10・25学研本社前昼集会
 を打ち抜く!
不当な損賠攻撃を糾弾

 10月25日、学研本社前で昼集会が開催されました。争議団連絡会議の統一行動が間接強制・損賠攻撃に抗議し、裁判所ー学研本社前を貫いて展開され、学研社前行動は南部交流会、出版関連労組交流会議の集中闘争としても打ち抜かれたものです。
 12時から始まった本社前行動、朝からの小雨も小休止となり、旗・横断幕を設営。会社側は「立入禁止」のプレートを立てる。総務の常連メンバーも弾圧のための「採証」体制に入る。記録を取り、法務部長の西川が三脚を立ててカメラを設置。 本庁公安は2名が、80m程離れたNTTコムウエアビル前から監視。昼休みで、社内から出てきた学研労働者にビラを配布し、簡単な打ち合わせの後、シュプレヒコールを上げ、集会を開始しました。
当該の発言の最中に宮原社長の乗った車が!
 当該=ふじせ労組が基調報告。四半世紀前の間接強制を頂点とする現場圧殺攻撃を撃ち破って以来の第2次の民事弾圧との攻防につき、背景と争議の局面に即して報告。
 その発言をはじめている途中で、宮原社長の乗った車が来て地下駐車場へ走り込んで行きました。すぐに全体でシュプレヒコールを上げました。
 前回の民事弾圧(仮処分・間接強制攻撃)は古岡一族専制の暴力労政の破綻をめぐる状況であったが、今回は経営行き詰まりを08年本社移転と売却、持ち株会社発足と宮原新体制下の新自由主義的労務政策が展開される中での弾圧策だと報告されました。パワハラ・退職強要事件が頻発し、組合に相談や情報が寄せられ、新規事業のサービス付き高齢者住宅=学研ココファンでも処遇をめぐり居住者の声が寄せられるなど持ち株会社支配の足下で噴出する問題と、そこの学研労働者、居住者らとふじせ争議が結び付いて前進していることへの危機感から闘争圧殺を図っていること。だが、ココファン居住者の声を取り上げたビラ配布に対して2次にわたって損害賠償請求を仕掛けたものの、被告の名前もでたらめな訴状を出した学研側は、9・30第1回口頭弁論でも修正できず、次回に持ち越しになっていたのに、住所も特定できていないまま、10月10日付で、ふじせ支援共代表を個人として被告に据えて、また同じ内容の損害賠償を提訴するという悪質な濫訴を行ってきており、裁判自体でも混乱を引き起こしていることを批判、これを打ち破って闘うとの決意も述べられました。



地域・出版・課題を闘う仲間から熱い連帯の挨拶
 続いて連帯の挨拶を受けました。三合労ケミカルプリント分会から11・16労争連統一行動で闘う会長宅包囲デモへの呼びかけ、破防法・組対法に反対する共同行動から希代の悪法=秘密保全法案が上程される中、治安法のラッシュとの闘いに入っている局面、連帯労組不二出版から出版職場での3年間に及ぶ争議で、都労委勝利和解をかち取った報告、医療観察法を許すなネットワークから社会的に危険だとして隔離する保安処分的攻撃が医療観察法のみならず秘密保全法等の治安法として拡がっている問題性、などの発言をいただきました。
集中闘争として結集している南部交流会から、ふじせの労働者の置かれていた状態は今日の偽装請負であった、労組を結成したとたんに業務を総引き上げして会社ごと切り捨てた学研の下請労組潰しを許さず闘うとの決意が述べられました。ふじせ闘争支援共闘会議から損賠を巡る攻防で学研の争議責任がより明白になっている、団交拒否を許さず闘う私たちの行動を「35年間に及ぶ嫌がらせ行為である」などと訴状で述べている学研経営こそ、事実を歪曲する誹謗・中傷を行っているものであり、許せない、勝利まで闘うとの決意が述べられました。
 力強いシュプレヒコールで集会を終了しました。最後に争団連事務局から二現場貫く統一行動の成功を確認するまとめの発言が行われました。裁判が始まったばかりの早い段階で、多くの仲間の抗議を学研経営にぶつけることができ、意義ある闘いとなりました。
 台風接近で荒れ模様の天候の中、昼間の行動でしたが、37団体70名の結集が結集してくれました。
11・15学研社前闘争
 10・25争団連統一・出労交・南部集中闘争の学研社前昼集会の成功を受けて、11月の現場行動第1波として、午後からの社前はりつき行動を展開しました。小雨がふり、気温も低下するという悪天候の中でしたが、12時半から行動を開始。学研側は、総務社員らを動員し、採証体制に入る。やがて、総務は6名、三脚を立てカメラ、ビデオ撮影。仲間がビラ配布を開始する中、当該がマイクで9・30損賠訴訟の報告、10・25統一行動・集中闘争の成功につきアピールしました。午後1時半を回った頃、宮原社長の乗ったレクサスが出社して来ました。地下駐車場へ向かう車の後ろからシュプレヒコールを上げました。
 社前行動を力強く打ち抜きました。

私たちは何故、闘い続けているのか(3)
            前号から、学研・ふじせ争議の発端から現在に至る真実と、私たちは
             何故闘い続けているのか、をお知らせするシリーズを掲載しています。
  前回、87年の東京都労働委員会の命令が、85年の損賠判決とは逆に、「学研は使用者ではないので不当労働行為を論ずるに由なし」と逆立ちした論理で、組合潰しの事実認定をまともに行おうとしなかったこと、組合潰しは工藤ふじせ企画社長が行ったということにしてしまったことを書きました。
都労委命令がいかに不当な真実の歪曲を行ったかは明らかです。命令は、「学研による不当労働行為があったかなかったか、は論じる必要なし」としたのですが、ふじせの労働者が行っていた35名の学研の委託編集業務が打ち切りになったこと、その結果、東京ふじせ企画が倒産した経過は触れないわけにいきません。その経過を生み出したのは学研か、工藤ふじせ企画社長か、証言、証拠を普通に検討すれば答えは明瞭です。
 労組結成通告の直後、工藤ふじせ企画社長が興奮して、「この会社は学研の労組対策でできた会社であり、そこに組合など作ったら会社はつぶれるぞ」と述べ、その後学研に相談に行きます。組合結成の報告を受けた学研の黒川巌学習・科学編集局次長は、ふじせ企画(トンネル会社で社長の工藤は学研から請け負った業務を東京ふじせ企画に回して紹介料をとり東京ふじせの実権を握っている)と東京ふじせ企画(実際に学研の業務を行う労働者が存在)が登記上別法人であり、組合は東京ふじせ企画で結成された点を確認したうえで、組合問題については子会社(東京ふじせ企画)の須田の方で処理するように命じ、仮に子会社が処理を誤っても親会社が残れば学研は困らない旨話し、表向きふじせ企画が学研に業務を返上した形をとって東京ふじせ企画から学研の業務を引き上げることにしてショック療法で組合を解散させると工藤社長に伝えます。角宮科学編集部長は、学研は下請けに組合は認めない、組合のできた東京ふじせ企画は基本的に潰す、東京ふじせ労組は全学研労組と結び付く恐れがある、との考えを表明し、組合員と非組合員の名簿を出すように求めました。12月8日に「科学」「学習」の業務が引き上げられ、12月12日には最初のタイムリミットを過ぎても組合が解散に応じないので東京ふじせ企画社員が学研第2ビルに派遣されて行っていた「マイコーチ」の編集業務も含め全ての委託編集業務が総引き上げされます。この兵糧攻めで組合も解散するだろうと、12月19日を第2のタイムリミットとして、組合の解散確認書を黒川局次長のところへ届けるように、ふじせ企画役員を使って組合に要求しました。並行して、学研は、非組合員から東京ふじせ企画に対する辞表を出させ、今後組合活動をしない旨の誓約書を書かせ、また組合を脱退した者についても同様の扱いをする等の確認に基づき、非組合員への働きかけ、個別に組合員への脱退勧告を行うなどしました。組合が解散確認書を出すことを拒んで、組合を認め業務を元に戻すように要求したことを工藤から報告されると、黒川局次長は不渡りを出して東京ふじせ企画を倒産させるように工藤に迫ります。当時、100%学研からの委託編集業務で成り立っていた東京ふじせ企画は業務を打ち切られて、年が明けた1月20日、2度目の不渡りを出して倒産し、35名の労働者は組合員・非組合員ともに全員解雇となりました。
 概略、以上の経過につき、東京都労働委員会では、東京ふじせ企画労組員、工藤ふじせ企画社長、須田東京ふじせ企画社長、学研の黒川局次長、角宮部長ら、が証言し、また組合結成に至る前の全学研労組対策として導入されたふじせ企画と学研の関係につき全学研労組の仲間も証言を行いました。
 学研経営の側は、業務はふじせ企画工藤社長が一方的に返上したものである、というあり得ないストーリーをこしらえて、学研の組合潰しの事実を否定しました。
 さて、東京都労働委員会は、以上の事実経過につき、黒川局長が業務を引き上げる と述べたことだけは部分的に認定しましたが、それは「工藤社長が組合は過激で仕事を出来るような状況ではない」と言ったという学研の虚偽の主張に乗り、それでは業務を引き上げることとした、と工藤の業務返上意思が主導で学研がこれに応じたかのような扱いになっています。工藤社長が、須田東京ふじせ社長に「仕事は一応親会社のふじせ企画が返上した形をとるが実際は学研が引き上げるものである」と伝えたことも部分的に認定していますが、黒川局次長自身がそう述べたことを認定していないので、工藤が勝手に須田にそう言ったとも取れる記述になってしまっています。
 その他の部分では、都労委命令は、学研が主導的に組合潰しを行ったことを意図的に認定から排除し、学研を免罪する許し難い判断を行っています。それらは見え見えの状態で、ここまでやるか、という内容です。
 例えば、組合結成の報を受けた工藤社長が五反田事務所に駆けつけ、組合員に発した言葉「お前たち、こんなことをしてどうなると思っているんだ。会社はつぶれるぞ。本当だぞ。この会社は学研に組合ができたからできた会社なんだぞ。学研の社長命令でできた会社なんだぞ。」のうち、学研に関する言及の部分を意図的に削除して「お前たち、こんなことをしてどうなると思っているんだ。会社はつぶれるぞなどと言い」と記述しています。このようなやり方が続くのですが、この部分での立証は、現場に居合わせた組合員や、須田社長の証言以外にはあり得ません。審問できちんと証言が行われました。学研側からは「反証」の余地もないことです。この部分については実は、私たちが再審査を申し立てた中労委で工藤社長も自らの発言として認めているものです
「学研の労組対策としてのふじせ企画」という点はこの事件の最も重要な背景事実ですが、都労委命令の中には全く言及がありません。上のように意図的にそれを避けて
いるのです。派遣法制定と連動した政治的不当命令であることが明瞭に判ります。
 こんな認定をした命令なので、随所に矛盾や不自然が現れ、それはまた学研経営の取っている悪質な姿勢をも示すものとなっています。次回以降で、それらにも触れながら、
争議のその後の経過をお伝えしていきます。            (次回に続く)

<共闘報告>
10・25争団連統一行動 学研社前と合わせ、裁判所に対して経営の民事弾圧(仮処分・間接強制、損害賠償)に加担するような判決・命令を出すな、との抗議・申し入れ行動と裁判所前集会を開催しました。
11・15出労交秋季シンポジウムを開催
 「出版・報道の現場から撃ち破れ!秘密保護法−言論統制・監視国家化」と題して、
出版関連労組交流会議のシンポジウムを開催しました。政府・与党が翼賛野党も抱き込んで強行成立を図っている、特定秘密保護法につき、パネリストに、足立昌勝氏(関東学院大学法学部教授、治安国家化を鋭く批判・分析、共謀罪反対等を闘う)、田原 牧氏(東京新聞特報部デスク、「中東民衆革命」取材、反権力の報道等で活躍)、横田 一 氏(フリージャーナリスト 大手メディアが書けないルポ「東京電力の正体」著す)をお呼びし、内容の濃い提起をしていただき、充実した討論の場をもつことができました。11月21日には、争団連・地域共闘交流会の仲間と共に日比谷野音での大集会・デモに参加、反対の運動を闘っています。
南部労組にまた新加入  
ラベル剥離機を作成している(株)ユニック(品川区)で、会社の一方的な賃下げが
行われそうな状況を受けて、労働相談があり、4名の労働者が加入。11月22日の団交で会社に賃下げを行わないことを確認させました。
 昨年来の二葉、トラストパークに続き、新日東電化、HNC、ユニックなど新たな仲間が職場で頑張っています。すし京辰でも当該の事情kら自主退職となりましたが解雇を撤回させて解決しました。