学研決算 全体で増収増益も出版は5億円の赤字
ココファン黒字化の実態も・・?株主総会で追及へ

 
学研は、11月13日に9月期の決算を発表しました。「グループ業績は売上高95,945百万円(前期比6.4%増)、営業利益1,599百万円(前期比1,319百万円増)、経常利益1,742百万円(前期比1,264百万円増)、当期純利益265百万円(前期比233百万円増)」としていますが、出版部門は依然赤字が続き、5億1千5百万円の損失を計上しました。
 会社は7月に学研教育出版と学研パブリッシングを学研マーケティングに吸収合併させ、10月から学研プラスとすると発表していました。この経過の中で起きていることにつき社内からの声が寄せられています。
役員はフルーツバスケットで安泰!? 社内から告発の声
 「今月に入って、同部署での製品に関する不良があいついで発表されました。業績の  悪化とともに、社員の冬の賞与も激減し、モチベーションも下がったうえに激務の  ため今後もこのようなミスが増えるのではないかと思っております。
  学研パブリッシングの社員からは、赤字の責任を一般社員ばかりに押し付けられ、  トップであった増山、中村元社長らが、そのまま別会社にスライドで社長職にとど  まっていることには不満を抱いているそうです。『フルーツバスケット』と揶揄さ  れており、社長や役員に一度なってしまえば(バスケットに入ってしまえば)、バ  ナナがリンゴになるだけで、外へ出されることはないという管理職だけ待遇がよい  状況に疑問の声があがっています。」
   10月の合併前後で大量の人事異動が行われ、出向先でつらい目に遭わされ、退  職した人、学研プラスからエデュケーショナルへ出向した労働者が精神疾患を患い、  休職に追い込まれるなどのことが起きているそうです。
「増収に寄与」とされる関西圏でのココファン拡大の実態は?
 売上高前期比38.7%、営業利益101百万円へ黒字化としている「高齢者福祉・子育て支援事業」で増収の一因として西日本の高齢者7物件を譲受したことをあげ、施設運営の効率化に努めたことが奏功して黒字化に転じたとしています。しかし、その実態こそが、「パルス」先月号で取り上げた岡山での施設掛け持ちでの過重労働や大阪での契約に反する過重労働なのだと考えられます。
 今期の決算に関しても上記のような数々の労働者への犠牲の強要の実態については、株主総会(=12月22日)での追及を免れません。
11・30学研ココファン損賠裁判が結審
学研 裁判所和解を決裂させる!

 学研HDと学研ココファンが仕掛けた不当な1320万円の損害賠償とビラ・ウエブサイト記事の「名誉毀損」と指定した部分の削除を請求してきた訴訟は、2年半で結審を迎えました。
 7月にココファンあすみが丘居住者のIさんの証言、8月に被告とされたふじせ労組・ふじせ闘争支援共闘会議の3人の本人尋問が行われ、組合が居住者の声を取り上げたビラの真実性、ふじせ争議の正当性につき明確に立証を行いました。そして、11月30日の口頭弁論で終結と決まり、判決は2016年2月15日と決まりました。
結審を間近に和解の打診にも、学研の責任ある対応なく決裂
「利益相反」を取りざたされている二重橋法律事務所が主導?

 8月27日の法廷で裁判所は双方に和解を打診しました。この裁判には学研側は、GPSの西川部長(時々総務の嘱託社員Hも同伴)のみが来て傍聴席にいるだけ、原告席は終始、代理人弁護士(二重橋法律事務所)が占有していましたが、この打診にも全て代理人が回答、学研HDと学研ココファンから全権委任されているかのような対応でした。丸投げということでしょうか?
 学研と組合のこの場での表明内容は折り合いがつきませんでしたが、裁判所としては被告=組合側が提出した多数の証拠や立証した事柄を検討して判決を出す労力がかなりのものであるためか、和解で解決できればという姿勢が強く感じられました。そして、裁判所は、10月6日と28日に弁論準備と称する和解の場を設けました。10月6日に裁判所から示された和解案は、損害賠償はなし(不成立)、ウエブサイトの記事の自主削除というものでしたが、法廷で立証された事実を踏まえれば、私たちの考えにそぐわないものなので、28日に組合の和解案を逆提案しました。
 組合側は、ビラの真実性は法廷で明らかになったし、自信を持っていること、居住者Iさんらが指摘してきた事実のうち、夜勤者1名の件は提訴後の2014年に2名体制になり、食事も値上がりしたものの少し改善されるなど、学研は問題点を認めざるを得なかったこと等を指摘し、「学研の対応に問題があったこと、今後は居住者の声に応えていくことを盛り込んだ和解ならウエブサイトの削除も検討する」と伝えました。裁判長も頷き、これにそって学研側を説得しました。しかし、即答はなく、学研側が持ち帰ることとなりました。しかし、その後も何の回答もないまま、並行して結審日に指定されていた11月30日を迎えてしまいました。結局、利益相反が取りざたされているあの問題の二重橋法律事務所が和解の場でも前面に立ち、持ち帰った和解案の検討さえうやむやに和解を決裂させた、ということなのか否か、・・実態は不明です。30日の結審法廷で問い質されても、二重橋の代理人は「えっ?変わりはないです」とふざけた回答でした。「持ち帰って検討したが・・・」と答えるのが筋ですが、西川部長も報告くらいはしているはずですから、学研が真摯に検討して責任ある回答をすることさえ怠ったと見られても仕方がないでしょう。要するに学研は、ウエブサイトの記事削除以上に
組合から損害賠償金を取り立てて打撃を与え、組合活動を潰すことが狙いであるということです。責任の一端を認め、ココファン居住者の声に応えていくこと(それがあれば、私たちは相談を寄せた居住者の方々の想いが達せられるので過去の記載は不要になります)が最善の解決策であるにも関わらず、学研はそれを拒み、一片の責任も認めまいという姿勢で和解を決裂させたのです。二重橋も法廷紛争(どちらが勝っても控訴審以降へと続く)が長引き、弁護士報酬を学研から引き出し続けられる、ということですか。
二重橋法律事務所の利益相反に関する記事のURL。金融情報サイト「SFN」など
http://www.sakurafinancialnews.com/news/9999/20151115_1
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/livemarket1/1336612713/202
http://www.sakurafinancialnews.com/news/9999/20150112_3
http://www.sakurafinancialnews.com/news/6425/20150816_2

ココファン損賠最終準備書面を提出
 11月30日の法廷に私たちは最終準備書面を提出しました。学研HDと学研ココファン側が提出した最終準備書面は28頁、私たちのものは168頁です。分量でというより、内容で私たちの主張は学研側を圧倒しています。これまでの法廷でも、証拠や各証言、供述等においてそうでした。
虚構のストーリーをこしらえて居住者を攻撃する学研HDとココファン
 学研側準備書面は、こしらえたストーリーに合わせ組合のビラや行動を歪曲した引用もひどく、粗悪そのものです。こういう形でしか、書けないということでしょう。居住者のIさんの陳述書(のちに法廷で証言)、Hさんからの聞き取り書、二人が提供してくれた証拠の数々がココファンあすみが丘で起きていたことを赤裸々に示していることに焦った学研側がこれら居住者の声に対してその信用性を否定することが最大の眼目で、「サ高住の性格を誤解している二人が、そぐわない要求をして、受け容れられなかったために尾崎を怨み、ココファンあすみが丘への誹謗・中傷を行った。二人の主張は客観的根拠を欠いた『私人』のものに過ぎない。」というのがそのために学研側の創り上げたストーリーです。
唯一の学研側証人である尾崎元ココファンあすみが丘所長の証言もそれにそって行われましたが、Iさんの証言との対比や反対尋問でみごとに崩れさりました。それでも最終準備書面で同じ主張を学研側はくりかえしています。
組合側準備書面の概要
 私たちの準備書面の内容につき、ここでは詳細な紹介はできないので、「ビラ配布の正当性」を少しと全体の骨格を記載します。既にウェブサイトで争議の歴史=準備書面(5)、(7)、(9)を掲載しています(特に5は争議の発生時期の真相を知る上で必見です)が、この最終準備書面も近々にアップしますので、ご覧ください。
第1 原告による訴権の濫用
法律的紛争の解決を果たすことを目的とするのではなく、相手方当事者を困惑させ
相手方当事者に対して有形・無形の不利益・負担若しくは打撃を与えることを目的として提起されたものである、ということです。別件の東北ベストスタデイの仙台の裁判所への呼び出しをかけるとういうのもそうですが、嫌がらせ訴訟ということです。また、批判的言論活動に対する威嚇を目的としたスラップ訴訟です。米国ではこのようなスラップ訴訟を禁止する法律があります。
第2 本件ビラ配布等の行為の正当性に関する判断枠組みについて
 原告は、本件情宣にかかる表現が原告らの社会的評価を低下させ、かつ反真実であり、公益を図る目的も有してないなどとし、原告学研HDを被告ふじせ企画労組との団体交渉に応じさせるために本件各行為に及んでいる強要行為であり、「『ココファンあすみが丘』のサービス体制及び労働環境に関する虚偽の事実(風説)が流布された。」、「被告らによる本件各行為は、『学研グループ』の運営・営業を困難にする」業務妨害だなどと言って、本件情宣における表現を恣意的・部分的に切り取り、不当な主張を述べているもので、本件情宣が被告組合及び被告共闘会議による争議行為ないし組合活動の一環であるとの観点から審理されなければならない。
憲法28条は労働者の団結権、団体交渉権、争議権を保障している。労働組合法8条は、この憲法の規定を受けて、正当な組合活動が違法性を阻却されることを明文で明らかにしている。即ち、争議行為であって正当なものによって損害を受けたことの故をもって、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない。憲法で保障された目的を達成するための組合の行為については債務不履行や不法行為が免責される。(ストライキによる業務阻害は典型的な事例)
 本件のような労働組合によるビラ配布等の情宣活動も正当な争議行為・組合活動である。組合活動は、労使の流動的な力関係の中で展開されるものであるから、表現が真実性を有する内容のものか否かが問題とされることがしばしばあるが、当該表現活動にとってその背景に労働生活にかかる急を要する事情が存在するとか、企業側の実情秘匿等の事情が存するときには、その時点で客観的に真実と考えるに足りるような事情があったとか誤認せざるを得なかった事情があるときは、内容の真実性の追求のみにとらわれず、使用者側のそれまでの対応のあり方と対比して考慮することが必要である。労働組合が有する憲法上の意義、労働組合が果たすべき役割、当該情宣活動がなされるに至った経緯、背景事情、当該情宣活動の目的、態様、影響など諸般の事情一切が具体的に考慮されなければならない。情宣活動は組合の団結強化や士気を鼓舞する目的で表現が激しくなる傾向を有する等の性格をそれ自体に内包している。したがって、かりに、組合の表現活動が企業の名誉・信用等の侵害行為にあたるとしても、その侵害行為が組合活動の保護さるべき特質、団結権保障の法意から見てもなお正当な組合活動への民事免責の域を超えて責を問われるほどの違法性を有する侵害行為なのかどうかという判断方法が必要だ。企業には、名誉・信用等の法的保護という不可侵の壁があってその内部に立ち入らない限りにおいて組合活動としての表現活動は正当視されるというのではなく、団結保障の一翼である表現活動を企業は団結保障法理に照らして一定限度までは受忍せねばならず、どの限度までが受忍すべき範囲なのか、いいかえれば、市民法上は違法の評価をうける可能性のある表現活動が、労働法上ではどこまで適法視されなければならないかという判断が要請される。
こうした観点に立った判例がこれまで積み重ねられてきました。広島地裁1983年判決〜千葉地裁2010年判決までを例示しています。
第3 学研・ふじせ争議の経過 略 ウエブサイトに掲載の準備書面を参照
第4 学研HDと被告らの関係について HPに掲載の85年損賠判決も参照
学研の東京ふじせ労働者への使用者性、争議責任、団交応諾義務について論じています。行政訴訟判決で裁判所が認定を逃げてしまった朝日放送事件の本件への適用についても詳しく述べ、学研に使用者性が存在することが明らかであることを示しています。
第5 名誉毀損の成否について、第6本件記載の公共性・公益性・真実性・相当性につて 第7 強要行為及び業務妨害について 略 パルス7月22日、9月25日号の居住者Iさん証言、被告供述、尾崎証言追及を参照。
 ビラの内容の真実性、真実と信じるに足る相当性、公益性等を論じています。
10・28学研社前行動を展開
 10月28日、学研本社闘争を展開。朝ビラを配布し、出社してきた小早川取締役(学研ココファン最高責任者)に抗議のシュプレヒコールをあげました。早朝7時半から 10時までの行動を打ち抜きました。


        10.28学研社前行動                      11.30裁判所前宣

11・11、11・30裁判所前情宣
 学研のココファン損害賠償訴訟提起の不当性を訴えて、10月に続き11月も東京地裁前で情宣ビラ配布マイクでのアピール行動を展開しました。多くの裁判所利用者、職員、通行の人々にビラを配布しました。