2010年を学研・ふじせ闘争
     勝利へ向け闘い抜くぞ!
 学研の下請労組潰しと闘う学研・ふじせ闘争は、32周年を迎えようとする長期争議となっています。
 学研経営は、ホールディングス発足を新生学研への新たなスタートと位置づけていますが、もし、本気でそう考えるなら、この期にここまで抱えてきた争議の解決を図るのが、まった無しに迫られる選択のはずですが、それを拒み続けています。旧態然とした問題体質をひきずったまま、何が新たなスタートと言えるでしょうか?
 12月22日に開催された学研HDの株主総会は、経営陣のこうした問題先送り姿勢
がまたも全面的に露呈し、学研の将来展望につき多くの株主を失望させる結果にしかなりませんでした。私たちは、株主総会の場を含め、あらゆる領域から学研の経営責任・争議責任を追及して2010年も闘い抜くつもりです。経営陣は否定していますが、放置していれば、HD発足で学研経営の自らのみの延命と労働者への犠牲強要策が強まることは明らかです。それを許さず、職場ー争議を貫き、共に闘っていきたいと考えています。今年も、よろしくお願いします。
経営陣の居直り許さず12・22株主総会闘争!
 私たちは、学研の第64回定時株主総会において、以下の質問書をあらかじめ提出し、会場内においても質問・追及を行いました。しかし、例によって学研HD経営陣はごまかし回答や回答拒否が多く、途中で質問をさえぎるなどし、そして最後は挙手している株主がまだ複数存在しているのに質疑を一方的に打ち切って総会を終了させるという、なりふり構わぬ暴挙を今年もくり返したのでした。経営陣の無責任さが際立つ総会でした。私たちは経営陣の居直りを許さず、多岐にわたり経営を圧倒する質問を浴びせ、会場前行動と合わせ、力強い闘いを展開しました。(総会の詳細な全記録は2月号で掲載予定です)


1、東京ふじせ企画労組との労働争議について
 貴社は、1973年の全学研労働組合結成に対して、直ちに弾圧を開始し、労組員の仕事を干して、その「科学」「学習」等の編集業務を下請けに回して、同労組のスト対策と下請労働者の安あがり使い捨てを目的とするために、ふじせ企画を導入した。そこで劣悪な労働条件を押しつけられた労働者が1977年12月に東京ふじせ企画労組を結成すると、全学研労組との14名の解雇等をめぐる争議とふじせ労組の活動が結びつくことを恐れ、わずか1週間でふじせ企画から業務を総引き上げし、さらに1ヶ月後には会社解散・全員解雇の攻撃を仕掛けた。貴社の不誠実な話し合い拒否によって争議は長期化しているにもかかわらず、このかんの株主総会での質問に貴社は「労働争議など存在していない」と毎回の答弁を行っている。一方で「東京ふじせ企画労組の行動につき、刑事・民事上の責任を追及する」と答弁するなど、争議が現実に紛糾している事実を受け止めざるを得なくなっている。
 このような貴社の対応の混迷を多くの株主、学研関係者が目の当たりにしており、どう解決を図るのかが問われている。具体的な解決策、対応策を、裁判結果の報告をくり返して解決を拒否する毎回同じ内容の答弁を排して回答されたい。
このかんの総会で、中央公論社、東映、朝日新聞社が抱えていた争議を解決し、経営破綻を免れてきたことなどにつき指摘し、どう受け止めるのかが出席株主から問い質されたが、貴社経営陣は「他社のことは関知しない」などと、自ら常々言及しているはずの「経営環境」に目を向ける姿勢の著しい欠如を露呈し、「時代に立ち遅れた学研」とメディアでも批評された問題体質を改めていない。これらの極めて重要な参考事例である争議を抱えた経過を有する会社の問題につき検討し、省みて学研はどうあるべきかにつき、回答されたい。 

2、持ち株会社発足の弊害と揺らぐ経営基盤=職場の士気低下について
 1)発足した持ち株会社は、株主によるガバナンスの低下を招いていないか?
 2)持ち株会社化により、各事業会社の労働条件の変更や職場の士気の低下が生じているのではない
   か?
 3)持ち株会社は、各事業会社の労働者の要求にどう対応するのか?労働組合との団体交渉はどのよ
   うに持たれているのか、あるいは持とうとしているのか?
 4)筆頭株主の投資撤退と株式買い取り請求について
   エフィッシモキャピタルマネジメントが6月の株主総会での決議事項に反対し、7月に貴社への投資か
  ら撤退を表明し、9月末、貴社に対し所有株式の買い取り請求を行った。同ファンドの主張のうち、「現
  経営陣の経営能力の欠如」との評価をどう受け止めているか?
   また、株の買い取り資金調達を、特殊当座借越契約で賄うとの取締役会決議を行ったようだが、契約
  は成立したのか?もしそうなら契約相手の銀行と当座の現預金額、借り越し限度額、返済条件、担保
  に供する投資有価証券54億円の内訳を示されたい。
   また、買い取った株式の処理方法につき見通しを示されたい。

3、業績不振の責任履行、経営再建の道筋と展望に関連して
 1)経営責任と経営担当能力について
  「2009−2010経営2カ年計画の破綻」について、経営陣は責任を取ることなく、6月の株主総会を前
  に、新グループ経営計画「学研2011」を発表し、「計画達成こそ責任の取り方だ」と毎回の答弁でくり
  返している。これは、経営責任履行の先延ばしでしかない。その期ごとに適切な責任の履行を行うべき
  ではないのか。
 2)新グループ経営計画「学研2011」について
   当経営計画の実現へ向けた進捗状況を示されたい。達成は困難ではないか?
 3)配当実施と「企業価値の向上」について
  資本準備金を3回連続で取り崩してまで配当を実施するのは正しい選択なのか?
 4)学研の業務を行っている派遣・フリー・下請け編集プロ等の労働者について、貴社が把握している、そ
  れぞれの人数と賃金・労働条件の実態を明らかにされたい。
 5)「科学」「学習」の廃刊決定と家庭訪問販売事業について
  イ)貴社は2010年3月で、小学生向け学年雑誌「科学」「学習」を休刊にすると発表した。そのことの影
   響と責任について、どのように考えているのか?またこれに伴うセールスレディの雇用や代理店はど
   うなるのか、明確に答えられたい。
  ロ)赤字解消の見通しが立っていない家庭訪問販売事業の今後について、方策と見通しを示されたい。
 6)高齢者福祉事業とココファンホールディングスについて
   この事業に対する貴社の基本理念を示されたい
 7)財務諸表に関して
  イ)連結損益計算書で、単体より100億円近く上回る売上高に貢献しているのは、早稲田スクール、創
   造学園の他に、何か?
  ロ)連結貸借対照表にある1年以内償還予定の社債とは、どの連結子会社が発行しているものか?
4、株主総会の運営について
 1)株主の質問への対応が極めて不誠実で、公正な総会運営と言えないのではないか
 2)今年も報道陣をシャットアウトして、密室の総会運営を行うのか?
 3)会場を五反田の本社から移して、TOC有明で開催する理由は何か?
                                                          以 上
エコプロダクツ2009情宣行動を打ち抜く!
 12月10日、環境イベントエコプロダクツ2009が開催された東京ビッグサイトで情宣行動を展開しました。イベントへの来場者も大変多かったのですが、ビラの受け取りや反響も抜群で、用意したビラが約1時間で完配となりました。激励の声や争議を抱えて混迷を深めている学研の現状への驚きの声や質問も寄せられました。今回も多くの人々に私たちの訴えが浸透した情宣行動となりました。最後に熱気溢れるシュプレヒコールで行動を終了しました。



12・23遠藤社長宅行動
 12月23日には横浜市南区大岡の遠藤社長の自宅への申し入れ行動をふじせ闘争支援共闘会議と共に行いました。夫人が応対し、社長は出かけている旨の答えでしたが、
居留守を使っている様子がうかがえました。自宅前にはりつきながら、地域に多数のビラを配布しました。

2009年の学研・ふじせ闘争をふり返って
 09年をふり返り、また、今回も10大ニュースふうにまとめてみました。
1、ふじせ31周年・学研糾弾五反田デモ 51団体100名で成功!
 1月30日、学研・ふじせ闘争31周年五反田デモを全都の100名の結集で打ち抜き、学研経営の犠牲強要策を打ち破り、持ち株会社化による経営陣延命策に立ちはだかるふじせ争議の存在を突きつけていく09年の闘いに突入しました。
2、学研社前闘争、役員への団交要求から社内へ向けた行動まで展開
 遠藤社長は朝7時40分前後の早朝出社や出社経路を変えての到着をくり返し、また
富樫専務らも五反田駅からの通常ルートを変更して裏手通用口から逃げ込むなどの追及かわしを狙いましたが、これらにも抗議の声を浴びせて団交要求を展開、対象役員も徐々に拡大していきました。出社を放棄して逃げる役員もありました。11月には受付へ通すように求め、社内へ迫る闘いの前に会社は混乱、返答では「出払っている」はずの社長が、夕方しびれを切らして帰宅の途につくところへ抗議んも声を浴びせました。
3、2度の株主総会闘争を圧倒的に展開 
 6月25日、そして12月22日と二度開催された株主総会に対し、これまでの規模を上回る会場内での質問攻勢を展開、経営陣を圧倒して総会質疑を主導、会社は苦しい居直り回答、強引な質疑打ち切りを行うことでかえって自らの争議責任と不誠実性・無責任経営ぶりを露わにするだけでした。
4、学研役員への追及行動を拡大
 学研の役員たち一人ひとりに争議責任を自覚させ、解決を迫る闘いは、社前での追及だけでなく、遠藤社長の新築されたばかりの横浜の自宅へ、4月、12月と申し入れ抗議行動を展開し、さらに3月〜7月にかけ、安田専務(大船)、富樫専務(石川台)、木村取締役(鎌倉)への自宅行動を行った。居留守対応、病気で寝ているとの嘘、警察を呼ぶなど、悪質な姿勢に抗議しながら打ち抜きました。
5、イベント闘争も反響が増大!
 7月の東京国際ブックフェア、8月の教育工学研修セミナー、建築講座、12月のエコプロダクツ2009、などのイベント会場での情宣行動は、毎回反響が増大し、ビラも完配となるなど、いずれも大成功を収めました。
6、提携先・大株主などへの申し入れと抗議行動も強化
 提携先・大株主への申し入れも対象を前年来広げ、三菱UFJ銀行本店へも申し入れを行いました。その中で悪質な対応で学研経営へ加担する明光ネットワークジャパンに対しては3月に池袋本社への抗議行動を展開、伊藤忠商事へも継続して抗議を行いました。
7、学研ホールディングス、不安な発足
 10月1日、学研経営にとって最後の延命策とも言えるホールディングスが発足。しかし、商品の受注が分割会社仕様になっておらず、3週間以上出荷が停止する、エフィッシモには株式買い取り請求を浴びせられるなど、不安な船出を象徴する散々な発足となりました。
8、エフィッシモに翻弄された学研経営
 昨年の社長解任請求と取り下げに続き、今年も、筆頭株主=エフィッシモキャピタルマネジメントからは、遠藤社長の再任とHD発足への反対そして投資からの撤退表明がされ、「現経営陣の経営能力の欠如」の烙印を押されて、ついに株式買い取り請求を突きつけられました。買い取り価格で折り合いがつかず、11月には学研が裁判所に持ち込むことに。50億円前後の買い取り資金調達を迫られ、銀行に特殊当座借越契約を泣きつくことに。
9、「学習」「科学」廃刊へ
 会社は12月はじめ、ついに2010年3月までで「学習」「科学」の廃刊に踏み切りました。最盛期の10分の1以下に落ち込んだ売上げを挽回できず。
10、見えない経営再建への展望
 学研の3月決算は、営業赤字5億円、最終利益22億円と計画を大幅に下回りました。年間3度もの希望退職募集を行い、本社売却益=92億円を計上しても危うい「黒字」でした。9月決算も、32億円の赤字と前年同期比で赤字幅を縮小し、塾・教室事業等で学研グループ拡大を果たしつつあるものの、殆どの部門で売上げが低下、経営展望は厳しく、経営再建への方途は全く見いだせていません。争議を抱えた問題体質では、何も変わりません。