2・28ふじせ闘争32周年
遠藤学研社長宅包囲デモを
   約80名の結集で打ち抜く!




   弘明寺商店街前を行進するデモ隊                          デモに先立ち、大岡地区センターで集会

 学研の業務総引き上げ=倒産・解雇攻撃と闘う学研・ふじせ闘争は、今年1月丸32年を経過しました。最近の闘いをふり返りつつ、2・28デモの報告を行います。
無責任経営陣の自分たちのみの生き残り策=持ち株会社発足を撃ち、株主総会闘争や提携先への闘いを展開!
 昨秋10月1日、学研は持ち株会社=学研ホールディングスを発足させました。これは08年に年間3度もの希望退職募集を行って労働者への犠牲強要策をくり返して、なお業績悪化に喘ぐ学研経営陣の自分たちのみの延命策=労働者切り捨てへの大がかりな再編です。09年6月、そして、持ち株会社発足に伴う12月の2度の株主総会に対し、この点を問い質し、学研の問題体質と腐敗に満ちた延命策を徹底追及し、争議の解決を迫る闘いとして会場内外を貫く強力な闘いを展開しました。総会会場内では、10数名を越える株主の鋭い追及の質問が次々と学研経営陣に浴びせられ、場内を席巻し経営を震撼させる闘いが展開されたのでした。
 また、学研は争議を抱えた問題体質をおし隠して、業務提携・資本提携や受験塾の買収を行なっています。私たちは大株主や提携先への申し入れも行ってきており、争議解決の働きかけを促しています。筆頭株主のエフィッシモキャピタルマネジメント(旧村上ファンド)は、学研の実態を暴露しての私たちの再三の申し入れ内容も判断材料の一つとして、ファンドの利害から株主総会での遠藤社長の再任反対、持ち株会社化反対の声を上げ、株主総会でのホールディングス発足の可決を受けて学研からの投資撤退=学研への株式買い取り請求を起こしました。また、私たちは、「学研と警察に相談した」として悪質な対決姿勢を示し、申し入れ拒否回答を行った明光ネットワークに対し、伊藤忠商事に続く抗議行動を展開してきています。これらは申し入れ内容への判断は別として申し入れを受けて話を聞く姿勢を示したインデックス、TOCや三菱東京UFJ銀行、等々とは対照的な対応をした企業です。
学研社前闘争、社長・役員追及行動を継続強化。イベント闘争も拡充、情宣も社内・地域に浸透。
 学研社前では、出社役員への団交申し入れを展開し、遠藤社長や役員たちが早朝出社あるいは経路を変えての社屋への逃げ込み、出社見合わせ等で抗議をかわそうとする中、経営陣一人ひとりに怒りを浴びせる行動や、受付へ通すよう求める団交要求を打ち抜いてきています。また、来客やフリー・下請け労働者など学研関連への情宣を兼ねた社前での抗議行動も展開してきました。朝ビラは、地域労働者の受け取りも良く、私たちの情宣が社内・地域に浸透しています。
 学研の争議を抱えた問題体質や経営実態を知らせる社会的情宣も、7・11東京国際ブックフェア、8・6教育工学研修セミナーや、12・10エコプロダクツ09等々で展開、東京ビッグサイトなどの会場では反響も大きく毎回大量のビラ受け取りを実現しています。
学研の決算、全部門赤字で32億円の最終損失。学研HDによるリストラ大合理化粉砕。第一四半期決算発表では業績予想の下方修正!
 学研は、11月13日に9月末〆の決算結果を発表しました。決算は全事業部門が赤字で32億円の最終損失となり、株主配当を出すために3年連続で、資本剰余金を取り崩すなど、経営計画2011も破綻が必至となる中、エフィッシモからの株買い取り請求で40〜50億円が必要となって銀行と当座預金額を上回る特殊借り越し契約を結ぶなど、資金状況も悪化してきています。また、買い取った株は新たな大株主も簡単には見つからず、消却するのかどうかも未だ決まっていません。2月15日には、2010年9月期の最終利益を12億円から3億円に下方修正する発表を行いました。
 経営行き詰まりの中、持ち株会社化を利用して今後、無責任経営陣が苛烈な労働者への犠牲強要と使い捨てを行おうとするのは目に見えています。社内に生まれている経営不信、労働者の怒りの声と結び、このHD発足=無責任経営陣の最終的延命策による争議からの逃げ切りを許さず、争議解決を決断させる闘いの飛躍をかちとっていきたいと考えています。
 今年の32周年闘争は、既に五反田本社周辺での地域へのアピールは、毎月の社前行動・朝ビラ等で十分に展開してきていることもあり、先の株主総会でも解決力・判断力を疑わせる状態になり果てている学研経営陣の最高責任者=遠藤社長の自宅への抗議を包囲デモとして展開していくこととしました。
雨のち晴れ、気温もコースも意気も上り坂へ
 2月28日は、数日前からのぐずついた天候が続き、午前中は小雨模様の肌寒い陽気となりました。そしてチリ地震で津波警報が出され、湘南方面への電車もダイヤに乱れが・・。                         
  しかし、「弘明寺」駅頭での情宣を始めた12時15分頃には、雨も上がりはじめました。商店街の買い物客や通行人の注目が集まり、ビラの受け取りも良好。続いて、大岡地区センターに移動し、集会を開始。集会室を埋め尽くすように全都から地元横浜から仲間が結集。当該基調報告、連帯挨拶(争団連、全学研労組)、緊急報告(解雇攻撃を受けたばかりの三多摩合同労組ホッタ晴信堂薬局の仲間)、決意表明(南部地区労働者交流会、出版関連労組交流会議、ふじせ闘争支援共闘会議)、どれも力強い発言で集会に熱気がこもります。14時〜デモ出発、地区センターから弘明寺駅頭の鎌倉街道を進み、シュプレヒコールが轟きました。旧道に入り、バス通りをデモの長い列が行進。通行する車からもプラカード、横断幕・旗・昇り・ゼッケンが注目を浴びます。そして丘の上の住宅街へ。やがて見えてきた遠藤社長宅。社長は逃亡したか宅内に人影は見えません。自宅前にサングラスを着け、ビデオカメラ
を回す男たちが。最初、明らかに公安かと思い抗議糾弾。春の陽射しの下、遠藤宅へシュプレヒコールを浴びせました。


    遠藤社長宅前で抗議の声
     社長宅前で 労働運動弾圧専門の公安まがいのいでたちで構える学研総務社員

 最後は丘の下り坂を降りきったところで集約・闘争の成功を確認し流れ解散となりました。解散地から弘明寺駅付近へさしかかると、先の公安もどきは学研の総務の社員で、南署に入ってお礼の挨拶をしていました。出てきた一人を糾弾しました。酒臭いので指摘すると居直っていました。
代理人を通じ、遠藤社長宅デモを牽制
            する「通知書」を送り付けてきた学研

 私たちは学研経営が株主総会で、ふじせ労組の行動を無関係の会社の労組が言いがかりを付けて学研の業務妨害をしているかのように歪曲し、3年続けて、「彼らの違法行為に対して刑事・民事上の責任を追及する用意がある」との答弁を行っていることを追及し、「一方で学研に争議はない」と言い、他方で争議への弾圧を表明する矛盾を指摘し、無視するのか、それとも弾圧で悪しき対向関係=争議泥沼化を招くのか問い質しました。もちろん、学研にとって最善の策はどちらでもなく、話し合いの場に出てきて争議を解決することだと、私たちは言いたいのですが、デモに先立って、2月16日付で学研ホールディングス代理人名で「通知書」が送られてきて、一切の行動を取りやめるように求めてきました。このような弾圧策で争議は潰せないことは学研も経験上知っているはずなのですが、怪しげな総務の御用社員をわざわざ横浜の遠藤社長宅前まで動員して採証活動などさせたのでした。
 このような弾圧姿勢への怒りは、朝からの悪天候をついて遠い地に多くの仲間の結集を誘い、デモには43団体76名の仲間が集まってくれました。弘明寺商店街にある店での打ち上げの交流会にも20名が参加、3次会まで盛り上がりました。東京南部地区で共に闘う南部地区労働者交流会、出版産別で闘う出版関連労組交流会議のそれぞれの集中行動としても取り組まれた集会・デモは大成功でした。
1・15学研社前行動
   −1・27学研社前昼集会を打ち抜く!

 「パルス」2月号は株主総会特集だったので、1月の行動につき掲載できませんでした。1月15日には、2010年最初の社前行動を早朝7時過ぎから展開しました。五反田駅から一本遠い道を出勤してきた本間監査役、さらに裏手の社員通用口まで遠回りして逃げ込んだ富樫専務、中森取締役らに抗議の声を浴びせました。
 1月27日には、2月の遠藤社長宅デモに先立ち、倒産・解雇攻撃から32周年の抗議昼集会を学研社前で開催しました。集中行動としては呼びかけていませんでしたが、約30名の仲間がかけつけてくれ、当該、教育社労組、明大生協労組、南部労組・品川臨職共闘、そしてふじせ闘争支援共闘会議から、それぞれ力強い発言が行われました。
2・17学研社前行動
 遠藤社長、富樫専務、木村取締役らに抗議!
 2月17日にも早朝7時過ぎから社前行動。7時45分に遠藤社長の乗った車が出社。抗議の声を周囲から浴びせました。8時半過ぎには出社してきた富樫専務、木村取締役に抗議、団交申し入れを行いました。彼らも社内へ逃げ込むだけで、争議解決へ向け話し合う誠意ある姿勢は全くありませんでした。
1・27−2・17ココファン日吉周辺で大量ビラ配布情宣
 1月、2月、と行動を展開。中高年の切り捨て=リストラ合理化をくり返し、また暴力労政による争議の責任を居直る学研経営の老人福祉事業進出に対して地域に訴える情宣を行いました。