PΛLS 2014年7月18日号
今月号の内容
 7・12学研糾弾・宮原社長宅抗議デモを打ち抜く!
 6・19学研社前闘争
 6・30ココファン損賠本訴第5回口頭弁論
 7・4東京国際ブックフェアで情宣
 6・21間接強制・損害賠償攻撃に反対する第2回全国集会を開催!

争議責任、弾圧責任を追及し
7・12学研経営糾弾・宮原社長宅
     抗議デモを打ち抜く!

 
学研HD経営が倒産・解雇の争議責任を居直り、私たちを相手に民事弾圧(=損害賠償請求訴訟)を仕掛けてから1年が経過しました。学研ココファンあすみが丘の居住者の声を取り上げた組合のビラを「名誉毀損だ」などとして、学研ココファン(小早川社長)と共に、1320万円の損害賠償とビラ配布、ネット記事の削除請求を行ってきたものです。
 私たちは法廷ー現場を貫き、この不当な訴訟に対して反撃してきました。そして、さる7月12日、この弾圧の最高責任者であり、争議解決義務を有する学研の宮原社長に
対して、彼の住む御殿山のマンションへ抗議デモを行いました。
 御殿山は徳川家康が鷹狩りを行ったという由来をもつところで、森ビルが開発した御殿山ガーデン(品川区北品川4-7-36)にはホテルラフォーレ東京(現在は外資のマリオットホテル)、御殿山トラストタワー(オフィスビル)と並んで25階建ての御殿山トラストコートという高級賃貸マンションが日本庭園に囲まれて建てられています。
 宮原社長は学研の社長に就任した直後、品川区港南のマンションから、ここへ転居してきました。 私たちは何回か、このマンション受付へ申入書を携えて赴きましたが、フロントの者が「宮原さんに取り次ぐな、と言われている。学研からも言われている」と申入書の受け取りも拒否する不当な対応を取り続けています。


 7月12日は、デモ出発に先立ち、学研本社にも近い大崎第一区民集会所で全都から集まった仲間と共に集会を開催しました。当該のふじせ労組から、89年前後の第1次の学研の民事弾圧から四半世紀が経過しての学研の新たな闘争圧殺策をめぐる状況と、このような弾圧を仕掛けてきた宮原社長体制が抱えている問題を社内からの告発の声の紹介も交えて報告しました。そして、学研の新規事業であるサービス付き高齢者住宅=学研ココファンの居住者が声を上げ、組合に相談し争議と結びついたことへの学研経営の焦燥に触れ、ふじせ争議が学研経営に突き付けている問題の深さを指摘しました。
 連帯挨拶は、全都で多くの争議団が集まり共に闘っている争議団連絡会議から、ふじせ闘争を含め民事弾圧をはね返して全争議団闘争に勝利していく決意、また破防法・組対法に反対する共同行動から、盗聴法の拡大など新たな捜査手法で警察権を肥大化させ共謀罪制定を目論む治安国家化・戦争国家化との闘いへの取り組みが呼びかけられました。
 この日の集会・デモを集中行動として取り組んだ南部交流会からは南部労組の新日東電化の仲間が職場での組合旗揚げの報告、南部労組のいくつかの職場での取り組みなどを伝え、同じく集中行動として参加した出版関連労組交流会議からは、昨年末の秘密保護法をめぐるシンポ開催や出版業界の状況とその中での学研・ふじせ闘争の位置につき
触れ、共に争議解決・勝利をめざす決意が語られました。
 最後にふじせ闘争支援共闘会議から、学研の仕掛けた今回の民事弾圧と、そこに現れている宮原体制の特質につき日本の現在の社会状況に照らしつつ批判、学研・ふじせ闘争に勝利する意義を述べて決意表明をしめくくりました。
 4時半からデモに出発、目黒川沿いに進み、桜田通りを横断して八山通りまで出て左折、五反田駅頭の繁華街へ。「学研の倒産・解雇攻撃を許さないぞ」「損賠攻撃をはね返すぞ」「民事弾圧粉砕」「真実のビラへの弾圧を許さないぞ」等の学研とココファンへの抗議の声が轟き、駅利用者、通行する人々の注目を浴びて、進みました。沿道ビラを受け取って、学研の抱えている実態に注目し熱心に読む人もあり、手応え十分のアピールを行い、ガードをくぐって五反田駅東口から御殿山へ向かいました。かつてはソニー通りと呼ばれたこの道沿いにある伸和ビルの6階にかつてはふじせ企画がありました。
 ソニー本社跡地を過ぎて、御殿山交番前を右折し、セルビア大使館、原美術館前を通ると左手に鬱そうと樹木が繁った御殿山ガーデンの奥にマンション=トラストコートが見え始めました。ここで、また「御殿山トラストコートの宮原社長は争議を解決しろ」等のシュプレヒコールを上げ、突き当たりのミヤンマー大使館前を左折、トラストコートの南側に出ました。ここからまた、シュプレヒコールを上げると、マンションベランダにも顔を見せて注目する住民の人の姿が見えました。100メートル程は離れていますが、声は宮原社長の居室にも届いていたことでしょう。

 この後、東海道線の上の渡線橋を渡って権現山公園で参加の仲間とデモの成功を確認し、ふじせ支援共からのまとめの挨拶、全体でシュプレヒコールを上げて解散しました。
 この日は様々な日程が重なるなどして、参加できない常連のメンバーもありましたが、酷暑の中、70名近い結集で力強い行動を打ち抜くことができました。
 新馬場での二次会も盛り上がりました。
 
6・19学研社前闘争
6月19日には朝からの社前行動を展開しました。旗・横断幕を据えて、出社する学研関連の仲間に朝ビラを配布しました。8時少し前に中森常務が出社してきたので、「話合いに応じて争議を解決しなさい」との抗議の声を上げました。
 社長を含めて他の役員たちは、この日は出社して来ませんでした。9時過ぎからは社前に座り込み、抗議行動を打ち抜きました。
6・30ココファン損賠本訴第5回口頭弁論
 6月30日、学研とココファンが起こした損賠請求訴訟の第5回口頭弁論が開かれました。裁判に先立ち、地裁前情宣を行い、多くのビラを配ることができました。裁判所向かい側から総務の西川部長が隠れるようにして記録を取っていました。
 裁判では、631号法廷の傍聴席を埋めて25名の仲間が参加。学研側の傍聴は、総務の西川部長と本間の2名。異動の時期を過ぎたこの時期になって、竹田光弘裁判長から吉田徹裁判長に交替が行われました。吉田裁判長は地裁の統括判事のようです。
組合側は、第3回から継続して提出した争議経過のパート3を150頁近い準備書面として提出しました。最後のまとめとして、以下の記述を行いました。
 「以上、2013年6月、本件訴訟が提起されるまでに至る、本件争議の35年半の経過を記述した。学研の暴力労務政策により引き起こされた倒産・解雇攻撃から始まり、古岡一族専制支配の瓦解、1993年赤字転落以降の慢性的赤字状態と問題体質蓄積で招いた経営の危機的状況を本社五反田移転、持株会社化、進学塾買収などにより乗り切ろうとしてきた学研だが、根本的な経営の問題体質、労働者蔑視・使い捨て・組合敵視を改革することなき居直りによって、不祥事が続発し、学研の病弊は深化してきている。
 この経営の腐敗・荒廃の過程と対峙して、争議解決をめざす活動と学研関連で起きている諸問題は根が一つであることを示してきた被告組合と被告支援共の闘いは、心ある学研関係者や職場で呻吟する学研労働者との強い信頼関係を築いてきた経過も見てとることができる。
 その過程で、持株会社体制下での問題が噴出、犠牲としわ寄せを受けた学研関連労働者、サービス被提供者などの声がふじせ労組に寄せられ、ふじせ争議と結びつきを強めてきたことへの学研無責任経営陣の焦燥が今回の不当な訴訟提起の背景にあること、ココファンあすみが丘問題は、その象徴であることが浮き彫りになってきた。ココファンあすみが丘居住者の声と結びついたふじせ闘争を、無責任経営の支配を揺るがすものと受け止め、争議と居住者の声の双方を圧殺しようと図ったのが、今回の不当な訴訟の本質である。」
 また、裁判長が替わったということで、当該組合委員長から改めて意見陳述を行い、この訴訟の不当性と争議の本質、ココファン居住者からの相談などの経過につき、15分間程にまとめて述べました。
吉田裁判長は、次回ではそろそろビラの内容の真実性につき立証方針を示して欲しいと言い、次回期日は、9月8日午前10:00〜地裁419号法廷での開催となりました。
7・4東京国際ブックフェアで情宣
 7月4日、恒例の東京国際ブックフェアが開催された東京ビッグサイトで情宣行動を行いました。今回は、出版関連労組交流会議のビラとふじせ労組のビラを配布しました。
 学研・ふじせ争議については、今回も注目を浴びて、ビラを読んで
質問を寄せて来る方があり、また「頑張ってください」との激励の声も寄せられました。マイクでの情宣では、出労交としての業界の動向なども伝え、その中で起きている職場、争議の現状等についても訴えました。
 ゆりかもめの国際展示場正門駅とりんかい線の駅側の二カ所でビラを配布、用意したビラがまた完配となりました。

 学研経営は、総務の御用社員に私たちの姿を撮影させるなど、悪質な行動をくり返していましたが、ガードマンをけしかけての介入等を許さず、最後まで情宣行動を打ち抜きました。
共闘報告
6・21間接強制・損害賠償攻撃に反対する第2回全国集会を開催
 悪質な経営の民事弾圧による争議潰しは正当な争議行為を禁圧し労働基本権を解体するものとして掛けられており、各地の弁護士団体からも声明が上がるなどしています。昨年に続き、全国で民事弾圧と闘っている仲間が一堂に会して、交流・討論の場を持ち、共同の反撃をさらに進めていくことを確認しました。関西で活躍する永嶋靖久弁護士の講演、スト禁止の仮処分決定を経営側に取り下げさせ、損害賠償裁判で勝利したユニオンみえ(鈴鹿さくら病院分会)の仲間の報告など全国からの発言と活発な討論も行われました。多くの仲間と共に学研経営の民事弾圧も打ち破っていきます。
職場で困ったこと、職場の情報、ご意見などをお寄せください
 最近、学研職場から情報が寄せられています。困ったこと、問題だと感じていること、ご意見などをお寄せください。匿名でも構いません。本紙タイトルのところにある住所への手紙・電話・ファクスや h25cap@mbh.nifty.comへのメールを。
また、地域で共に活動している東京南部労組では、いつでも無料で労働相談を受け付けています。southwind@mbr.nifty.comへ