PΛLS 本号の内容
 3・14学研社前行動 東チモール大統領来社の中で 
 3・23裁判所前情宣で不当判決に抗議    
 3・9東北ベストスタディ損賠裁判(仙台)
共闘報告 3・6福岡で全国争議団交流集会 3・29南部春季集会を開催


3・14学研社前行動行動を雨の中で展開
東チモール大統領夫妻が争議状況現出の中、来社

 私たちは春季第一波の学研社前行動を3月14日の昼過ぎから行った。風雨が強く気温も低いあいにくの天候でしたが、直前にはこの日、東チモールの大統領夫妻が来社するという情報もキャッチし、イベント時の情宣・学研糾弾行動となりました。
 12時を少し回った頃、社前に登場すると、正面玄関ガラスには日本と東チモールの国旗の入った貼紙が2枚貼られていました。私たちはいつもどおり旗・横断幕・のぼりを設営し、はりつき抗議行動を開始しました。1時過ぎには、玄関前にレッドカーペットが持ち出されました。その後、総務の社員ら10余名が玄関前で円陣を組んで協議を始めました。会社側は、ふじせの社前行動がかち合ったことに慌てている様子でした。
学研経営慌てて大崎警察を介入させる。
 1時半頃になるとスーツ姿の来客が次々と来ました。外務省の役人たちでしょうか?同時に会社が呼んだらしく大崎署のパトカーやワゴン車が到着。警察官が降りて来て、警備課長、係長がこちらに来て「車の妨害をしないように」と言ってきました。もとよりそんなつもりもなく、通常の社前はりつき行動ですが、「こちらは見てのとおりで、警察が介入する話ではない」と伝えて行動を継続しました。 

     レッドカーペットを敷いたものの・・・             玄関前で打ち合わせをする総務西川部長ら
                 
争議状況の中、会社は賓客を地下へ誘導
 やがて、大統領一行の乗った車5〜6台が連なって来社、しかし赤じゅうたんを用意した正面玄関前に車をつけることはやめて、地下駐車場に入っていきました。私たちが学研経営に抗議のシュプレヒコールを上げ、旗・のぼりの他に英文のプラカードや横断幕を掲げている中での来社となり、会社側は社前の争議状況を大統領にできるだけ見せまいとして地下への案内となったようです。この後も、私たちはマイク情宣とビラ配布行動を継続し、最後まで雨中の社前行動を打ち抜きました。

             地下駐車場に入って行く大統領一行の車
       

学研資本の東南アジア進出加速の中のセレモニー?
今回の来社は、昨年、学研が東チモールの子どもたちに算数教材を無償提供したことで、その返礼のための訪問と見られています。学研HDは、昨年10月Gakken Asia Pacific Pte.Ltdをシンガポールに設立、中国、タイ、インド、マレーシアなど、塾・教室事業を中心にアジア進出を図ってきた事業の統括本部とするとし、国際的な社会貢献もうたっています。東チモールと言えば、PKOでの自衛隊派遣が記憶に新しく、無償提供の後にはここでも資本進出を進めていく算段と思われます。軍隊の後に資本進出、かつての侵略戦争・植民地支配とは異なるとは言え、「社会貢献」や「教育」「福祉」の名の下で学研の事業展開の実態がどうなのか、下請労組潰しのふじせ争議やココファンあすみが丘や岡山などで私たちの知る理念と経営姿勢の著しい乖離を見ると、野中郁次郎先生との対談でアメリカ海兵隊を賛美する先生に応えて、学研社員に対して骨は俺が拾ってやる、とハッパをかける宮原社長の学研持ち株会社体制の危うさが感じられてなりません。
3・23裁判所前抗議行動
       裁判官にも直接抗議

 3月23日、朝8時半から、2月に出されたココファン損賠不当判決に抗議する裁判所前情宣を行いました。東京地裁民事36部が、「不当判決で 高齢者施設入居者の声を圧殺」「労働基本権まで否定」とのタイトルを付したビラは、出勤してきた裁判所職員やこの日、様々な裁判に出廷あるいは傍聴に来た法曹関係者や一般の人々に配布され、注目を浴びました。
判決のひどさ、二重橋のハレンチで注目を増した裁判所前のビラ
そして、この判決が利益相反に続きレイプ事件発覚で退会処分も出た二重橋法律事務所(学研代理人)の悪質な主張にそのまま乗っかり一体化した不公正・粗悪な判決であることをビラの中で詳しく述べられていることで一層、法曹関係者の関心を惹くことになりました。本紙の前月号でも触れましたが、第2東京弁護士会から退会処分を受けた二重橋法律事務所の大塚和成代表のしたことは、ほんとうであれば、最低の暴力であり、法曹界では例をみない事件です(大塚弁護士はその後、「効力停止」の申立てをしたそうです)。そして、その事件を引き起こしたのが2013年2月で、翌月には同事務所が独自に「警告書」なるものを私たちの組合に送り付け(大塚弁護士が筆頭で名前を載せていた)、2003年に最高裁決定が出たにもかかわらず、それに従わずに学研に団交を強要している旨の非難を浴びせ、本件訴訟の中でも同様の主張を準備書面で行ってきていました。2月15日の判決は、その主張をそのまま丸写しして裁判所の認定としたのでした。しかし、地裁・高裁判決及び最高裁決定は学研の使用者性を不当にも否定(それも朝日放送事件との同一性が争点と裁判所自ら言っておきながら判決では明らかな学研・ふじせ事件の朝日放送事件との同一性について判断を逃げてしまい触れなかった)しましたが、組合が学研に対して争議行為を行ってはならない、などとは一言も書いていません。また、そんな判断をする権限はありません。にもかかわらず、どうして二重橋の主張に乗ってあんな判決を書いたのでしょうか?政治的な判断など背景的なことを措いて言えば、判決を起案した左陪席の若い佐久間隆裁判官は労働事件に全く疎く、法廷でもとんちんかんな質問ばかりしており、倒産責任を追及する背景資本への闘いなどが使用者性の有無に関係なく行われ、争議を解決させてきた歴史など全く知らない様子で、しかも、ココファン居住者のIさんが言いもしなかったことを「I証言」として、ココファン側の責任を免罪する拙速で致命的に誤った認定までしました。
これらのことを裁判所前で訴えていたところ、この日はビックリのことが起きました。
吉田裁判長?驚いた顔でふり返り、
            佐久間裁判官は抗議・質問を浴びせられる

 情宣行動の最中に、まず、人違いでなければ吉田徹裁判長が通り、ビラを受け取って見ながら、茫然とした表情でこちらを振り返り裁判所に入って行きました。敷地に入って行くところで振り向いたのは一瞬でしたが吉田裁判長のようでした。判決後に何を書かれているか、気になったのでしょうか?めずらしくビラを受け取って見ていました。

          3・23地裁前、注目を浴びビラも多数配布         抗議・追及を受ける佐久間裁判官

 さらに続いて9時過ぎに左陪席=佐久間裁判官がやってきたのです。支援共闘会議の仲間が声をかけ、並進して歩きながら、「何であんな判決になるんですか?あの(間違った)認定、(吉田)裁判長は目を通したのですか?」と問い質すと、「見ています」と答えました。「それで、どうしてあんな判断できるのか」と重ねて抗議すると、佐久間裁判官は「控訴してください」と答えるので「控訴しましたよ」と言うと、手を出してビラを催促したので手渡しました。
「裁判官の世間知らず」は前から指摘されていますが、東京地裁労働部の裁判官なら、もっと謙虚に労働現場のことを知り、当事者に向き合った判断ができるようにすべきです。また、証拠を全く逆に変えて出した、この判決は無効と言ってもいいものです。
10時までの情宣・抗議行動を打ち抜き、最後に不当判決に抗議するシュプレヒコールを上げて終了しました。
学研経営、被告ふじせ労組員の保有株に対する差押えを仕掛ける!
 会社は、2月末に被告のふじせ労組員Kさんの学研株式(株主総会出席のため保有していた)があった三菱東京UFJ信託 銀行の特別口座への強制執行を仕掛けてきました。仮執行付きの判決によるものとは言え、下請労組潰しの倒産・解雇で生活を破壊し、その責任を追及すると今度は金を奪うという不当な民事弾圧を実行に移してきたのです。なお、差押えは空振りになり、その後取り下げられました。
3・9東北ベストスタディ損賠裁判
 3月9日、仙台地裁で東北ベストスタディの損賠裁判が開かれました。今回も前段に仙台市街での情宣を本山労組の支援を受け展開しました。前回、学研側は、あすなろ学院買収は友好的なM&Aだったとして買収後に業績も向上した旨の主張を行い、その証拠だとして決算書を示してきました。しかし、その決算書がごく一部の時期のものでしかなく、組合は釈明を求め、全時期の決算書を示すように求め、今回は「文書提出命令」を裁判所が出すように申請しました。
 しかし、この日の法廷では、裁判所は学研側に「どうですか」と聞くのみで、学研側が、証拠提出を拒否すると、裁判所は組合側に反論の補充文書を次回期日前に提出するよう求めてきました。原告=学研と東北ベストスタディは自分たちの主張を裏付けるために自ら出した証拠が一部だけで不備なのだから、証拠全体が無ければ真正な判断ができない、従って証拠を出すようにと今回「提出命令」を下すべきなのにしませんでした。 ココファン損賠判決のようにいい加減でデタラメな主張でも肩を持ってもらえると味をしめている会社側は、不当な居直りで証拠提出を拒んでいるのでしょう。許せません。 次回期日は、5月9日(月)16時30分〜となりました。
<共闘報告>
3・6全国争議団交流集会を開催、3・7福岡現地行動を展開
  全国の争議団は今年、第35回全国交流会を3月6日九州・福岡の地で開催しました。箱崎会館で開催された3つの分科会では争議をめぐる状況や共通する課題につき活発な交流・討論が行われました。リーセントホテルに移って開かれた交流集会には78名が参加、、地元福岡の地で闘う仲間からの連帯挨拶を、タンポポの会(死刑廃止運動)、きんしゃい金曜・脱原発、サウンドデモ裁判原告団などから受け、争議勝利・解決・終結報告、基調報告、二つの集会決議を採択、東京、関西、九州から各争議団が登壇し次々と闘争報告を受けました。宴会場に移って福岡合同労組結成40周年のパーティも開催。
 翌日は、虹ヶ丘労組の福岡県庁抗議行動、ファビルス復職要求社前闘争、明大生協労組福岡地裁抗議行動をのべ148の結集で打ち抜きました。東京からは27名が結集しました。
3・29南部地区交流会春季集会を開催!
東京南部地域で労組・争議団を軸に労働運動、様々な社会的諸課題を共に闘っている南部交流会は、3月29日に大崎第一区民集会所で春季集会を開催しました。西部共闘、中部交流会、渋谷のじれん、育成会分会の連帯挨拶の後、南部交流会の基調報告(南部労組の新委員長が提起)、後段の連帯挨拶を争団連、破防法・組対法に反対する共同行動、労働法連絡会から受け、南部労組の新しい仲間ユニック、年金基金、知的障害者福祉協会、ミッドランズが発言、最後にス労自主、東京ふじせ企画労組から争議を闘う決意表明を受けて、シュプレヒコールを上げました。二次会も熱気を引き継ぎ盛会でした。