宮原社長は、話し合いの場に
 出てきて争議を解決しなさい!

 私たちは、今年1月からの社前行動で、宮原新体制となった学研経営に争議の解決のための団交申し入れをしてきていますが、宮原社長以下、学研の役員たちは逃げ回り、私たちの団交申入書の受け取りさえ拒むという無責任な対応を続けています。
 やむなく、私たちは以下の内容の申入書を会社宛に送付しました。学研は、本社内の労組(全学研労組)対策のために導入して、学研の「科学」「学習」「マイコーチ」などの編集業務を行わせていた下請け編集プロダクションで労働組合が結成されたことを嫌悪し、これらの業務を総引き上げし、会社倒産=全員解雇攻撃を仕掛けました。その自らの責任を取ろうとしない学研経営は、今日まで争議を長引かせてきました。新たに最高責任者の座を引き継いだ宮原社長は、学研の問題体質が改められていないことを示す重大な事項である本争議につき、判断を明確に示すことを求められています。私たちとの話し合いの場に出てきて争議を解決することを求めます。

   団体交渉申入書
 1977年12月、(株)学習研究社(以下、貴社ないし学研という)は、下請編集プロダクションで結成された東京ふじせ企画労働組合を解散に追い込む目的で、委託編集業務を全面的に打ち切り、翌年1月に東京ふじせ企画を倒産させ、35名の労働者全員を解雇状態にいたらしめました。その責任は極めて重大であるにもかかわらず、貴社は未だに当労組との一切の話し合いを拒み、争議を長期化させています。株式会社ふじせ企画社長工藤英一氏は1980年に「学研の指揮・命令に基づく業務打ち切りであった」という事実と自らの責任を認めましたが、学研は「下請の側からの業務返上だった」と虚偽の主張を行い、「学研は無関係」と装って開き直りを続けています。
 第三者機関においては、東京ふじせ企画破産管財人が学研を相手に提訴した損害賠償請求につき、85年10月東京地裁は貴社の争議責任及び使用者責任を正しく認定する判決を下しました。一方で87年10月、東京都地方労働委員会は労組法上の不当労働行為の前提たる「学研の使用者性」を認めない不当命令を出し、この取り消し訴訟では、争点を「朝日放送事件」の判例との同一性と定めていた裁判所自身が、その同一性の有無への判断を一切示さないという奇妙で許し難い政治的判決によって、2003年に最高裁で不当命令維持で確定しました。裁判所では相矛盾する2つの判決が出されている現状ですが、いずれにしても、労働争議は最終的には会社と労組が話し合いでの自主的な合意を形成しなければ解決には至りません。貴社は、03年判決を盾に、形式的に使用者性がないと強弁することで、一切の解決交渉を拒んでいますが、私たちは、学研が倒産攻撃を仕掛け、労組員・非組合員を問わず、全員の雇用と生活を奪った責任を追及しており、労組法上の不当労働行為の責任はその一部です。
 創業以来の古岡一族の労働組合敵視の専制体制に淵源する経営体質(沢田社長以下、遠藤社長に至るまで、これを実質的には継承するものでしかありませんでした)は根底から改められることがないまま、近年の学研の経営行き詰まりを招きました。
 これまで、破綻した山一がらみの投資有価証券隠蔽や損失補填、学校長に対する酒食接待事件、学研スクールマネジメントおよび07年3月、経済産業省から業務停止処分まで受けた学研GICでの虚偽の勧誘等による高額教材購入強要の悪質商法、ボランティア用語辞典回収事件、著作権侵害事件、中国製地球儀回収事件、自動車サイトでの他社サイトからの盗用事件等、不祥事が続出しました。争議への対応も含め、無責任経営の問題体質が露呈したものです。巨額赤字を続出させた経営状況は、コスト削減と売上げの低迷をグループ企業の拡大(=買収策)で補っても、無責任経営によって学研の将来展望が喪失している現状況を根本から変えるものではありません。
 希望退職募集のリストラ等で、この10年間に1000人もの人員を削減した上、裁量労働制導入等で長時間残業の手当て削減を図ろうとして失敗してもなお社員の35%が賃下げ対象となる不当な新賃金制度導入を強行するなど、学研経営の犠牲強要策に対する労働者の反発は増大しています。しかし、貴社はなんの反省もなく、08年1月には、3回(計250名)もの希望退職を募集すると共に09年10月よりの持ち株会社発足を強行し、その下での労働者使い捨てを狙うに及んでいます。このような無責任経営と、ふじせ争議は根が一つと感じ、学研および関連労働者の私たちへの共感は強まり、貴社の対応を注視しています。
 私たちは学研による労働者の生活破壊に対し、雇用と業務を保障する形で回復させるよう求めているものです。貴社が誠意ある話し合いへの姿勢を示すか否かに争議解決がかかっています。しかるに
貴殿ら経営陣は、昨年2月16日付で貴社代理人と称する弁護士の名で、私たちの正当な争議行為一切をやめることを要求し、そのために民事・刑事手段を行使することを辞さない旨表明しています。これは、問題解決の姿勢とは正反対のもので、あえて争議の泥沼化を選ぶことの意思表示でしかありません。既にそのやり方が破綻し、今日の経営危機を招いたことを省みない愚挙です。
 2010年12月の株主総会で、私たちをはじめ多くの株主から貴殿への質問が集中しました。とりわけ、貴殿が前任の遠藤社長の誤った労務政策を引き継ぐのか、これを改めるかについての質問は重要な問いかけでしたが、貴殿は回答を示しませんでした。
 これまでの経営陣の無責任な姿勢を改めて、速やかに当労組及び支援共闘会議との間で団体交渉の場を設定し、長期に及んでいる争議を解決することを求めます。
 上記と同文の申入書を3月1日に携えて貴社本社前にて貴殿ら経営陣に手交しようとしましたが、
 貴殿らは受け取りを拒み、逃げ続ける姿勢を変えようとしていないため、ここに郵送いたします。
                                                 2011年 3月29日

  株式会社学研ホールディングス代表取締役社長  宮原 博昭 殿
    
                                           東京ふじせ企画労働組合 
                                           ふじせ闘争支援共闘会議

3・1学研社前闘争
    社長・役員へ抗議の声を浴びせ、
           団交要求行動を打ち抜く!

 3月1日、学研社前で早朝からの出社役員への抗議・団交要求行動を行いました。
7時30分に会社前に登場し、旗・横断幕・幟などを設営、ビラ配布を開始しました。
8時に中森常務が出社してきたので、「団交に応じ、争議を解決しなさい」と迫ると、緊張した表情で社内へ逃げ込んでいきました。その背中に抗議のシュプレヒコールを浴びせました。その5分後、須磨取締役が出社してきたので同じく団交を要求。役員としての初の追及にこわばった表情を見せ、やがてうつむいて社内へ入ってきました。
 続いて8時10分、駅から大日本印刷へ向かう通りから左折して宮原社長の乗ったレクサスが来ました。車の周囲から抗議のシュプレヒコールを浴びせました。この後、8時半頃に本間監査役、すぐ続いて木村常務が出社してきて同様に抗議と団交要求を浴びながら押し黙ったまま社内に入っていきました。
9時には全体でシュプレヒコールをあげて、社前はりつき行動に移行し、10時までの闘争を最後まで打ち抜きました。

   宮原社長の乗った車に抗議          須磨取締役            木村常務

3・14学研社前行動 
     大震災直後の行動をやり抜く!

 
3月14日、昼前の11時からの社前行動を行い、学研経営に争議解決を迫りました。
大震災に伴う節電で交通機関が乱れ、被災地の親戚・友人の安否確認に追われたりの影響で参加できない仲間も多かったこの日の行動ですが、予定どおり抗議・座り込み、学研内外への情宣行動をやり切りました。
 他の争議団の、この前後数日の争議の現場でもマイクで訴えている最中、「この非常時に何だ、おまえらは」というような罵声を浴びせる人を見かけました。しかし、生活をかけた労働者の権利主張に自粛を強いる風潮には「違うぞ」と言わなければなりません。とてつもない震災の被害は多くの人々の命を奪い、かろうじて助かった人々の生活も根こそぎ破壊し、私たちも心が痛む毎日を送っています。生存と生活を奪い、いまもおびやかして拡大する惨劇は安全神話が崩壊した原発によってもつくられています。被災地の人々はもとより、空前の規模での被害と影響の拡大は、電力や物流の途絶等による倒産や操業停止などのしわ寄せをすでに労働者に強いて、解雇や休業補償拒否などの攻撃となって襲い始めています。また原発構内で被曝した現場の下請労働者の悲惨な実態も見過ごすことができません。
 私たちは95年1月の阪神大震災の最中にも、ちょうど夕方にかけて被害の拡大が報じられる状況下で、予定していた倒産・解雇17周年の抗議デモを打ち抜きました。長原にあった学研本社近くの(警察に言わせると常連のクレーマーの)住民の方が、「こんな時にうるさい」と抗議してきましたが、私たちは、生活破壊の倒産・解雇攻撃を許さず闘うことは被災地の生存がかかった苦闘に通じる思いで展開していることを伝えました。そしてまた、後に、関西の労組・争議団の仲間の仲介で私たちも被災地支援行動に取り組みました。権利を主張すること、責任を追及することを封殺する戦時統制下なみの風潮は、原発被害の深刻な実態と原因を隠そうとする国や東電や原子力保安院らのような体制には望ましいものでしょうが、私たちは、労働者・民衆を足の引っ張り合いに追い詰める構造は打ち破らねばなりません。互いに支え合うことは労働組合の信条でもありますが、このような時こそ、人々が互いの権利を保障しあう繋がりを大切にする生活に根付いた思想を勁いものにしていかねばなりません。
厚生労働省の通達を糾弾する
 震災直後の3月15日、厚生労働省は、「都道府県労働局労働基準部監督課長」宛に通達を出し、「計画停電が実施される場合の労働基準法26条の取り扱いについて」と題して、停電による休業については、労基法26条の「使用者の責めに帰すべき事由による休業」には該当しないこと等を強調し、休業手当を支払わなくてもよいと呼びかけています。労働省から経営省へと名前を変えた方がよい、としか言いようがありません。
天災によるものだから26条違反にはならない、しわ寄せは労働者に負わせて構わない、と経営者に呼びかけているのです。通達にあたり、戦後まもない電力不足の時代の労働省通達を引き合いに出していることが、今回通達の権力主義的統制ともいうべき労働者への抑圧姿勢、犠牲強要の姿勢を現しています。
 これから、労働組合・労働運動は強まる資本・権力一体のこうした犠牲強要策をうち返しながら闘っていかねばなりません。 
原発をめぐる状況に関してはこちらを参照
 原子力資料情報室 http://www.cnic.jp/
 伊東良徳弁護士 「発信25時」 http://home.m05.itscom.net/h25/ にリンクあり
         4・28、ふじせ闘争などで南部でもお世話になっている弁護士さんの頁
共闘報告
 08〜09年の金融危機に端を発する未曾有の世界経済危機から2年余を経ても、出口のない資本・国家の行き詰まりは一層顕著になり、「対テロ」戦争の泥沼と新自由主義グローバリゼーションの進展が生み出した経済格差と貧困、権益をかけた戦争や武力衝突などの軋轢と矛盾を深化させています。そのしわ寄せに抵抗する労働者・民衆との激突はかつてない局面を迎えていることが、東日本大震災に襲われた日本においても顕著に現われています。激動・激震の2011年ですが、この状況と対峙し、各地で闘う仲間の行動が展開されています。
3・6〜7全国争議団交流会を開催し、全国結集行動を打ち抜く
池袋の豊島勤労福祉会館での3つの分科会交流に続き、東京芸術劇場で集会。翌日の現場行動は降りしきる雪の中、ジャレコKSS五反田ビル前、パナソニック東京支社、旭ダイヤ裁判所〜本社デモを貫く闘いをのべ222名の結集で成功裡に打ち抜いた。
3・29南部交流会春季集会開催!
 東京の南部地域で共に闘っている南部交流会の春季集会が開催され、連帯挨拶で、弾圧・争議解体攻撃と闘う争団連、労働法制改悪と闘う労働法連絡会、合同労組運動を中心に自力・実力闘争潮流形成を進める各地域共闘の仲間、東急電鉄の仲間の震災に伴う労働実態の報告、障害者への移動介護支援費削減につき昨夏、大田区に勝訴した鈴木さんの被災地の障害者の仲間支援のネットワークの活動の報告、野宿者の排除と宮下公園のナイキ化反対を闘う渋谷のじれんの仲間の報告、南部労組に入って、パワハラ、賃金引き下げを阻止し、残業代払いを是正させつつ闘っている日広通信の仲間や病気休職後の契約更新拒否を撤回させ、仕事と賃金の削減につき追及し、補償をかち取った明治記念館の仲間の報告など、新しい仲間の新鮮な声、ホットな報告を受け、2011年を共に闘う方向を確認した。
4・15「崩壊の淵から転成への勇躍を 出労交春季集会へ」
出版関連労組交流会議主催の春季集会へ参加を!

 4月15日(金) 18:30〜 東京しごとセンター 5階 セミナー室