⒎2 学研ココファン損賠本訴
居住者の方が証言 ビラの真実性明白に!
学研ココファン居住者の声を取り上げた本紙の記載を「名誉毀損」として、学研HDと学研ココファンが、1320万円の 損害賠償請求とビラ配布禁止、同記事を転載したウエブサイトの削除を求めた訴訟は、いよいよヤマ場に入り
、7月2日、証人尋問が行われました。この日の証人は、ココファあすみが丘に現在も居住されているIさんとO元ココファンあすみが丘所長。
Iさんは同施設の問題ある実態に対する多くの居住者・職員の声をまとめて学研への改善要請を行った事実等につき、私たちに提供してくれた証拠に基づき証言しました。落ち着いてたんたんとした口調でビラの真実性を明らかにする内容でした。反対尋問への答えもそれを補強する結果になりました。
O証言は、Iさんらが施設内で浮いた存在で筋違いな要求をしてO所長に断られたために恨みを抱いて、施設を誹謗・中傷するようになったという内容ですが、Iさんの証言で既にそんな嘘は明らかで、O元所長への反対尋問でも、ごまかしのストーリーはボロボロに崩れました。法廷でのやりとりを、証人尋問までのIさんとの真実性の確認を踏まえながら紹介します。
<I 証人主尋問>
最初にIさんが書いた陳述書の内容に間違いがないことを確認しました。陳述書には、ココファンあすみが丘に入所してから体験したこと、居住者の人々や職員から受けた相談内容や自分が感じている問題につき、ココファンに改善を求めた経緯、ふじせ労組のビラに掲載してもらったことが自分たちが組合の人たちに伝えた事実で間違いがないことなどが書かれています。次に、「ココファンあすみが丘の施設における問題点」としてIさんがまとめた文書(2014年11月作成)についても間違いがないことを確認しました。その上で、Iさんから具体的な証言が行われました。
居住者の不満とO所長の姿勢
入所して、感じた食事のことやサービスについて感じた不満を居住者どうしで話をするようになったが、O所長は、居住者どうしがコミュニケーションを取ることを嫌がったことが証言されました。
居住者の声をまとめた改善要請の手紙と学研ココファンの対応
2012年5月、学研ココファン社長宛に手紙を郵送したこと。高専賃からサービス付高齢者住宅へ変更になったときに何の説明もなかったことから、社長に手紙を出し、他の居住者からの意見も集約して問題点を伝えたこと。これへの回答はなかったこと。これに先立つ4月には居住者のHさんが社長宛に手紙を出したこと、またSさんという女性の居住者も女性の視点からココファン宛の要望書を出したが回答がなく、Sさんが6月にさらに書いたことを、それぞれ控えの書面を証拠として示しながら証言しました。6月の文書でSさんは「泥縄式に」設置された相談室は「取調室を連想させる」と記しており、相談室の写真では表示プレートの反対側は「倉庫」となっていて、形だけのもので居住者から相談が行われたこともないとの証言でした。
Iさんが8月に出した社長宛の2度目の手紙も証拠として確認、その中では、あすみが丘の問題点に再び触れ、職員・居住者に人望厚いHさんがココファン宛に出した手紙を居室に侵入されて盗まれコピーされた件がHさんが退所することにつながったこと、この件を受けて本社から来た者と行われた話合いでも、HさんとO氏個人の問題にしてしまう対応でしたが、Iさんは経営の刷新の必要性などをO所長の適格性のなさなどと絡めて指摘しています。8月末に出した3回目の社長宛の手紙についても証拠として示しながら、「この手紙の内容は多くの人の協力を得ました」とある部分について、スタッフが内緒でこっそり教えてくれたこと、隣りの部屋の居住者夫妻からも相談があった、千葉市の議員に相談した職員もあった、等の具体的証言で多くの居住者が問題・不満を感じ、それをIさん、Hさんらが要望としてココファンあすみが丘及び同本社に出していたことを明らかにした証言でした。
組合のビラに掲載されたことが事実であること
組合のビラの記載についてもIさんは証言しました。2012年9月の「パルス」で記載した文章については、職員の労働条件につき、仮眠もできない1人夜勤体制などの重労働を指摘、改善要求への対応についても、回答がなかったこと、あすみが丘の入居率についても組合提出の証拠(学研発行の文書)の入居率61%についてさえ、「高い時の数字で平均は半分程度」「集合ポストでわかる」と当時の実態を証言しました。2012年10月の「パルス」にある自殺者への対応も所長に問題があったこと、買い物への付き添いでも、「ふれあいサービス」にあるように金を取られること、食事も「セットされたものを温め直すだけ」で不評だったこと、居住者に認知症の人も多いこと、「ココファンはここ不安」という呼び方を誰からともなくするようになったこと、非正規労働者が多かったこと、スタッフの人が小さい声で、一人だけの時に話しかけてくることなどを証言しました。
2013年2月1日の「パルス」で触れていた入居者の日常の様子については、「2人の居住者から、死にたいと訴えられたことがある」と証言しました。
2013年2月25日の「パルス」でほぼ全文が紹介された文書は、Iさんが書いたもので、事実であること、コミュニティの形成が「守秘義務」を楯になされなかったこと、要介護度の高い人を5階に集めてしまっていることは防災の点で問題だし、避難訓練等もほとんどない、などの実態も付け加えて証言されました。
<I 証人 反対尋問>
反対尋問は主尋問に比して短かったので、主な一問一答を簡潔に紹介します。
・Iさんの健康状態は?
特にわるいところはないです
・認知症の方の声を代弁していたということですか?
現状ではコミュニティが育たないと思いました
・どのようなコミュニティを最善と考えるか。病歴や死亡者を皆に伝え、新入の紹介をすることですか?
プライバシイもあるが、自分の状況を紹介し合ったり、カミングアウトすることは互いの理解に必要。そういう点でコミュニティが育っていませんでした。
・福祉の精神が欠けている、というのですか?
入居者を増やすことのみで、一人ひとりへの配慮が欠けています。
・そう思う理由は?
労働条件の面や、また人間関係をつくろうという努力が欠けているのです。
・O所長の問題ですか?
それもあるが、組織の問題です
・リーダーの資質?
居住者とトラブルが多い。殆どの居住者から相談を受けていない状態です。居住者とのコミュニケー
ションが欠けていました。
・O所長は、居住者とどう接していましたか?
Hさんのことばをかりれば、「年寄りバカ」と見ていました
・自由にものが言えない状態だったのですか?
そうです。
・Oさんは独裁者?
人の話を読解する力がなかったです。
・会社業務を私物化とは?
経理に妻を引き入れ、個人商店の発想でした。
・手帳、電卓がなくなり、ベッドに赤い絵の具がつけられたというのは?
事実です (Hさんと同様に嫌がらせを受けたことを証言しました)。
・この点についてO所長の対応は?
不誠実でした
・飛び降り自殺の直後の所長の対応は?
Hさんから聞いたが、おかしいと思いました。
・ふじせの人とは
4人くらいと会いました。信頼しています。
・ココファンの問題につき親身に聞いてくれましたか
会社の問題と受け止めていました
・Oさんのコミュニケーション能力について
欠けていました
・防災の問題
問題だと感じていました
O元所長、明らかに嘘と分かる証言。
反対尋問で立ち往生になりボロボロ
O元所長の尋問は主要なものを主尋問と反対尋問を①、②の番号で対応させました。注釈も参照してください。
<O証人 主尋問>
①Iさんたちが意見・要望を出した理由は?
居住者のリーダー的存在と自負していたから
②要求への応えを断った理由
プライバシーにつき、いろいろな考えがあり難しい
そぐわない要求だった?
有料老人ホームとの性格の違いを理解していない
③新入居者についての紹介は?
皆さんに紹介していた
④Oさんへの気持ちは?
私個人への不満を抱いていた
⑤Hさんの居室への侵入は?
そのようなことはない
コピーと元の原稿が入れ替わった理 由は?
Hさんが各ポスト投函の際に原本を間違えて投函したと考えられる。
⑥エレベーター利用の件
Hさんは職員の利用が入居者に不便を与えているとの指摘をしていると理解した。
⑦入居者の自殺
自殺に結び付くこの入居者の普段の様子があった
⑧Iさんたちの存在
Iさんたちは浮いた存在だった。SさんはIさんたちと仲がよかった。ビラの投函等、他の居住者がつ
いていけない思いにさせられた。
⑨藤沢時代、蘇我時代の居住者との関係
問題は起きていない
⑩食事について
粗末ではない。栄養士がバランスを考慮し、居住者に応じた対応をしている。
⑪防災について
周知を図っている
⑫労働環境
劣悪ではない。給料もよい方。
・夜勤
夜勤明けへの配慮をしている
・私物化
ない。妻の勤務は他からの移転で自分の裁量でない。
⑬千葉市の立入調査2回について
入居者からの声で。これは普通のこと。
⑭Iさんたちの批判
私個人への不満によるもの
⑮被告らのビラについて
居住者の娘さんがビラを持ってきた。悪評が立ち、近隣のケアマネからの紹介や職員の募集にも影
響が生じる内容だ。
<O証人 反対尋問>
③どういう場で紹介していたのか
食堂などで顔を合わせた居住者に紹介
(注)本当とは思えないが、皆には紹介していないことは認めたもの
②サ高住の性格についてIさんにどう説明 したのか?
(O元所長)「プライバシー重視」「有料老人ホームとの違い」を話した。
②(証拠を示し、そのような違いではなく契約形態等であること指摘。)
学研の他の施設やサ高住で交流が図られており、Iさんの要望は、一定程度理解できないわけではなかったでしょう?
(O元所長)はい
②(即、断って不満をかうのではなく)、話し合って折り合いがつけられたはずでし
ょ?
(O元所長)(答えられず)
⑤(注) Hさんが「返せば不問に付す」と伝えると、原本はその後、もう一度入れ替えられて戻っていたのだから、このポスト投函という推測話は尾崎元所長の真っ赤な嘘。
⑥Hさんは職員が同行して乗るべき、という意味で言ったのに、どうしてそんな曲解をしたのですか?それで、怨むような話ではないでしょう?
(O元所長)(まともに答えられず)
⑦Hさんへの「転んだ」との説明はおかしくないですか?
(O元所長)(まともに答えられず)
⑧(注)「浮いた存在」は虚構のストーリー。Sさんの文書を今回証拠で出したので、証言の段階になってSさんも 「浮いた存在」にグループ化する嘘の証言を重ねている。
⑩(注)食事についてはIさんが証言済み
⑪(注)防災についてもIさんの証言参照
⑫ 職員の雇用形態は?
(O元所長)(非正規が多いこと認める)
(注)Iさんの文書で随所で指摘。夜間勤務自体が過重で居住者に対応しきれていない
⑬ (証拠を示し、「定期的なもの」との小早川答弁が虚偽であり、不定期の立入調査であることを問い質すと)
(O元所長)はい(と認める)
⑮被告らが地域にまいたというビラの内容は?
(O元所長)あすみが丘のことに触れてはいないが、学研が高齢者福祉事業に乗り出していることを批判したもの
そのビラはどうしたか?
(O元所長)その娘さんに返しました
悪評が立ち、入居者や職員募集に影響する重大な事態と考えたというなら、ビラを預かり、ココファン本社に知らせ対策をねるために見せるのが 普通ではないのですか?
(O元社長)そうはしなかったように記憶しています。
(注)この話も不自然で嘘であることは明白
6・3学研社前行動 小早川取締役らに抗議
6月3日、あいにくの雨天でしたが、学研本社前行動を行いました。出社してきた中森常務、小早川取締役(ココファンHD社長)に抗議、団交申し入れを行い、社前情宣(朝ビラ配布とマイクアピール)と座り込み行動を打ち抜きました。
6・26三井・住友FG株主総会で情宣
6月26日、三井・住友フィナンシャルグループの株主総会が開催された大手町の本店前で参加株主への情宣を展開しました。三井住友銀行は学研とメインバンク的結びつきを維持しています。マイクで学研HDの争議の現状と解決へ向け働きかけるよう同行に求めてきた経過、さらに学研HDが私たちの争議責任追及行動の圧殺と新規事業=サービス付き高齢者住宅ココファンあすみが丘の居住者の声の圧殺を狙って悪質な損害賠償訴訟を起こしてきていることなどを訴えました。ビラも比較的受け取りがよく、約200名の株主が受け取って会場内に入って行きました。
開始時刻の10時にかけてシュプレヒコールを上げて終了しました。
学研でも情報流出事件が発生!(次号で掲載)