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12月22日号   学研HD株主総会質問書掲載

 2015年も押し詰まった12月22日に開催された学研ホールディングスの株主総会当日に発刊し、本社前で配布したたニュースです。
 株主総会の詳報は、年明けのニュースでお知らせしますが、学研経営陣の総会運営はさらに悪質さが増しています。「ふじせ争議」につては「総会の目的事項と無関係」、「学研には争議はない」として毎回、私たちの事前の質問書にまともに回答せず、質問の趣旨とは無関係に自分たちの弁解とふじせ労組の行動への誹謗・中傷を延々と述べ立てる、ということをくり返してきました。今年、私たちは事前の質問書は簡略に済ませ、ふじせ争議の件は記載しませんでした。すると、驚いたことに、会社は総会会場内の通路に、「東京ふじせ企画労働組合」につ
いてという掲示をデカデカと貼り出し、いつも質問書にかこつけて述べ立てている「答弁」の文言を記載するということを行なってきました。今回は、書面への回答もできない中、それでもふじせ争議につき、無関係と言ってきたにもかかわらず、言いたくてしかたがない、というのが学研経営の本音です。
 その他にも、「利益相反」が取りざたされている二重橋法律事務所の弁護士を3人も議長席の後ろに座らせ、株主に「どういう権限と資格でそこにいるのか」と問い質された宮原社長は、返答に窮し、最後には顧問弁護士としてお願いしているなどと回答、「法的アドバイス」と言うが、答弁に際してそれを行っている節も見られず、3人もがいちいち口出しするような状況もあり得ず、まともな質問を行っている株主に対して終始、汚いヤジを飛ばしている怪しげな外部動員らしき連中の動きとの連携を疑わせるものでした。その指導の下でなのか不明ですが、宮原社長は株主の質問を一人3分間に制限し、しかも挙手している複数の株主を無視して、昨年よりさらに15分ほど短縮して総会を打ち切ったのでした。(以下、ニュースを転載)

学研経営陣は、第70回定時株主総会で
誠意をもって株主の質問に答えなさい!


 私たちは、本日の第70回定時株主総会において、学研経営陣に以下の点につき、質問を行い(太ゴチック部分が質問書掲載文)、経営責任を問い質します。
   
株式会社学研ホールディングス
代表取締役社長 宮原 博昭 殿
           2015年12月16日
           通 知 書

1、株主総会の運営について
当日、役員、執行役員、自分の意思で個人参加した者を除いた社員株主の出席者数は何名かを報告していただきたい。
学研の株主総会運営は極めて悪質です。報道を閉め出し、質問中の株主のマイクの電源を途中で切ったり、2011年にはマイク電源を切った上、質問中の株主を退場させました。社員株主の「進行」「異議無し」「拍手」は毎年のことで、昨年はさくら株主の翼賛発言と、かつて総務担当だった岩井元取締役が先頭になっての質問者への口汚い妨害のヤジ(社外から怪しげな集団も動員して)が激しく行われました。
株主が企業価値の向上へ、経営の問題点を指摘し是正を求めることは当然のことで、これを許さない隠蔽体質が学研経営陣には蔓延しています。総会運営についても改善の姿勢を問いたいと考えます。

2、情報流出事件が発生したと聞くが、説明されたい。それへの対処が迅速性を欠いた点を含め、どのように考えているかも示されよ。
 コンプライアンスが常に言われますが、東芝の不正会計問題等に関連して、学研に同種の問題があり、外部からのチェック機能が果たされていないのではないかと思え る点などにつき、問い質します。
 また、監査法人以外にも、関係を深めている法律事務所の疑惑について質問します。

3、総会での経営陣の答弁に誤りがあることが後に判明したときには、どのように責任をとるのか、につき答えられたい。
明らかに虚偽の答弁と思われることが起きていますが、その責任の重大性を学研経 営陣は自覚していないようです。

4、サービス付き高齢者住宅について
学研本社採用の正社員の人数と配置につき説明されたい。各施設単位で採用してい る正社員の総数と、そのうち限定正社員の比率は平均どれくらいか?それ以外の非正 規社員の総数と全社員にしめる比率はどれくらいか?

  学研ココファン=サービス付き高齢者住宅の一つ、千葉市のココファンあすみが丘の居住者の、施設の処遇や管理運営に対する不満の声を取り上げて2012年の株主総会で質問した株主を被告にするなどして、学研ココファンと学研HDが「名誉毀損」 と称して、2013年に総計1320万円の損害賠償請求訴訟を起こして来ました。
株主が総会で質問したことへの報復的な訴訟なのに、経営陣は係争中として総会での 回答を拒否しています。一方でこの株主に対して「名誉毀損行為を中心的に行ってい る」などとして株主の多数の画像を提出してきています。
ココファンで起きていることへの回答を拒否した上に、経営陣は、虚偽の答弁を行 っています。今年7月の法廷でのココファンあすみが丘居住者の証言などでも、その 虚偽は明らかになっています。これらを問い質します。
同じサービス付き高齢者住宅協会に所属しているメッセージの運営するアミーユ川 崎での事件にとどまらず、高齢者施設で起きていることが社会問題化しつつあります。
決算短信で、売上高前期比38.7%、営業利益101百万円へ黒字化としている「高 齢者福祉・子育て支援事業」で増収の一因として西日本の高齢者7物件を譲受したこ とをあげ、施設運営の効率化に努めたことが奏功して黒字化に転じたとしています。
 しかし、そのココファン拡大の実態はどうなのか、を問い質します。

5、労務政策に関連して
 キャリアスタッフ制度への今年の応募者は何名だったか、明らかにされたい。

再発防止ができず、「誤植」事件が後を絶ちません。学研電子ストア「自然農法で 野菜づくり」(学研ムック)での前代未聞の校正漏れ、まんがNEW日本の歴史、等 に続き、昨年もTV-LIFE回収事件、さらには総会で「事業報告書」の誤植が問題になりました。

  再発防止に向け、宮原社長は「適切な室を設けた対応をしております」と言ったが、今年も学研プラスが10月2日に発売した「LOVE Cinnamoroll プレミアムBOX」付 属の絵本に未完成品が一部誤って混入していたことが判明、未完成品には本文内容に 「イラレデータなし」という文言が印刷されていました。
  6月には、パワーストーン効果大事典』(2014年8月26日発売)に付属の「特製サ ポート・ペンデュラム」について、本文206ページの説明では、「天然のクリスタル」 とあったが、天然のクリスタルではないことが判明しました。9月28日発売の学研ム ック「いま手に入れたい傑作家電」の内容にも誤りがありました。こんなことが続出しています。制作の現場で働く人たちにしわ寄せが激化して、追い詰められていると しか思えない状況が続いています。社内報でも宮原社長は「計画達成」へ尻叩きをく り返し、「スピード重視」を煽る社長の姿勢の下で問題が噴出していることを昨年の 総会でも問い質してきました。
社内からの声を紹介し、こうした不祥事と労働者に犠牲を強いる労務政策との関係を問い質します。

6、学研プラスへの3社統合の経緯と目的につき説明されたい。
赤字が5億1千万に縮小したという出版部門も、文理を買収した結果で、その他で は11億円になる赤字をカバーした数字になっています。
今春のリストラで、出版事業を縮小し、教育図書への絞り込みを図ったが、その1 年前の14年2月には「出版デフレからの脱却を」として、出版版部門で「企画本数 が減っているという危険な状況」を指摘していました。今も売上げ高構成比30%で トップを占める出版部門の事業方針につき問い質します。

7、その他
 東京ふじせ企画労組との労働争議について
  昨年も質問しましたが、経営陣の回答は質問には回答せず、質問していないことが らを事実を歪曲して長時間にわたって説明するという不誠実な姿勢に終始しています。
 学研の基幹雑誌「科学」「学習」の委託編集業務を行っていた学研の下請編集プロ=東京ふじせ企画の労働者が組合を作り、下請の経営者と話合いを始めた矢先、結成から1週間で学研が35名が行っていた編集業務を総引き上げし、会社を倒産させ、全員を解雇状態に至らしめました。
 「学研の使用者性」をめぐる司法判断は争議責任の一部についてのものでしかなく、それによって学研の悪質な倒産攻撃=生活破壊の責任が免罪されるものではありません。また、学研が使用者性を有していること(東京ふじせ企画労働者の実態上の使用者であること)についても東京ふじせ企画破産管財人が提訴した損害賠償訴訟の判決では正しく認定されています。こちらの司法判断の方が、学研が唯一居直りのよりどころにしている行政訴訟判決(派遣法制定の流れで出された、派遣先の使用者責任を免罪する都労委の不当命令を追認し、判例である朝日放送事件との同一性を争点としながら、その判断も回避したインチキそのものの茶番判決)より妥当な判断です。
 
2013年6月、学研ホールディングスと学研ココファン(サービス付き高齢者住宅を運営している事業会社)は、私たちが学研社前で配布しているニュースやそれを転載しているホームページの「ココファンあすみが丘」についての記述が、名誉毀損だなどとしてウェブサイト記事削除、該当ビラ配布禁止、1320万円の損害賠償を請求する訴訟を仕掛けてきました。
 しかし、記事は、千葉市あすみが丘の学研ココファン居住者の方が、施設の運営・処遇等への不満につき私たちに相談を寄せてきた内容をビラに掲載したもので、なんら事実に反するものではありません。
裁判は約2年間が経過し11月30日に結審しました。今年7月にはココファンあすみが丘の居住者のIさんが証言、入居前の説明と異なって嵩むサービス費用、職員の不足による夜間の過重労働と居住者に対応しきれない実態、居住者同士の交流を求めてもプライバシーを口実に阻み、投身自殺者が出ても「転んだ」などとごまかし、説明をしない所長の対応、何人もの居住者や職員から相談や不満が自分に寄せられたり、食事等への不満につき居住者同士で話したりしたその声をまとめて運営の改善を求めた直訴の手紙を出してもココファン側からの誠意ある対応がなかったこと、などを証言しました。また、東京ふじせ企画労組の存在を知り、改善されない実態につき相談をし、組合のビラに掲載してもらった経緯も証言しました。これらの証言を裏付ける沢山の証拠も提出しました。 今年8月末の法廷での被告本人尋問では、組合とふじせ闘争支援共闘会議の仲間で個人としても被告とされた3名も証言し、訴訟の不当性、争議経過、ビラの真実性を膨大な数の証拠と共に示しました
学研側は、当初、組合のビラ記載事実は何の裏付けにも基づかぬ施設への誹謗・中傷と主張していましたが、今年1月に組合側が居住者の方たちのココファン側への手紙、改善要請の文書をはじめとする数多くの証拠を提出すると、今度は声を上げたIさん、Hさんらは「プライバシー重視のサービス付き高齢者住宅の性格をわきまえず居住者同士の交流を求めた」「筋違いな要求を拒まれると、施設への誹謗・中傷を行うようになった」などと虚構のストーリーをねつ造し、準備書面で居住者に悪罵を投げかけることさえ行っています。
 8月27日の法廷で裁判所は双方に和解を打診し、10月6日と28日に弁論準備と称する和解の場を設けました。10月6日に裁判所から示された和解案は、ウェブサイトの記事の自主削除、損害賠償はなし、というものでしたが、28日に組合は和解案を逆提案しました。組合側は、ビラの真実性は法廷で明らかになったし、自信を持っていること、居住者Iさんらが指摘してきた事実のうち、夜勤者1名の件は提訴後の2014年に2名体制になるなど、学研は問題点を認めざるを得なかったこと等を指摘し、「学研の対応に問題があったこと、今後は居住者の声に応えていくことを盛り込んだ和解なら居住者の想いも実現するので、過去のウエブサイトの対象記事の一部削除も検討する」と伝えました。裁判長も頷き、これにそって学研側を説得しました。即答できなかった学研側が持ち帰ることとなりましたが、その後も何の回答もないまま、学研は和解を決裂させたのでした。一片の責任も認めず、組合を潰そうという狙いが露わです。
 ココファン損賠は結審しましたが、学研は裁判所和解を決裂させました。あすみが丘で起きたことの責任の一端を認めれば、和解解決ができたのに、組合潰し、居住者敵視の姿勢に終始した結果です。
 ココファン損賠、ネット記事仮処分、そして仙台まで呼び出そうという嫌がらせ訴訟の東北ベストスタディ損賠に至る濫訴を重ねた学研経営のやり方は経営者サイドに立って見ても尋常ではありません。学研経営は、学研関連の現場から声が上げられている事実に目を向け、居住者の声を聞き、労働者の声を聞くことこそ行うべきです。それを押し隠し、押し潰すそうとするやり方は間違っていないでしょうか。
 こういうやり方に対して、社内・学研関連からの告発の声が次々と上がって、私たちに寄せられています。日増しに高まるこうした声は、学研の今後に対する警鐘を鳴らしているものだと考えます。
 株主の皆さん、学研関係者の皆さんと共にこうした学研経営の問題体質を改めさせていきたいと考えます。