いま責任者は誰もいない、ということでした。管理部門は相変わらずつくられておらず、東京の木村常務が最高責任者だが不在とのこと。
 争議の経過と関西本社で展開している西日本の事業でも、岡山市のココファンで2施設掛け持ちの過重労働を強いられて改善を求めた女性労働者をパワハラ・退職強要で追い出し、市の保健福祉局に告発が行われた事件など、問題が発生し、決算短信でも関西のココファンが損益分岐点に達していないなどの記載に至っていることなどを指摘し、ふじせ争議解決に向けた大阪本社の姿勢が問われている旨の「申入書」を責任者に渡してくれるように伝えました。この日の行動は地元大阪や九州など、全国各地から集まった仲間で行われ、力強い迫力あるものとなりました。
東北ベストスタデイ損賠、学研側に文書提出命令
 2013年末に学研がココファン損賠に続けて起こしてきた東北ベストスタディをめぐる組合ニュースの記載への損害賠償とウエブサイト記事削除を請求する訴訟では、買収後の学研本社サイドからの力があすなろ学院の内紛への発展にどう繋がっていたのか、その後の経営状況の推移と2011年のリストラ合理化の実態について、の主に二点に関わる記載が「名誉毀損」として訴えられています。
 法廷では、ここへ来て学研側が「あすなろ学院買収は良好なM&Aだった」としてそれを裏付ける証拠だとして出してきた決算書がごく一部の時期のものでしかなく、組合は釈明を求め、全時期の決算書を示すように求め、「文書提出命令」を裁判所が出すように申請したこと、それでも学研側は頑なに文書提出を拒んできたこと、そして5月9日の法廷では原告である東北ベストスタディが4月1日付で消滅している事実を学研側は隠して臨んできたことを前号で報告しました。この日の法廷での私たちからの指摘を受けて、後に学研側は、原告が変更になる旨の届け出を裁判所に出してきました。
 6月9日、仙台地裁は学研側の「文書提出は不要」との主張を退けて、提出命令を出しました。組合ニュース記事の指摘の真実性に関わる買収後の東北ベストスタディの業績の実態を明らかにすることが当然、争点に関わって重要であること、そして東北ベストスタディが学研スタディエに吸収・合併されるにまで至ったことが判明したことからも、裁判所はついに文書提出命令を出すに至ったのでした。
 今後、東北BSの業績の推移も分かり、法廷で私たちのニュース記事の真実性も裏付けられていくことになります。併せて、この訴訟提起が、ココファン損賠と一体で起こされ、2年半も前の記事を今頃になって名誉毀損にしたてて、ふじせ闘争を潰そうとした不当なものであったことも明らかになっていきます。学研関連の皆さんの注目を!
6・15ココファン損賠控訴審 高等裁判所
控訴理由書、居住者の陳述書など提出するも、一回で結審!
 2月に出されたココファン損賠の地裁判決は、被告の特定もいい加減な訴状を容認し、損害賠償(金額は1320万円請求に対して99万円に減額されたものの)を認め、ウエブサイトの該当記事の削除を命じる不当判決でした。しかも、争議の正当性につても根拠もなく、とってつけたように否定する判断を行ったのです。
 私たちが質量ともに圧倒する争議経過(学研の争議責任・使用者実態)についての準備書面と証拠、ニュース記事の真実性を示すココファンあすみが丘居住者の方たちから提出された証拠と陳述書、そして被告とされた組合代表、支援共闘会議の2名の仲間の本人尋問、あすみが丘に今も在住の居住者Iさんの証言により、学研と学研ココファンの「名誉毀損」等の訴えの不当性は明らかになったにもかかわらず、ココファン尾崎元所長の虚偽の証言をことごとく採用し、Iさんらの証言・証拠をまともに取り上げない著しく不公正な判断・認定を行った驚きあきれる内容のものでした。
 私たちは直ちに控訴し、6月15日の東京高裁での期日に向けて、「控訴理由書」の(1)〜(3)や別のココファン元居住者の方の陳述書などを提出しました。長文で、ここには掲載できません(ウエブサイトを参照)。その主要な点につき紹介します。
「控訴理由書(1)」=争議の正当性について
 労働組合による情宣活動は、通常、組合活動・争議行為として行われ、憲法28条で保護されることから、その保護範囲は、表現の自由(憲法21条)による保護をも併せ鑑みると、一般の情宣活動よりも広くなる。
 労働組合の組合活動としての表現行為、宣伝行動によって使用者の名誉や信用が毀損された場合であっても、当該表現行為において摘示されたり、その前提とされた事実が真実であると証明された場合はもとより、真実と信じるについて相当の理由があり、かつ、労働組合の活動として公共性を失わないか、当該表現行為、宣伝行動の必要性、相当性、動機、態様、影響など一切の事情を考慮し、その結果、当該表現行為、宣伝活動が正当な労働組合活動・争議行為として社会通念上許容された範囲内のものである(その場合、憲法28条に鑑み、違法性が阻却される)かといった観点から正当性が評価されなければならず、この判断枠組みは確立されているといってよい。しかし、原審判決はこのような判断枠組みを一切無視し、上記のような判断要素による正当性判断を行っていない。判例としてスカイマーク(スカイネットワーク)事件・東京地判2007年3月16日判決)等を引用。
 1985年、東京ふじせ破産管財人が学研を相手に提訴した損害賠償訴訟では、学研が組合解散を狙って業務総引き上げを行い、東京ふじせを倒産させた争議責任と学研の東京ふじせ労働者に対する使用者実態を認定した。一方で、東京都労働委員会は1987年に学研の使用者性を否定する命令を出し、その取り消しを求めた行政訴訟では最高裁で労働委員会命令が確定した。原審判決は、使用者性をめぐる判断が「最高裁で確定するなどしたにも関わらず、団交要求を行ない続けていること」をもって、「組合の争議行為には正当性がない」としているが、誤った判断である。一時点における特定の権利義務を確定するにすぎない裁判所の判決により争議は解決するものではなく、現に継続している争議につき、このような理由づけで正当性を否定することはできない。また、85年損賠判決の認定でも、争議経過と学研の不当労働行為責任は明らかになっており、使用者性判断に依らず、組合が学研に団体交渉を求めるのには十分な根拠があり、争議の正当性はなんら否定されるべきでない。
 配布ビラが名誉毀損に当たるかどうかについては、ビラの媒体としての性質やビラを受け取る人、ウエブサイトで閲覧する人は争議の一方の当事者が作成していること、紛争中の当事者の一方が、独自の事実把握に基づき、当事者として主張内容を宣伝しているものであることを承知しており、前記のような一切の事情につき総合的な判断を行うべきであり、経営者を批判している記事が即、経営の社会的評価を低下させ名誉を毀損するものと認定することは誤りである。
「控訴理由書(2)」=組合ニュース記事の真実性について
 原審判決は、ニュース記事の記載全てにおいて、「主要な部分または重要な部分で真実であると証明されたとは認められない」としているが、その判断の前提は信用性のない尾崎元所長の証言であり、居住者のIさん、Hさんらの証言、供述については不自然に事実の証明から排除している。事実経過についてはIさん証言に沿って認定しながら、Iさんが問題にしている施設の状況、スタッフの状況に関してはIさん証言を考慮しない偏頗な姿勢だ。I証言、H供述の数々は他の居住者の行動とも一致し信用できる。尾崎証言は、Iさん、Hさんが施設の中で浮いた存在で、その改善要求は施設の性格にそぐわないものだった、千葉市からの立入調査は定期的なもので異例のものでなかった、等としているが全て虚偽であり、証拠もない。組合が、Iさんらから相談を受ける前の2011年10月に配布したビラは、あすみが丘で起きていることを知る以前の地域ビラだが、ココファンあすみが丘の運営を誹謗する内容のものと訴状で記載し、尾崎証言では居住者の娘から届けられた、ココファンあすみが丘を誹謗中傷するビラだったと虚偽の証言をした。しかし、反対尋問で追及されると訴状とは食い違って、あすみが丘の記載さえない(誹謗中傷など書かれていない)ビラであったと認めた。ニュース記事は、施設運営の問題点、職員の労働条件、居住者の自殺事件、入居者の要望、入居率、千葉市の調査、多くの居住者の要望と不信感、ココファン宛の手紙、食事の内容、防災上の問題、等々に関して主要な部分または重要な部分で真実であると証明されており、表現行為について公共性・公益目的も認められること、等々が明らかである。記事は真実である。
「控訴理由書(3)」=争議の正当性と裁判所の判決 (略)
 中央公論社争議、全金本山争議で裁判所の不当判決とは異なる内容で解決がかち取 られた、判決で争議の正当性が否定されなどしないという実例を提示しました。
「Sさん陳述書」等も新たに提出 高裁はどう受け止めた?
 別の元居住者の方も陳述書を書いてくださり、改善を求める声があすみが丘全体に拡がっていたことを述べてくださいました。Iさんも判決への疑問を書いてくれました。
 6月15日の法廷でも、これらにつき述べ、原審判決の不当性を踏まえ、新たな証人(申請しました)尋問を行うべく口頭弁論を求めましたが、東京高裁はこの日1回だけで結審として、9月14日(水)午後2時半から判決と指定しました。傍聴席からも打ち切りに抗議の声が上がりましたが、最近の高裁はこういう傾向が常態化しています。
学研経営、嫌がらせの差押えを続ける
 学研は、地裁判決で仮執行が認められたことを受け、当該が株主総会出席のため保有していた学研の株式の差押えを行って、空振りになり、別の口座に差押えを行ってきて、こちらも空振りで取り下げ。そして執拗に 今度は、5月26日付で銀行口座への差押えを行ってきました。三井住友銀行が弁護士会との協定を結び、債務者の口座の有無の照会に答えた結果のようです。争議潰しの民事弾圧=解雇・倒産等で生活を破壊された労働者が責任追及を行う争議行為を禁圧し、間接強制や損賠攻撃でさらに金を奪い生計に打撃を与えて争議・組合活動を潰そうという悪質な嫌がらせです。