12・21学研HD株主総会詳報
 学研経営陣、退場者まで出して
            質疑を打ち切り、大荒れ!
  
ごまかし答弁・不誠実回答・回答拒否などで悪質さ増す
 12月21日、学研ホールディングスの株主総会が学研本社で開催されました。私たちは先月号で掲載した質問書を事前に提出し、質問権を行使し、経営責任を追及しました。会場前でも朝ビラを配布、全都の多くの支援の仲間と共に経営陣が誠意ある回答を行うように求める情宣と抗議の行動を展開しました。
 しかし、学研経営陣は昨年にも増して悪質な総会運営を行い、腐敗の度を深めている姿を参加者の前にさらしたのでした。宮原社長(議長)は、終始、株主の発言を遮って妨害し、回答になっていない答弁への再質問を一切させず、質問を続けようとする株主を退場させる暴挙を行い、また、質疑内容でも肝心な点は答えず、学研の抱えている課題を改める姿勢を示さず、逆に問題を株主に押し隠し、居直ることに終始しました。
 今年の総会の焦点であった新規事業=高齢者福祉のココファンあすみが丘で劣悪な処遇や、居住者の方々から声が上がっていることさえ、何も問題は起きていないとの回答を行い、ふじせ争議については書面回答では経営の虚偽の説明を長々と読み上げた上、この件での質疑応答は、総会の目的事項ではないから一切受け付けないというアンフェア極まりない対応を取ってきました。
 このため、大荒れの騒然とした総会となりました。以下に総会の内容を質疑応答全てを紹介し、報告します(青の太ゴチックの文章部分は簡単なコメントです)。

 総会は、議決権行使書の確認、監査役報告、事業報告書読み上げおよび決議事項説明から行われ、書面質問への回答が中森常務から読み上げられました。
T 書面質問への回答 一部要約
<会社回答の書面化について>
 口頭での説明でも十分その内容をご理解いただけるので、書面での配布は必要ない、と考えている。
決算説明会について
主にアナリスト及び機関投資家を対象に決算発表直後の5月、11月の年2回開催。目的は当社の業績、経営方針、計画、財務状況等をご理解いただくことにある。
<新任の取締役候補者について>
 子どもたちの才能を発見し、伸ばすノウハウと働く女性としての感性や幅広い視点を経営に活かすことを期待し、社外取締役として同候補者の選任をお諮りするものであり、適正であると考えている。
<木村常務取締役の株主総会の回答について>
 木村常務取締役をはじめ役員一同、充分、説明義務を果たしていると考えている。
<教室事業のロイヤルティ及び月謝について>
 学研教室の指導者のロイヤルティは、教材の開発や指導面でのサポート、学研教室の宣伝費等、サービスの充実とブランドの構築に当てている。指導者の収入に占める割合は同業他社と比較して若干低い水準。具体的なロイヤルティ料率については、営業秘密情報でもあり、株主共同の利害を害する懸念があるので、回答は容赦を。また、本年4月より、中学コースの月謝改定を行い、会員様へのサービス向上を図ることにより、指導者の教室運営を支援する取り組みを行っている。
<高齢者福祉・子育て支援事業について>
 団塊の世代が高齢化していく今後、 特に首都圏で高齢者住宅が不足する。政府も昨年改正された高齢者住まい法で中堅所得層を対象にしたサービス付き高齢者住宅の整備を推進し始めている。このような環境の中、学研グループでは、サービス付き高齢者向け住宅=ココファンシリーズを、高齢者の方が平均的な年金収入の範囲内で介護が必要になっても、地域の中で安心して暮らしていくことができる賃貸住宅として今後も首都圏を中心に積極的に展開していく。特におたずねがあったココファンあすみが丘は、サービス付き高齢者住宅の建物、設備、およびサービスの基準条件を満たして、行政に登録している住宅であり、居住環境として劣悪な処遇ということはない。また、職員の労働条件に関しても、法定上の人員基準を遵守した配置をしており、これは当業界の平均水準以上の労働条件となっている。退職者は数名出ているが、労働環境に起因しているものではない。学研ココファンでは正社員登用を進めるなど社員の処遇向上に取り組んでおり、あすみが丘を含め、業界水準を大きく下回る離職率となっている。サービス提供上のご意見や苦情については、苦情対応委員会を事業所内に設置し、定期的に開催することにより、介護サービスの品質向上に取り組んでいる。また、入居率は現在、70%以上であり、約80名の方にご入居いただいている。
<ココファンあすみが丘の年金ファンドへの売却について>
守秘義務があり、詳細についてはご説明しかねるが、現在、契約内容など最終段階の詰めを行っている。なお、将来、売却が行われることになっても、学研ココファンが従来どおりあすみが丘の経営を続けることに変わりはないので、ご安心を。また、ユウミーケアに関しては理念やコンセプトを共有できる企業であり、学研グループに加わっていただくことにより、相互にシナジーがあると判断し、株式を取得している。
<「プロメテウスの罠」の発刊経緯について>
 通常の発刊経緯と特段変わった点はない。昨年10月に朝日新聞紙上で連載が始まってまもなく、連載に目をとめた学研パブリッシングの担当編集者が、朝日新聞報道局と交渉し、発行許諾を得た。また、この担当編集者が福島県出身者であり、情熱的に書籍化を働きかけたことが発行許諾を得られた大きな要素となったことは本書の後書きにも触れられている。 
<社内の士気について>
ご指摘の記事を全体として検討いただければ、社員の士気を鼓舞・激励する意味の記事であることを理解いただけるものと考えている。また、粉飾決算のような事実は全くない。
<出版事業の営業利益の内訳について>
 当社はセグメント情報の開示に関する会計基準が平成22年4月1日以降、開始する事業年度から適用することに伴い、平成22年9月期に従来のセグメントを変更した。この会計基準では国際会計基準で採用されているマネジメントアプローチが導入されており、当社グループにおいては子会社単位別セグメントに修正した。このため、出版関係については公表する事業セグメントを出版事業に一本化した。従前のセグメントである「学び・児童出版事業」は平成23年4月期、5億4千万円の黒字、平成24年4月期、3億9千万円の黒字、「暮らし・教養・エンタメ出版事業」は、平成23年9月期、4億7千万円の黒字、平成24年9月期、6億4千万円の黒字となっている。また、「暮らし・教養・エンタメ出版事業」のうち、ヒットムック3点の損益は平成23年9月期は売上高22億円、営業利益7億8千万円、平成24年9月期は売上高11億円、営業利益6億3千万円となっている。
<特別利益・特別損失について>
 固定資産売却益は、連結子会社である学研ココファンホールディングスが高齢者住宅建設のため保有していた土地を大田区からの購入希望に応じて譲渡したことにより発生したもの。投資有価証券評価損は当社が保有しています印刷、製紙関係取引先関係株式の時価下落により発生したもの。個別の銘柄は取引先との関係もあるので非開示。
<保有する自己株式の処分について>
 いくつかの方法について検討中だが、現在、現状で決定しているものはない。
<労働法制改定に伴う当社の雇用について>
 法律を遵守し、労働者を適材適所で採用・配置していく。
<グループ会社のうち、一部の会社で導入しているキャリアスタッフ制度について>
 第1回の締め切りでは応募した社員数は10名であり、応募率は18%。
<東京ふじせ企画労働組合との紛争を解決すべきではないか、との質問について>
 いつもの文書読み上げ。取引先の一子会社が倒産したことに伴い、同労組が根拠のない主張で、当社に団交に応じろと言い、当社への悪宣伝を吹聴するなどして名誉・信用を毀損し営業を妨害している。法的に決着がついており、団交に応じるつもりはない。
   毎年、全く同じ文面を読み上げていますが、学研が組合潰しのために業務総引き上げ=倒産・解雇攻撃を仕掛けて引き起こされた争議の本質を歪曲し、組合の行動につき事実無根の誹謗・中傷を行っているのは学研経営の方です。今年は以下の回答が加わりました。
 何故東京ふじせが倒産したのか、知る由もない。東京ふじせ企画労働組合との紛争に関する質問は当総会の目的事項に関連しないものなので、本総会においてはご質問があっても回答しない。
 (場内から、「何を言ってるんだ」「書面で回答しておいて・・」「今まで回答していたじゃないか」「関係ないというならそういうこと(文書読み上げ)言えるのか」等の声)

U、質疑・応答
 なるべく多くの株主様からご発言を受けたいので、お一人様、2問とする、と宮原社長が前置き。
    だが、社長は、後に挙手している株主がいても総会を打ち切りました!
 2問の質問をはじめに行なったら、席に戻ってください、との指示。
   事実上の回答拒否、無内容な回答、事実に反する回答への再質問を行わせない姿勢が露骨です。
 
株主A 2点、質問しますが、その前に意見と要望ということで是非、お願いしたいことがあります。ただいまの回答にありましたけれど、具体的に断られた詳細な内容には答えない、あるいは学研側の方で総会に関連しないと判断する事柄には答えないと言いながら、実に最後のふじせ企画労組の件については、時間を取って延々と読み上げていましたが、私の知る限り事実に反している、こういうような学研の恣意的な総会運営については強く抗議したいと思います。
   宮原社長  「質問をお願いできますか?」と妨害
株主A  ちょっとお待ちください。書面による質問については回答の書面での配布を求めてきました。先ほどの回答の中で、口頭だけで判るとおっしゃっていましたが、さっぱり判りません。どんな質問があり、どんな回答なのか・・
   宮原社長  「簡潔に質問をしていただけますか?」と妨害。
株主A   きちんと書類で示していただきたい。先ほどのような極めて運用が偏ったような回答については抗議をすると同時に・・・
    宮原社長  「ご質問をお願いできますか」と妨害 
   (「宮原さん、株主の意見を聞きなさい」と抗議の声)
株主A  わからないんですよ。回答が、一方的であると、今日、配布されている資料ですよね。それは学研側が示しているものです、株主に対して。
    宮原社長 「書面での回答はもう終わっていることですので・・ 質問してください。」と執拗に妨害。
株主A   しかし、質問している株主に対して極めてないがしろに勝手に回答されている、これはバランスが悪いですよね。
   宮原社長  「質問がないのでしたら席へお戻りください」
株主A   質問あります。ただ、この抗議についてきちんと受け止めていただきたいのです。言ってる内容について無視せずに。
    宮原社長   「書面でお答えしたとおりです。」と無視、居直りの態度
株主A   ですから意見を言っているのですよ。
    宮原社長  質問ないようでしたら、他の株主様が質問をしていただけますか
    (「議長、うるさい」と抗議の声。)
株主A   意見を言っているのです。まず最初に学研側の姿勢について質したいということです。そうでなければ、今日のこの総会自体が有効に運用されない、と思うからこそ言っているわけです。是非、受け止めていただきたい。
    宮原社長   早く質問をお願いできますか?
   (「宮原さん、変わったね、去年と」と抗議の声)
宮原社長   他の株主様
   (「態度悪いぞ」と抗議)
株主A   先ほどの回答についてですけど、決算説明会、この株主総会の直前に開催されている、そのことについて一般株主への通知がないまま開催されていると思うのですが、このことについて先ほど説明されている内容では納得ができない、この株主総会自体をもっと開いて、これまでも申しましたが、マスコミの取材等も受け入れながら開催する、こういうことについて何故できないのでしょうか?この株主総会は最高の決議の場です。ここで全てが明らかにされ、ここで十全な回答がされるべき、社会的にも知らしめるべき、というふうに思っています。これについて再度、考えをうかがいたい、株主総会を軽視する、ないがしろにし、やり過ごす、という姿勢に通じてはいませんか?私たち株主の存在を軽視していませんか?
 2点目です。2号議案ですが、先ほど社外取締役として選任を諮るということですが、この方は「学研・城戸真亜子アートスクール」を主宰されているということで、これは子会社ではないにしても、関連する学研の事業全体に関与している立場にある方だと理解しています。社外取締役はいうまでもなく、ビラにも書かれていますが、社内取締役の方が、ともするとこれは実際あったことですが、企業の内部的な組織論理や利害を優先してしまうことがある。そのようなことのないように、企業を社会的にも評価される方向に開いて運営するための役割を担うということです。議案書にもあります「働く女性としての感性」、そういうものを含めて経営に有効に反映させていきたいということなんですけれど、この学研の中で具体的に、たとえば、東北ベストスタディにおけるレイプ事件、告訴事件にまで発展しましたけれど、こういう働く女性の権利・・ 
    宮原社長   あの2問ということですので
株主A  権利について、果たして女性の立場からいかんなく力を発揮していただけるのか、そのことについても回答をいただきたい。
木村常務   最初のご質問ですが、決算説明会が株主総会を形骸化させるという趣旨の質問でしたが、書面質問への回答でお答えしたとおり、決算説明会というのはアナリストとか証券会社、そういった株主とは関係のない方を対象として当社の決算内容とか今後の計画とかをご理解いただくために開催するもので株主総会の内容とは全く異なっています。これは上場会社では一般的に行っておりますので、形骸化というご指摘は当たらない、と考えています。
   (「どっちを重視しているんだ」の声)
 2点目の城戸取締役候補者について、取引関係にあることについて問題ではないか、という趣旨の質問でしたが、城戸さんがされてます学研・城戸真亜子アートスクール、これはあの、学研とのグループ取引がありますが非常に少ない金額の取引もありまして、東京証券取引所におきまして独立の役員の要件を満たしております。選任することについては全く問題がない、と考えています。
   (「利害関係があるじゃないか」の声)
宮原社長  学研商品は女性が選ぶ商品が多数あります。20代については90%、30代に関しても6〜70%が女性の社員です。ですから女性の視点という面を経営に活かしていきたい、という強い意思がありますので、ご了解いただきたい。
(株主A 「では、起こってならない事件について、きちんと解決してください」、「それだったら、責任をもった取締役にしなさいよ」、「利害関係があるということじゃないの」の声)
株主B   この会社を良い会社にしたい、という立場から質問します。良い会社というのは、株主として誇れる会社ということで、株価や配当が上がる、ということは二の次、三の次であって、誇れる会社、そういう意味で質問したいと思います。沢山あるんですが、2〜3問に絞ります。
   宮原社長  2問でお願いします。

株主B  城戸真亜子さんについて、法に触れてないということですけれど、原発も二つ最高裁で法に触れていないということでイエスになっているんですよね。そのように法に触れてないから、いいんだというのは間違いです。41頁を見てください。社外の特別委員会のところですが、1のAのところを見てください。@に該当する近親等、親族を有しないもの、時間がありませんので簡単にしますけど、要は甥や姪が学研に勤めていれば、特別委員になれないんですよ。判りますか、学研の資料でね。ですから城戸真亜子さんが学研という名前をしょってアートスクールをやっているわけだから、利害が一致しているわけです。そういう人を社外の取締役として採用することは、絶対、触れますよ、これ。当然でしょ、利害を共にしているわけですから。事前に調べたかもしれないけれど、法に触れないからということで、よいと言うのは間違いだというのが一つ。二つめの質問ですけれど、彼女は能力がない、と言い切ります。何故、能力がないか、簡単に言えば、彼女は武蔵美出て、タレントやってますね。例えば海ほたるに彼女の壁画がありますけれど、見に行かれれば分かりますけれど、綺麗かもしれないけれど、そこに哲学とか思想とか、そういうものが全くないんですね。だから、利益追求団体である株式会社のことをチェックなんかできない、そういう能力がない。例えば本を8冊出していますけれど、たまたま調べた範囲ですけれど、いわゆる簡単なエッセイ、日記の延長みたいなものです。ペンクラブの会員なんかなれないし、なろうともしないと思います。そういう人が能力がある、ということは絶対ないですね。これ間違いないです、それで、社外取締役の場合は現に公認会計士の人とか、弁護士の人とか、そういう武器がある人を入れているんです。分かりますか、その武器、資格が殆ど能力とニアリーイコールなんです。ですから脛に傷を持つ企業は最高検の長官を入れているんです、社外取締役に。これは問題をもみ消すために、最高検の、あるいは警察庁の長官入れている企業があります。そういう能力で残念ながら社外取締役は採用されていくんです。城戸真亜子さんには、そういうものはない、武蔵美出て、タレントやって・・・
   宮原社長   「ご意見ですか、ご質問・・・」と妨害。
株主B   能力がないし、それに代わって誰が良いかと言ったら、簡単に言えば、女性社員を登用すべきですよ。ね、そこにいるのずらっと男でしょう。あなたが言ったように女の人は半分いるわけですから、世界に。半分のうち、一人もいない、というのは反省すべきですよ。20代、30代の人が入って来ても、それを教育できない、それに見合う企業でない、ということが問題なんです。最後にこれで終わりますけれど、たとえばソニーの大賀さんは芸大出ていますよね。彼は芸大出て音楽の方ですけれど、
   宮原社長   「簡潔にお願いします」と妨害。
株主B   そういう能力があったから、社長ができましたけれど、そういう人がいないわけでしょう、学研は。会社にそういう魅力がないからですよ。たとえば樋口恵子さんだって昔は勤めていた、活かせない、これは学研のために言ってるんですよ、以上です。
木村常務取締役   一部、不明のところもありますが、最初のご質問は城戸取締役候補者の独立性についての質問かと思います。最初の株主様の質問と同じ主旨と思いますが、そもそも社外取締役の要件というのは、当社の役職員で過去にあったかどうか、というのがポイントです。城戸さんは当社の役職員だったことはありません。また、ご指摘の近親の親族を有しない者というのとはまた違いまして、取引関係があったから近親と同じだということは全く当たらないと考えています。先ほど、法に触れない云々、という話がありましたが、法に触れないとは申し上げていません。東京証券取引所が定める独立性要件に反しないということを言っただけです。続いて、能力の問題を縷々おっしゃっていましたが、これは全く見解の相違としか申し上げられません。以上です。
       (「利害関係は?」の声)
   招集通知には、「各候補者と当社との間には、いずれも特別の利害関係はありません」と記載されていますが、城戸さんと学研に利害関係があるのは明らかです。質疑応答全体を通じて、この株主総会の決議が有効とは言えない総会運営ですが、城戸さんは社外取締役に選出されたと仮定して、ご本人に訴えたいです。株主の方から作品評価や役員としての力につき、厳しい意見が出されていましたが、利害関係の点から適格性を欠くということが私たち労組関係者の共通認識です。しかし、社外取締役を引き受けられる以上は、今の学研の問題体質のひどさに対して目をそらさず、それを変えるべく、力を発揮する責務に応えてほしいものだと考えます。
宮原社長  先ほどの質問につき、子会社のところで女性の取締役も1名、います。(会場内、爆笑。「アリバイ的に言ってるのじゃない」の声)。また城戸様につきましては壁画とか、そういうものだけでなく、個展を含めて、それと共に子どもたちに接する部分というのは、ほんとうに子どもたちの能力を引き出すような発言とかコメントというのをしっかりやられている方です。ですので、我々として、そういうふうには全く考えていません。ご了解ください。
      (「納得できない」の声)
株主C ステークホルダーの中で、株主、利用者、などと同時に従業員、働く者の視点ということもあるという立場からの質問をさせていただきます。先ほどから法令遵守ということを言われていました。法令はたびたび変わるもので、法令にも問題はありますが、 既にご案内のとおり、今年、従業員の働き方に関して3つの法律が改正され、来年4月からの施行あるいは現在運用されています。十分にご存じかと思いますが労働者派遣法の改正、高齢者雇用安定法の改正、障害者雇用安定法改正がありました。こうしたものに対して、企業がヴィヴィッドに対応していくことが必要だと考えています。御社の報告を見て、ホールディングスとしては社員が40名、グループとして約2000名、と書かれています。この数字が事実と合っているか、あるいはどういう範囲かは一応別として、その上で御社の方針の中で先ほどの書面でも質問がありましたが、キャリアスタッフ制度というのを採ってらっしゃる企業があって、それはご説明によると55歳で選択をして、65歳まで雇用される方は労働条件をこういうふうに変える、ということで先ほど応募者が10名とのことでした。それが18%ということですから、対象者全体で56名おられる計算になります。56名のうち10名しか応募しなかったということで、キャリアスタッフ制度の企画の脆弱さがあったと思いますが、それ以上にこれは二つの問題を孕んでいます。一つは55歳で労働条件を下げることが、不利益変更に当たらないだろうか、ということです。最高裁のみちのく銀行事件の判例は、大きな変更を強行するというのは問題だ、相当性がない、というものです。御社の変更の内容について疑問があります。それから先ほど案内しましたように高齢者雇用安定法は、60歳から65歳まで、これは年金の支給年度に合わせていますが、希望者全員を原則として雇用するという改正です。4月1日施行です。そうすると、キャリアスタッフに応じていない、46名の方が60歳になって雇用継続を希望すれば、当然応じることになりますよね?応じざるをえなくなります。その際のことについて、今のところ全く説明がないわけですけれど、これがキャリアスタッフ制度を選ばなくても、60歳まで現行の労働条件で働いて、60歳から高齢者雇用安定法に基づく希望をすればよいわけですから、このキャリアスタッフ制度は内容的にも本年の4月から意味がなくなるだろう、ということになります。質問は、キャリアスタッフの適用状況と希望者の処遇をどうするおつもりか、ということが一点、もう一つは障害者雇用安定法、ご存じのように1・8%から2・0%への法令遵守が定められました。御社の現在の障害者雇用の状況、並びにパーセンテージ、、これにつき数字を説明いただきたい。他にも質問したい点ありますが、いずれにしても従業員の立場に立った、働く者の立場にたった回答を心からお願いしたいと思います。
木村常務取締役    最初の質問はグループ会社の一部で運営しているキャリアスタッフ制度、これが10名の応募に対して18%、この数字自体が問題ではないか、加えて60歳以上が希望すれば全員が65歳まで雇用される新しい法の主旨に反するのではないか、ということでよいですか。最初の質問ですが、キャリアスタッフ制度を導入しまして、ただ、どうしますか、と本人に聞く制度ではございません。事前に集まっていただき、それぞれの家族構成、貯蓄の状況、今後の計画、これらを専門家を入れまして、今後の生活について、ご自分で設計していただく中で55歳からのキャリアスタッフ制度に応じるのか、60歳で定年退職をして次の道を選ぶのか、これを選択していただくことになっています。充分、検討した上で、このような数字になっていますので、これが高いか低いかというのは、まだ最初ですので一概には言えないところがある、と考えています。キャリアスタッフ制度に応募しなかった社員は60歳で定年退職になりますが、これは先ほどおっしゃった法の60歳以上の雇用希望者には全員雇用するという主旨に反するのではないか、という指摘ですが、先ほど申し上げたように、本人が60歳で退職するという意思を示していますので、希望者全員とはそもそも違いますので、主旨に反するということではないと考えています。
    学研が強行に導入した55歳からの選択定年制が、65歳まで安定した雇用を求める学研の中高年労働者に対して、どちらを採っても不利益な選択を強いるものでしかないことは社員が皆、知っています。1年契約でのキャリアスタッフに応じた人が10名しかいなかったのも、(応募した人の内心を含めて)事情が分かります。
古岡秀樹取締役(CSR促進担当) 学習研究社時代には法定雇用について100%実施しておりましたけれど、ホールディングス化に伴い各社での雇用努力が必要になりました。来春から2%になる法定雇用率の達成状況に関しましては各社ごとに進めると思います。そこでグループ戦略の一環として本年の6月25日に障害者の雇用促進を目的とした学研スマイルハートを設立いたしました。また本年の10月29日、このスマイルハートに関しては特例子会社の認定を受けています。現在7名の障害者の方が勤務しています。これによって現在の法定雇用については100%、また来年に関しましてはこれから成長していく各種の事業がありますので、今後も積極的に障害者の採用を推進していく所存です。
株主D   先ほどの書面回答の中で、ココファンあすみが丘について触れていましたが、実情とあまりにも違う回答で、特に居住環境が劣悪ではない、特にサービス提供上、問題はない、との回答ですが、私はたまたま千葉に住んでいます。あすみが丘は千葉市の中にありますので、いろいろ耳に入って来るんですね。大変大きな問題だと思うんですけど、居住者のかなりの数の方が、千葉市の担当関係者、千葉市議会、そういうところに手紙を出しまして、これは事実だと思うんですけど、秋には千葉市の方からココファンに監査が入っています。そういう話があるので、実情とあまりにも違う回答だったので、その関係で質問をさせていただきたい。たとえば、ここに学研ココファンの誓い、という文章があります。総会はじまる前に写していたところにいろいろ出ていましたけれど、学研の全体のイメージというこおなんですけど、「いつでも安心して暮らせるココファンのある街、」「高齢者が安心して暮らせるサービスの提供」「尊厳を守り、一人ひとりの身体がよい状態に使うことを考える」、「そこで暮らせる人のふれあいを通じ学ぶ心を育てる」、こういうことがずっと書いてあるんですけど、入居者向けに営業的な面もあると思うんで、これが100%あると入居する方は思っていないと思いますが、ただし、学研というブランドがありますので、これはすばらしいところじゃないかと考え入っていらっしゃるんですね。ところが入居してみて、隣近所の部屋の人にご挨拶に行こうとすると、それはしてはいけない、と言われるんですね。我々がアパートやマンションに入った場合、こういうことをするのは当然の義務というか、それを何故、禁止するのかよく分かりませんが、人権侵害みたいで一種の人権問題になるのではないかなと、そちらの方では守秘義務とか、そういう個人情報保護とかを建前にしていらっしゃるのでしょうが、居住者の方にして見れば、これからの残り短い後半生を過ごす、日常的に顔を合わせるのですが名前も分からない、挨拶をしてはいけない、などと言われたら、これは本当に辛い、たまらないと思います。
    宮原社長   長くなっていますので・・・

株主D    さっきの回答が何もそういうことに触れていないし、ちょっと言わせてくださいよ。食べ物も非常に粗悪でね、そのへんのコンビニで買ってきたものをレンジで暖めたようなものが出てくる、と。おかずの品数も少なくなって身体が弱って亡くなられる方が、このわずか2年間に結構出ているんですよ、自分の部屋から飛び降り自殺された方が3月に出ました。こういうなことで、これはある意味で学研ブランドを、非常に悪いイメージとして地域に広めるわけです。ですから、近隣の方は入ってこない、というのが現状だそうです。先ほど、70%とかって稼働率をおっしゃいましたが、到底、信じられないですね。はっきり言って。質問は、ココファンの小早川さんとかに答えていただきたいんですけれど、学研ブランドをぼろぼろにするような事態が起きているときに、それへの反省が見られないんですね。単にあすみが丘だけの問題でなく、学研全体の問題として考えてほしい。 こういう状況はまだあるんですよ、今後、どう対処されるのか、それから宮原さんに答えていただきたいのは、こういう状況が今はまだそれほど増えていませんが、これから60棟なりにこれから数年で増やす、展開するということがまあ、書かれていますけれど、こういう問題を一つひとつ解決していかないと、非常にマイナスな先行投資になる恐れがあるんじゃないですか?そのことをどう解釈するのかお答えください。
小早川執行役員   ココファンあすみが丘の運営の実態についてのご質問ですが、書面で回答したとおりが事実であります。いくつかご質問ありましたので、それにつきましてお答えします。まず、行政からの監査に関してですが、正確に言いますと監査でなく実地指導と言いまして、これは介護保険ビジネスをやっている事業者には定期的に行政が打ち合わせに入るもので、特に運営実態に起因したものではありません。また、食事に関してですが、常日頃より居住者さまからアンケートを取りまして、それに基づいて日々改善をくり返してきています。ただ、多くの方がお食事を召し上がられますので、あるいは出身地などによって味付けの好みなどが違うのが事実です。こういった嗜好なども加味しながら郷土料理などもメニューに入れながら、入居者の方に食事に関しましても満足していただけるように努力しているところです。お亡くなりになったという質問ですが、どうしても平均年齢80歳以上の方が最期まで終の住まいとして選択いただける場所ですので、ご逝去したりするケースはございます。現にあすみが丘でも何人かの方が逝去されたという事実はございます。運営実態に関しましては、説明は以上です。
宮原社長   私からは品質のことを問われたと思いますので、やはり、ご指摘のとおり、量を拡大していくと質の低下というものはどうしても免れないことがありますので、会社としてはそれに一番注力しています。やはり、これから人材の確保とか正社員への登用とか、いろんな意味での研修を含めて、量が拡大しても品質は維持できることを一番重きを置きながら、成長産業として伸ばしていきたいと考えています。
株主E   いまの関連でまず質問したいと思っています。今日、私たちが会場の前で配りましたけれど、「ココファンあすみが丘の経営実態と問題点」ということで居住者の方が問題を指摘した文書があります。会社の方の説明とは違って、非常に劣悪な実態で、この方の言い方によれば悪徳商法と言われてもしょうがない、学研の企業体質も反映しているのではないか、と、こういったことにより実際に亡くなったかたも増えている、これについて改善を求めるということで意見書なんかも出て、直接、会社の方にも書面で随分出されている、ということなんですので、それが改善されていない、ということは問題があまりも大きいのではないかと思います。居住者の方たちはココファンではなく、「ここ不安」だと言っている、そんな声も聞かれるような状態になっているわけで、先ほどの質問でいうと、ココファンはあすみが丘に関しては稼働率が70%とか、平均だったのかはっきりしなかったんですね。ですけど、50%というふうに聞いています。
    宮原社長   「質問を」とまた妨害
株主E    ですから、この50%という中で、他のところより悪いということであれば特別な理由があるだろうと思いますし、そのへんの説明は曖昧だったので、それをお聞きしたいと思っているのですけれど、それに関連して質問します。ココファンの稼働率が安定しているということを理由にして年金ファンドへの売却の話というのがされたと聞いています。高齢者住宅新聞というところに小早川社長が記事を載せています。安定稼働ということを根拠にして年金ファンドへの売却を今年の5月に発表したわけです。10月には売るという話だったのが、先ほどの話だと煮詰まってもうすぐだとの説明だったのですが、ほんとうにそうなのか、売却がデッドロックに乗り上げているのではないか、こういう問題が起こっているから、取りやめているんじゃないか、あるいは稼働率が悪いから乗り上げているんじゃないか、と思っています。労働条件の問題も先ほど、非正規の問題が出されていましたが、広告チラシなんか見ると、月給17万から20万弱くらいで、手取りはもっと少ないと思うんですけど、募集しています。平均を満たしていると言えるのか、実際の労働強化の問題を含めて考えると、果たしてどうかと思うんですけど、まずは劣悪な実態を改めて稼働率を改善して、売却するということがどういう意味を持っているのか、とにかく売却についてお聞きしたい、それでこの売却の話は住人の方々には説明もされてないようですね。そういった点でも利用者を無視している、高齢者をないがしろにしてやっているんではないかな、と感じていますので、その売却の件についてお聞きしたい。 
宮原社長  では回答に移らせていただいていいですか、年金ファンドへの売却の件と労働実態、ということで。
株主E   2点目があります。労働実態の件はいいです、売却の件を質問の一点目とします。その後で2点目の質問でよいですか。
宮原社長  では、もう一点の質問をどうぞ。簡潔にお願いします。
株主E  毎回、簡潔に聞いているのですが、東京ふじせ企画労組との労働争議についてということで、
宮原社長   その質問は、先ほど書面で
株主E   ですから、聞きました。書面の回答によると核心をいつもそらしているんですよ。東京ふじせ企画労組が根拠のない理由をもって、会社に対して使用者性があるんだ、と。根拠無くこういう行動やっている、と 
宮原社長   その質問は目的事項に関係ありません
株主E    それは全く違うでしょ。核心をはずしていませんか。東京ふじせが倒産したということについて、その責任を私たちはまず問うているのです。裁判の中では使用者性の問題ももちろん争って来ましたが
宮原社長   最高裁判所で当社が勝訴している問題でして
株主E    別の裁判の判決も出てるじゃないですか。そういう問題じゃなくて、「何故東京ふじせ が倒産したのか、知る由もない」などと、よくもそんなとぼけた答えができますね。
宮原社長   言いたいことはあると思いますが、ここはそういう場ではありませんので
株主E    学研が業務を引き上げて倒産させたんでしょう?組合員だけじゃないんですよ。非組合員も含めて倒産で生活を破壊されたんですよ、不当労働行為の範囲を超えて、これは全従業員の生活問題ですよ。
     (宮原社長 席にお戻りください、と発言妨害。ガードマンも周りを取り囲み威圧。)
     (「実際の問題があるからですよ、ちゃんと聞きなさい」と抗議の声)
株主E     回答もしないというのはおかしいでしょ。
     (「重大な事実誤認があるのだから意見くらいは最低、聞きなさいよ」の声)
自分たちだけ、説明だけ一方的にして、言わせないのはおかしいでしょ。
     (宮原社長 「席にお戻りください」と執拗に発言妨害。会場内から、会社の運営に「一方的じゃないか」「  恣意的運用だ」等々の抗議の声が次々と上がる)
株主E  あなたたちは答えたくないでしょう、答えられないから。都合がわるいから、答えなくてもいいけど、こちらの説明もさせてくださいよ。
     (「質問権を侵害するな」という声)
    学研が組合を潰す目的で委託業務を総引き上げし、東京ふじせ企画を倒産に追い込んだ経緯と東京ふじせ企画の労働者が、学研に派遣されて学研管理職の指揮・命令の下で働いていた使用者実態につき、事実に即して説明をせよ、と求めても、会社は何も答えようとせず、逃げ回っているのです。
小早川執行役員   あすみが丘は、現在、65戸の入居がありまして、70%以上の入居率です。稼働率という言い方もしますが。年金ファンドへの売却に関しては、書面でも回答しましたとおり、最終的な契約の内容についての詰めを行っているところでございます。また、売却の時期に関しましても、市場の状況が一番よいところでで売却することが株主様にとってもメリットをもたらすと考えていますので、時期につきましても調整しているところです。以上でご回答申し上げます。
株主E   居住者の方への説明はされたんですか?さっき、聞いたんですけれど。
     宮原社長   これを無視して、「次の方、ご質問を」と逃げる。
   (「まだ、答えていないじゃないですか」「答えようとしていたのに」「横暴だぞ」「回答漏れだぞ」等々の声で場  内騒然)
株主E    社長、 小早川さんに答えさせてくださいよ。せっかく答えようとされているんだから
   (「あなたが遮ることはないでしょ」と抗議の声)
    居住者の方によると説明はないそうです。また稼働率は、会社が12年5月に行ったアナリスト向けの決算説明会資料で66%とされて、この時期、同時に売却が発表されています。他のココファンには100%の記載なども見られ、外向けの数字と思われますが、居住者の方の方が実態を知っており、それによれば50%程度ということです。千葉市の監査についても言い逃れ、居住者の方の文書が、学研の「あすみが丘には何も問題はない、起きていない」という嘘を明確に暴いています。パルスバックナンバーでも紹介している居住者の声を参照してください。
株主F   いま、いろんな方から、今、小早川さんに答えて欲しいという声が上がっているんで、先にやってください。
     (宮原社長  「出席番号とお名前をどうぞ」と逃げる)
私も落ち着いて質問できないので。
     (宮原社長  「出席番号とお名前をどうぞ」と威圧する)
株主F   答えないのですか。先ほど、質問書に対する回答をよく聞いていたのですけど、私が聞き取れなかったのか、答えていなかったのか、業績が回復しているのに、学研社員の士気が上がっていないことへの回答みたいで、私は一所懸命きいていたんですけど、こういう質問があったという所は分かったんですけれど、これに対する答えはどうだったんですか?たぶん、私だけでなく他の人も分からなかったんじゃないか、と思うので、もう一度はっきり回答願いたいということと、私自身はどう考えても学研社員の士気があがらないという理由というのは、会社の労務政策にあるんじゃないか、会社にとって人材が命と言われていたと思うんですけれど、労働者が働きやすい労働環境を積極的に作っていく労務政策を採っているのかどうか、あるいは労働条件を積極的にも改善していくような労務政策を採っているのかどうか、いうあたりが、この問題の大きな理由ではないか、と思っています。昨年の株主総会では、確か、木村常務が学研メディカル秀潤社というところで、会社によるパワハラ・退職強要があって、そこで働く女性労働者が鬱病に追い込まれる、という問題があった、この問題につき出版労連という組合と話し合った、
     (宮原社長   「ご質問は・・」と発言妨害)
簡潔にします。そういうことを木村常務が言っていたと思いますが、それに続いて今年の3月、今度は学研マーケティングで女性の契約労働者が、過酷な労働を強いられ、何か新潟県下に百校以上ある高等学校への図書販売を一人でやって、その上、業務報告書になんくせを付けて、昨年、そういうことがあったにもかかわらず、また今年、学研マーケティングで女性労働者、契約労働者を解雇する、という問題が起きて、この労働者が異議申立をしているということがあると思うんです。人材は宝だ、命だ、と言いながら、労働者をこういう扱いにする、これは氷山の一角だと思うんですよ。そういう労務政策を採っているから社内の士気が上がらないのではないか、と私は思うんですが、違いますか?学研マーケティングでの解雇問題、その後、どうなっているかということも明らかにしてもらいたい、社長には是非、そういう労務政策を改める、ということを約束していただきたい。
中森常務 社内報に書かれていた記事に対する書面回答の内容が聞き取れなかったということなので、改めて述べさせていただきます。社内の士気についてのお尋ねですが、ご指摘の記事を全体としてご覧いただければ、社員を鼓舞する、激励するという内容の記事であることをご理解いただけると考えております、と申し上げました。内容のとおりでございます。
     (「回答になってないでしょう」「どういう理由があるのかを・・」会場内から口々に抗議の声)
宮原社長   たぶん、社内報を読まれてのことと思いますが、社内に向けてと社外に向けての発言というのは違いますし、社員の皆様に対してはどちらかというと叱咤激励というか、もっと上をめざして欲しいという形で発言しております。ですから士気が下がっていると嘆くよりも、思っているとおりの活躍をしていただいていると思っていますし、それ以上も一方では求めていくのが社内報の役割だと思っていますので、そういう書き方をさせていただいています。
     (「書き方ではなく、実態の問題ですよ」の声)
   社内報の記事を読めば、業績回復しているのに士気が上がっていないと吐露しているのは明らか。社長が言うような自信が持てない、ということでなく、犠牲強要の労務政策が、そうさせているのです。本質的に会社の問題体質が変わってないと社員が感じています。このかんの社内からの告発の手紙によっても、サービス残業を強要し、パワハラ・セクハラが横行し、隠し倉庫を使うなどの売上げの粉飾に社員を動員し、その責任は下に押しつけるなどで、「士気は当然低下する」という訴えがされています。
木村常務    社内の士気が下がっているのではないか、と、それに対する労働環境の整備が必要なのではないか、というようなご質問、それからメディカル秀潤社と出版労連に関する質問について、お答えします。まず、社員の士気について、役員一同思っていますが、ここ数年来、社員の士気は上がっているんだ、と判断しております。労働環境の整備につきましては、ご指摘のとおり、改善する必要はございます。当社の会社の主力の社員で構成されている全学研従業員組合と充分話し合って整備を進めていきたいと考えています。メディカル秀潤社についての昨年の私の回答については大変申し訳ございません、記憶にないのでございますが、出版労連との話合いは既に解決したと聞いています。
     (「答えてない」「先ほどの東北ベストスタディの件もどうなったのか」等の声)
堀取締役   学研マーケティングに関してですが、新潟県の学校訪問の業務を受託している契約者の方が契約を履行していない、ということで契約解除をいたしました。当然、社員ではございませんので、解雇ということではございません。債務不履行という形での契約解除でございます。
    (「そういうのを解雇というんですよ」の声)
 新潟県労連ユニオンとの話合いを行っておりますが、10月に3回目の交渉を行いました。現在、文書のやりとり、という形で交渉を続けています。いずれにしましても円満解決を望んでおります。
    (株主F「毎年、毎年、そういう問題が起こるというのは、どういうことなのか・・・」と聞くが、会社は答えず。「答えてください」の声上がる)
   未だに争議責任を認めていない経営の姿勢で紛争が長引きつつある状態なのです。
株主G   2つ質問があります。一つ目は招集通知にある「反社会的勢力」の記述についてです。前回の株主総会でも質問をしたところなんですが、いわばこの「反社会的勢力」というのは警察用語で、このような指導が強力に警察庁の側からなされている中で、学研がこれを受け入れている、という状況だと思いますけれど、少なくとも出版の事業というのは権力からの独立なり、権力からの介入を排する、そこに矜持と主体性があると考えていますが、そのような警察庁の警察用語をそのまま使ったような「反社会的勢力」、警察が考えるところでは、まあ、良い悪いは別にして暴力団とか、あるいはかつての社会主義者、共産主義者、無政府主義者、あるいは権力に対して批判をする勢力、そのような人たちを含めて「反社会的勢力」と規定しているわけですから、このような項目を掲げることについてはやめてもらいたい、ということを述べた上で質問です。今まで、このような警察がいうところの「反社会的勢力」からの不当な要求を受けたケースが何件あるのか、具体的内容はどういうところにあるのか、さらに警察へ、こういうグループの性格について問い合わせたり、あるいは警察から会社に対して問い合わせがあったことが何回くらいあるのか、また、警察からの何らかの指導があったのかどうか、明らかにしていただきたい、それが一点目です。
 2点目は、たまたま知ったことなんですけれど、学研の関連会社が板橋区で2カ所、指定管理の指定を受けているようです。一つは板橋区教育科学館、もう一つは学研単独ではないようですが、エコポリスセンター。質問ですが、いわゆる非正規労働者の労働条件の改善を求める立場から、そこの二つの職場で働いている非正規・正規それぞれの人数、それぞれの賃金水準、年休の取得・消化状況、残業時間数、36協定の上限時間との関係、それから先ほどの報告の中で正社員への登用試験を実施しているということをうかがったので、これは学研グループ全体で結構ですけれど、有資格者数、応募した数
   (宮原社長 「既に2問、質問を受けておりますので・・・」)
 2問というのは、細かい所でなく、大意2問でしょ。
   (宮原社長 「大意2問です。「反社会的勢力」と指定管理の内容について、お答えします」)
まだ、質問の途中ですよ。あれ、何故マイク切るのかな、ではお答えが終わった後で質問します。
   (宮原社長「席にお戻りください」とくりかえす)
木村常務    反社会的勢力というのは警察用語ではなく一般用語と考えてよいのかと思います。その思想のところをもって反社会的勢力と言っているのではないと考えます。属性とか行為の内容を捉えて反社会的勢力と判断することになるんだろうと考えます。私の記憶の限りでは、ここしばらく反社会的勢力から何らかの要求があったということはございませんので、この関係で警察とのやりとりもありません。なお、反社会的勢力との関係を断絶すること、組織全体で毅然とした態度で臨むこと、そういうことに対して株主様から間違っていると指摘を受けることは全く想定していません。逆に反社会的勢力との関係を断つことは、株主様の共同利益に資する、と考えております。
株主G  「2問目については、まだ質問が終わってないんです」
   (「質問の途中ですよ」の声)
須摩取締役   板橋区において指定管理のところが2カ所あります。ご指摘の教育科学館、エコポリスセンターですが、どちらの方も従事している内訳は正社員並びに契約社員です。労働条件は板橋区の内規に基づき、適正な水準で決められていると聞いています。以上です。
   (「答えてないじゃないですか」「具体的な質問に答えていない」等の声があがり、場内騒然。)
株主G   人数や賃金水準などの質問に答えていないじゃないですか。それにまだ大事な質問があるんです。
宮原社長   では、他の方
   (「まだ、答えていないぞ」「何故、質問を遮るのですか」等の声。場内騒然)    
株主G  ホームページを見たところ、学研教育出版などにリンクが貼ってあるんですよ。
    (宮原社長 「議長の指示に従ってください」。「指示が間違ってますよ」の声) 
ところが、もう一方の所にはそういうものがない。 どうして、そういう事態になったのか。
   (宮原社長 「席にお戻りください」と、この後も執拗に発言妨害)
また、公の施設なわけですから、企業の宣伝となるような事柄をホームページに載せるようなことは問題があるんじゃないんでしょうか、ということについて質問をしますので、先ほど言った年休の消化率ですとか、賃金についての質問と合わせて答えてください。? 質問に対して答えてないでしょ。分からなければ、分からないが追って答えると言うのが誠意ある態度じゃないのですか?人数も答えてないでしょ。
   (「そうだ」の声。しかし、宮原社長は「これ以上、発言を続ければご退場いただくことがございます。」と言い、場内は「何を言ってるんですか」等の抗議の声で騒然)
株主G   質問に答えないで、評価の問題は別ですが、事実関係をきちんと答えないというのは、質問に対する答弁漏れじゃないですか。答えられないのですか?
   (「簡単な話じゃないか」と抗議の声)
宮原社長  警告致します。
   (「宮原さん、そういう運営はやめなさい」「おかしいぞ」の声)
宮原社長  早く、お席にお戻りください。警告致します。
   (他の株主を指名)
株主H   答えなければ、私の質問もできませんよ。
   (御用株主 「つまみ出せ」と叫ぶ。これに多くの株主が抗議。)
宮原社長  退場願います。係員は速やかに退去させてください。
株主G   どうして、そういうことを簡単にできるの?事実関係を聞いているだけですよ。
   (ガードマンが、株主Gを取り囲み、強制排除。場内は騒然。)
株主G   (押されながら)、議長、それはあまりにも乱暴だよ。データがないならないで後で回答をすることを約束してください。それだけは最低確認してください。
   (宮原社長 「退場願います」。「退場とかいう話じゃないだろ」等、抗議の声、場内騒然。
宮原社長  「質問がないようでしたら審議を終了しますけれど」。
   (前3列の社員株主が拍手。「冗談じゃないぞ」「質問してる」「答えてないじゃないか」等の声)
株主H    私は板橋区に生まれてずっと住んでいます。都の職員に採用され、派遣され板橋区で、56歳で親の介護で早期退職するまで、区の業務に関わってきました。先ほどの方が指定管理の問題で、2カ所と言いましたが、これに関連する形で、事業報告のことで先ほどお答えの須摩春樹さんが関連すると思いますが、2号議案の取締役の選任に関連する質問をします。まず、教育科学館なんですけれど、平成19年から5年間ということで、エコポリスセンターについては去年から指定管理者になったようです。先ほどの方は説明しなかったのですが、科学館は、須摩春樹さんが解任された学研教育出版ですか、エコポリスセンターでは、「環境教育板橋プロジェクト」というものをお作りになって指定管理者になった、それで、それぞれの事業については事業報告の中で取り上げていないんですけど、学研として先ほどの画面でも地球環境に優しくというテロップが流れていましたが、こういう事業というのはどういう位置づけが為されているのか、また、そういう事業については板橋区では二つをやっているのですけれど、関連する事業として他区ではどれくらいやっているのか、また、その事業についての成長性は、現在、赤なのか黒なのか、どういう形で成長させなければいけないのか、特に先日、国際展示場で開催されたエコプロダクツにも参加されたようですけれど、株主として非常に興味がありますので説明願いたい、と思います。
 2点目ですが、須摩さんが学研教育出版を退任されたようですが、どういう事情で解任されたのか、それから、いま社長の学研メディカル秀潤社というのは子会社の中に出ていないんですけど、資本金、やっている事業は何か、須摩さんが役員の事項の中で教育云々担当となっているのはどういう位置づけでやっているのか、信任についての理解を得るためにもお聞きしたいです。
須摩取締役   学研は、ご存じの学習研究社時代に「科学」というものに非常に力を入れていました。また、科学実権についても事業の中で大きな展開をしようと考えているところです。これにつき、板橋区から大きな評価をいただきまして、二つの施設において科学実権を通してお子様たちの科学に対する興味、環境に対する関心に答えていこうと協力を求められ、指定管理という形で入札に応募し、 板橋区様の、もしくは東京都全体の科学、それからエコに対する関心の振興に対して貢献していく所存です。以上です。
宮原社長   2問目の退任理由なんですけれど、須摩取締役は当時、学研メディカル秀潤社の社長と学研教育出版の社長と、グループ全体の教育コンソーシアムという大きな教育グループのまとめ役の3つをやっていただいていたんですけれど、あまりにも業務量の過多も含めて学研教育出版の方は中村にやってもらって、教育グループ全体の把握の方を重点として、あとメディカル秀潤社の社長としての任務を全うするという形にしていくというのが理由です。
    (「板橋の不祥事の関係じゃないのか」との声)
株主I    事業報告の3頁目に出版事業の中で販売部数を伸ばしました、ということの一環として先ほど、一応回答ありましたけれど、「プロメテウスの罠」出版に関わる問題について質問します。まず、第一点は学習研究社はこれまで「科学」の誌上で、原発推進、安全神話の教育の役割を果たしてきた、同時に学研制作の教育映画、20分の教育映画「ぼくらの原子力」、原子力発電所見学記というものを製作して、学校現場で販売してきていると思いますが、まず一点目の質問は、現在、「ぼくらの原子力」という教育映画について、「科学」については措きますが、これの製造・販売・学校現場で使用している状況、これについておうかがいしてから2問目に入りたい。
宮原社長   2問先に質問いただいて、席にお戻りください。
株主I    では、一問目の内容をある程度短くまとめて、それから2問目の質問をします。プロメテウスの罠について、先ほどの冒頭の回答では福島出身の編集者の企画立案だったということが、朝日新聞社の連載の記事を朝日新聞そのものではなくて学研が発刊をした原因だということでありましたが、私の聞きたいことは、それは確かに重要なことかも知れませんが、そうではなくて、この「プロメテウスの罠」ということは大きな原発に対する疑問と、その中で疑問に基づいて闘ってきた人たちを個々に全部連載として取り上げてきた、つまり原発に対する基本的な懐疑、問題点、これを連載した本を出版したということ、それ自体をとって見れば、良いと思うのですけれど、「ぼくらの原子力」の中で表されたものが、1問目の質問との関係でいうと、まだ教育現場で使用している場合もあると思うのですが、この「プロメテウスの罠」の原発に対する大きなところでの疑問、問題点を集約した本を出すということと、「ぼくらの原子力」という教育映画を製造・販売・使用してきたこととの関係で、大きな出版理念としての転換ということを踏まえて、この本を発刊したのか、「ぼくらの原子力」という副教材として発売してきたものは、現在では小中学校で使用しないようにする、ということがあるのかどうか、あるいは他の問題について言っているのかどうか、それと関連して昨年3月11日以降の文部科学省の見解というものがありますが、昨年4月15日に高木文部科学相が「原子炉は5重の壁に守られている。大きな津波にも耐えられるように設計されている」、「ぼくらの原子力」も基本的にその考え方でやっていますけれど、これについて見直す必要がある、と発表しているわけですが、それを受け入れた上での「プロメテウスの罠」への転換ということなのかどうか、これが2点目です。簡潔にお答えください。
須摩取締役   学研教育出版の全般に関しての、たとえば学習参考書とか補助教材としての映像、その編集方針の基本にあるのは全て文部科学省様の検定済みの教科書を参考にしております。従いまして、文部科学省様の見解、もしくは検定の状況が変われば、それに合わせてやっていくということです。
      (「答えてないじゃないか」「答えになっていない」の声)
株主I   教育映画の製造・使用について、そのことだけ答えてください。
    (宮原社長  これを無視)
堀取締役   「プロメテウスの罠」について説明させていただきます。いまいろいろご指摘されたんですけれど、私どもの担当編集者は純粋に今の原発・震災の状況を踏まえて事実をしっかり残したものを作りたい、という思いでございます。指摘された懐疑、問題点がどうのということではなく、この本につきましては純粋に彼がこういう事実があったということを後世に残したいという思いで朝日新聞にかけあったものです。朝日新聞にもいろいろな出版ございますけれど、先ほど書面にありましたように、こういった彼の思いが朝日新聞社を動かしたということでございますので、そういったいろいろな意味での関係性ということではございません。良いものを作りたいという一点からの刊行です。
宮原社長   (いきなり)以上で、報告事項および決議事項につき審議を尽くしたと判断いたします。
    (まだ、先ほどから挙手している株主がいる。場内、騒然。 「手を挙げているじゃないか」「ほら、質問してるよ」等抗議の声)  
  決議事項に進ませていただきます。(前列の社員株主だけ拍手)。大多数の賛成と認め、採択に入らせていただきます。
    (「拍手、少ないじゃないか」「おかしいよ」の声、場内に抗議の渦)
    (「宮原さん、そういう運営はやめなさい」の声。2号議案については「動議、動議」の株主の声出る)
 (「動議出てるぞ」と会場内各所から抗議の声)
       これらを会社は無視し、各議案の強行可決で場内騒然のうちに閉会。質疑応答で会社がまともに質問に答えている点がほとんど無いことは明白です。

 今年の株主総会は、学研経営が自らの問題体質を押し隠して、有力企業との提携やグループの拡大を図っている足下で、労働者や利用者に犠牲を押しつけている実態が矛盾として各所で噴出している事態の中で開催されました。この余裕のない悪質総会運営となりふり構わぬ居直りは、窮地に陥った経営陣の姿を映し出しているものと思われます。本当の意味で、学研が変わらなければならないところに来ています。私たちは、全ての学研関連の皆さんと共に経営の姿勢を質し、現状を変えていくつもりです。