学研、中間決算
7億5千万円の損失 
                 特損で赤字拡大

 会社は、さる5月14日に第2四半期の決算短信を発表しました。売上高は498億5千5百万円、営業利益12億6千万円、経常利益13億1千2百万円ということでしたが、純損失は7億5千5百万円と前年同期比で3億8千4百万円損失増となっています。出版事業の一部廃止に伴う特別損失が10億4千8百万円となったことが大きいようです。出版赤字は前期決算以降、顕在化していましたが、文理を買収したことで第2四半期売上げは4.4%増の159億8千8百万と微増でしたが、営業損失は3億2千百万円となりました。買収で売上げにゲタをはかせても赤字となり、出版部門の低迷は続いているようです。M文庫やムック等の事業廃止、不採算分野縮小で展望が開けるわけではなく、リストラ=出版部門労働者への犠牲強要策の傷も浅くないことでしょう。経営責任の労働者への転嫁を許さずに追及していきましょう。
5・25東北ベストスタディ損賠裁判はじまる
     
仙台繁華街で情宣行動も展開!

 ココファン同様に、学研HDと東北ベストスタディが、組合と支援共に対して「名誉毀損」を仕立て上げて起こした660万円の損害賠償請求訴訟が5月25日、仙台地裁で始まりました。仙台まで呼び出す嫌がらせ訴訟攻撃に屈することなく、仙台での行動と裁判闘争を開始しました。この日は、前段に仙台駅前から続くアーケード街出入り口の繁華街で情宣行動を展開しました。争議の実態とココファンやベストスタディで不当な裁判を起こして組合の争議責任追及行動圧殺を図り、ココファン居住者、学研関係者の告発の声をも潰そうとする学研経営の悪質なやり方を糾弾するビラを配布、マイクでも仙台の人々に訴えました。「学研はどうなっている」等の質問を寄せてくる方もあり、ビラの受取りも良好でした。


 仙台地裁でも冒頭意見陳述を行う
 16時から始まった法廷では、当該組合執行委員長から冒頭意見陳述を行ないました。その最初の部分を紹介します。
「はじめに
株式会社学研ホールディングス(以下、「学研」と言います)と東北ベストスタディが、本件損害賠償請求訴訟を起こしてきたことの不当性につき陳述します。この訴訟は、2013年12月に提起されましたが、訴訟が名誉毀損の対象とした私たちのビラ及びウエブサイトの記載は、それより2年半も前のものです。まさにとってつけたような訴訟です。「今頃になって」と誰もが考える本件訴訟の動機は、別のところにあり、「名誉毀損」などという事実はありません。このような不可解な訴えは、同じ2013年6月から7月にかけて学研ホールディングスがやはり事業会社である学研ココファンを従えて起こした総計1320万円の損害賠償請求訴訟、及び同本訴の中でも請求しているビラ配布禁止とネット記事の削除請求を仮処分としても申請するという濫訴に付随して連続して起こして行ったことなのです。
 そこで先行するこれらの訴訟とは何かにつき、まず簡単に述べます。(ココファンあすみが丘をめぐる訴訟につき経緯を説明 略・・・) 私たちがこれにひるむことなく法廷の場で争う姿勢を示すと、学研はさらに何か組合に嫌がらせを行う手段はないかと考え、「名誉毀損」、「損害」をこしらえて、組合を仙台まで呼び出して財政的・時間的打撃を与えることで組合を潰そうと狙ってきたのが、東北ベストスタデイをめぐる悪質な本件訴訟なのです。2年半前には何ら問題にしなかった、株主総会で私たちが質問しても逃げの答弁を行うのみで、ビラ記載の文言と同じ質問に対して、答弁中で、なんら抗議の意思さえ示さなかった学研が、今になってビラ記載の表現を違法視していることが何を物語っているのかは明らかです。
東北ベストスタディについての私たちのビラの記載は、学研ココファンの場合と同様に、関係者から寄せられた声を基に掲載したもので真実です。学研が仙台の進学塾「あすなろ学院」を買収した結果発生した同塾の内紛と、その後の経過の中で関係者が私たちに連絡を取る中で知り得た真実です。
 学研ココファンをめぐる訴訟は、居住者の方たちの提供になる証拠の数々(学研ココファン宛の改善要請の信書など)や陳述書、千葉市の立入調査についての情報公開文書などを法廷に提出し、ビラの真実性が明らかになりつつあり、いよいよ居住者の方を含めた証言が行われる段階を迎えようとしています。本件訴訟でも、私たちはビラの真実性を自信をもって立証していきたいと考えています。訴訟対象となった当時の出口鯉一社長も東京の学研本社に戻されるなど、被告はもちろん原告の当事者も東京近郊に在住しているにもかかわらず、学研の嫌がらせの意図に結果的に加担する形の仙台での本件審理開始も私たちの納得の行くものではありませんが、事件の本質全体を明らかにして、学研の訴訟提起の不当性を本件においても浮き彫りにしていくつもりです。
 以下に、本件訴訟の本質を把握する上で欠かせない争議の大枠の流れと学研関係者の私たちへの信頼形成が進み、相談の声、学研の問題体質告発の声が寄せられるに至っている現状につき触れておきます。(以下、略)」
学研・東北ベストスタディ側の準備書面は内容無し 
 次回法廷は8月3日(月)16時〜
 約12分間の意見陳述の後、提出された学研側の準備書面等の確認が行われました。組合側答弁書に対する反論ですが、労働委員会命令の最高裁判決確定を言うのみの粗末で無内容なもの。労働組合活動の一環として労働基本権に基礎づけられて行っているふじせ労組のビラ配布の意義と正当性につき、なんらまともな反論を行っていません。ふじせ闘争支援共闘会議の組織性格などにつき裁判長から質問があってやりとりなどした後、次回、8月3日(月)16時〜の法廷ではビラ記載の事実関係について組合主張を展開することとなりました。
傍聴席には全金本山労組をはじめ地元からの参加をいただき全国にふじせ闘争を支える仲間が存在していることを学研側にも示しました。繁華街での街宣行動にも本山労組から心強い支援をいただきました。
ヤマ場のココファン損賠本訴7月2日証人尋問へ
前号で報告したように学研ココファン損賠本訴は、ヤマ場に入っています。次回7月
2日には、ココファンあすみが丘の居住者のIさんが組合側の証人として証言を行います。また学研側からはあすみが丘の所長だった尾崎証人も出て、両者への主尋問・反対尋問が予定されています。午後1時30分〜東京地裁705号法廷です。
 申請した人証全体につき未だ決まっていませんが、被告とされた組合・支援共闘会議の3人の本人尋問は、次々回の8月27日(午後1時30分〜705号法廷)に少なくとも一部は入っていく見込みです。
5・1学研社前闘争小早川取締役に抗議!
 5月1日、学研本社前行動を展開しました。早朝7時半からの行動を行いましたが、出社してきた小早川取締役に対して、ココファン代表として不当な損賠請求訴訟を起こしていることに抗議し、取締役として話合いに応じて争議を解決するように迫り、シュプレヒコールを上げました。


 福岡合同労組鴻池運輸から寄贈された「駆」ののぼりを立てて
 
 新任の小早川取締役ですが、執行役員の時から、株主総会でココファンあすみが丘への千葉市の立入調査の経緯などにつき、「問題があってのことでない」などという趣旨の虚偽の答弁を行っていました。その上にこの不当な訴訟です。先回4月1日に続き、私たちの抗議の声を浴びて、小早川取締役は不機嫌そうな表情で顔をこわばらせて社内に入っていきました。
この日は他の役員は姿を見せず、学研労働者の皆さんに朝ビラを配り終えて、9時過ぎからは、社前に座り込み、争議解決を要求する行動を打ち抜きました。
5・20妨害を許さず高齢者住宅研究集会で情宣
 昨年に続き、5月20日、サービス付き高齢者住宅協会が主催するイベント会場となった品川グランドホール前で情宣行動を展開しました。今年は最初から学研総務の西川、本間や学研ココファンの社員が会場前に陣取って、写真撮影や記録取りを行っていました。そして、学研側が主催者側に圧力をかけたらしく、イベント参加者にビラ配布を始めたとたんに、やめさせようと協会が介入して来ました。「イベントが中止になったらどうしてくれるのか」などと私たちの意図とは無関係な言いがかりを付けてきました。私たちはイベント開催に反対などしておらず、参加者に協会の理事を務めている学研ココファンの、あすみが丘の居住者の声をビラで取り上げたことを弾圧しようとしている姿勢は、この事業の在り方にも関わる問題であることを訴え、協会にも改善と争議の解決を働きかけることを求めたものであることを説明、マイクでも訴えました。そして学研経営とココファンの妨害の狙いをはねのけて行動を打ち抜きました。


労基法の根幹を解体する「成果型労働制」導入
派遣法の全面改悪等を許すな!

 
今国会には、「労働基準法一部改正案」と「派遣法改正案」が上程されています。今次労働基準法改悪案は、「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)=全労働者の平均年収の3倍を超え、高度で専門的な業務)に従事する労働者には、労働協定のうち、時間外・休日労働協定の締結がなくなり、企業は労働者に時間外・休日・深夜割増賃金を払わなくてよくなります。企画業務型裁量労働制の拡大も同様に時間規制を解体し、長時間労働を強いていく攻撃です。経営者の恣意性が赤裸々な成果判断と賃金をリンクさせるために、賃金を労働時間から切り離し、時間外労働という概念(8時間労働制の理念)を解体する暴力的な大転換の攻撃です。派遣法改悪も、派遣の恒久化・拡大を図るものだ。また解雇の金銭解決制度も厚労省で検討されようとしています。 労働法連絡会は、上程後、5・20国会前行動を打ち抜き、5月14日、日比谷野音での集会と国会請願デモとして展開された「取り戻そう生活時間と安定雇用、許すな雇用破壊5・14action」(2500名結集)に34名の仲間と共に参加して、前段の野音前情宣も行いました。ひき続き、労働法制の大改悪を許さず、多くの皆さんと共に闘っていきます。

     5・20国会前行動                            5・14集会・デモに参加