学研社員の士気が上がらない、と嘆く宮原社長へ!
労働者への犠牲強要策、争議責任の居直りでは
「暗い」職場になるのは当たり前ではないのか?
宮原社長は、「学研ライフ」6月1日号で、第2四半期(中間)の業績も好調であることを強調し、「しかし社内の士気は業績に比例して右肩上がりとは言えない・・・下期の計画には積極的な姿勢があまり窺えません。今はたまたま調子がいいだけだ、何度も勝ちが続くわけがない、そんな思いなのでしょうか。長かった暗い時代に慣れ、学研社員は勝ちにいくことを忘れてしまったのでしょうか」とグチをこぼしています。
「学研は変わったのだ!」と自覚し、「次も必ず勝つ」という強い意志を持つようにと檄を飛ばしている社長の意識と、社内の士気の間には大きな落差があります。学研で働いている人たちの方が醒めた目で現状を見ているのは当然で、宮原サンの方がTVに出たりして「学研ブランド」の復活などと舞い上がっているのではないかと見られても仕方がありません。この落差が何故生じているのかは明らかです。
私たちは、半年前にも宮原体制のこの1年間につき、社長に質問を突きつけました。1年前の株主総会で就任に当たり、「何が変わらなければならないか、それは労務政策の誤りを正すことではないか」を問い質しましたが、社長の答えは長期の業績の低迷により社員が自信をなくしていることだというものでした。しかし、「長く、暗い時代」は全学研労組・ふじせ労組への40年近くもの組合潰し、暴力的労務政策の結果の社内の荒廃=業績低迷、さらにその責任を経営陣が取らずに相次ぐ希望退職など労働者への犠牲の強要を行ってきたことによるものであること、一部上場企業の中でかくも長きにわたり争議を解決して来なかった会社があるのか、そして職場ではメディカル秀潤社での退職強要事件を氷山の一角とする労働者への使い捨てが強まっていること、につき12月の株主総会で他の株主からの質問も含めて出された際にも、宮原社長は「業績が悪かった分、自信を失っているところもあるので、そのところは元気づけながら新しい未来に挑戦していく」という的外れな回答に終始しました。業績が一時的に上向いても、それを確固とした根拠を持って受け止められないこと、黒字快復も現場の犠牲によるものであること、争議解決に背を向けた姿勢を取り続けていること、といった実態を社内の人々が感じ取っていることの重たい意味を社長ら経営陣は今こそ考えるべきです。
6・28三井住友FG株主総会で情宣行動
学研・ふじせ争議解決へ働きかけを要求
6月20日の三井住友銀行丸の内本店への申し入れに続き、6月28日に行われた三井住友フィナンシャルグループの定時株主総会の会場で株主への情宣行動を行いました。
8時45分から会場の大手町同銀行本店前で「学研の倒産・解雇攻撃を許さないぞ」「学研は争議を解決しろ」等と大書された横断幕を掲げ、「三井住友銀行は学研に争議解決をはたらきかけろ」等のゼッケンをつけ、株主総会参加者に争議の実態を訴えるビラを配布しました。
9時を過ぎてから出席株主も徐々に増え始めました。マイクでの訴えも開始、長きにわたって争議責任を居直っている学研経営の実態、争議を抱え業績が悪化すると希望退職など、労働者に犠牲を強要してきた経過、経営の問題体質が数々の不祥事を引き起こしてきていること、経営再建は現経営陣では不可能と筆頭株主=エフィッシモキャピタルマネジメントが2009年に投資の撤退を表明、株式の買い取り請求を行うと、多額の株式買い取り資金を三井住友銀行が提供、2008年の建てたばかりの本社ビル売却の相手も三井住友ファイナンスアンドリースで、2010年学研パブリッシング社長には、元三井住友から出向していた増山敬祐氏が就任するなど、学研にとってメインバンク的な関係が深まっていること、6月20日の申し入れでは、学研に争議解決を働きかけるように求めた私たちの申し入れに、そうした関係にないかのように応えていたが、
三井住友の責任も、発言力も増していることを指摘しました。
参加した株主は注目し、ビラの受け取りも良好でした。三井住友銀行の側は、はじめての行動を予想してはおらず、通常の株主総会の警備のガードマン、総務社員を立たせていましたが、妨害はなく静観していました。総会の始まった10時過ぎまで情宣行動を行い、最後にシュプレヒコールを上げて終了しました。多くの仲間が支援結集してくれ、インパクトを与える行動となりました。
東京国際ブックフェアで情宣行動
7月6日、東京国際ブックフェアが開催された東京ビッグサイトで、争議の実情を訴える情宣行動を行いました。7日、8日が一般公開の日でしたが、今回は業界関係者向けにもアピールしようと、出版の4争議団のビラを共同で配布しました。学研・ふじせ闘争の他に、教育社闘争、山田書院闘争、論創社闘争につき、マイクでの訴えも各労組争議団が交代で行いました。
学研が、こんなにひどいことをやっていることを知って、質問をしてきたりするなどの反響は今回も大きなものがありました。また、学研経営のさしがねか、ここのところ
何も言ってきていなかったビッグサイトのガードマンが「国際展示場から言われている。
やめてくれ」などとクレームをつけてきましたが、正当な組合活動に介入するな、とはね返し、最後まで情宣行動を打ち抜きました。
当該争議団、出版関連労組交流会議、南部労組、全都の労組・争議団などの仲間の力強い結集で二手に分かれて、ゆりかもめの「国際展示場正門」駅とりんかい線の「国際展示場」駅からの来場者の両方に配布する態勢を取ることができて、1時間ほどで用意したビラが完配となりました。最後にシュプレヒコールを会場に向けて轟かせ、行動を終了しました。
ビラを受け取り熱心に読む参加者
職場で困ったこと、職場の情報、ご意見などをお寄せください
最近、学研職場から情報が寄せられています。困ったこと、問題だと感じている
と、ご意見などをお寄せください。匿名でも構いません。
上記住所への手紙・電話・ファクスや h25cap@mbh.nifty.comへのメールを。
また、地域で共に活動している東京南部労組では、いつでも無料で労働相談を
受け付けています。上記からも連絡取れます。または southwind@mbr.nifty.comへ
<共闘報告>
年収30%カットの不当な人事・賃金制度と闘う南部労組F社の闘い
地域で共に闘っている東京南部労働者組合では、いま日広通信、らんがく舎、富士コンサルタンツ、トラストパーク、等々で争議や職場闘争を闘っています。5月号でも紹介した港区にある食品輸入会社=F社では、賃金が30%も削減される年俸制など、不当で不利益扱いの人事、賃金制度に対して組合加入、団交が開始されたことをお伝えしました。5月23日の第1回団交で、就業規則や賃金規定にも盛り込まれていない根拠のない制度ではないかを追及、会社は15年前から説明会も開催し実施している、次回までに就業規則等を示すことを約束していました。しかし、6月25日の第2回団交で、
会社側はこれら制度を反映する就業規則の改定を全く行っていなかったことを認めました。「それは違法であり、無効である」として、T組合員への適用をやめる(最低限、話合いの間は留保する)ことを要求、会社は次回団交までに強行実施をするか否か回答
すると確約。しかし、回答は7月20日の第3回当日までされないままになり、私たちは7月11日、組合旗揚げの知らせと不当な人事・賃金制度の違法・無効をF社社員に訴える朝ビラを行い、大きな反響を呼びました。会社は焦り、20日の団交前日から当日にかけて各部署ごとに就業規則改定のために説明会を開催し、後追い的な取り繕いで15年間行われたきた違法・無効な賃金制度を正当化しようとしています。第3回団交では、「15年間労使慣行として実施してきた規範性の発生している制度だ」と居直り、Tさんにも強行実施する姿勢を示してきました。これでは労基法違反の残業代不払いも労使慣行として正当化されてしまう詭弁であり、到底認められません。御用組合しかない職場でたった一人から始まったTさんの抵抗を組合全体で支え、共に闘っていきます。
全都反弾圧闘争実行委員会
今年も9月15日、13時〜千駄ヶ谷区民会館で開催される全都反弾圧集会・デモ
の実行委員会が始動、8月4日、9月8日と準備を重ねて、労働争議にかけられている民事・刑事弾圧、治安国家化・戦争国家化の動きなどに反対の声を上げていきます。
さよなら原発集会に巨万の人々が参加
7月16日に代々木公園で「さよなら原発集会」が開催され、全国各地から17万人(主催者発表。警察発表との間を取っても12〜13万人)という昨年9月の明治公園の6万人集会を上回る参加となりました。原発再稼働反対の首相官邸前金曜行動も日増しに参加者が増加していますが、野田政権がこうした声の高まりにもかかわらずこれを無視して、原発再稼働、米軍のオスプレイを岩国や沖縄に強行配備するなどの挑戦的な姿勢を取っていることに怒りが沸騰、日本では久しく見られなかった大きな抗議行動、デモのうねりが起きています。
私たちの仲間=争団連・地域共闘交流会からも50名を越える仲間が参加、うだるような暑さを吹き飛ばして、シュプレヒコールを上げ、都心をデモ行進しました。