学研経営は争議と経営状況泥沼化への道=悪質な弾圧策をやめ、話し合いの場に出てきて争議を解決しろ!


            3・17学研社前                           岩井学研ファシリティサービス社長

 学研の業務総引き上げ=倒産・解雇の争議責任を追及して展開されている学研・ふじせ闘争は、さる2月28日、争議最高責任者=遠藤洋一郎社長の横浜自宅包囲デモを闘い抜いたことは先月号でお知らせしたとおりです。
 学研経営は、この自宅への社員動員(社長本人は姿を見せず)を皮切りに、3月以降、私たちの社前行動に対しても総務(学研ファシリティサービス)の御用社員を使って、物陰からビデオ撮影をおこなわせる、という悪質な対応を取っています。株主総会で、私たちの正当な争議行為を誹謗・中傷した上に、「刑事・民事上の責任を追及する」と称して、対抗手段をとる旨を、この数年間の答弁としていることが、「学研に争議はない」と言っている表向きの姿勢といかに矛盾したものであるかを、昨年の株主総会で鋭く追及され、逆に刑事・民事弾圧の姿勢を露骨に示して開き直っているのです。しかし、株主総会で軽率に表明してしまった言葉(誤った方針)に縛られるのは全く愚かしいことであり、このような弾圧策は学研の企業イメージをさらに著しく悪化させ、争議を泥沼化させるものでしかありません。80年代後半〜90年代前半、学研の暴力労務政策に続く民事弾圧策に憂き身をやつした結果が、経営の赤字転落、職場の荒廃(怪文書続出など)だったことを遠藤社長ら現経営陣も知っているはずです。
 株主総会で株主から鋭く問われたのは、「争議はない」と言って現実から目をそむけて無視する態度でも、争議への弾圧策でもなく、第三の道=話し合いの場を設けて争議を解決すべきではないのか、ということでした。
 学研経営は、総会で答弁した経営再建を少しも実現していませんが、こうした表明の言葉こそ身を賭して実行し、問題体質を改めるべきなのです。争議解決はそこに直結する課題であり、いまこそ解決の決断をくだすべきなのです。今春闘で、全学研労組からも改めて「東京ふじせ企画労組と話し合い、争議を解決すること」が要求事項の一つとして経営に提示されました。真摯に受け止めるべきです。
3・17学研社前闘争
3月17日、朝7時過ぎから学研本社前行動を行いました。7時50分ころ、遠藤社長の乗った車が、裏手高速道路側から出社してきたので、抗議のシュプレヒコールを浴びせました。その後は、役員たちが出社する動きは見られませんでした。
 8時50分を過ぎたころ、総務担当の事業会社=学研ファシリティサービスの岩井社長が、正面玄関前に出てきて、苛立たしげに私たちのビラ配布の様子を見ながら立っていました。当該が近づき、争議解決を働きかけようとすると、「敷地内に入るな」と怒鳴るように文句を言いました。社前に持ち出された立て札にも新しい張り紙が貼ってあり、これを指さすようにしながら、出ていけと当該を押しのけるような身振りを見せました。これに、多くの仲間が抗議の声を上げて、不誠実な態度をたしなめると、さらに岩井社長は、「最高裁で罰せられたじゃないか」「学研はふじせの行動を受忍したことはない」など、と発言しました。岩井サンは、どうやら、ふじせ争議のことをよく理解していないようです。最高裁決定(2003年)は、労働委員会命令の取り消しを求めた行政訴訟のもの、刑事事件ではありません。また、その決定後から今日まで、学研経営が、私たちの争議行為を受忍してきたのも事実(積極的に容認したなどとは言っていません)です。学研の使用者性が不当にも認定されなかったからといって、倒産争議を引き起こした争議責任を追及する行動を展開する団体行動権、争議権を奪うことはできないことは当然ですから、受忍せざるを得なかったのです。彼でさえ、この程度の認識では、他の役員たちはおして知るべしです。
 岩井社長とのやりとりの最中、御用社員が出てきてビデオで撮影。階段棟の二階からも撮影をしていました。私たちの抗議の姿勢に、やがてすぐに姿を隠してしまいました。
 9時過ぎ、再び全体でシュプレコールを上げて、ビラ配布から社前はりつき行動に移りました。マイク情宣を再開、寒く、風も強い中でしたが、10時少し前までの行動を
打ち抜きました。
3・29学研社前闘争
 3月29日は、12時から学研本社前で抗議・情宣行動を打ち抜きました。ふじせ労組のビラと地域合同労組=東京南部労組の労働相談案内のリーフを同時に配布しました。
 当該がマイク情宣を始めようとすると、2月の遠藤社長宅デモの際に、会社から動員された総務の社員が、話しかけて来て、「28日は勤務明けで個人的に行ったんだよ。ビラにいろいろ書かれていたけど」と弁解していました。横浜南署の前で私たちと遭遇した時、 3・29学研社前酒気帯びだったことを書かれて、職場でも話題になったのでしょうか?だが、これは彼一人のことではなく、民事・刑事弾圧策を学研経営が現場に強いることで生じる職場の荒廃を暗示しているものです。

 
12時50分頃、雨が降り出しました。13時を回った頃にはビラ配布を終了しました(殆ど完配となりました)。天候不順ながら、学研の社員・来客・地域の労働者のビラの受け取りは良好でした。途中で、雨は上がりましたが、終わりの頃には強い強風が吹き出し、あられが降ってきました。最後まで、行動を貫徹し、14時少し前に解散しました。
4・14学研社前闘争  
総務・御用社員 階段棟からこそこそと撮影
 4月14日は、午後12時30分からの社前行動でした。ビラ配布を集まった多くの仲間と共に行い、マイク情宣を開始すると、やがて、階段棟から、総務の御用社員がビデオカメラらしきもので撮影。しかし、こちらが視線を向けると、隠れるようにしています。学研ファシリティーサービスでの業務とは、このようなものなのでしょうか?この後も、御用社員は、階段棟の所から、顔を出したり隠れたりをくり返しました。
13時43分頃、遠藤社長の乗った車が外出先から戻ってきました。全体でシュプレヒコールを浴びせて抗議の意思を示しました。その後、都内・あるいは長野などの遠方からも次々と車が到着、重要な会議が持たれたようです。
社前を旗・横断幕・幟が埋め尽くし、ゼッケンを着けた多くの労働者が抗議の声を上げている争議状況が、これらの来客の眼前でも現出されたこの日の闘いでしたが、14時30分より少し前に社屋に抗議の声を浴びせて終了しました。
4・19株主名簿閲覧に訪れる
 4月19日は、さる学研の株主と共にふじせ労組委員長が株主名簿の閲覧申請に本社を訪れました。ガードマンは最初慌てていましたが、株主としての来客と分かってすぐ元の位置に。この日の会社とのやりとりの詳細は省略しますが、総務を呼び出してから
最初に出てきた2名、入れ替わりに出てきた1名の間に引き継ぎが出来ておらず、その後、2階応接フロアで、閲覧申請書を示されるまで時間がかかったこと(慌てて対策も練っていたのでしょうか?)、前回、同じ方と殆ど同時期に閲覧申請した時に、ふじせ労組にだけは「誓約書」(知り得た株主名などを悪用しない趣旨だが、拡大解釈の余地があって不当に株主としての権利を侵害しかねないもの)の提出を求めて直後の株主総会で紛糾したが、今回は両者に同じ誓約書を求める形の申請書になっていたこと、株主としての証明書添付や印鑑証明など、手続きが面倒になったこと、等がありました。
他の株主に働きかけを行い、株主提案の行使などをすることの目的は、「経営の改善による株主利益の確保」ということが一般的な説明になりますが、経営の改善の中には
会社が抱えている争議の解決も含まれと考えるのは当然です。
 そのための他の株主への働きかけをふじせ労組員である株主が行うことを、以前の株主総会での誓約書強制の根拠についての会社答弁では、まるで違法・不法な行為と断じて閲覧を妨害したことを居直るものでした。
手続きの厳格化に伴い、会社としての前回のような株主権の行使への恣意的な、また差別的な扱いは一層許されなくなるというべきです。
<共闘報告>
3・25南部春季集会開催、4・20統一行動を闘い抜く!
 2010年度の闘いへ向け、3月25日、南部春季集会が開催された。全関東単一労組東急分会、アール闘争を支える会、鈴木さんと共に移動の自由を取り戻す会、ユニオン東京合同ブリタニカ分会支援と育成会当該から連帯挨拶。南部交流会からの基調提起は品川臨職共闘が行なって、09年度の闘いの総括、10年度の各課題と方針を読み上げました。連帯発言Uは、三多摩労争連、中部交流会、労働法連絡会、争団連、そして渋谷のじれんの各仲間から。集会の最後は、南部統一行動の現場となる品川臨職とス労自主が決意と行動提起を行った。南部労組に労働相談中の仲間も前に出て自己紹介と簡単な職場報告をしっかり行った。内容の濃い充実した集会で、2次会も大いに盛り上がった。
 4月20日は、南部統一行動。品川区庁舎前に早朝から54名が結集、いつも管理職を動員して周囲をガードさせながら登庁してきていた本間副区長は登庁を回避、山田副区長も現れず、8時40分頃、浜野区長が車で第3駐車場から入庁するところへ抗議を浴びせ、その後、庁舎前集会を開催。11時からは、品川港南口のエッソ本社前へ移動し、ス労自主の8名不当解雇撤回、春闘勝利の集会を開催、11時45分〜駅港南口の繁華街で昼情宣をこちらも50名を越える結集で打ち抜いた。
4・9 出労交春季集会を開催!
 出版業界は21年ぶりに販売総額が2兆円を割り込み、書店の廃業、中小出版社の経営破綻が続き、最大手講談社、小学館などでも軒並み赤字決算に陥り、光文社が30億円を超える赤字で50名の希望退職募集を行うなどの経営危機が顕在化している。そうした中、激化する経営の犠牲強要攻撃や争議解体攻撃を打ち返そうと、出版関連労組交流会議の春季集会が、4月9日、東京しごとセンターで開催された。光文社の厳しい状況報告やダイヤモンド、双葉社などの各労組、昨年来争議に入っている明石書店の仲間、教育社、ふじせ、山田書院、論創社などの各争議報告を受けて、争団連や中部交流会の仲間からの連帯挨拶も受け、共に闘うことを確認。二次会も盛況だった。
4・1渋谷のじれん、宮下公園のナイキ化工事強行着工を阻止!
 渋谷区が、宮下公園をナイキに独占的に使用させ、集会で利用してきた市民・労働団体や公園で野宿する人々を排除する目論見は、いよいよ渋谷区議会都市環境委員会で4月1日〜10月末までの工事着工、11月初めナイキパークオープンを発表し、新たな局面に。これに連日の監視態勢を敷きながら、渋谷のじれんの仲間は抗議行動を展開、4月1日の着工を阻止し、現在までみんなの宮下公園を守り抜いている。  
4月28日(水)渋谷のじれん総会(18:30〜渋谷勤福)
4・17鈴木さんの移動の自由を取り戻す会「地域報告集会」開催!
第2次行政訴訟の判決が7月28日(水)13:15〜103号法廷と決まり、それを迎える前に、地域で大田区の介護支援費削減の不当な攻撃を許さず闘ってきた鈴木さんの闘いの報告会を4月17日に地域の仲間、障害者運動を闘う仲間が集い開催した。
4・30「つぶせ派遣法」集会  4月30日(金)
 政府「改正」案を糾弾し、労働者使い捨ての派遣制度の廃止へ! 18:30〜
鎌田慧さん(ルポライター)、吉岡力さん(松下PDP闘争)らを招き  豊島区民センターで