学研、また100名の希望退職募集!今年3度目
 自らの責任を労働者に転嫁する経営陣の姿はいよいよ末期的!
 学研は12月15日に今年3回目の希望退職募集を発表しました。
「社員の約1割にあたる百人程度の早期退職者を募集すると発表した。募集期間は来年1月15日〜21日。対象は09年2月末時点で59歳7ヶ月未満で、勤続5年以上の正社員。削減に伴う費用は09年3月期に特別損失で計上する。金額は応募者数が未定のため公表していない。早期退職を募集するのは2、6月に続き3回目。2月は45歳以上、6月は35歳以上を対象にしたが、一段と年齢を下げた」(「日本経済新聞」より。2月、6月は退職月)
 経営陣は、この執拗な労働者への犠牲強要策発表にあたって、「経営基盤の強化と競争力向上を図るため、より一層の体質強化、構造改革を実現するため」と恥ずかしげもなく言っています。
犠牲強要のリストラ・人員削減→過重労働と士気低下→業績悪化の悪循環
 1年前に指摘したことを振り返ります。「学研の経営状況は、もう誰の目にも深刻でごまかしの利かないものになってしまっていること、そして、その学研の現実を招いている問題体質に対して経営陣は改める姿勢が感じられず、・・・経営悪化の責任転嫁=労働者への犠牲強要をおし進めようとする姿勢が露わになっています。ふじせ争議の解決にも背を向け、解決が望ましいとの周囲の声さえ聞こうとしていません。
 しかし、こんな無責任な経営姿勢の先にあるのは、学研及び関連労働者の心の経営からの離反であり、激化する犠牲強要策が最悪の道に進んで、それが学研経営自らの命取りへと奈落の底へころげ落ちるものでしかありません。」
 学研経営の病はいよいよ末期的になっているようです。自らが責任を取っていく姿勢がないために、労働者へのしわ寄せ策と業績悪化の底なしの悪循環へと陥っているのです。
世界同時不況を背景にした大量失業攻撃に便乗する学研経営
2009年へ、分社化合理化、リストラ・人員削減粉砕を!
 また、この時期に3度目の希望退職攻撃をたたみかけて来たのは、業績予想(「計画」)をはるかに下回る経営の危機的実態が浮上したこともさることながら、急激に悪化する不況局面での各大企業の非正規から正社員へも拡大しつつある大量首切り攻撃の流れに便乗して批判をかわし、来秋の持ち株会社発足=分社化大合理化へのステップを抵抗少なく進めていこうという意図が透けて見えます。
 「うむを言わせず、労働者には犠牲になってもらう」という不当な学研経営の姿勢を許さず、「早期退職募集」を蹴飛ばして、いまこそ経営責任を追及することが求められています。「いざなぎ越え」と「好景気」を謳歌しても高収益を労働者に還元することなく内部留保と株主配当に回しながら偽装請負等でワーキングプアを生み出してきたトヨタやキャノン等のこの期に及んでの大量首切りが許されないのはもちろん、学研のなさけない悪質経営の責任も極めて重大です。共に闘おう!

ふじせ闘争2008年の10大ニュース
 08年もいろいろなことがあり、学研は大揺れの1年でした。ふじせ闘争の10大ニュースをまとめてみました。
 30周年五反田地域デモ闘う!
学研経営が仕掛けたふじせ労組潰しの業務総引き上げ=倒産・解雇攻撃から丸30年。2月1日、大崎第一区民集会所での集会を開催し、集中闘争として取り組む南部交流会(南部労組アール)と出版関連労組交流会議(中部労組論創社)、争団連、渋谷のじれんなどから発言を受け、デモ出発。桜田通り〜駅前東興ホテル前そして飲食街を100名の仲間が行進。「争議を抱えて五反田移転してくる学研糾弾」のコールを建設中の本社ビル周辺に轟かせ、移転を迎え撃つ闘いを始動させました。
 各イベント闘争はビラが完配!
1月26日、福岡市の読売新聞西部本社で行われたイベントへ抗議行動を展開しました。2月14日、15日は、五反田デモの成功を引き継いで、就職学生の会社説明会が開かれた社前で情宣。
 7月10日には東京国際ブックフェア会場前、8月7日、港区の港陽中学で開催された「教育工学研修セミナー」、9月2日には、学研が出展参加しているイベント=ギフトショー、12月13日にはエコプロダクツ2008が行われた東京ビッグサイトで情宣行動を行いました。ビッグサイトでは毎回ビラが完配でした。
 学研、西五反田に移転!  その間際に新ビル売却
 学研は西五反田に建設した新本社へ8月に移転しました。しかし、それに先立ち、5月9日に本社ビルと土地を三井・住友ファイナンス&リースに売却することを発表(新ビルはリースで使用)。この売却益92億円を計上しなければ、来年3月決算も今春に続き大幅赤字を免れないという経営状況を遠藤社長自ら「崖っぷち」と表明する危機感を背景とした決定でした。表向きM&Aなどの投資に振り向けるといっていた売却益も赤字補填で殆ど消失?
 社長・役員の逃亡許さず、学研本社闘争 争団連統一行動も
 3/12、4/23、5/14、5/28、7/28、と上池台で早朝出社の遠藤社長や、安田・富樫専務、各役員に抗議する闘いや社内へ向けた団交要求の社前の闘いを展開。4月1日には南部統一行動して、社前を旗で埋め尽くし、集会を行いました。
 9月16日、五反田移転後初の社長・役員への抗議行動を行い、地下駐車場へ社長車に役員が分乗してピストン輸送で出社する醜態に抗議。10月23日には争団連統一行動として85名で早朝行動役員出社放棄の中、社前集会を貫徹。10/3、10/16、11/13、11/17、11/26にも行動。
 学研株主総会闘争 
 6月26日の株主総会では、ふじせ争議を抱えたまま五反田に移転する経営姿勢や、3月決算で56億円の赤字等のごまかしがきかなくなった業績悪化と相次ぐ希望退職募集、本社ビル・土地売却や赤字部門でのリストラ動向などの経営実態を追及しましたが、学研は、ふじせの質問者のマイクの電源を途中で切断する(3年連続!)、ずっと挙手しているふじせ支援共メンバーを指名せぬまま質疑を打ち切るなどの悪質な総会運営で議場は騒然となる中、最後まで争議責任・経営責任を居直って終了させる暴挙を行いました。エフィッシモ問題で取材に来た新聞社も中に入れない密室運営でますます余裕のない学研経営陣の姿が浮き彫りでした。
 筆頭株主からの社長解任提案等の揺さぶりに翻弄される
 07年秋から筆頭株主になった旧村上ファンドのエフィッシモ・キャピタルマネージメントが学研の株主総会で遠藤社長の解任を株主提案すると発表。「業績不振と不適切な経営管理体制につき、再三にわたり回答を求めてきたが、未だ一切回答がない」と公表。
 学研は急遽、赤字部門撤退等のリストラ策、今年2度目の希望退職募集や新賃金制度導入等による学研及び関連労働者への犠牲強要策で「解任提案」を取り下げてもらうという動揺ぶり。
 会社業績、3月決算でも56億円の赤字。中間も営業赤字拡大
 学研は、5月16日、56億円の最終赤字、営業損失21億円、の3月決算を発表しました。直販部門に加えて市販部門が不振で赤字(前期比で12億円の利益減)、クロスメディア事業での11億円の営業赤字など新規事業の失敗、棚卸資産評価損(不良在庫の拡大)、等が明らかに。
 11月14日発表の中間決算でも業績予想を大幅に下方修正しての35億の営業赤字。経営の問題体質を認めず労働者への犠牲強要で突っ走る無責任経営によって、学研の危機が一層深まっていることが判明。
 「崖っぷち」会社=年に3度も希望退職募集と持ち株会社移行
45歳以上の社員対象に1月下旬に100名募集した早期退職優遇への応募は58人。すると5月には35歳以上の社員まで対象を広げ、50名の退職者を追加募集、業務支援センターへ30名以上強制配転したが応募は35名。10月に苛烈なリストラ狙い来秋から持ち株会社移行も発表。業績悪化拡大で年末に3度目の希望退職募集。
    賃金引き下げの新人事制度導入も6月にずれ込み紛糾!
 働いている者を大切にしない会社のやり方で、社内の士気低下はますます進み、 具体的な内容も示さぬ新人事制度に従組内からも怒り爆発、春闘が紛糾しました。
 伊藤忠商事抗議など、提携先への働きかけ拡大!
 昨年より、中国の青年出版総社、エフィッシモ(シンガポール)、テーオーシー等、提携先や大株主への申し入れを拡大してきましたが、インデックスのように話し合いに応じている会社とは逆に、伊藤忠商事は、「争議を抱えていようが関係ない、その他学研にどういう問題があるかについても組合から聞く気はない」と頑なに申し入れを拒否。悪質な対応に抗議し、1月、4月と青山の本社前でマイク情宣とビラ配布行動を展開しました。問題の海上自衛隊のインド洋での給油を調達していることにも抗議の声を上げました。
 今年も学研の不祥事噴出    
 昨年3月に経済産業省から業務停止命令を受けて学研GICの悪質商法が明るみに出て、その後も偽札使用事件などあり、今年も次々と不祥事が発生しました。
低賃金を当て込み中国の工場で生産した学研の地球儀が、「台湾島」等の表記や北方四島の色使いで消費者、右翼団体からクレーム殺到。中国政府の圧力があったかのような弁解も火に油。子会社学研トイズは解散に追い込まれました。4月には、学研の自動車専門サイト「Driving Future」が、記事内容の一部に、(株)二玄社の自動車ウェブサイト「webCG」の記事を3月末に盗用したことが分かりました。
確定申告ガイドブックの不備、等も。

<秋年末現場闘争>
11・17学研社前闘争 遠藤社長、小野寺常務らに抗議
 11月17日、学研社前で朝7時半からの行動を展開しました。7時50分頃、遠藤社長が車で出社、私たちのシュプレヒコールでの抗議の声を浴びながら、地下駐車場に逃げ込んで行きました。8時から朝ビラ配布態勢も取りながら、さらに出社してきた岩井取締役、小野寺常務へ、団交要求書を受け取って争議解決へ向け話し合うように要求し、抗議の声を浴びせました。岩井取締役はへらへら笑って社内へ逃げ込んで行きました。14日に発表された中間決算の内容へのコメント等を掲載した「パルス」11月号も多数の学研労働者、地域の労働者に受け取ってもらえました。
11・22遠藤社長、横浜の自宅は新築中
 11月22日、遠藤社長の自宅へ団交申し入れ行動に赴きました。着いてみると社長宅は新築中で、工期は8月〜3月まで。社員の首を切りながら、学研の社長は弘明寺の高台に豪邸を建設中の様子です。地域にビラ入れを行い、遠藤夫人の携帯(工事現場の看板にはその番号のみが記載)に電話し、社長が組合の前に出て来るように伝えて欲しい旨、申し入れました。
11・26学研社前闘争
 午後からの社前はりつき抗議行動を展開しました。昼休み、役員たちは出て来ることもありませんでしたが、抗議の声を社屋へ向けてマイク情宣を行いました。出入りする学研労働者、来客、地域の皆さんへ沢山のビラを配布することができました。

            11・17学研社前行動                           12・13東京ビッグサイトで
12・13エコプロダクツ2008会場前行動

 学研も出展している環境イベント「エコプロダクツ2008」が開催された東京ビッグサイトで争議を抱えた学研の実態を訴え、支援を呼びかける情宣行動を行いました。
10周年を記念する今年は「もうできる!CO2−(マイナス)50%のエコライフ」というテーマのもと、750を超える企業・団体が出展したとのこと。
 入場者も多く、横断幕を掲げ、ゼッケンを着けた私たちの行動も人目をひいて反応が良く、多くの参加者がビラを受け取り、「学研はどうなっているのか」等の質問をして来る人もありました。1時間足らずで大量のビラが完配となってしまい情宣は大成功でした。