争議責任を居直り、情宣・表現圧殺の民事弾圧を仕掛ける学研経営を許さない!
社会問題化する高齢者施設運営 裁判結審を前に
 学研ココファンでも次々と告発の声

居住者の声を取り上げたビラの記事に多額の損害賠償請求
 学研ホールディングスと学研ココファン(サービス付き高齢者住宅を運営している事業会社)は、2013年、私たちが学研社前で配布しているニュースやそれを転載しているウェブサイトでの「ココファンあすみが丘」についての記述が、同施設の運営を誹謗中傷しており、事実無根の虚偽を摘示することによって学研ココファンと学研HDの名誉を毀損し、その社会的信用を低下させる行為を行っているものだとして、ニュースの配布禁止とウエブサイト削除、1320万円の損害賠償請求訴訟を起こしてきました。
 しかし、学研側が名誉毀損としている記事は、千葉市あすみが丘の学研ココファン居住者の方が、施設の運営・処遇等への不満につき私たちに相談を寄せてきた内容をビラに掲載したもので、なんら事実に反するものではありません。学研は組合潰しの倒産・解雇攻撃を仕掛けて争議を引き起こし、これと闘う私たちの活動が学研関連の人々と結びついて展開されていることに焦り、ココファン居住者の方々の批判の声が上がっていることを押し隠し、私たちの闘いを潰そうとして不当な損害賠償訴訟を起こしてきたものです(現在、東京地裁民事36部=吉田徹裁判長に係属)。
居住者の証言等で施設の実態と記事の真実性が明白に
 裁判は約2年間が経過し大詰めを迎えています。今年7月にはココファンあすみが丘の居住者のIさんが証言、入居前の説明と異なって嵩むサービス費用、職員の不足による夜間の過重労働と居住者に対応しきれない実態、居住者同士の交流を求めてもプライバシーを口実に阻み、投身自殺者が出ても「転んだ」などとごまかし、説明をしない所長の対応、何人もの居住者や職員から相談や不満が自分に寄せられたり、食事がまずいこと等の不満につき居住者同士で話したりしたその声をまとめて運営の改善を求めた直訴の手紙を出してもココファン側からの誠意ある対応がなかったこと、居住者の中から「ココファンはここ不安」という呼び方を誰からともなくするようになったこと、居住者の人たちが千葉市へも各政党の市議を通じて陳情を行った(この苦情が市からの立入調査となった)こと、などを証言しました。
 また、東京ふじせ企画労組の存在を知り、改善されない実態につき相談をし、組合のビラに掲載してもらったこと、掲載に当たっては事前に内容を見せてもらい自分たちが伝えたとおりの記述がされていることを確認したこと、組合のビラに転載された「ココファンあすみが丘の施設管理運営の問題点」と題した文書もIさん自身が書いたものであることを証言しました。
 これらの証言を裏付ける沢山の証拠も提出しました。Iさんと共に、居住者の先頭に立って施設の改善を訴えたHさんからの「聞き取り書」も出されました。千葉市議会での記録、市から立入調査が行なわれた事実を示す情報公開文書も出されました。
被告本人尋問で訴訟の不当性、学研の虚偽答弁明らかに
 今年8月末の法廷での被告本人尋問では、組合とふじせ闘争支援共闘会議に加え個人として被告とされたSさんが、Yさんと誤認されて「事務局長YことS」などとされ、 間違いが分かっても学研側は被告に据え続け、株主総会でココファン問題を追及した (小早川ココファン社長の「千葉市からの立入調査は定期的な打ち合わせ」などとい う答弁は虚偽であることが判明)ことへの報復的嫌がらせを狙ったものと証言、続いてYさんも証言、Sさんを被告のまま訴訟継続した裁判所の運営にも疑問を述べ、「施設周辺であすみが丘の運営を誹謗・中傷するアジ演説をした」などのでっち上げ(当然、証拠もなく、逆に当時問題は発覚しておらず、あり得なかったことも明白になった)の主張等を記載した訴状のデタラメさを指摘しました。二人は、過去に自ら関わった争議で中央公論社、朝日新聞社が話合いに応じ解雇者を職場復帰させて解決したことに比して学研の対応の異常さも証言しました。続いて組合委員長のKさんも、学研が高額教材の押しつけ販売で業務停止処分を受けるなどの数々の不祥事と暴力労務政策で全学研労組に続きふじせ労組との争議を起こし、経営悪化・リストラ退職強要をくり返していることに対して職場・学研関連(代理店・教室等)からふじせ労組に告発が寄せられ続け、あすみが丘からの相談に繋がっていることを膨大な数の証拠で示し、証言しました。
学研側、組合側証拠に慌て、居住者中傷を行う
 学研側は、当初、組合のビラ記載事実は何の裏付けにも基づかぬ施設への誹謗・中傷と主張していましたが、今年1月に組合側が居住者の方たちのココファン側への手紙、改善要請の文書をはじめとする数多くの証拠を提出すると、今度はIさん、Hさんらは「プライバシー重視のサービス付き高齢者住宅の性格をわきまえず居住者同士の交流を求めた」「筋違いな要求を拒まれると、施設への誹謗・中傷を行うようになった」などと主張し、「二人は施設の中で浮いた存在だった」などと実態を無視した主張を行いました。7月の元あすみが丘所長のO氏の証言もそれにそって行われました。老人ホームだろうと「サ高住」だろうとプライバシーを重視しつつ交流が図られるべきであり、「浮いた存在で疎まれていた」などという嘘を平然という所長は居住者同士の溝などがあったら埋めるべき自らの職務につき無責任であることを自ら表明するものです。Hさんらが他の居住者たちから信頼されて動いていた「尽力」は、遅ればせのココファン社長からの返信の手紙でも認めざるを得ない事実として記載されていたのです。
岡山、大阪のココファン職員からも告発の声
 この8月末、岡山の学研ココファン高屋とココファン妹尾で「人出不足でも経費切り詰め優先で掛け持ち勤務を強いられ体調を壊して、ウルトラな過重労働の勤務体制の改善を求めたところ退職に追い込まれた」などとして職員の方が岡山市の保健福祉局に告発を行いました。関西で開設が続く学研ココファンでは大阪の職員の方からも契約と違う過重労働などの告発の声が寄せられています。あすみが丘と同根の学研のサ高住経営の問題を窺わせます。アミーユ川崎にとどまらず、高齢者施設で起きていることが社会問題化しつつありますが、学研は責任居直りの損賠攻撃を取り下げて、足下でのサ高住運営につき真摯な捉え返しが求められていることを自覚すべきです。

予断を許さぬ裁判所の動向にひるまず闘うぞ! 
 裁判所には立証された事実を踏まえた公正な判決を出して欲しいと考えています。それともこんなにも嘘とデタラメが明白で破綻した学研経営側の主張に与し、この企業の問題体質を放置するのか、傍聴した人々をはじめ多くの眼が向けられています。東京地裁労働部では、民事36部だけをとっても、これまでに南部労組アール損賠事件、中部労組旭ダイヤ街宣活動等禁止請求事件、日本航空整理解雇事件、いすず自動車期間工切り事件等、多くの労働事件で企業側を擁護し、公正を欠いた不当判決も出されている経過があり、全く予断を許さない状況です。監視を強めねばとの声が上がっています。 
 万が一、裁判の立証内容では圧倒的に勝利しているのに学研HDと学研ココファン経営側が勝訴することになって会社側が「学研ココファンあすみが丘には何の問題もなかった」などと居直っても、真実をおし隠すことはできません。私たちの反撃、学研及びココファンの労働者や居住者の方たちの声が上げられ続けるでしょう。
10・14東北ベストスタディ損賠事件口頭弁論
 会社側準備書面での反論と提出証拠に齟齬
 10月14日、学研HDと東北ベストスタディが、私たちのニュース記事に対して、2年半も経過してから「名誉毀損」などとして660万円の損害賠償請求訴訟を仙台で起こしてきた「嫌がらせ訴訟」につき、仙台地裁での口頭弁論が行われました。
 前回、8月3日に組合側がビラの記事の真実性につき概略の主張を述べた準備書面に対する反論として原告=会社側の準備書面と証拠が出されてきました。2006年に行われた「あすなろ学院」の買収は友好的なM&Aであり、問題はなかった、2011年に行われたリストラは適正なもので退職強要等は行なっていないとする主張です。しかし、買収後、業績が向上したとして会社側が証拠として出してきた決算書は、売上げが伸長したとして2008年のものを出しているが、買収翌年の2007年のものが出されておらず、2008年も教室数が増えて売上げはプラスになっているのに、営業利益は大きく減少しているものでした。また、2011年のリストラの必要性を示す稟議書は業績の低迷を示すものとなっています。
 こうした矛盾を含む学研HDと東北ベストスタディの主張に対して、次回=12月16日(16:30〜)の裁判で、求釈明を含めた組合側の反論を提出することになりました。
仙台繁華街での街宣行動も継続
 この日の裁判に先立ち、今回も仙台の繁華街での街頭宣伝行動を行い、仙台の人々に争議を抱えた学研HDの実態と不当な嫌がらせ訴訟につきお知らせするビラ配布を行いました。マイクでの訴えも関心を惹き、ビラを受け取り質問を寄せてくる人、自分のブログに載せたいと写真を撮る人など反響も小さくない情宣となりました。
 裁判の後にも、前回に続き地元の支援労組の方を交えて懇親会を持ちました。
9・25秋季第一波の学研社前行動
宮原社長、両常務、小早川取締役に抗議
 9月25日、学研本社前でのこの秋最初の行動を行いました。朝からの雨が次第に強くなり、強風も吹き荒れるという悪天候でしたが、8月末のココファン損賠裁判の報告を中心とした朝ビラを配布、出社してきた中森常務、小早川取締役に抗議・申し入れの声を上げました。木村常務は出勤する人並みと傘に隠れるようにしてきました。気が付いた仲間が抗議の声をぶつけました。宮原社長は車で出社してきて地下駐車場に走り込んでいきましたが、背中から抗議のシュプレヒコールを浴び、停まることもなく逃げ込んでいきました。
 この後、社前でのはりつき行動を打ち抜きました。

                  9・25雨の中、学研社前行動を打ち抜く

<共闘報告>
10・2全争議団闘争勝利!総決起集会を開催
            10・23争団連統一行動を打ち抜く!

全都の争議団の集まりである争議団連絡会議は、10月2日全争議団闘争勝利を掲げて総決起集会を開催しました。
 最初に連帯挨拶を、沖縄一坪反戦地主会関東ブロックから辺野古新基地建設阻止闘争の報告と呼びかけの発言、反原発闘争を闘う経産省前テントひろば、立川自衛隊監視テント村の報告から受けました。全国の争議団からは関単労・阪大分会の非常勤職員の大量解雇を許さない闘いの報告、職場報告を連帯武蔵学園、合同労組からユニオン東京合同育成会分会から受け、争団連からの基調報告に移りました。争議団へかけられている民事弾圧等をはね返して闘う方向が提起されました。後半の連帯挨拶を、労働法連絡会、間接強制粉砕対策会議(大道測量闘争への新たな損賠攻撃等に触れて反撃を呼びかける発言)、医療観察法を許すなネットワーク、渋谷のじれん(宮下公園ナイキ化による排除に抗する国賠裁判の控訴審の勝利報告)、破防法・組対法に反対する共同行動からは盗聴拡大・司法取引とにせ可視化をセットにした刑訴法改悪阻止闘争の報告(今国会では成立を阻止)、地域共闘交流会から沖縄派遣団の報告、遅れて参加の南部労組二葉の年俸制適用を許さない裁判・現場の闘いで勝利的解決を勝ち取った報告があり、統一行動の現場を予定している争議団、そして争団連の全争議団の自己紹介と報告・決意の表明が行われ、シュプレヒコールを上げて終了しました。
 10月23日には三多摩合同労組のケミカルプリント分会の会長自宅前行動(会長は自宅に閉じ籠もり)と同三信自動車の社前闘争(会社はシャッターを降ろし逃亡)を成功裡に打ち抜きました。
11・20出労交秋季シンポジウム
リストラ、賃金切り下げ、能力給導入など 労働条件切り下げ、職場環境悪化
職場に波及する出版危機と労働組合の針路
11月20日(金)18:30〜東京しごとセンター 主催 出版関連労組交流会議