12・22学研HD株主総会で
争議責任・経営責任
追及するぞ!
 
 昨年12月の株主総会を経て、宮原新社長体制が発足してから1年が経過しようとしています。昨年の総会で宮原サンは株主から、「宮原新社長の課題の一つに、このかん遠藤社長が採ってきた労務政策はどうだったのか、ということが根本的に横たわっている、労務政策が間違っていたから、学研で働いていることを誇りに思えるような会社にならなかったのではないか、労務政策を改めるべきだと私は思います。・・・・・新しく社長になられる宮原取締役は、遠藤社長を先頭に採ってきた労働争議を解決する姿勢をとらない、話し合いもしない、そういう労務政策を採り続けるつもりですか?お聞きしたい。」との質問をされたが、答弁せぬままでした。
 しかし、その口にしなかった答えは残念ながら、ここまでを見る限り、労務政策を良い方向に変えようとせず、無責任経営を続行しているとしか言いようがありません。一方で、「いま変わらなければ学研に未来はない」と年頭から号令をかけていたのですが、宮原流の「改革」が労働者にとって学研で働いていることが誇りに思えるようなものでは到底ない、ということが明らかになってきました。

              11・18学研社前行動                         11・26宮原社長宅   
学研の決算を発表、美容・健康本と
           ココファン伸長で純利益5億5千万円

 11月14日に発表された学研の2011年9月末決算は、売上高802億円(前期比2.7%増)、営業利益19億(〃6%増)、純利益5億5千万円でした。8月12日に発表された第3四半期決算短信では営業利益が10%減で、通期の業績予想を売上高775億円、営業利益15億円(前期比17.5%減)、純利益1億円としていましたが、高齢者専用住宅の伸長とカーヴィーダンスや骨盤ダイエットなどの美容・健康本のヒットで売上げ・利益増となったとのことです。
 本のヒットはバブルの感が強いものですが、会社はココファンによる収益増が続くと見ており、これがなかったら、右肩下がりの厳しい経営状況になっていたところです。いずれにしても、家庭訪問販売部門での事業整理等で大幅な赤字部門は減ったものの、全体として経営再建が安定軌道に乗ったとは言えない状況でしょう。
選択定年制導入、退職強要、裁量労働など、
       労働者へのしわ寄せ策で乗り切りを図る学研経営

 
そして、企業の生き残りのために宮原体制の学研経営が行っているのは、労働者への犠牲のしわ寄せ策です。先号で触れた「選択定年制」=55歳定年で、以後1年契約の雇用更新は、「解雇付きの有期契約労働」であり、労働者側が認めてはならない制度です。学研の職場で起きている退職強要も、今回の選択定年制導入と連動したものであり、エフィッシモからの株式買い取りで三井住友から支援を受けたことと連動していると考えられる学研パブリッシングでの裁量労働導入=サービス残業強化と合わせ、持ち株会社発足以降の一連の労働者使い捨て体制の強化というべきものです。
 無責任な問題体質を改めずに居直りと自分たちの延命を図る経営陣に対して、12・22学研HD株主総会で今回も質問権を行使し、争議責任・経営責任を追及します。
<秋季闘争後半戦報告>
10・27「ココファンあすみが丘」
      周辺で地域情宣を展開!
  
 10月27日、外房線の土気駅近くの学研の介護付き終身住宅ココファンあすみが丘周辺へ、大量の抗議ビラ配布の情宣行動を行ないました。争議を抱えた学研の実情を訴え、その学研が社内では中高年をはじめリストラ・労働者使い捨てをやっておきながら、「老人福祉事業」などという資格があるのかと糾弾し、また施設に関わる介護労働者等にも連帯・共闘を呼びかける趣旨のビラ配布でした。
ココファン社員数急増、行き詰まり学研の救世主になるか?
 ココファンあすみが丘の施設の場所は決して環境がよいとは言えないものでした。学研ココファンは、ここへ来て学研の収益の屋台骨と言われる状態にまで伸長し、新規採用の社員数が毎月40人に達していると言われています。リストラに踏み切る企業の社員寮などを利用し、高齢者向け賃貸住宅をつくれば費用を抑えることができる、などとして工場跡地や倉庫などの遊休資産を活用して介護付き終身住宅を建ててきている、とのことで、環境は二の次ということでイマイチなのは仕方ない、ということでしょうか。
 私たちは、あれだけひどい労働者弾圧(本社ー下請貫く長期争議を引き起こした)を
行った会社がその反省もなく展開している事業にも必ず問題が引き起こされていくであろうと危惧しています。
 この日、あすみが丘に向かう前に、学研本社前で朝ビラを配布しましたが、出勤してきた小早川ココファン社長(執行役員)は、「争議を解決してください」と組合が声をかけても、無視する不誠実な態度をとって社内へ入って行きました。私たちは業界団体=サービス付き高齢者向け住宅協会にも申し入れをして、争議を抱えた問題企業の現状を改めない学研につき、問題にしています。
11・18学研社前闘争
 宮原社長、中森・木村常務へ抗議・追及
  11月18日、秋季第3波の学研本社前行動を行いました。早朝から会社前にて横断幕・旗・幟を据えて、朝ビラ配布と出社役員への抗議を行いました。8時過ぎに中森常務が出社、「団交申入書を受け取って、争議を解決しなさい」と抗議。中森常務は表情をこわばらせて社内へ逃げ込んでいきました。背中から抗議のシュプレヒコールを浴びせました。8時半には本間監査役へ抗議、そして8時40分を過ぎた頃、木村常務が出勤してきて、同様に抗議・追及を浴びせました。そして、この直後、宮原社長の車が到着、周囲から多くの労働者の抗議の声を浴びながら地下駐車場に走り込んで行きました。
 この後、社前で座り込み・抗議の行動を10時まで展開、マイクでの学研関連の仲間、地域の労働者への訴えを行いました。

       中森常務に抗議・追及!          申入書の受け取りを拒む木村常務      地下駐車場に走り込む社長車
   

11・26宮原社長宅へ第3波の行動 
  11月26日(土)、宮原社長の住む御殿山トラストコートへ第3波目の行動を行いました。ふじせ労組と支援共闘会議の代表がマンションフロントへ赴き、宮原社長への取次を求めました。しかし、前回の9月の申し入れの際に取り次ぎの電話を部屋にされて、居留守対応の可能性を感じ取られたことに懲りた社長が命じたようでフロントは取次を拒否してきました。「このマンションのシステムが9月と変わったのですか」と問い質すと、そうではない、宮原サンに限ってのことである旨の返事。来客の求める取り次ぎを宮原社長が相手が誰でも断るのか、をさらに質すと、「分かっている方以外、取り次がないように」と言われているような返答。相手を確認することが前提だし、確認後、私たちに会おうということになる可能性も否定できないではないか、と抗議。それでも社長に強く言われている様子で拒否をしてきました(ふじせは分かっている相手です)。
申入書の所在も不明!宮原社長は受け取ったのかどうか、答えなさい!
 前回、預けた申入書は渡してもらったのか尋ねると、「預かっている旨お伝えしたが、
その後、どうなったかは分かりません」との答え。ここまで来ると悪質な対応としか言いようがありません。「受け取ったのか、受け取りを拒否したのか、拒否したなら連絡先も記載してあるこちらに戻すか通知すべきでしょう」と抗議。「どうなったか分かりません。宙に浮いている状態で」と無責任な返事。今日持参した申入書を社長に渡すように求めて、受け取らせました。今度は社長が受け取らなかったら、こちらに返すか連絡するように伝えました。この後、全体でマンション窓側へ回り、横断幕・旗を掲げ、マンション住民を含む地域の人々へ情宣、宮原社長への抗議の声を上げました。

御殿山ガーデンに併設のホテルともやりとり。宮原社長は「有名」に。
 この日は併設のホテル=ラフォーレ東京で結婚式披露宴の開催と重なりました。私たちの情宣場所の下に位置する日本庭園でのセレモニー終了を見届けてから、再びマイク情宣。こうした経過を知らずに文句をつけに来たホテル支配人(?)が「ホテルは関係ないでしょ。マンションに筋を通して話せばよいでしょ」等を言ってきました。マンションには面会を求め、申し入れを行ったが、宮原社長は逃げ回って会おうとせず、争議解決を拒んでいる事情と周辺の皆さんには配慮しての現場抗議行動を展開している事実を告げると、納得し、「ホテルとしてマンション(社長)側に申し入れます」と答え、引き下がっていきました。この日の申し入れと抗議・情宣を最後まで打ち抜きました。
 宮原社長は、逃げ回らずに私たちとの話し合いの場に出てくるべきです。
<共闘報告>
11・1争団連統一行動 明治大学ー裁判所を貫き、展開
11月1日、争団連は明大生協闘争「明治大学130周年イベント情宣」と、いくつかの争議に間接強制決定・損害賠償判決を出し、民事弾圧による争議泥沼化に荷担している裁判所への抗議行動が行われました。
朝9時から、明治大学がイベントに招待した内外の関係者に向かって「金儲け大学」の謳歌を許さない!生協つぶし、労組つぶしを生み出した「大学改革」「成果主義」「収益主義」を糾弾し、この過程でつぶされた生協の労働者の生活の権利の回復〜争議解決を求めて、力強い情宣活動を打ち抜きました。
11時からは東京地裁・高裁前に移動し、裁判所への抗議行動。設営班などを残して全員で、まず地裁2階の民事9部(保全部)、続いて3つの労働部がある13階へ。民事11部、19部、36部へ抗議。この後、部隊を3班に分けて、16階の東京高裁民事14部、17部、20部へ。各部で当日現在で202団体から寄せられている連名の抗議申入書を提出し、抗議を述べました。裁判所の中を約60名を超える仲間で練り歩いて各部へ抗議をぶつける行動はインパクトがあり、抗議内容と合わせて書記官室の係官たちを圧倒する展開となりました。裁判所前で約80名の結集で昼集会も開催しました。個別争議での攻防でも会社側弁護団が辞任するなど、経営側の間接強制攻撃に綻びが顕著で、弾圧で争議は潰せないことを各争議団の闘い、そしてこの日の共同闘争で示しました。
11・18出版関連労組交流会議秋季シンポ
      「原発事故とマスコミ報道」を開催

 
出労交秋季シンポジウムが、11月18日東京しごとセンターにおいて「原発事故とマスコミ報道」と題して開催されました。原発災害については、正確な情報を、現地福島の人や日本及び世界に発信すべき責任を負っている日本政府・経産省、原子力保安院、東京電力、御用学者そしてマスコミが隠蔽工作、情報統制を行ってきた実態に対して、フリージャーナリストの山岡俊介さん、寺澤有さんをパネリストに招き、記者クラブ制度の病弊など、報道の現状を批判的に捉えて発言いただき、質疑応答も交えて充実した
内容で、たいへん盛り上がったシンポジウムとなりました。