経営責任・争議責任の居直り=自滅の道か
 転換を図るのか!問われる宮原新体制

学研HD株主総会(12/22)詳報
 学研および関連の全ての労働者の皆さん!地域の皆さん!
 2011年が明けましたが、学研は、ホールディングス発足から1年で様々な問題点を露呈し、遠藤社長退任ー宮原社長新体制へと経営交替を図らざるを得なくなり、大きな分岐点にさしかかっています。私たちは、「今変わらなければ未来はない」と年頭所感を述べる宮原社長に対し、学研の長年の問題体質を改めることなくして未来は語れないことを突きつけ、争議・職場課題の解決を求めて闘っていきます。既に前哨戦は昨年末の株主総会で展開されています。
 さる12月22日、TOC有明で開催された学研ホールディングス第65回定時株主総会の詳報をお届けします。
 私たちは、8時半過ぎから会場前で出席株主およびTOCビルの人々へ、質問書を掲載した朝ビラを配布し、マイクで訴えを行いました。10時からは株主になっている仲間が会場内で質問権を行使して経営実態・争議責任につき追及を行いました。
 総会は、議決権行使書の確認、監査役報告、事業報告書読み上げおよび決議事項説明が行われ、書面質問への回答が富樫専務から読み上げられました。以下、書面回答と質疑応答の詳細を記載します(一部は要約になっています)。青の太ゴチック部分はコメントです。

T、書面質問への回答 要点
<グループ経営計画GAKKEN2011について>
本年2月15日に修正のとおり、売上高776億円、営業利益17億円、当期純利益3億円の計画に対して、営業利益では計画を1億1千8百万円上回り、経常利益では計画を2億8千百万円上回ることができた。次期の計画についても、売上高は785億円、営業利益は20億円、当期純利益は9億円として、グループ経営計画GAKKEN2011の当初計画を修正しているが、売上高では高齢者福祉・子育て支援事業、教室・塾事業等の増加を見込み、また営業利益では、不採算雑誌見直しによる損失改善や、小学校教科書指導書の利益増を見込み、当期実績に比べ約2億円の増加を計画している。
元々の新2カ年経営計画「学研2011」)は、売り上げ(2010年=790億、2011年は800億)で、これを下方修正した上での業績評価である。
<当期の4月1日から9月30日の売上高が前年同期より18億円伸長した理由について> 買収した進学塾と学研教室夏季講習の売上げ増の他、一期一会シリーズ等の児童書や大人の科学マガジン等のヒットがあったこと、さらには雑誌のリニューアルの成功や高齢者福祉・子育て支援事業の売上げ増、加えて学習参考書の参入時期の分散によるもの。
<グループ内の組織再編について>
 学研塾ホールディングスは、進学塾との連携により教育サービスのネットワークを構築するため。学研出版ホールディングスは出版業界の激変に対応し、戦略を構築するため。学研プロダクツサポートへの統合は効率的な会社運営を図るため。
 なお労働者の労働条件や諸権利に対する労働組合との交渉については学研ホールディングスを窓口としている。
徒な会社分割で、組織同士の意志疎通がうまくいかなくなってのことです。こうした問題点には触れられていません。後の質疑応答を参照。
<教室・塾事業のM&Aの経過について>
グループ価値の最大化・効率化を図り、友好的M&Aによる積極的な投資を行ってきた。一社を除き、黒字化している。ノウハウの共有により学研教室とシナジー効果を生んでいる。後の質疑応答、東北ベストスタディで起きている問題を参照。 
<高齢者福祉・子育て支援事業について> 
 まず成長事業として位置づけている高齢者福祉事業については、当社の事業展開は、
介護保険サービスと介護保険制度外の高齢者専用賃貸住宅を組み合わせたビジネスモデル。高齢者住宅を5年で50拠点まで拡大していく計画。同じく成長事業として位置づけている子育て支援事業においては、首都圏をメインマーケットに子育て支援施設を5年で20園まで拡大していく計画。当社では、高齢者福祉と子育て支援事業の融合を視野に入れた新たなビジネスモデルにも挑戦していく。
 中高年労働者への再三のリストラを行ってきた学研が、高齢者を真に大切に扱えるのか?塾・教室事業の学研GICでの不祥事もそうだが、コンプライアンスの基本理念にもとるこれまでの不祥事をどう反省し、活かしているのでしょうか?
<持続可能な就労環境についてのお尋ねについて>
 高齢者福祉事業や子育て支援事業においては、就労時間の限られる主婦層が貴重な戦力となることから、これら短時間労働者を育成し、戦力として活用することは重要な経営課題と考えている。
 学研の問題体質が福祉事業でも問題を起こしかねないのは心配です。
<電子出版などデジタル化への対応について>
 さる11月30日、当社およびその出版系グループ各社はIphoneやIpad向け電子書店、「学研電子ストア」をオープンした。学研電子ストアは電子出版市場における学研グループの旗艦的役割を担っていく。家庭や教育現場に向けた電子教材などの新たな教育サービスを提供する体制を構築している。なお、これらデジタル化事業の将来規模の見込み等につきましては不確定な要素も多く、現時点ではお答えをご容赦いただきたい。
<出版事業の施策などについて>
 当社グループの書籍分野は児童書、学習参考書、生活実用書などが健闘している。一方、雑誌分野では広告収入が依然として厳しい状況のまま推移しており、選択と集中を引き続き推し進める。
<家庭訪問販売事業について>
マイコーチやアクセル1という月刊教材、さらには「学習」「科学」という学年別学習雑誌を休刊したが、代理店や所属する販売員の皆様方には、既に数年前からこれら以外のセット教材に切り替えていただいている。
<裁量労働制導入を含む人事制度全般について>
 現行の人事制度を政策的に導入して3年目を迎えているが、頑張った人が報われる制度として意欲ある多くの社員のモチベーションアップに貢献しているものと確信している。なお、社員の健康管理については組合と会社でワークライフバランス向上協議会を設置し、社員の残業の軽減や年次有給休暇の取得アップを図っているほか、学研健康保険組合との連携を強化し、社員の健康管理に努めている。
 また、本年10月より、学研パブリッシングにおいて、自由度の高い働き方を行うことで、より創造力を発揮し高い業務成果を上げることを目的として、中間職の編集業務担当者68名を対象とする裁量労働制を導入した。なお就業時間の定めがないことにより対象社員が過重労働とならないよう、労務・健康管理については十分配慮する。
 成果給や裁量労働制が、上記のような美辞麗句の下で導入され、総額賃金押さえ込みやサービス残業の手段として機能し、労働者への犠牲の強要が行われているのは社会的にも周知の事実です。平然とこういう答弁をする学研経営の感覚を疑います。

<当社の役付き役員および子会社の社長人事について>
適材適所の観点から候補者を選定し、当社の取締役会において審議し、承認を得ている。相談役の職務内容は、社長の諮問に答えること。
 遠藤社長退任の理由と相談役就任の不可解、宮原氏の就任の経緯、木村取締役の常務昇格の根拠などを書面で質していますが、まともに答えていません。質疑・応答を参照。
<新経営陣の今後の取り組みについて>
 当社は第2の創業と位置づけ、持ち株会社制へ移行した。この分社化を進める中で、コア事業を明確にし、不採算分野を修繕しつつ高齢者福祉・子育て支援事業や教室・塾事業を成長事業としてすえてきた。新経営陣はその取り組みを引き継ぎ、さらに次世代事業の構築に一丸となって取り組み、売上高900億円、営業利益45億円の達成をめざす。宮原新体制で学研は何をめざすのかを書面で質問していますが、質問の意味を理解していない回答です。質疑応答参照。また、この数字はいつの目標なのでしょうか?根拠も実現性も乏しい数字です。

<株主総会の運営について>
 株主総会には沢山の株主様がお集まりになり、様々なご意見をされますので、ご出席の株主様に平等に質問の機会をつくるのが適当な株主総会の運営と考えている。株主総会は株主の皆様のみが出席することが基本であり、報道陣の入場をお断りすることが、ご指摘のように密室の株主総会には当たらない。
 組合関係者への敵意に満ちた発言妨害、意見封殺、指名回避はとても公正な総会運営とは言い難い。報道陣に生で見せられない悪質な総会運営というのが実態。質疑を参照。
<業務の適性を確保するための体制について>
 当社は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは、取引関係をはじめ一切の関係を持たない(と招集通知にある同文を読み上げ)。 
 東京都青少年健全育成条例改悪に見られる、「不健全図書」の名 によるマンガ規制を考えたとき、出版社が、このような表現を安易に使ってよいのか?質疑応答を参照。
<自己株式の処理について>
 現時点では検討中であり、お答えはご容赦ください。 
 エフィッシモショックとその傷跡は大きいようです。後の質疑応答を参照。
<連結および個別の損益計算書、貸借対照表の詳細について>
 事業整理損失引当金繰り入れ額は家庭訪問販売事業の整理に伴うものであり、今後発生すると見込まれる売上げ減による損失や最終的に販売できなかった在庫の処分にかかる費用を特別損失として計上した。また、短期借入金の内訳は取引銀行からの借入金と子会社数社からの借入金。子会社からの借入金は持ち株会社制への移行と同時に分割した会社との間でキャッシュマネジメントシステムによる資金管理体制を採用したことによる。 また、短期金銭債務の主な内容は、子会社からの借入金と連結納税制度の採用に伴い生じた子会社への未払い金の総額。
<編集事業開拓室などについて>
 出版関連の新規事業の開拓と編集技術のノウハウを活かし、編集業務を企画する組織として発足した。営業支援新事業開拓室は新規事業開拓と営業事業受託により、新たな売上げ・利益を創造することを目的にして発足した。グループ業務アシスト室は、全社横断・グループ横断の業務支援や業務開拓、利益改善を目的として発足した。これらの目的は発足当時に明らかにしており、配属された社員は担当業務を遂行している。 
<東京ふじせ企画労働組合との紛争を解決すべきではないか、という質問について>
 法的に決着がついており、当社はこの団体との団体交渉に応じるつもりは全くない。東京ふじせ企画労働組合は当社の実態をことさらに歪曲し、誤解を招く記事を書き立て、ビラの配布やホームページにより公表するばかりでなく、当社のお取引先やイベント会場に押しかけて、当社に対する悪宣伝を吹聴することを長年にわたり、執拗に続けている。これらの行為は当社の名誉・信用を毀損し営業を妨害するもの。従って看過できないこのような行動が継続するのであれば、刑事上ならびに民事上の責任をあらゆる手段をもって追及することを再度、警告しておく。
 事前に出されていた質問書では、「学研が、下請編集プロダクションふじせ企画を73年の全学研労組結成直後から本格導入した経緯および貴社がふじせ企画から派遣された労働者らをいかに使用してきたか、そして、東京ふじせ企画が78年1月に倒産した原因につき、説明されたい。学研現経営陣は、毎回の株主総会で、不当な全く同じ文書回答を読み上げて争議の実態を歪曲し、学研の争議責任につき言い逃れをしている。ごまかすことなく回答し、争議解決の方針を示すべきである。」と質しているのですが、全くこれに答えていません。後の質疑応答を参照。

U質疑・応答

株主A  先ほど、この総会の運営の発言について、平等にということでの説明があったわけですけど、あらためて株主の立場から、この総会の公正な運営ということについて確認していただきたい、と思います。私は前年度からはじめてこの総会に参加しておりますけど、昨年、活発な質疑の中、私も再三、挙手を行ったわけですけど、無視され発言の機会を封じられております。こうした株主の発言を封じるというような運営は、平等・公正というふうには決して言えないと思います。この点についてあらためてご確認をいただきたいと思います。住友商事株主総会事件東京高裁判決、会社法831条第1号にありますように、こうした株主の発言の機会を奪うような総会運営においては、その後において総会の決議が取り消されるというような事態になりかねない、ということですので、是非、公正な機会を与える運営をお願いしたいということで確認をお願いします。
木村取締役  いまの質問、一部ご意見かと思いますが、株主総会の運営について、いま株主様のご発言のとおり、公正な運営に努めますが、議事の整理権は議長が持っています。審議をかりに終了する場合には、議場に諮って皆さんのご意見をうかがいながら、
決定いたします。昨年をふり返ると、ご発言が同じ方からくり返し行われたということがございまして、議事については煮詰まったという判断で会場にお諮りして決議に移ったという経緯であったと思います。
株主A  いまの答えのような、私が発言をくり返したから、というのではないので、違うと考えます。
木村取締役 重ねて申し上げますと議事の運営については、議長の判断で進めさせていただきたい、と思います。なるべく多くの方のご意見を頂戴したいと申し上げて、これ全員の方のご発言を永遠にいただく、というのは合理的ではないと考えます。
会場から 「永遠なんて言ってないだろ」の声あがる。
株主B  運営の問題、出ましたが、私も何点か聞きたいことがあるんで、途中で終わりと言われるのは非常に良くないと思いますので、そのことまずお願いしておきたいと思います。まず、遠藤社長の退陣の問題でお聞きしたい。前に、エフィッシモ=2100万株の大株主が社長に解任要求を行って、それを断って残った結果、今日に至っている。その退任理由というのはよく分からないんです。先ほど報道のことが出ましたが、日本経済新聞で、退任に至った経緯、エフィッシモとの関係等について、遠藤社長が何点か述べられていて、それが全く意味不明で、大株主に言われても、 そんなのはたいした問題じゃない、 あの時エフィッシモが言った長期の経営不振、事業計画の未達だとか、4年以上にわたる在庫管理、在庫がこんなに残っている、それらについて指摘を受けながら、全く・・
遠藤社長  (質問を妨害し)、質問の主旨は・・・?
株主B  退任の理由ですよ。エフィッシモに対して問題ないと言っていた在庫問題について学研ライフでは遠藤社長が触れて、とんでもない事態と述べているのに、それでも問題ないと言い切るような事業経営の仕方が問題なんじゃないか、ということです。
遠藤社長  エフィッシモ様については・・ (とまた発言妨害)
会場から 「発言終わってからこたえなさいよ」と抗議の声
株主B  また、持ち株会社化の弊害についても縷々指摘されたと思うんですよ。それらについて答えることなく、結局、投資の撤退ということで株式の買い取り請求をされた、その指摘は結構当たっていると思うんですよ。退任がよくないと言っているわけでなく、退任が遅かったのではないか、何故、退任になったのか、できたことばかり言うのではなくて、出来なかったことは何なのか、きちんと責任を明らかにして、退任理由を述べていただきたい、ということです。
遠藤社長  あの退任の理由ですか?退任の理由というのは、あの、やはり、その時代、その時代によって新たな課題というものが出てくるわけですから、今までの経営のあり方についても、その都度最大の努力をして経営課題を会社のためにやってきた、ということです。また、新たな課題が出てきた、やはりその時の体制というものも時代によって変わってくるものであろうと考えるわけで、それを新たな経営陣に引き継いでまいりたい、ということです。
株主B  いつも、そういうお答えばっかりで、
遠藤社長   お名前と出席番号をお願いします、(としつこく聞き、発言を妨害)
株主B  (名前と番号を再び言って)不退転の決意で、とか経営計画を達成することが責任の取り方、とか一般的なことしか言わないで、きちんと説明していない答弁になっている。それが問題なんです。二つ目、相談役ということについて、位置づけにつき聞きたい、週何日出社するのか、そしてどういう形で位置付いているのか、ということをお聞きしたい。
木村取締役  相談役は取締役会の決議によって選任し、・・先ほど書面での回答で述べたように、社長の諮問に答えるというのが業務です。出社は要請のある都度出ていただくことになっています。
株主B  報酬額についても聞いているのですが
木村取締役  報酬についてはプライバシーの問題もございますので、ご容赦いただきたいと思います。
株主B  プライバシーというのはおかしいでしょう。
  会場からも  「株主総会ですよ。ぼくらがお金を出しているんですよ」の声
  では、次に木村取締役が今度、常務に昇格するわけですけど、非常に疑問に思います。決議事項になっていますが、反対の理由について述べます。ふじせ争議の関係で先ほ ど出ましたが、先ほど富樫専務が言っていたのとは全く異なり、私の認識では、前回 の総会でも当事者の方からかなり詳しく言っていたと思いますが、単なる子会社とかそういう問題ではない、当時、学研の中であったのはふじせ争議だけではないのですよ。
全学研労働組合というのがありまして、それに対する賃金差別が行われる、・・
遠藤社長   あの、質問の主旨は・・?(と執拗に発言妨害)
株主B  いま理由を言っているんですよ、黙って聞いてくださいよ。賃金差別が行われたり、つるし上げが行われたり、集団暴行が行われたり、そのあげく14名もの解雇
が行われ、・・・
遠藤社長  お話が長くなっているので、・(と続けて発言妨害)。簡潔にお願いします。
株主B  そこまでのことが行われ、その下請けプロダクションに労働組合が生まれたというところで、学研はこの下請けプロダクションから業務を引き上げてしまった、と
いうことの中で会社は倒産した、全員解雇されたということです。
遠藤社長  質問の主旨は何ですか(とまた妨害)
株主B   そういう学研がひき起こした労働争議がある、ということですよ。それでね木村さんの問題なんですけど、入社以来・・・
遠藤社長 木村取締役選任の理由ということですか?(と発言妨害)
株主B  だから、全学研労働組合に対する労務政策、それに関わる問題にも法務部門として木村さんは当たってきた、労務一本でやってきた人物が、ふじせの争議にも同じように対応してきている。だけども、全学研の争議・・
遠藤社長  時間がないので簡潔にまとめてください。
株主B  争議中であっても、会社と全学研労組との間で和解による解決ができているんですよ。だけどね、
遠藤社長 質問の主旨は何ですか?(と声を荒げて発言妨害)
株主B  争議解決ができるのに、木村さんは・・
遠藤社長  木村取締役選任の理由ですね。お答えしますのでお座りください。
株主B  解決しようとしない、常務には不適格だということです。
  会場から 「質問じゃない。意見だぞ、聞きなさい」との声。
遠藤社長  不適格だというのは見解の相違でして、先ほどの文書による回答で申し上げましたけれど、もう少し詳しく申し上げますと、木村取締役は、招集通知記載のとおり、入社以来、当社のコンプライアンスについて尽力すると共に、会社のコーポレートガバナンス、いわゆる会社のあり方につき勉強し、持ち株会社移行後は、ガバナンスが実質的に機能するしくみにつき力を発揮してきたわけです。現状、当社は、内部統制、ガバナンス共に確立中であり、全般にわたり、これらにつき力を発揮してもらいたい、というのが理由です。では、他の方ご質問をどうぞ。
株主B  まだ、質問終わっていない。ちゃんと答えていないでしょ。
  会場から 「ちゃんと発言させろよ」の声。
遠藤社長 だいぶ長引いていますので他の方のご質問を受けたいと思います。
  会場から 「邪魔するから長引いてるんじゃないか」の声 
株主C  質問の観点を変えまして、遠藤社長にお聞きします。山積する課題につき、本来なら一つ一つ議論したいところですが、遠藤社長が本総会をもって退任するということですので、その一点に絞って質問します。学研の社長を8年、学研ホールディングスの社長を1年、通算9年間の長きに渡って経営責任を担ったわけです。今期で退任ということですが、長きをもって尊しとせず、重要なことは社長として何をやり、何をやり残したか、です。評価は後生に委ねたい。5〜6分で終わりますので、途中で言葉を入れないでもらいたいです。私の思いをいくつか申し上げます。あなたは就任2期目で復配をいたしました。その時はあなたの経営手腕に感心し敬意を表したわけです。また、積極的に構造改革に取り組み、ビルの売却や企業合併をいたしました。また、異業種への積極的な進出をして、高齢者福祉事業にも進出し、それなりの実績も上げ、将来への見通しもつけています。画期的なのは、学習研究社を解体して持ち株会社制度を導入して学研ホールディングスを創業したことです。そして確固たる方向性が定まらない中で1年にして退任することが私の印象として強く残っています。あなたが学研ライフの559号でこう言っています。「新たな学研の創造をめざして」というメッセージの中で、学研の中で何が大事かと言えば、それは社員です、と述べています。そういうお考えがあるにもかかわらず、会社存続のための苦渋の選択だとは思いますが、再三にわたるリストラも敢行いたしました。社長としての勇気ある決断という考えもあろうかと思いますが、会社を去った社員の心境を考えますと別の選択もあったのではないか、と私は思います。数多くある回想の中で印象的な一つは創業以来の全資産を売却して、その一部を活用して新社屋の建設に着手をいたしました。完成間際に売却という離れ業もやってのけました。あなたの9年間は功罪相反する稀な社長だったと私は思います。
質問に入ります。見直しをしなければならない従来の事業も山積しています。新体制の将来も不透明で厳しい環境の中で、あなたが学研社長8年、HD社長1年で退任する大義名分につき説明を求めます。それに関連して、9年間をふりかえって、自らの評価をどうされるのか、あるいは今そこに立っておられる心境はどういうものなのか、をお聞きしたいと思います。
遠藤社長  ご質問の主旨は退任する理由は何かということですね、一つは。先ほど、申しましたように、常にどの時代においても課題というものがあり、それに対し経営は全力で取り組んでいくのが必要だと思います。また、新しい課題が次から次へと出てくる、つまりそれはどういうことかというと、企業は常に継続した形でいろいろな課題に取り組んでいくことを株主様のためにめざしていくべきだと思いますので、書面で申しましたとおり、持ち株会社に移行した当時の先行きを明確にして収益基盤を確立するとか、
そういったものは継続してまいりますので、経営陣が変わろうと企業としての取り組みは変わらないということであります。従って個人的な退任の理由とか、でなく企業としての取り組みを果たすということです。自らのまた、評価というお尋ねですが、これは私がどうのこうのということではなくて、株主様やいろいろな方が評価することだと思っていますので、私から申し上げることは差し控えたいとぞんじます。
株主C   関連質問をいたしたいと思います。私はかつて、この総会で身の処し方について河合敬之助の言葉を引用しまして、経営を担う役員の方々にも申し上げたことがありますが、進む時は人の助けがいるが、退く時は人の助けを借りず自ら決すべきである。晩節の身の処し方というのは非常に難しいものだと私は思っています。先ほど、株主さんからも質問が出ましたが、私は手当がどうだこうだというようなことを言うつもりはありませんが、遠藤社長が相談役に、富樫、小野寺氏らが顧問に就任するという人事になっていますが、潔しとしない不可解な人事だと思っています。木村取締役から相談役、顧問の役割についての説明もありましたけれど、この制度が本当に会社の職務遂行上必要であるのかないのか、をあらためてお聞きしたいと思いますが、お答えいただいてない質問だと思いますので、これは宮原新社長にその運用方法、あるいは起用した根拠についてご説明をいただきたい、と思います。
遠藤社長  木村取締役からお答えします。
株主C  いや、宮原新社長にお聞きしたいのです。(会場内、爆笑)
木村取締役  相談役および顧問の制度についてご説明します。相談役については当社の定款に定めがございまして、取締役会の決議によって選任することができる、となっています。相談役および顧問につきましては、取締役の退任についての内規があり、それに従って運用しております。
株主C  いま木村取締役から説明がありましたが、あえてまた宮原新社長にお願いします。
遠藤社長  回答者の指名は議長が行いますので、よろしくお願いします。
   会場内から 「どこに書いてある、そんなこと」との声。
株主C  「関連質問だから、よろしいんじゃないですか」
   会場内から「宮原さん、お願いしますよ」の声も。「もう院政始まったのか」
株主C  あなたの9年間の議事の進行というのは、それで通してきたんですよ。なぜ、話し合いを尽くす姿勢がないんですか?
遠藤社長、立ち往生。
遠藤社長  それでは、まだ社長に就任していませんが、社長候補として宮原取締役にお答えいただきます。
宮原取締役  さっそくの洗礼、どうもありがとうございます。ただ、私も木村取締役と同意見でございますので、以上でお答えとさせていただきたいと思います。
   会場内から「なんだよ」のためいき。
株主D  ホールディングス化してからわずか1年足らずの間に、結構大きな組織の改編がありまして、先ほども多少回答をいただいたんですけども、二つの中間持ち株会社、それと一つに吸収合併、これはホールディングス化した時にもかなり多くの株主の方からも反対があって、それで強行された。それにもかかわらず、短期間でわりと大きな手直しが行われた、これは最初の計画にかなりの見込み違いがあったということだと思うのですが、先ほどの回答を聞いていると、なんか緊急に変わったようなことじゃなくて、新しい目的とかおっしゃっておられましたし、出版ホールディングスの関係では最近の情勢だと言っていますけど、その内容では、ホールディングス化する前に当然分かっているような内容だと受け止めたのですが、そういう短期間の手直しというのは非常に不可解ですね。悪いことがあって修正されるのは良いとは思うんですが、それを既成事実として、こういう場にもってくるというのは、株主として、前からホールディングス化する時に株主権限の低下ということが各方面から言われていたわけで、株主権限の低下を招かないために慎重な配慮をしていただきたいわけですけど、一つには沢山ある子会社の経営実態をちゃんと公開してほしい、特に連結の重要な子会社について事業報告の中にきちんと報告していただけないか、株主の権限を担保するという意味で社外取締役とか社外監査役の選任については、もう一回見直して、私たちの権限を担保するような形での選任方法をとっていただけないか、これが第一点の質問です。
木村取締役  持ち株会社化についての決議ですが、3分の2を超える大多数の賛成を得て可決いたしました。その後の再編につきましては、最初から分かっていたのではないか、というご指摘でしたが、運営していく中で発生した課題を解決するために行いまして、持ち株会社制の一つの機動的組織再編を実施したということです。子会社の情報開示ですが、招集通知41頁以降に各会社の内容について記載されていますので、参考にしていただければと思います。社外取締役、社外監査役の選任方法についてのご意見かと思いますが、株主の権限を担保するための制度というのは私、理解できませんので、もう少し詳しく質問していただければ、と思います。
 分社化により各社の経営状況が非常に見えにくくなっている。「事業報告」にある「各企業集団の現況」では、各事業ごとの状況や売上高の説明がされているが、各事業会社の決算内容は開示されておらず、不透明である。事業ごとではなく、各社の決算内容を示してもらいたい、というのが質問者の意図ですが、これに答えていません。
株主D  具体的なシステムとなると難しいと思いますが、現在の選任方法だと社外取締役といっても、従来から御社の役員会と関係が深い人、監査役と言っても現在監査が行われている監査法人にかつて属していた人になっている、というようなことで、不透明な感じがあります。数字の透明性をはっきり示せるようなシステムを取締役の方で率先して考えていただければ、と思います。
木村取締役  当社の基本的な方針は、社外取締役・監査役についてはご指摘のようなことのないように独立役員にあたる方を選任しておりますので、ご理解いただければと思います。
株主D    二点目の質問になります。先ほどの質問に関連して、新しくできた学研出版ホールディングスとつながる学研パブリッシングという会社があるわけです。その社長に増山さんという三井住友銀行からの方が就任された。三井住友と学研の関係はかなり濃厚になってきているので、そういう方が入ってきたのもむべなるかな、と思うんですけど、今、出版事業はかなり危機的な状況で不振な部門ですけど、しかし、学研にとっては基礎的な事業です。ところが増山氏については出版事業について経験はおありじゃない、これは非常に不安な人事だと思います。まさか、不振な部門の切り捨て役を担われるということではないと思いますけど、その経緯を明らかにしていただきたい、と思います。
木村取締役   当社では外部戦力の強化を図りたい、ということで関係する所に良い人材はいないか、ということでご紹介をお願いしていましたところ、取引銀行の方からご紹介をいただいたわけです。最初は出向でおられましたが、その後、銀行を退職されまして学研ホールディングスの社員になったわけですが、その後のいろいろなご意見、会議等での発言を聞きまして、経営管理能力がかなりあると判断して、学研パブリッシング、これもちろん出版に携わっていたわけではございませんので出版の技術持っているわけではございません、経営管理能力をかって社長就任をお願いしたということです。
 学研パブリッシングでは裁量労働制も導入され、リストラ合理化が懸念される状況になったと言えます。これを許さず、闘っていきましょう。
株主E    三点あります。それぞれ関連します。8頁にある重要な子会社の状況というところで、事務的なところなんですけど、先ほど木村取締役が44頁にいろいろ詳しく書いてある、とのことですが、8頁のところによりますと、連結子会社は重要なものを含めて34社と書いてあるのですが、44頁以降のところに載っているのが16か、それくらいだと思いますので、これがどうなっているのかという素朴な疑問が一つと、
それから学研ホールディングスという持ち株会社があって、なおかつその下で、3つばかりまた持ち株会社がある、という理解でいいのですよね。、
中森取締役  質問の趣旨は重要な子会社の選定基準は何かということ、と理解しますが、招集通知に記載の重要な子会社は、グループ内で資本金・親会社に対する資産割合、また売上高等の状況を勘案して決定しております。売上高については10億円以上を基準として選定させていただいています。
株主E  よくわからないんですが、44頁のところ、これ重要な子会社と書いてないでしょ。 子会社および関連会社と書いてあるので。重要な子会社だけが載っているという理解でいいんですか?そうすると14超えているから、どう理解していいのか。
中森取締役  44頁に記載してございますのは、冒頭に触れていますように関連当事者との取引に関する注記ですので、関連当事者として取引がある子会社だけを載せているということです。
株主E   44頁、注記というのが読み取れないんですが、
中森取締役   44頁の一番上に、太字で関連当事者との取引に関する注記と書いているかと思います。
株主E  非常に不親切な説明だと思いますが、まあ時間もかかるのでやめますが、一番言いたいのは、ホールディングスがあって、そのまた下にホールディングスがあるというのは、屋根の上に屋根を重ねるということがあるわけで、ましてや、下位にあるホールディングスの下で働いている人からすると、幾重にも支配、管理するとことがあって、自分の労働条件をどうしたらいいんだろう、と感じると思うんですが、こういう屋根の上に屋根を重ねることをやらなければならに事情についてお答えいただければと思います。
木村取締役   中間持ち株会社設立の理由と理解しましたが、簡潔に言いますと、大本にある学研ホールディングスはグループ全体の戦略・投資の配分等を決定しています。なお当社グループにおいては、複数の事業にまたがっていますので、各事業によってどのように  するかを検討した結果、各会社の特徴を活かした上で、その分野に特化した戦略を策定するという目的で中間持ち株会社を設立しました。
株主E  いまの話は分からないところもないことはないですが、そうすると、学研ホールディングスそのものでは整理しきれないところがある、ということを言ったにも等しいと思います。私ら株主として学研ホールディングスを通してしか発言できないわけですけど、実態的には多くのホールディングスなり子会社があって、それぞれの子会社については全くとは言いませんが、十分分からないで判断しなければならない、ということが非常に大きな問題として残るだろうと思います。多くの所は100%がホールディングスが持ち株会社ですから、その取締役の方が株主として大きな発言力を有し、 大きな権限を発揮するという・・・
遠藤社長   ご質問の趣旨は・・(また質問妨害)
株主E  お待ちください、そういうやり方については到底承服しがたいということを言っておきたいと思います。質問の二点目ですが、議決案件の第2号議案、53頁、これは本来は経過報告も含めて質疑応答の後に議事をやる、そこで新たにまた質疑応答を意見表明してやるというのが通常のやり方だと思いますので、両方をいっしょくたにやるというやり方については絶対反対と思っていることを表明しておきます。分からないのは、56頁のところを見ていただきたいのですけど、新たに入れ込む第6条の関係なんですが、そこで、当社の財務および事業の方針を支配・決定するものに関する基本方針というのがあるんですが、私、今年2年目で詳しくないんですが、議事録というか、
の中に記載されているんでしょうか、ないいでしょうか?定款というのは会社の中で、法律にたとえれば憲法に近いようなものだと思うんですが、そこにいきなりぽんとこういうものが出てくるのが理解しがたいのですが。
木村取締役   招集通知の20頁を開いていただきたますと、そこから会社の支配に関する基本方針というのが始まり、これが22頁まで記載されています。いまのご質問に関して、ここに書いてあります。
株主E   分かりました。これは、定款の上位にあるものなんですか? 上位にあるものであれば、これが定款のところにいきなり出て来るのは分かるのですが、・・
遠藤社長   木村取締役から
株主E    いや、もう少ししゃべらせてくださいよ。長々としゃべるつもりはないですから。
遠藤社長   簡潔にお願いします。
株主E   十分、簡潔でしょう?いいがかりはやめなさい。通常、定款のもとにある基本方針ということであれば、取締役会か何かで決めたんじゃないかと思うんですが、
定款のところにいきなり基本方針が出てくる、そのことを前提にして定款が改定されることについては、規則を定める上で到底理解しがたいんですが。
木村取締役   会社の支配に関する基本方針、これは考え方、いわばポリシーでありまして、これについてはご指摘のとおり、当社の取締役会で相当前に決定しています。この定款の表現でいきなり出て来るのは分かりにくいということであれば、招集通知に記載してありますように、これがご理解いただけるのではないかと思います。
株主E   そうすると、定款の中にそういう基本方針を定めることができるという規定があるのですか、
木村取締役 このような基本方針について定款で定めていないので、基本方針を決めてはいけないというご指摘は当たらないと思います。基本方針を実現するための取り組み、これを定款に基づいて株主総会でお諮りするという関係になると思います。
株主E   私の理解とは全く逆だと思います。強いてやるとすれば、こういうふうに取締役会でこれを決めることができるという規定があって、その規定に基づいて、どうたらこうたらするというのが適切なやり方だと思います。
18頁の大きな括弧(5)の「業務の適正確保するための体制」に@があって、その中の小括弧(7)に、「市民社会の秩序や安全」という条項があります。先ほどの質問書に対する会社側の答弁の中で、反社会的勢力とはいかなるものかという点について、当該団体・個人の行動に基づき個別に判断する、というお答えがあったと理解していますが、それは全く筋違いも甚だしいと思っておりまして、これは市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力ですから、市民社会や安全の脅威を学研が判断するというふうには普通ならないと思うんですけど。
木村取締役   そもそも反社会的勢力という言葉自体に定義がないと理解しております。従いまして、定義がない以上、ある程度どういうものか分かるために市民社会云々という言葉を前につけて説明している、とご理解いただければと考えます。
株主E   言いたいことが沢山ありますが、時間がないので省略します。要するにこの条項というのは端的に言って、いつ頃どういうきっかけでおり込まれたのか、この条項に基づいて取引が成立した、あるいは何らかの変更を加えた契機が今まであったのかなかったのか、お答え願います。
木村取締役   これを決めましたのは、平成20年3月31日の取締役会決議です。これを決めたきっかけは、政府指針が出されまして、民間企業について反社会的勢力との関係を絶つように、それから経団連等の動き、を背景にして決定した次第です。
株主E    もし分かれば、どこの省庁が出したいつ頃のものか、お答えください。
木村取締役   内閣府から、先ほど私が申し述べた時期より少し前と記憶しています。
株主E   おそらく、その文言の中で秩序云々という規定が出ているのだと思います。それは政府が一定の統制の下でやっているんだと思いますが、その背景には警察庁の様々な。
遠藤社長   ご意見でしょうか、ご質問でしょうか?
株主E   意見です。これを言わせてもらって、終わりにしたいと思います。
遠藤社長   時間もだいぶ経っています。簡潔にお願いしたいと思います。
株主E   長々としゃべっているつもりはないですけど。背景には警察庁があって、警察が弾圧・抑圧すべき対象を絞り込んで、そこへ取引も含めてやめさせるという考えがある、と思っていますので、たとえば、違法・不当な取引みたいなことであれば、一歩譲って、停止をするということはあり得ると思いますけど、何かよくわけの分からない文言で、規定し取り締まるというのは・・
遠藤社長  もう、終わってほしいと思います。他の株主様。
株主E   重大な疑義を持っていますので、この方法については再検討してもらいたいと思います。あと、あわせて、東京都において残念ながら青少年健全育成条例改悪案が・・・
遠藤社長  他の株主様、ございますか(と、執拗に質問・意見を封じようとする)
株主E   出版業界の多くの反対にもかかわらず通過してしまいました。
遠藤社長   他の方(と妨害を続ける)
株主E    出版・表現の自由を考える観点から批判を加えなければならないにもかかわらず、学研経営がこうした対応を取るのは
遠藤社長  他の株主様の発言受けたいので、着席ください。(と妨害)
株主E    さっそく、改めてもらいたい。
   会場からも「出版会社にとって重要な問題ですよ」の声。あちこちから抗議の声上がる。
遠藤社長  席にお戻りください。
株主E  だから、そういう議事の進め方については先ほどから批判されているじゃないですか。
遠藤社長  議長の指示に従い、席にお戻りください。 
     抗議の声と重なり、場内騒然。
株主E    出版会社としての気概をしめすように求めて、私の方からの発言終わります。
  遠藤社長、先に発言したOB株主を強行指名。
株主C   先ほど、お願いしましたが、あらためてデジタル事業担当の宮原さんにお聞きしたい。富樫専務からデジタル事業についての回答書がありましたが、まさにそのとおりだろうと思います。いま出版業界では、「第二の黒船の到来」ということで著者、出版社、取次、大手の書店、その他携帯電話会社等々を含めて、大変な販売主導権を争うような戦国時代に突入しているのはご承知のとおりです。角川ホールディングス、講談社、扶桑社、幻冬舎、等々の動きを私は資料に持っていますけど、時間の関係もあるので省略をいたします。宮原さんが業界のトップを狙えると確信しています、という活字を見ました。新しい電子書籍化の波を学研グループとしても避けて通れないものと思います。先ほどの富樫専務の回答ですと、やはり即応性がない、具体性に欠けているのではないかと外部から見ると思うわけですが、その点、担当の宮原さんのお考えはいかがでしょうか?
宮原取締役   ご指摘の内容はスピード感のところだと思うんですけど、出版全体の中では、学研の11月30日に立ち上げました電子ストアというのは、スピード感のある立ち上げだと思っております。当初、Ipadで第一位、IPhoneの方で第3位というスタートを切りましたので、そのへんの市場の変化というのもしっかりとらえていると思います。これから発売されるソニーのリーダーやキンドル、ガラパゴスを含めてあらゆる機種に対応していくようなものをスピード感をもって着実にやっていく予定です。また、黒船の台頭という表現がよく出ていますけど、確かにそういうところがありますが、時代の流れにそって新しい形で新しい企業体のものづくりをやっていかないと、絶対勝ち抜けないと思っておりますし、そちらの方に向かって全身全霊を注いで努力するつもりです。
株主C   その言葉を信じまして、来期の株主総会で学研の事業がどのように推移していくのか、どのような結果になっているのか、ということを楽しみにしています。最後に僭越ではありますが、質問ではありませんので、宮原さんに言葉を述べたいと思います。「志ある者は事、遂になる」、当然、宮原さんは内容はお分かりと思いますけど、あえて申し上げますと、事を成し遂げようとする堅い志がある者はどんな困難に遭遇しても最後には必ず成し遂げる、という意味です。どうか、新社長になりましたら、この気持ちで学研ホールディングスグループを引っ張っていただきたい、と述べて私の質問を終わります。
遠藤社長  貴重なご意見、どうも大変ありがとうございました。
   場内からは、会社に対する冷笑も・・・。
株主F   先ほど、遠藤社長は新しい時代の課題が生起している、新しい課題に対応するには新しい体制で行くんだ、というようなことで、宮原取締役を社長にして新体制で行くという話があったわけですけど、社長になられる宮原取締役は、ここまで学研の経営再建が思うにまかせなかった原因がどういう点にあるとお考えか、一点目にお聞かせください。
遠藤社長    具体的にはどういう所をお答えすればよろしいですか?
株主F   ですから、ここまで経営再建が思うにまかせなかった原因とは、どのへんにある、とおさえているのか、新社長になられる宮原さんに聞きたい、ということ。
遠藤社長  (しばし、立ち往生し) 今おっしゃったことはいろいろな側面、見方があろうかと思いますが、ですから、一概にそう言えないのではないかと・・
   会場から  「その点も含め宮原さんが答えればいいわけでしょ」の声
(宮原取締役を指名した上で)先ほどお答えしたのは、新しい課題が生まれたから新しい体制といったわけではなく、常に新しい課題が次々と生まれてきて、経営は継続してそれに取り組んでいくのだと、ちょっと訂正させていただきます。それから「経営改善が思うにまかせない」という、それについての考え方についてはいろいろな側面があろうかと思いますが、一概にそれは・・・見解が別れるところでありますけど。宮原取締役からお答え申し上げます。
宮原取締役 経営的な部分というよりは、やっと今期でこの数字を出すことができたので、そういったふうには受け取っていません。これからV字回復しながら、しっかりものづくりをしていきたいと考えています。
株主F 学研ライフの12月1日発行の号に、宮原取締役は質問に答える形で、いままずやらなければならないと思っていることは、 学研で働いていることを皆が誇りに思える会社にしたい、と言っておられるわけです。これ間違いないですね。そのために具体的にどういうことをしようとしているのか、をお聞きしたいんです。
 遠藤社長、しばし沈黙。
宮原取締役  ものづくりをやっている会社である以上、自信をもっていいものを先陣を切ってつくっていけるような会社にしていきたいと思っています。ただ、長らく売上げ減、利益赤字というものが続いているがために社員の皆様が自信を失っているようなところがありますので、私が現場に出向きながら積極的に元気にしながら良いものづくりをしていきたい、と考えています。
 この答弁は、長らく経営再建が思うにまかせなかった事実を示しています。
株主F   先ほど議長は「認識が違う」と、経営再建が思うにまかせない、というのはあなたの認識で、私はそうは思わないと言われたかと思うのですが、宮原新社長の課題の一つに、私は、このかん遠藤社長が採ってきた労務政策はどうだったのか、ということが根本的に横たわっている、労務政策が間違っていたから、学研で働いていることを誇りに思えるような会社にならなかったのではないか、労務政策を改めるべきだと私は思います。取り組むべき大きな課題の一つとして、先ほど議長も富樫専務も述べていましたが、40年間も労働争議をひきずっている、大きな問題だと思うわけです。新しく社長になられる宮原取締役は、遠藤社長を先頭に採ってきた労働争議を解決する姿勢をとらない、話し合いもしない、そういう労務政策を採り続けるつもりですか?お聞きしたい。
遠藤社長    あの貴重なご意見として承らせていただきます。他の株主様。
会場内、騒然。「ちゃんと答えなさい」の声、しきり。
株主F   宮原氏は、皆が誇れるような会社にしたいと言っているから、今までの労務政策を改めるのかどうか、と聞いているのです。ちゃんと答えてください。
遠藤社長   ご意見として承ります。
   場内から抗議の声続く。
 宮原新体制は、遠藤社長の採ってきた労務政策を引き継ぐのか、転換を図るのか、本総会の中で極めて重要な質問ですが、遠藤社長が宮原取締役に答弁させず、質疑を打ち切り、宮原取締役も回答を逃げてしまいました。
株主G    簡単な質問をしますので。裁量労働制が労働条件の変更で導入されましたが、会社側は各事業部門と社長を含めて、すべて出て、組合もすべて出て話し合う、ということでよろしいでしょうか? どういう形で労働条件につき話し合うのですか?
木村取締役    いまご指摘がありましたように、社員への説明、労働組合との協議、
これを経て決定しています。
株主G    もうちょっと具体的に。人数的には、全て出るのですか、各事業部の社長は。あるいは、労務担当が全員出てきて?
堀執行役員   今の質問は、導入にあたって、どういう経緯で説明をしてきたか、ということでよろしいでしょうか?
株主G    長くなるのでいきさつは結構ですから、形式的に会社は何人出て、組合は何人、月に何回やるとか、そういう具体的なことです。
堀執行役員   もともと導入後は、実態調査も含めまして労働組合の皆さんと3ヶ月に1回、いろいろ協議・検討していくことになっています。これはパブリッシングの経営と組合と、合わせて各職場でいろいろな意見の聴取を行うということになっています。株主G 長くなるのでやめますけど、小さい事業部で小さい問題は、団交などやらないということですか?
堀執行役員   様々な職場での懇談会もやってまいりますので、そういった意味で会社と従業員の皆さんと対話の場を持つ、ということです。
株主G   納得はしないんですけど、次いきます。編集事業開拓室と営業支援開拓室とグループ業務アシスト室っていうのは昨年4月に設置されたのですが、部署の位置づけとか、業務内容が不明だったので答えてもらいたいのと、そのとき配属された社員の数と今現在の社員の数をお願いします。
工藤執行役員 発足したのは2009年3月です。書面での回答でもありましたが、
編集事業開拓室については出版関連の新規事業の開拓、編集関連の技術を活かしての編集関連の業務を受託する組織として発足しました。現在もその狙いの下に運営されております。人員は、発足当時の人員は今現在資料がございませんが、現在は15名程度でございます。営業支援開拓室ですが、新規事業の開拓と営業業務の受託、新たな売上げ利益の橋渡しととらえて、発足し、現在もその方針の下に運営されています。今現在は10名程度で運営しています。グループ業務アシスト室ですが、発足の狙いは全社横断、グループ横断、業務支援、業務改善および利益改善を目的として発足し現在もその目的にそって運用されています。現在の人員は十数名そして財団への出向者もこちらに属して合わせて20名程度で運営しています。今現在の組織的なことですが、編集事業開拓室は、子会社の学研マーケッティング、あとの2室は子会社の学研プロダクツサポートの中の組織として運営しています。
株主G    裁量労働については、今後どうしていくつもりなのか、試験的にやっていくのか、を聞きたいのと、過重労働につき先ほど精神論的なことで十分気をつけます、と言っていましたが、過重労働になっていくと思うのですが、三六協定しっかりやっても過労死というのはあるんですが、その具体策につきお聞きしたい。また、これを導入することによって、先ほど残業は減りましたということを聞きましたが、具体的にどのくらいの経費節減になったのでしょうか?
木村取締役    前半の部分だけ私からお答えします。当社はグループ30数社ございますが、そのうち裁量労働制を実施しているのは、1社だけです。人数的にも、その中の一部の68名、が裁量労働制で仕事をしています。今後についてはまだ検討中ですので、いまここでどうするのかというのはお答えしにくいことです。過労死の問題ですが、当社グループで過労死で亡くなったという方はございません(以下、ワークライフバランス等、書面回答のくり返し)。
堀執行役員    まだ、正確な数字は申し上げられないと思いますが、このままでいきますと2千万から3千万の経費削減ということになるのではないかと思っています。
株主G    最後の質問ですが、社外取締役と社外監査役の中の公認会計士と弁護士は何人ずつですか。
木村取締役   この総会の決議が通ったという前提でしたら、社外取締役は二名でお一人が弁護士、お一人が公認会計士、社外監査役が同じく二名で弁護士が一名、公認会計士が一名、こういう構成になっています。
株主G    最後に意見だけ言います。今の公認会計士と弁護士さんの問題、端的に言うと公認会計士を取締役に入れるというのはアメリカでやっていますが、この会計報告は外に出してやって二重三重にお金を使っている、先ほど怪しいんじゃないかという意見が出ていましたけど、もうちょっと普通の外部の人、大学関係とかマスコミとかの人を入れた方がいいと思います。もう一つ意見、遠藤洋一郎さんが相談役になったように、要するに名誉会長にならなかったんですよね、端的だったんです。この9年が失敗だったということを認識しているわけですよ(場内爆笑)。そうでしょう?それで相談役とか顧問とか、あなた方は会社を私物化しているんですよ、私物化。よろしいですか。だから、先ほどの中間持ち株会社ってのは、東京ふじせの問題と形式は違うけど、実質は同じことが起こりますよね。靴を三足くらい履いたお前は外側なんだ、という論理でしょ。東京ふじせに対してそういう態度を取っている。民主的ないい会社にしてください。
遠藤社長    ご意見、どうもありがとうございました。
株主H    二点、うかがいます。あんまり時間はない、本当は時間があって、昼食を取ってから2時半くらいまでやってもいいくらいに学研は抱えている問題がいっぱいあると思いますが。すぐ、打ち切るというようなことはやめてもらいたい、と思いますが、できるだけ簡潔に聞きます。一点は、先ほど宮原さんに対して、質問が出されていました塾・教室事業につき、聞きたいと思います。もう一点はふじせの件です。
 まず、宮原さんが塾・教室事業で手腕を発揮されてきたということを聞いています。先日の11月15日の決算発表の記者会見では、遠藤さんと並んで宮原さんが、今までの自らの功績を含めて成果としていろいろしゃべられた、きょうここで遠慮がちに語っているような言い方ではなく、能弁に語られていたようです。その塾・教室事業について、先ほど、グループ価値の最大化を図りつつ、友好的なM&Aをやってきた、宮原さんのインタビューでの発言では相手にとっては救済的な案件として、自分たちもいろいろ学んできたというような言い方で、先ほどの書面でも一社を除いて黒字化しているといわれたんですけど、そこの所に問題はないのか、ということでちょっと気になっています。というのは、東北ベストスタディというところで、今、そこにいた中心的なメンバーの人たちが、どうも10人くらいで、もともとあすなろ学院と言っていた東北ベストスタディを抜けて、仙台あすなろ舎というのを作って、これに対して学研の方が競業禁止義務に違反する、として損害賠償を元社員に対して起こし、それから、商標権の侵害ということで、差し止め、その名前を使うなという仮処分の申請も仙台地裁に起こした、ということが10月19日と27日の河北新報に掲載をされていました。いろいろな問題があって、こういうことが起こったんだと思うんですけど、この点について説明をしていただきたい。
木村取締役    いまのご質問、東北ベストスタディの訴訟ということですが、東北ベストスタディは「あすなろ学院」という商標を使用して塾を運営しています。ところがこちらにいました6名が退職をしまして、類似の商標を使用して同じ学習塾を運営しているということが分かったと聞いています。従いまして、この商標の使用の差し止めと、損害賠償を請求していると、ただ、当事者は学研だと言われましたが、東北ベストスタディだということで、私の認識していることは以上です。
株主H   その内容についての説明としては非常に不十分なのですけど、どうしてこういうことが起こってしまったのか、ということが大事なところで、いろいろ他にネット上でも、残業代が支払われないとか、結局買収してからの学研サイドからのいろいろな圧力とかの中で、中心メンバーの反発が起きたというようなことも書かれたりしています。この2年間で東北ベストスタディの売上げが減り、生徒が一〇〇〇人も減ると・・
遠藤社長   ご質問はどういうことですか(とけんめいに妨害)
株主H    こういう中心メンバーが離脱せざるを得なかった買収の結果ということについては、今日も買収防衛策について議案になっていますが、むしろこうしたM&Aによって相手の企業価値を損ねているようなことを学研の方がやっているんじゃないか、その点についての認識はどうなんでしょうか?
木村取締役    当社が東北ベストスタディと資本提携した経緯と今回の会社をやめてですね、新しい塾を始めたということについては何か関係があるとは考えていません。
株主H   これはもうこれ以上聞きませんけど、大いに関係していると分かるような事が表に出ているのではないかと思います。
 次にいろいろな方から質問が出ていて重複することはカットしますが、東京ふじせ企画が78年の1月に倒産した原因について全く示されていませんが、質問書で出ているのに、東京ふじせ企画の労働者がふじせ企画から派遣されて学研でどういう働き方をしていたのかも、全くここで答えていない、事実関係について全くごまかしていて、たまたま取引のある会社だったけども、かってに経営破綻してこけて、その労働者が学研に言いがかりをつけているかのように言っていますが、そうではないことは昨年もはっきり言ったと思います。その上で、・・・
遠藤社長 あの、ご質問は・・・(とまた妨害)
株主H   書面では質問に答えていないので、何故、倒産したのかについてお聞きしたいが、答えられたら答えていただきたいものですが、一点、今年の2月、3月と学研ホールディングスの代理人の名前で、私たちのいろいろな行動に対して学研の営業を妨害しているものだというようなことで、すべての組合の行動、争議行為をやめなければ、刑事・民事上の手段を行使するという通知書が2回にわたって送られてきました。私たちは、これに対して2回にわたって、全く不当なことだという返答をして、それ以降、この弁護士さんからは全く何の動きもありません。学研は卑怯なことに学研の名前は一切出さない、本来であれば一緒にこの代理人と名を連ねて私たちに通知をしてくるべきだと思うんですけど、それもしていない。結局、去年の株主総会で学研には争議はないと一方で言い、また一方で組合の行為につき
遠藤社長   あの、ご質問の趣旨は(としきりに発言妨害)
株主H   いま言います。だから、遠藤さん、ちゃんと聞いてください。一方で、組合に対して民事・刑事上の対抗策を取るのだと事実上争議を構えるということを言って、争議はないと言って無視をするのか、それとも本当にそういうことをやってくるのか、少なくとも弁護士からこういう警告がなされてまた、今年も株主総会を迎えて、学研ができないのは、こういう手段でむしろ争議が顕在化することを恐れて今も逡巡している、ということだと思うんですけど、採るべきは第三の道で、私たちと話し合うことではないのか、つまり学研に争議はないという言い方もおかしいし、刑事・民事上の責任を追及するという言い方で何かさらに法的に争いを起こすということも誤った選択だと思います。第3の道、私たちと話し合って争議を解決するということを選ぶ考えはないのか、そのことをあらためてお聞きしたい。
木村取締役   先ほどの書面質問に対するお答え、他の株主様からの質問もありました。書面質問の回答と同じですので省略しますが、違法行為に対しては会社として毅然と対応するということは申し上げたとおりです。
株主H  違法行為だと言って、それから何年経っているんですか?やるんだったらやってみれば、学研の訴えの方がおかしいということになるわけでしょ。昨年の総会からくり返して聞いているんです、どうするのですかと?
     学研は、「毅然と」刑事・民事手段を行使してこなかったのは、これまでの行動は違法行為とは捉え    ていないことを自ら明らかにした答弁というほかありません。
遠藤社長    先ほど、書面でお答えしたとおりですので。他の株主様。
株主I    遠藤社長に前回の株主総会で質問いたしまして、それに対するお答えをいただいているんですけど、その後1年間、どういうふうにそのお答えに基づいて、遠藤社長が行動されたか、ということを聞きたい、ということがあります。もう一つは、次期社長に内定されている宮原取締役に対して、次の経営展開、経営方針に対する質問という流れになっていくと思います。 時間がない、ということなので短く聞きます。遠藤社長はおぼえてらっしゃるかどうか分かりませんけど、前回の私の質問は、私が24年7ヶ月にわたって映画会社東映による会社倒産、そして労働者全員解雇という攻撃に対してその責任を取らせる、そういう行動をとってきたのですが、その自分の経験の中から遠藤社長に対して、質問をしたわけです。学研は、今回もそうですけど、ふじせ企画労組に関しては、一切関係ない、40年近くもやっているのは解決金目当てだと、そういう姿勢を示されているわけですけど、映画会社東映も私たちに対して同じような姿勢をとってきました。で、その姿勢では解決しないのではないかという質問に対して、
  (因みに学研のふじせ導入が38年前、争議突入が33年前です)
遠藤社長   あの、簡潔に・・・
株主I    だから前回、そういう質問をしたことに対して、遠藤社長は、もう少し話し合いで問題解決をする姿勢をとるべきではないのですか、という質問に対して、貴重なご意見をありがとうございました、と、そういうようにお答えになりました。で、この1年間、私の質問を貴重な意見と認識された上で、どういうように行動をしていらっしゃったのか、それをおうかがいしたいなと思っております。
遠藤社長  あの、いまのことにつきましては、先ほどから書面でお答えしており、ご質問につきましてはお答えしたとおりです。
株主I   答えていない。
  会場からも 「それでは方針にならないでしょ」。「答えなさい」の声。
だから、遠藤社長が答えられたんです。貴重なご意見、ありがとうございました、と。
遠藤社長   はい。
株主I    では、遠藤社長いいですか、私の意見のどの部分が貴重な意見という認識をされたんでしょうか?
遠藤社長  一つのご意見としてうかがわせていただきまして・・。
  会場から  「なんだよー」の声。
その上で、きょう書面のようなお答えをしているわけです。
 今回の総会では「株主総会では毎回、株主から質問が出され、特に昨年の2度の総会でも新たな株主の方々からの質問で、争議解決の決断が促された。こうした点につき、経営陣はどう受け止めているのか、回答されたい。」との事前の質問書が出されていたにもかかわらず、社長の回答は、あまりにも不誠実で不真面目というほかありあせん。
株主I   貴重でもなんでもなかった、ということですか。リップサービスだった、と言いなさいよ、それでは。
では、次期社長に内定されている宮原取締役に、次の経営方針に関する質問ということになると思いますが。24年間7ヶ月、私が映画会社東映と争議を闘ってきたわけですけど、結果的に私たちが金目的にやっているのではない、という認識の上で、また東映として解決をした方がいいという認識の上で、私に東映の責任の下で職場を用意するという形で現在働いております。そのきっかけを作ったのは、経営陣の若返りだったのです(会場から拍手)。
遠藤社長   質問の趣旨はどういうことでしょう(と懲りずに妨害)
株主I    東映は岡田茂、高岩淡という70代の社長から岡田剛という50代の社長に経営を若返りをさせるんだ、ということで変わったんです。
   遠藤社長の執拗な妨害が入るが、会場からの抗議の声を背に株主が発言
今回、学研も同じように若い宮原社長を押し立てて経営を若返りさせるんだと、いうことで社長になったと思うんですけど、宮原社長としては、今まで40年近く引きずってきたふじせ企画の争議を同じようにひきずってやっていくのか、それともここで解決をして社員たちが元気に自信をもって働ける職場をつくるのか・・
遠藤社長  お答え申し上げます。(と最後まで妨害)
株主I    そのどちらを選ばれるのか、うかがってみたいなと思います。
    (株主Iの発言に会場から拍手)。
遠藤社長  私からお答えします。 「あなたじゃない」と会場から抗議。
先ほど書面でお答えしていることが会社の基本姿勢ですから・・。これからもこの姿勢でやらせていただきます。
   会場内  抗議の声が各所から起こり、騒然。
   「宮原社長の答弁を求めます」等の声。
    遠藤議長、抗議で騒然とする中、審議を尽くしたとして決議事項に移る旨を宣言。
   「嘘だよ」「尽くしてない」「ちゃんと答弁しろ」等の声がうずまく。
   動員された前3列のみのロボット社員株主の拍手の中、剰余金処分、定款変更、取締役選任、買収防衛策継   続等の議案の採決を強行し、終了。