出版赤字10億円希望退職募集、事業会社統廃合
学研の経営責任を追及し職場・争議貫き闘うぞ!
 新年度を迎えて学研および関連で働いておられる皆さん!
私たち東京ふじせ企画労働組合は、学研の「科学」「学習」などの編集業務を行ってきた編集プロダクションで、組合潰しを狙った学研経営の悪質な業務総引き上げ=倒産・35名全員解雇の攻撃を受け、その争議責任を追及して闘っています。
 学研経営は私たちとの話合いでの解決を一切行おうとせず、責任居直りを続けて争議を長期化させていますが、そのような経営の問題体質は数々の不祥事を引き起こし、巨額赤字を出したり、多数の希望退職募集でのリストラをくり返したりしてきました。
 そして、いままた学研は出版赤字10億円を出して、「学研パブリッシングが展開する学研M文庫や歴史書、女性誌のムック本などは採算割れとなっており、3月末で廃止する。同時に10月1日をメドに学研教育出版、学研パブリッシング、学研マーケティングの3社を統合する、この3社と中間持ち株会社=学研出版ホールディングスの40歳以上の正社員を対象に希望退職を募集する」と発表しました。再三紹介しているように宮原社長は、昨年末から経営責任を棚に上げて出版部門の労働者に「あなたたちが作った赤字」などと暴言を浴びせていましたが、さらに希望退職募集という労働者へのしわ寄せ攻撃を仕掛けてきたのです。
 私たちは学研の職場の仲間と共に、このような学研経営の責任を追及し、犠牲強要攻撃を共にはね返していくつもりです。

             写真=2・25学研社前行動           抗議の声を背に社内へ向かう小早川取締役

職場困ったこと、職場の情報、ご意見などをお寄せください
 最近、学研職場から情報が寄せられています。困ったこと、問題だと感じていること、ご意見などをお寄せください。匿名でも構いません。本紙タイトルのところにある住所への手紙・電話・ファクスや h25cap@mbh.nifty.comへのメールを。
 また、地域で共に活動している東京南部労組では、いつでも無料で労働相談を受け付けています。         southwind@mbr.nifty.comへ
3・23ココファン損賠本訴
 学研経営、ココファン居住者を愚弄・
           誹謗する驚くべき主張を提出!

 学研経営は労組弾圧をくり返して本社ー下請けを貫き争議をひき起こしてきましたが、私たちの責任追及の行動を圧殺しようとして民事弾圧も仕掛けてきています。学研の新規事業であるサービス付き高齢者住宅=学研ココファンあすみが丘(千葉市)の居住者の声を取り上げたビラの記事を名誉毀損などとして1320万円の損害賠償請求と対象ビラの配布禁止・ウエブサイト記事の削除を求めた訴訟です。ホールディングス体制に移行した学研の足下で、職場労働者や消費者と結んで展開されてきている「ふじせ闘争」が学研経営の問題体質を浮き彫りにしていることに焦り、このような弾圧を行ってきているのです。
 今年1月15日の口頭弁論で、私たちは、ココファンあすみが丘居住者の方たちの陳述書、学研ココファン宛の改善要請の信書、告発書など、ビラ掲載事実の真実性を示す圧巻の証拠を提出しました。3月23日の法廷では、これら証拠への学研側の反論準備書面が出されました。しかし、その内容たるや、陳述書等を書いた居住者の方や証拠の手紙等を提供してくれた居住者の方たちに対して、愚弄し誹謗するに等しい言葉を浴びせる驚くほど悪質な準備書面でした。
「ココファンに相応しくない要求を行った」だって?!
 学研経営側は「I(書面では実名です)は、ココフアンあすみが丘の住宅としての性質に対するそもそもの誤解や、ココフアンあすみか丘の所長であった尾崎次郎(以下「尾崎」という。)との軋轢から、ココフアンあすみが丘に対する不満を有していた。」などと述べています。そして「一般に、有料老人ホームは、『共同生活重視』、『協調的な暮らし』と評されるのに対して、サービス付き高齢者向け住宅は、『プライバシー重視』、『自立的・自律的な暮らし』、『一般的な賃貸住宅に近い自律的な生活を送ることができる住宅』と評されている」などとした上で、「Iは、サービス付き高齢者向け住宅のこのような性質を正しく理解せず、平成23年11月頃から、有料老人ホームではないココファンあすみが丘にとっては相応しくない数々の要求を行った。」と言っています。
Iさんが改善を要請したことの例を挙げていますが、新しい入居者を全入居者に紹介して居住者同士の親睦と交流を図れるように求めたことや、サークル活動のための施設を拡充することを求めたことなど、につき、「このような要求は、上記の『プライバシー重視』、『自立的・自律的な暮らし』『一般的な賃貸住宅に近い自律的な生活を送ることができる住宅』という理念を有するサービス付き高齢者向け住宅の運営のためには不要であるばかりか、むしろ、理念に反するものであったため、尾崎は、I氏の要求には応じられないと回答した。」としています。Iさんは、有料老人ホームとサービス付き高齢者住宅の違いを知らなかったかのような言い方ですが、入居者は誰もそんなことは百も承知でしょう。しかし、その性格の違いを上記のような表現で規定することが正確でないばかりか、居住者同士の交流は一切不要であり、上記のような改善要請を行ったことがサ高住の性格への誤解に基づくものだとか、相応しくない要求を行ったなどと言えないことは明らかです。
 このような前提で、「要求が入れられなかったために尾崎所長に不満を抱くようになった」とした上で、「以上のとおり、Iは、ココファンあずみが丘を誹勝中傷する動機を有しており、また、その供述内容は客観的事実に反するため、Iの供述は、信用できない。」などと言っているのです。刑事事件の被告を検察が論難するかのような文面ですが、これが今もココファンあすみが丘に居住している利用者に対する態度でしょうか?ほんとうに「誤解」だと考えたのであれば、利用者の「誤解」を解き、不信感や不満が生じないように居住者と十分な話合いをすべきところ、改善要請の手紙にもまともに答えないという対応だったのです。居住者に責任転嫁して、かつ声を上げた居住者を敵視する姿勢が明瞭に浮かび上がっています。これが学研の問題体質であることを感じさせる不誠実な対応そのものです。
 もう一人の元居住者の方が提供した数々の証拠に対しても、学研経営側の書面は「Hは、普段からIと行動を共にしていたが、Iと同様、ココファンあすみが丘の住宅としての性質に対する誤解や、尾崎との軋轢から、ココファンあすみが丘に対する不満を有していた。このことは、Hが、ココファンあすみが丘及び尾崎に対する不満を記載した平成24年3月23日、同年4月24日、同年5月12目及び同年11月12日付の3通の手紙及び内容証明の他に作成日付が不明の1通の手紙を原告学研ココファン宛てに送付している事実からも明らかである。そのため、Hは、ココファンあすみが丘を誹膀中傷する動機を有しており、Hの供述は、信用できない。Hは、Iと同様に、サービス付き高齢者向け住宅のこのような性質を正しく理解せず、平成23年11月頃から、Iとともに、有料老人ホームではないココファンあすみが丘にとっては相応しくない数々の要求を行った。『せっかく時間がある高齢者が多数いるのですから、施設内で趣味のサークルを作ることや居住者問の交流を積極的に支援することがあってもよいと思います』との不満を述べていることからも、Hがココファンあナみが丘の住宅としての性質を誤解し、『共同生活重視』『協調的な暮らし』を期待していたが、そのような期待とは異なるサービス付き高齢者向け住宅の生活環境に不満を抱いていた事実は明らかである。Hは、尾崎が上記アに記載の各要求を受け入れないことに加えて、以下のような様々な誤解を原因として、尾崎に対する不満を抱くようになった。」として、「Hが乙第A3号証の6頁において『尾崎所長が、私の手元にある資料などを探索するために、室内に侵入して書面をコピーし、あるいは、職員をしてコピーさせたのであろうという疑いを強く持ちました』と述べていることからも、Hが、尾崎に対する強い不満や猜疑心を抱いていたことは明らかである。・・・Hは、平成23年4月頃、自室に保管していた原告学研ココフアン宛ての手紙の原本が紛失し、紙質の異なるコピーと入れ替わることがあったとして、尾崎が自室に侵入して、このような入れ替えを行ったに違いないと主張するようになった。しかしながら、尾崎は、当然、そのような侵入や入れ替えは行っていない。コピーとの入れ替わりが実際に生じたのか否か自体が不明であるが、Hは、自らの意見をココファンあすみが丘の他の入居者にアピールするため、他の入居者の各居室に当該手紙のコピーを投函していたが、その際に、誤って原本を投函してしまったと考えることが自然である。」などと弁解がましいことまで付言して記述しています。Hさんの居室への侵入の形跡を窺わせる事実を含めてHさんは所長側の対応の嘘を確信するだけの事件があったことを詳しく述べています。
 このような準備書面を出してくるとはあきれた話です。これで、居住者の声の真実性、声を取り上げたビラの真実性と真実と信じるに足る相当性は崩せないことは明らかです。
誤った被告の特定を、未だに撤回しない学研経営側
 また、以前から私たちが問題にしている被告の特定の誤りについても学研経営側は未だに認めず、誤って被告にしたSさんをはずそうとしていません。今回の不当な訴訟提起にあたり、学研はふじせ労組、支援共闘会議の2団体だけでなく、両組織の代表として考えている組合委員長Kさんと支援共闘会議事務局長Yさん個人を被告にしました。
 団体として行っている行動に対して個人を被告にすること自体が問題ですが、Yさんを被告にするに当たって学研側は、組合側の団交申入書に毎回記載されてきた事務局長のYという名前はペンネームだろうと勝手に考え、学研が、株主総会にも出席していて住所も把握しているSさんがYなのだとして、「YことS」などとして訴訟を起こしてきました。しかし、YさんとSさんは別人であり、組織代表と学研が位置づけての被告にするなら被告はSさんを撤回して事務局長のYさんのみに変更すべきです。しかし、誤りを認めたくない、という面子だけにこだわり、学研はSさんも被告に据え続けています(Yさんは特定できていなかったために、その後の新たな訴状では、Yさんにつき住所不明のまま、組合事務所を連絡先に送りつけてきています)。
 許し難い話で、前回の口頭弁論でも私たちが問題にしたところ、学研は準備書面(5)として今回、「被告Sの主導的役割について」なる主張を出し、合わせて、提訴以降(以前でないのもおかしい)のSさんが学研社前行動に参加している際の顔写真を「証拠」と称して大量に出してきました。23日の法廷では、これで「主導的役割」など、明らかにされていない。何をさして主導的と言っているのか、と組合側から追及すると学研側代理人は、「株主総会で発言している、現場で組合委員長Kさんと協議している」などと答えにならない応答をし、さらに組合側が、それらを含め、主導性は明らかでない。「協議」の実態も証拠も示されていない、と追及しました。裁判長も、主張としてはそれだけですか、と念を押しました。学研側は、これで十分と言い張り、「協議の証拠は、社前でKさんと話している場面を次回出します」などと言うのみでした。
「ココファンあすみが丘周辺で誹謗・中傷のビラ配布と演説をした」という学研経営側のねつ造
 また、今回の訴状で、組合の一連の名誉毀損行為として2011年10月27日にココファンあすみが丘周辺で施設の運営を誹謗・中傷するビラを配布し、マイクで演説したとのねつ造の主張につき、「求釈明」として、証拠を示して具体的にどのような行為を行ったのかを明らかにすることを組合側は要求していました。しかし、出てきたのは何の証拠もなく、「演説及びビラの具体的な内容が不明であるため、その内容が原告らの名誉を直接に毀損すると主張するのではなく、被告らによる一連の本件各行為には強い違法性が認められることを示す一つの事実として、ココファンあすみが丘周辺において同住宅を誹謗中傷する演説及びビラを配布するという被告らの上記活動を主張するものである」などと、全く日本語になっていない支離滅裂な回答書面でした。
 学研側の3つの書面への次回法廷での私たちの反論等を、またお知らせします。
次回口頭弁論は4月23日(木)午前10時〜705号法廷です。この日、証人申請も行われます。

2・25学研社前闘争
   小早川新取締役らに抗議!
 2月25日、学研本社前行動を展開しました。学研の第一四半期決算短信の内容などにつき掲載の組合のニュースを配布し、出社してきた中森常務、そして年末の株主総会で新たに取締役に就任した小早川仁学研ココファンHD社長に対して抗議の声を上げ、争議解決要求を行いました。
12月の株主総会でココファン問題で虚偽の答弁を行った小早川取締役は押し黙りうつむいたまま、社内に入っていきました。
 その後、10時まで、社前で座り込み抗議行動を打ち抜きました。