4・8学研社前行動
分社化合理化策と対峙し
各領域で春季闘争を闘う!
学研の持ち株会社案と労働者切り捨て策
3月16に会社は「持ち株会社への移行に関するお知らせ」を発表しましたが、学研ホールディングス発足によって学研の労働者各人がどこに所属して何をするのか、労働条件はどうなるのか、等について具体的な説明もないまま対外的な発表を優先させています。
発表では、10月1日より、持ち株会社学研ホールディングスの下に、@学研エデュケーショナル(教室・塾、第四教育事業本部を継承)、A学研パブリッシング(暮らし・教養・エンタメ出版、第一出版事業本部を継承)、B学研教育出版(学び、児童出版事業、第二出版事業本部・デジタルコンテンツ事業部を継承)、C学研マーケッティング(市販出版物の販売事業を継承)、D学研出版サービス(学研マーケッティングの子会社)、E学研プロダクツサポート(製作資材本部を継承)、F学研ビジネスサポート(経理部・人事部・経営企画等を継承)、G学研ファシリティサービス(総務部を継承)、H学研教育みらい(園児業、学校事業、第二・第三教育事業本部を継承)、I学研ネクスト(研秀出版を商号変更、家庭訪問販売事業、第一教育事業本部を継承)、J学研メディカル秀潤社(秀潤社を商号変更、メディカル出版事業部を継承)、が発足するとされています。
労働者に対して経営が何を考えているかを明らかにする責任を曖昧にしての発表は許せません。同時に設立された「編集事業開拓室」は、会社が「余剰人員」と考えた労働者を放り込み退職強要の場にしているようです(営業、管理部門にも同様のものが設立)。持ち株会社発足を前にできるだけ労働者を削減し、さらに各事業会社発足後は、会社ごとの再編や労働者切り捨てを行うことを狙っているのは明らかです。前にも指摘しましたが、遠藤社長は年頭所感で「自分の働く部門が赤字でも会社は給料を出すべきと考える社員はとんでもない勘違いをしている」などと非難しています。中間決算では35億の営業赤字で、「塾・教室事業」の300万円黒字を除き、他は全部門赤字でした。遠藤社長は、これは経営陣の責任ではなく、学研社員各人の依存体質が原因だから、給料は出したくない、おとなしく希望退職に応じてやめてもらいたい、そして分割会社では赤字部門は丸ごと切り捨てられて当然というロジックに結びつけようとしているのです。この所感の考えをもとに、3月16日の事業会社案発表がされているのです。こんな経営の無責任を許さず、学研に働く労働者は、この新たな経営システムの下で、会社の労働者への経営責任がどのように果たされるのか、労働契約の承継の在り方や組合との新たな労働協約は誰がどのように結ぶのか等を明らかにさせる必要があります。
私たち、ふじせ労組は持ち株会社化と分社化合理化そのものに反対ですが、10月1日強行実施された場合には、学研ネクスト(ふじせは「科学」「学習」「マイコーチ」等の編集・制作業務を行っていた)等に限定することなく学研ホールディングスの争議責任を追及して闘い続けていくつもりです。
4・1投資有価証券評価損発表。業績悪化へ
会社は4月1日に「平成21年3月期第4四半期末の投資有価証券評価損に関するお知らせ」を発表しました。世界同時株安の影響で、12億円程の減損処理を余儀なくされた、ということのようです。90億円の本社売却益を基に、業績予想で営業利益7億、最終利益79億を宣言していた会社ですが、営業赤字拡大、特別損失もここまで発表されていただけでも早期退職関係で13億円、事業整理損で7億円などがあり、毎度のことながら3月決算の業績予想は大幅下方修正となること必至の状態でしょう。
現場行動報告
3・18学研社前闘争
遠藤社長、安田専務に抗議!
3月18日、学研社前行動を早朝より行いました。7時40分頃、安田専務が例によって通常の多くの学研関係者が通る五反田駅前からの道路を避けて、出社してきました。しかし、そちらにもビラを配っていたふじせ闘争支援共闘会議のメンバーがいて、抗議・団交要求を行うと、安田専務は逃げるように裏手の社員通用口に入って行きました。背中へ抗議のシュプレヒコールを浴びせました。3月1日に自宅への抗議行動も浴び、出勤時間も随分と早くなっています。この後、7時55分頃、遠藤社長の乗った車が正面口から地下駐車場へ、私たちの抗議の声を周囲から浴びての出社です。
旗・横断幕等を据えた社前では、出勤する学研および関連労働者、地域の労働者の皆さんにビラ配布を行いました。このところビラの受け取りは一層よくなって、9時過ぎまでに550枚ほど配布、争議と職場状況についての私たちの訴えが学研内外に浸透しています。
ビラ配布の後、社前にはりつき抗議行動を10時まで展開しました。結局、この日、私たちがいる間は他の役員の出社はありませんでした。
写真=3・18学研社前 車で出社する遠藤社長に抗議
3・31明光ネットワークに抗議行動!
「学研と共に警察に相談した」として
労働争議に警察権力の介入を策す悪質な対応
学研の業務・資本提携の相手である明光ネットワークジャパン(受験塾「明光義塾」を全国に展開している)が私たちの申し入れを拒むだけでなく極めて悪質な対応を取っていることに対し、3月31日に抗議行動を行いました。
1月末に申入書を事前に郵送した上で、電話でアポを取ろうとしたところ、明光ネットワークは、人事部の女性が「担当者から折り返しTELさせる」と約束したにもかかわらず、全く電話がありませんでした。やむを得ず、後日直接足を運び、受付から担当者に連絡を取ってもらうと、総務の小坂という人物に連絡、「いま参ります」との返事。ところが出て来たのは、別の女性で小坂氏ではなく、「総務は出張で皆出払っています」、とのあり得ない返事。送った書面はどこで扱っているのか聞いても「分からない」と言うのみ。確かめるように言うと、「総務部に行って見てきたが、ボードに貼ってあった。まだ、担当を決めて応対するまでに至っていない。今日はお引き取りください」と言うので、次にいつ、どう会えるのか、も分からない状態で帰らせるのかと問い質すと、「学研様にも相談しなくてはならないので」と言う。「そういうことを言っているのは誰なのですか、小坂さんがいるのでは」と聞いても、「全員が出払っている」と言い張る。この女性も総務の社員と思われたが、「受付の小川」といかにも思いついたように答えます。連絡を待ち、また申し入れに来る旨伝えました。
それからもいっこうに連絡はないので2月6日、明光ネットワークへ電話し、総務へつないでもらいました。前回の「小川」と名乗った女性らしき声でした。だが、確認を求めても否定します。前回いなかった小坂氏を出すよう求めました。しばらくして総務の別の男性が電話に出て、「学研と警察に相談し、当社には関係ないことなので、おことわりすることにした。」ととんでもない答え。「御社は子どもには自立学習とか言っているが、学研などに聞かず、組合側の話も聞いてから自主的にで判断できないのですか、申し入れを受けている提携先も多いのですよ。警察は関係ないでしょう、労働争議には介入を許されていません。会社としての正式回答なら、あなたの所属とお名前をお聞かせください」と聞いても「名前は言う必要がない。」として電話を切ってしまいました。
私たちは3月31日、抗議行動に踏み切りました。昼休みの時間帯、池袋にある明光ネットワークジャパンの本社前に登場。旗・横断幕を据えて、出入りする社員・来客・通行人へビラを配布、マイクでも情宣を行いました。社前の車道を挟んだ向かいの歩道から私たちの顔写真を撮っている男がいたので、抗議しに近づきました。明光ネットワークの社員でした。すぐに社屋の中へ逃げ込んでしまいました。この会社はこんなことまでさせているのです。そして、所轄の池袋署の私服3名が徘徊し、こちらの様子をうかがっています。彼らにも抗議。こうした悪質な対応を糾弾し、最後まで情宣行動を展開、シュプレヒコールを上げて行動を終了しました。終了し解散した直後には警視庁本庁の公安2課の私服2名が到着していたことも判明。労働運動弾圧を専門にしている奴らです。学研経営とつるんでこんな所にまで「相談」している明光ネットワークは許し難い企業です。似たもの同士の経営の提携ということでしょうか。
3・31明光ネットワークジャパン社前抗議行動 写真右=行動参加者の顔写真を撮る明光ネットの社員
4・8学研社前闘争
安田専務、帰路と反対方向へ逃亡!
4月8日は、午後3時からの社前はりつき抗議を行いました。久々の夕方の社前行動でした。旗・横断幕・幟を据え、出入りするフリー労働者をはじめ学研関連労働者、地域の労働者へ今回も400枚を越える大量のビラを配布することができました。
夕方5時を回り、役員も含む退社の動きが想定される時間帯、なんとまたまた安田専務が、裏手社員通用口から出て来て、社前の私たちを見ると、通常の五反田駅方向への帰路を避け、一目散に不動前方向へ。後ろから「安田専務、話し合いに応じなさい」と声をかけると、見つかったことに「ぎくっ」とした様子で慌てて逃げて行ってしまいました。3月1日の大船の自宅での対応、3・18の社前での対応に続き、なさけない限りです。他の役員の動きはなく、夕方6時までの行動を打ち抜きました。
4・18遠藤社長宅闘争
遠藤社長、自宅に警察を呼び、争議介入を図らせるが失敗
4月18日の土曜日、新築されて間もない横浜市南区大岡の遠藤社長宅への抗議・申し入れ行動を行いました。昼前に登場、インターホンを押すと、遠藤夫人が出て来ました。組合と分かると少し驚いた様子でしたが、申し入れの様子を写真撮影していた仲間にやつ当たり。「遠藤社長はいらっしゃいますか」と聞くと、「出かけていていません。警察を呼びますよ」と言って宅内に引っ込んでしまいました。
4・18遠藤社長宅前 警察の介入を許さず、抗議
地域に大量の抗議ビラを配布しながら、申し入れ行動を継続、マイクでも訴えを行いました。学研の新社屋(すぐに自社ビルではなくなりましたが)完成・移転と軌を一にして始まった遠藤邸の新築工事でしたが、3月末に完了。社員には年3回もの希望退職募集を行い、賃下げの新賃金制度導入も強行して業績悪化の責任転嫁の犠牲強要策を進める一方で、この豪邸建築。学研労働者がどう感じているのか社長は考えたことがあるのでしょうか?約半年、地域に報告していなかった争議の近況、経営動向などを情宣しました。すると、開始から30分程で、南署の警備車両に乗った制服警官がふたり到着しました。車から降りて「何をしているのか」等を聞いてきました。遠藤社長は宅内にいて、警察に通報したものと思われます。3月1日の木村取締役の対応と同様に警察を介入させてきたのです。役員会でこの愚かな対応で一致することを決めたのでしょう。
「労働争議に介入するな」と抗議、主任格の警官と応酬しているうちにもう一人が遠藤宅のインターホンを押しに行きましたが応答なし。間をおいて、ふじせ支援共の仲間がインターホンを押すと夫人が応答。警察導入に抗議し、遠藤社長に取り次ぐように求めました。夫人は「出かけている」と言い張り、「裁判で決着がついていると聞いています」と今までにない応答もありました。遠藤社長も家庭内で夫人にふじせ争議のことを話しているということが分かりました。裁判のことは別の判決も出ていること、裁判だけで争議は解決しないことを丁寧に説明しました。そして本当に外出しているなら連絡を取って欲しい旨伝えると、「何故私がしなければならないのですか」との答え。「では連絡先を教えてください、こちらから連絡取りますから」と言うと、「知りません」。「携帯で連絡取っているのだから知っているでしょう」「番号を教えるわけないでしょ」「だから奥さんが連絡して欲しいと先ほどから言っているのです」などのやりとり。夫人はしまいに切ってしまいました。
南署警官には強く抗議、介入しないことを確認させ、彼らは車の中に引っ込みました。マイクで宅内へ遠藤社長向けの抗議を行い、全体でシュプレヒコールを上げて行動を最後まで打ち抜きました。