学研、崖っぷちの密室株主総会
 3年連続マイク電源切断、
挙手する株主に質問させぬ悪質運営!


 6月26日、学研の第62回定時株主総会が、不動前の第3ビルで行われました。
 私たちは、例年どおり会場前で朝8時20分から出席者へのビラ配布とマイク情宣を行い、また、株主5名が会場内で質問権を行使して経営責任・争議責任を追及しました。
 今年は、旧村上ファンド=エフィッシモキャピタルマネージメントが筆頭株主となって遠藤社長の解任提案を一時用意するなどから、マスコミの注目も集まり、いくつかの新聞社が取材を申し入れていましたが、学研側はこれをシャットアウト、入場をさせませんでした。情報開示にも逆行する姿勢は会場内での総会運営でも顕著でした。悪質な運営を見られたくないから入場取材を拒絶したのでしょう。
(以下、恒例に従って総会の報告を一挙掲載します。本文中の青字太ゴチックは注釈
 総会は定刻の10時から開催され、型どおりの事業報告書等の読み上げの後、富樫専務が書面による質問への以下のような回答文を読み上げました。
1、書面質問への回答 
 <多額の最終赤字、純資産減少についての経営責任について>
 要因は主に直販事業や雑誌出版事業などの売上げの減少、及び当期特有の現象として新基幹システムの稼働が3ヶ月遅れたことによるシステム経費増や人件費増があり、さらに棚卸し資産の評価に関する会計基準の早期適用による棚卸し資産の評価損の計上などによるもの。まことに遺憾な結果になり、株主の皆様には心からお詫び申し上げる。
 当社経営陣としては新たな経営計画、学研グループ2カ年経営計画2010を着実に実行し、結果を出して行くことことこそが、経営を付託されたものの責任であると考えている。なお、当期の決算において、純損失の計上となり、利益剰余金が欠損になったことに鑑み、取締役および執行役員の報酬を一部返上した。
<期末配当の実施について>
当社は長中期的な安定配当を維持継続することを株主様への利益還元の基本とした上で、適正な内部留保の確保にも考慮して配当金額を決定してきている。この方針に基づき、当期においては資本剰余金を原資とすることで期末配当を継続したいと考え、本総会の議案として諮っている。あくまで配当に関する基本的な方針に基づく判断であり、ご質問にあるような一部の大株主様の要求によるものではないのでご了解を願いたい。
 赤字決算はごまかしのきかないところまで来る中、大株主へ配慮し、学研労働者へはリストラ・賃下げ新賃金制度を導入するなどのしわ寄せがされたのは明白です。
<新人事制度について>
この制度は端的に申し上げれば、頑張った社員が適正に評価され、そして頑張った分だけ適正に処遇されることを目的としたものであり、その結果として会社の生産性向上につながると考えている。ご質問にあるような社員に犠牲を強要するものではないので
ご理解の程よろしくお願いしする。
 また、裁量労働制の導入について、より効率的な業務の遂行にプラスになるものと考えており。主に編集の業務に関わる専門業務型、さらに企画業務型を含め、導入に向けて時期や内容について組合と協議を進めているところだ。賃下げに当たるものでなく士気の低下を招くための制度ではない。なお平均残業時間、残業代の推移についてのお尋ねについては、社員ひとり当たりの月平均残業時間は、前記より若干減少傾向にあり、
さらに削減を推し進めたいと考えている。
 成果給の弊害は、先頃の「労働経済白書」でさえ認めざるを得なくなっています。頑張った者に報いるどころか恣意的な評価制度にしかならず、仕事にも不可欠な労働者相互の結びつきも断つなど問題点は山積です。裁量労働制が日本版ホワイトカラーイグゼンプション導入の動きにも結びつき、サービス残業拡大につながることもこのかん指摘されているとおりです。
<早期退職優遇制度の実施について>
当社は従前よりニューライフサポート制度を実施してきたが、今回の早期退職優遇制度の実施は、その特別版として退職金を優遇し、募集期間および募集人員などを限定した措置だ。ニューライフサポート制度の目的は、社員にとっては社員個々人の人生観の多様化に対応するものであり、会社にとっては経営基盤の強化と競争力の向上を図るものだ。ご指摘のような従業員への犠牲を強要するものではない。
 1月の希望退職が100名募集のところ58名しか応募がないと、4月にはさらに50名の追加募集を行うなど、ニューライフサポートどころか会社都合の人員削減策でしかないことは明白。退職に追い込むための組織変更までやっての措置は犠牲強要の要素が濃厚です。
<事業の低迷について>
 直販事業や市販事業を取り巻く環境は極めて厳しい状況にあるが、新たな経営計画、学研グループ2カ年経営計画2010に基づき家庭訪問販売事業においては教科書準拠教材の開発に要するコスト、市場環境の変化等々、あらゆる角度から検討し、抜本的な見直しを図っていく。また、市販事業に関しては、雑誌分野は不採算雑誌の休刊やコスト削減を徹底して実施し、採算事業への転換を図る。なお、書籍分野は利益率の高い児童書や学習参考書を中心に売上と営業利益のアップを図っていく。
 大株主の顔色を窺って発表したと見られている「学研グループ2カ年経営計画」は、社員の協力も得られずに破綻するだろうと見られています。2009年3月期売上高800億円、営業利益10億円、2010年3月期810億円、営業利益15億円、などという数字については、「絶対に無理だ」というのが社内の声です。それは、これまでの計画と実績の乖離からも明らかです。赤字解消の具体策は全く示されていません。
<業務提携・資本提携ならびにM&Aについて>
 当社ではグループ経営戦略の基本方針としてグループ価値の最大化に徹し、事業および経営資源の効率化と最適化をめざしている。このため成長性や収益性のある事業は他社との資本提携ならびに業務提携、友好的M&Aと積極投資を行い、売り上げと利益の拡大を図っていく。そこでまず、秀文社との能力開発事業におけるM&Aについてのお尋ねだが、成長事業として位置づけている教室・塾事業の一層の拡大を図るため。友好的なM&Aにより、現在当社グループに迎え入れた子会社は6社だ。いずれも当社の子会社化によるシナジーが見込まれ、将来の収益性を考慮した各社の企業価値とそれぞれのM&Aに要する費用を比較計測し精査したところ妥当であると判断したのでM&Aを実行した。次に廣済堂様との資本・業務提携についてのお尋ねだが、廣済堂様は印刷事業を基軸に求人情報事業、ITソリューション事業、出版・教育関連事業、ゴルフ場経営事業等、多彩な事業を展開している。今回の業務提携は両社が保有するリソース、ノウハウ、ネットワーク等において相互補完要素が強いとの認識からパートナーシップの強化による相互メリットの創出とな企業価値向上が可能であると判断し、両者の経営戦略において実現したものだ。同時に両者の信頼・相互協力関係を一層強固なものとし、業務提携を円滑に推進することを目的とし、資本提携を結んだ。両者は今回の提携により既存事業でのシナジーはもとより、共同取り組みによる新規事業の創出をめざし、具体的な活動内容を検討しているところだ。
 後の会場での質疑・応答を参照。これまでの塾の買収でも「のれんの減損」を計上せざるを得なかったことが判明。また、今後のこの手のM&Aについて、「会社四季報」などでも成功が疑問視されています。
<クロスメディア事業について>
 本来、クロスメディアは独立した事業ではなく、各事業のツールである。そのインフラ整備への開発費は先行しているが、今後も運用コストの効率化を図り、開発していく。情報発信企業としてITの活用は不可欠であり、これまでに構築したインフラやコンテンツ資産を使って、各部門が主体的かつ積極的に事業の拡大に活かしていく。
 クロスメディアコンテンツ事業への位置づけがトーンダウンしてしまったことは昨年、一昨年の総会での答弁と比較すると分かります。遠藤社長が先頭に立って叫んでいたのでしたが。
<新基幹システムの導入の目的およびその効果について>
 新基幹システムは、業務システムの見直しやスピードアップにより業務効率化を目的にして導入した。その効果については、稼働後、キャッシュレス、伝票レスが実現し、
業務スピードがアップした。また、情報システムでも経理部門を中心とし、コスト削減を実現できた。さらに内部統制システムの構築のためのIT統制に多大な効果をもたらした。しかしながら、先ほど申し上げたとおり、この新基幹システムの稼働が予定より3ヶ月遅れたことや当初不慣れなこともあり、システムのトラブルによるパフォーマンスが低下する事態が発生した。このため予想外な経費の増加となり、利益の減少要因となってしまい、まことに申し訳ない。なおご指摘のとおり、データセンター委託費、原価償却費、が増加するが、他のシステム経費がそれ以上に減少するため21年3月期に関しては、システム経費全体としては前期比で大きく減少する見込みだ。
<流動負債の支払い手形と買掛金の変動について>
 業務改革の一環として従来の支払い手形の発行は、銀行振り込みによる手形レスを導入した結果、支払い手形残高が大きく減少し、買掛金残高が増加したことによるものである。 
<在庫管理態勢について>
 従前より当社は、各在庫の基幹部門において、在庫回転率等の企業データに基づき在庫の内容、数量をモニタリングするシステムを構築し、管理している。また必要があれば適宜在庫処分等を行うことにより適正在庫を維持することに努めている。さらに制作段階では、見積もり原価設定、販売予測データ等を参考に適正制作数を設定し、社内便に向けて発注を行っている。今後は部数発注システムを構築し、さらに効果的な在庫管理を行っていく。
関連して当期決算において棚卸し資産を評価減したのは、日本の会計基準の中の棚卸し資産会計基準の変更によるもの、つまり評価基準が原価法から定価法に変更になったことが原因である。
 当社においては、将来の在庫処分が与える利益に対する下落リスクを極力排除するため、積極的に一定の回転期間を越える場合は規則的に帳簿価格を切り下げる方法を採用した。
 エフィッシモの「在庫管理体制に問題があるのではないか」との指摘への4月30日の学研発表の「意見表明」の中で「企業会計基準の早期適用によるもので、ご懸念には及ばない」との回答とはまるで異なる、問題だらけの実態につき遠藤社長が「学研ライフ」(4月30日号)で吐露していることについては「パルス」5月28日号でも指摘しました。
<学研グループ2カ年経営計画2010における塾、高齢者福祉事業、子育て支援事業について>
 まず教室・塾事業では、学校教育の補完を目的とする自宅開放型の学研教室に加え、進学塾を運営する当社と競合しない他社との友好的なM&Aにより、シナジーを実現し、シェアの拡大を図る。また、高齢者福祉・子育て支援事業では、介護保険などの制度変更に比較的左右されない事業モデルとして注目されている高齢者専用賃貸住宅の展開、長年にわたり培った多様なノウハウによる質の高い保育、さらに高齢者事業と子育て支援事業の有機的なつながりを持った施設の開発など、他社とは差別された付加価値の高い事業展開をめざしている。
 次に投資計画については先ほどお答えしたが、具体的な案件が既に決定済みなもの、検討中のものを含め、営業秘密事項であり、未公開情報ですので、お答えはご容赦願う。
<顧客満足度と企業ブランドの向上に努めることとコスト削減との整合性について>
 品質向上は企業として当然のことであり、コスト削減のためとはいえ、なおざりにはできない。大事なことは制作原価や人件費等の固定費の適正化を常にこころがけ決算期間単位で対策を講じていくことであると考えている。
<売上げ高、営業利益に関する計画の根拠について>
 売上高については、M&Aにより子会社化した秀文社等の塾関連の売上げ増を見込んでおり、営業利益については早期退職優遇制度の実施等や、原価や販売管理によるコスト全般の削減の効果として当期と比較し、約20億円の経費削減を見込む他、クロスメディア投資の見直し、赤字子会社の清算、不採算雑誌の休刊等により赤字を削減するなどで、営業利益計画を達成する考えだ。
 この達成見込みが全くないことは先に述べたとおりです。
<株主エフィッシモキャピタルマネジメント様の所有する株式数、ご提案について>
 エフィッシモ様は直近では平成20年5月16日付けで大量保有報告書に関する変更報告書があり、同報告書によれば2099万8千株、発行済み株式総数の19、82%を保有する旨の報告がある。しかし、期末時点に於ける株主名簿上の上位10名には記載されておりませんので、招集通知の12頁、会社の現況の大株主の欄には記載していない。おそらくはエフィッシモ様のお名前での名義書換をなさっていないためと考えられます。また、エフィッシモ様は、本4月、株主総会に於ける株主提案権を行使される旨表明されましたが、翌5月にそのご提案を取り下げられ、現在に至っている。なお、ご質問書では、どのような根拠によるものか分かりませんが、当社とエフィッシモ様との間であたかも何らかの交渉があったかのごとく表現されていますが、そのような事実は全くありません。当社は上場企業としての責任を全うすべく、すべての株主様について同様のお付き合いをさせていただく考えだ。
 社長解任提案をほのめかした筆頭株主に、学研がこのような余裕の対応をできはしなかったと思わせる前後の事実関係や状況は明らかなため、週刊東洋経済や、日刊ゲンダイの批判的記事、さらに毎日新聞その他の記事が書かれたものと考える他ありません。質疑応答も参照。
<インデックスホールディング様との提携の経過および保有する当社株式について>
 インデックス様とは5年前、平成15年に資本・業務提携契約を締結いたしましたが、その後、インデックスホールディングス様が主要株主であるインターネットサーバーの管理運用会社であるインデックス沖縄様との提携により低コストかつ高品質のサービスを提供していただいている。また、インデックス様の業界への影響力を通じ、NTTドコモ様の協力をいただき、携帯配信事業においてサイト開設などで迅速に案件を解決することが可能となりました。その他、インデックス様との同業回線を通じ、当社の小中教材開発部が開発した英検の教材を基に、任天堂DS用「英検王」を発売するなど一定の成果を上げ、現在に至っている。なお、インデックス様が当社の株式を第三者に貸し出しているとの情報を得て、インデックス様に対してその説明を求めましたところ、当社株式を貸し出している事実は確認したが、詳細は契約上の守秘義務があるため、いましばらくご容赦いただきたい、とのことである。
また昨年の株主総会での東京ふじせ企画労働組合とインデックス様との接触に関する答弁に関するお尋ねについてだが、答弁時点でインデックス様からお聞きしたことをそのままお答えしたものだ。その後、どのようになったかを確認する必要もありません。なお、この件は本総会の議題と関係がないので、これ以上のお答えはご容赦ください。
全くもって、事実をごまかす答弁以外の何ものでもありません。質疑応答を参照。
<本社新社屋の流動化および関連する事項について>
 当社は従前から本社新社屋とその用地の証券化などについて検討を重ねていたが、三井住友ファイナンスアンドリース様に譲渡するということで条件が整ったので今般の実行に至った。流動化を決定した最大の理由は、新経営計画に基づき資産の効率化と財務体質の強化を図るためである。その他、平成21年3月期決算をもって法人の税制上の優遇措置の一つである繰り越し欠損金の有効期限を迎えること、固定資産として保有する場合の価格変動リスクを回避することなども流動化を決定した理由であり、様々な角度から検討した上での選択であった。建物・土地併せて、その譲渡価格は、242億円、建物の建築費などを差し引くと実質的な資金の調達額は約160億円強となり、約90億円の売却益を法人税の負担なく得ることができた。今後、成長事業分野への戦略投資として80億円を充当するほか、有利子負債の返済、運転資金の確保など、有効に活用していく。また、土地や建物はそのままでは価値を生み出せないので、それらを売却することによって資金を調達し、その資金を事業の拡大に振り向けることは、当社の資本効率を高める有効な手段であると認識している。ご指摘のような資産の食い潰しではない。なお、リース料については、正式な賃貸借契約は8月に締結の予定なので、現時点での公表は控えさせていただく。また、現時点では、当社グループ以外がテナントとして利用することは想定していない。さらに譲渡価格については複数の不動産鑑定評価および弁護士の意見書、監査法人の意見等を参考に社内委員会で検討を重ね、最終的に取締役会で妥当な価格を決定した。
 真の業績の回復とその蓄積があれば、移転間近に新本社ビル・土地を売却しなければならない事態にはなっていなかったはずです。「崖っぷち」という遠藤社長の言葉どおり、泥縄的な非常手段と受け止められても仕方がありません
<当社のコンプライアンス態勢について>
 当社のコンプライアンス態勢はグループ全体をカバーするものであり、また子会社にコンプライアンス担当者を置き、子会社の社員を含むグループ全体を対象とするコンプライアンス提唱を実施するなど、コンプライアンスの定着に努めており、態勢に不備があるとは考えていない。昨年、学研GICが受けた行政処分の他、いくつかの事案についてはこのようなコンプライアンス態勢を持ってしても、防ぎ得なかったものであり、私どもは大変遺憾なことと考えている。これからも、ひきつづき根気よくコンプライアンス精神をグループ内に定着させることこそが肝要と認識している。今後の取り組みとしては、コンプライアンス推進指導に適した人材を強化育成して推進の任に当たらせ、風通しの良い職場環境の醸成につとめ、グループ全体としてコンプライアンス経営の本質をグループに根付かせていくのでご理解の程をよろしくお願いする。
 不祥事がくり返されている現状を「遺憾」のひと言で居直っています。
<東京ふじせ企画労組との争議を解決すべきではないかとの質問について>
 去年の回答のままの繰り返しなので省略。裁判判決、労働委員会命令に触れ、東京ふじせ企画労組が正当な理由なく学研の争議責任追及として会社前やイベント会場で学研への悪宣伝などを行なっている、という居直り答弁をしています。
 また85年の損害賠償訴訟について、「使用者性が争点ではなかった」、判決では勝っている、と言っています。また、行政訴訟の高裁判決についても付け加え、工藤ふじせ企画社長が組合嫌悪から業務を返上したと認定している、と強調しています。
 私たちは、根拠もない言いがかりで学研相手に30年も争議を続けたりしません。
損害賠償判決も、東京ふじせ経営者が渋々ではあれ学研の業務総引き上げに応じた以上、両経営者間には賠償責任は生じないとしましたが、学研が行った異常な組合潰しは看過できなかったために、その事実認定を正しく行い、使用者性の存在も認めて、間接的に学研に反省と争議解決を促したものです。この与えられた機会への判断を誤り、争議責任履行を拒んだことが学研の運命の一つの分かれ目でした。
 行政訴訟高裁判決での工藤に責任転嫁する事実認定の極めて奇異な挿入は、この高裁奥山興悦裁判長の異常な労組敵視観から来たもので、何の証拠にも基づかない認定です。さすがに学研は業務引き上げに関与していないとまでは言い切れませんでしたが。他にも国労敗訴判決など数々の悪質判決で彼は有名になったものです。質疑応答を参照。

2、会場内での質疑応答
株主A  富樫専務からの報告ありましたけれど、GICのことについて去年の話と全然違う状態ですよね、
      会社側の回答は。GICは問題ないということをずっと仰っていたじゃないですか、今まで。それが
      何のことはないGICは解散してしまうということをもってくさいものにフタをしたのかも知れないけれ
      ど、それでコンプライアンスとか言っていて、GICのことは遺憾だったという、そんなことじゃ学研は
      いかんですよ。どうなんですかGICのこと。ずっと古くからだまし続けてきたんじゃないですか。
木村   取締役の木村です。学研GICは古い話しになりますけれど、2007年2月に経済産業省から業務
      停止処分を受けています。この内容については私ども
確認をしたかったんですけれど、確認をで
      きりません。また今のご質問の中で、解散をしたというご指摘がございましたが、この行政処分
      は解散を決めた後の出来事でありまして、この解散と行政処分は全く関係ございません。
株主A  それではね、会社が解散してしまったから行政処分が出ても処分を受ける人が何処にもいなかっ
      たということでいいわけですか。それが学研の持っているコンプライアンスという方針なのですか。
      普通の人は納得いきませんよ。
木村   いま申し上げたのは、学研GICの解散と行政処分とは関係ないと申し上げただけであって、ご指
      摘のことを申し上げたわけではございません。グループ全体のコンプライアンスを重視していく姿
      勢は全く変わっていません。

株主B   私、学研に世話になって55年になります。ずっと学習・科学をやらせてもらいました。いま新聞
      で科学、学習が廃刊と違うか、という声を本を配っているコンパニオンさんから聞きまして、問い
      合わせが殺到しています。昨日もまたありました。「大丈夫でしょうね」と。ここで社長のはっきり
      した見解を聞きたいと思います。以上です。
遠藤   新聞で報道されました件でしょうか?あれは誤報でございまして、ああいう発表をしたこともござ
      いませんし、決定したこともございません。ただし、先ほど申し上げたように訪問販売につきまして
      は、今後、教科書準拠の教材の開発、市場環境の変化等、あるゆる角度から検討しながら慎重
      に検討させていただくという基本的な姿勢はございます。あと、和田取締役から・・。
和田   加えてご説明させていただきます。訪問販売事業を取り巻く環境は厳しいものが続いているわけ
      なんですが、特に消費者契約法であるとか、特定商取引法あるいは割賦販売法、個人情報保
      護法など、様々な法的規制の影響を受けておりますけど、最近では、迷惑勧誘の防止というよう
      な行政の動きもありまして、 これは東京都とか秋田県とか、この辺で既に報道がされているわけ
      なんですが、そういう環境の中、うちと取引されている代理店さんの方々はご健闘いただいてい
      るわけなんですが、残念ながら部数の減少傾向に歯止めがかかっていません。その中で常に検
      討は進めているわけでございますが、商品、販売形態、組織、そういったものについて今までも
      検討を進めてきています。そうした中で、たとえば月刊教材の「学習」と「科学」。「学習」について
      は、それまで月刊で発行していたものを、平成16年の4月号からは年3回発行、さらに2年後に
      は4回に増やしましたけれど。そういうふうな事とか、内容的には雑誌の内容から書籍の内容に
      変える等のいろいろな改革を加えて編集制作費の圧縮も図ってきています。同時に販売のチャ
      ンネルについても、学研教育パートナーによる訪問販売以外に書店ルートでの販売、通販での
      販売、量販店での販売、等々、商品を露出する機会を増やして、そうした中で部数の一部拡大を
      図ってきております。ですが、残念なことにこの減少傾向に歯止めがかかっておりません。加え
      て、いま指導要領の告示がされましたが、平成23年から新しい教科書に変わります。学習、科
      学に加えて小学生の「アクセル1」という月刊教材、中学生向けの「マイコーチ」という月刊教材、
      年間セット物の「ニューマイティ」という商品、こういったものも教科書改訂に合わせた改訂費用
      の見合いと今後の部数推移、そういったものも検討しながら縮小の決定の可能性も含めて厳し
      い検討をせざるを得ない、と、こういう状況でございます。ただ、メーカーとして商品供給の責任は
      ありますので、今までのコンテンツを活かした形で、新たな教材の開発もあわせて今進めている
      ところでございます。
株主B   私、こんな所でこんなこと言っていいか分かりませんが、「科学」の場合、前でしたら中身を随
      分改訂していただいて、毎年、中身が良くなっていたんですが、ずっとここ何年か同じものなんで
      すわ。それは中身の改訂というのは無理なんですか?
和田    内容を固定化して3年目に入るわけなんですが、これは部数減少が続く中で原価の軽減、編
      集制作費の圧縮ということでとってきた策でございます。
       「科学」に対する需要とか必要性といったものは、我々としても重要性をもって捉えていますの
      で、今後 については検討の余地はありますが、「科学」ついては内容を一定化して3年目で、
      今期は、この1年間は続けさせていただく予定でございます。
田丸    執行役員の田丸です。「科学」と「学習」に関して内容を固定に近くしていますのは、今申しまし
      たように原価上の要因が一番問題になっています。原価をおさえることによって良い本をどれだ
      け多くの人たちに読んでいただくか、ということについては、ビジネスの観点と同時に商品の内
      容の良さの観点の両方から見てそれが一番適切だろうということで作らせていただいています。
      ただ、「学習」も「科学」もそうなんですが、学研の大元を作った両商品でございますので、精神
      上、いかに発展して商品開発をしていくか、ということが非常に大きいかと思っています。科学の
      分野におきましても、「大人の科学」、「科学のたまご」等の商品が派生しておりますし、そういう
      意味からも、この二つは精神的に大事に育て、育てるというか保ちつつですね、新たな商品展
      開をやっていきたいと思っています。

株主C   今のものに関連しての話なんですが、「学習」「科学」というのは、学研の始まりというそういう
      重要なポジションというのもあるけれど、内容は私は「科学」についてはかなりのものを持ってい
      ると私は思っている。しかも日本という国は大体「科学立国」ということを考えて言えば、これは
      非常に大きなレゾンデートルを持っている。にもかかわらず、内容はともかく、売り方については
      全く無策である、まあ単純に言えば、「一犬虚に吠えれば万犬実に吠える」ということもあります
      が、とにかくこのことに対して火を付けようと思えば、火を付けるだけの資本を投じなければ駄目
      だと私は思います。ここで大事に育てようとか、死なないようにしようとか、そういうレベルで考え
      てもらっては大間違いだと私は思っている。他の商品についてはともかく、この商品については
      私は、どう考えても今のやり方は納得がいかない。
和田   「学習」と「科学」につきましては創業の商品でもありますし、それから日本の教育界に与えてき
      た影響も大きなものがあるし、貢献も大きいと思っております。そういう意味で、ある面、非常に
      厳しいお言葉と同時に激励をいただいたものとして受け止めておりますが、まず営業の立ち場と
      しては大きな赤字を過去10年に渡って続けてまいりました。その赤字からの脱却ということをめ
      ざしてここ数年やってまいりました。そういう中で、許されれば大きなプロモートの費用なりかけ
      たいということはあったのですが、事業上の赤字圧縮という方向の中で進めてまいりました。な
      んとか赤字からの脱却の中で少しでも広げていける方向を取れればと、そういうふうに願ってい
      ます。 考えています。
遠藤    私からも付け加えさせていただきます。特にいま「科学」という「ことで仰っていただきましたけ
      れども、科学が、先ほど田丸執行役員からもお答え申しましたが、科学が作りあげていくノウハ
      ウというものは他にはないものだと自負しています。商品の形を従来のものだけにこだわってい
      くのか、そうではなくて、「科学」を作れる力を、そういったものをいろいろ、これから商品の形が
      変わる可能性もありますけれども、先ほど、精神ということばを使いましたけれど、そういうもの
      を活かしながら、商品の開発に努めて参りたいと考えています。貴重なご意見として承っておき
      ます。ありがとうございます。

株主D   去年の総会でも、この家庭訪問販売事業について質問があって、社長からも答弁があったと
      思うんですけど、2年前の2006年の中期経営計画では家庭訪問販売事業の赤字については
      以降2年以内に解消するという計画案が出されて、それについても昨年の総会の中で1年前の、
      今から遡れば2年前ですけどね、そういう会社の方針についてどうなんだと聞いたところ、「いや、
      赤字解消というのは現時点でも十分実現可能なんだ」という答弁がされたわけですよね。それ
      が1年経って見ると、こういう事態になっている、というのは、そもそも去年の答弁の根拠という
      のは一体何だったのか、が問われているんだと思うんですよ。それをまずはっきりさせてもらい
      たい。その上で、いくつか関連であるんですけど、「日刊ゲンダイ」に対して提訴しましたよね。
遠藤   あのー、一つひとつやって・・・
和田    この62期をもって黒字転換という計画をもって進めてまいりました。と言いますのはその前の
      期の赤字が、これは社内の管理会計上の数字なんですが、約3億の赤字でした。それをさらに
      事業部構造改革でコストを圧縮する中で、この3月でしめた62期の計画においては若干の黒字
      というものを見込んで進めてまいりました。この売上げは多くが新学期、この2月、3月の売上げ
      でもって大きく左右されるところがございます。販売コンテスト等を設けながら、いろいろな販売
      組織で頑張っていただいて、売上げを確保するわけなんですが、それが若干足りずに、まあ、
      管理会計上は約1億7千万円の赤までは挽回したんですが、残念ながら黒までには一歩至りま
      せんでした。大変申し訳なく思っております。まあ、赤字幅の圧縮ということについては着実に進
      めてきているつもりではございます。
株主D   それで行くと、この先まだまだよくなる可能性があったということになるのでしょうか、先ほど言
      いかけましたが、この問題で結構新聞報道がされて、たとえば毎日新聞の中では、こんなふう
      に書かれていたんですよ。「セールスレディが訪問販売で教材を届ける形態はコストがかかり、
      採算を悪化させていた」と、「現在2万人弱のセールスレディについては順次削減する」、こうい
      うふうに学研は発表していましたよ、と。さらに加えて、毎日新聞の中では、「大株主になったエ
      フィッシモが株主総会前に赤字事業の撤退を打ち出すのであれば、遠藤社長の解任提案は取
      り下げるとしていた」、と。だから今の答弁聞いていると、先行きの見通しがまだあるけれど、エフ
      ィッシモからの提案の中で、もう潰してしまえ、そういう方向で行くんだ、と決めてしまったのかど
      うか、その辺がどうなのかと思うんですよね。
       それで行くと、別の株主さんも言っていましたけど、学研のおばちゃんと言われる人たちが2万
      人くらいいて、日刊ゲンダイあるいは毎日新聞でも書かれていたわけですけど、「切り捨てられ
      る」という記事に対して名誉毀損だと提訴したわけですよね。それが全く切り捨てていない、とも
      し言うのであれば、先ほどの答弁でのまだ見通しがあるのかどうかも含むんだと思うのですが、
      2万人弱と言われている人たちの雇用はどう守られていくのか、という、そういう道筋も立てられ
      ていかなければ、提訴するという意味もよく分からない、ポーズだけなのか・・・
遠藤    (遮って)木村取締役からお答えします。
木村    ただいまのご質問は、なにか沢山の内容を含んでいますので、正確にすべてお答えできてい
      るかどうかわかりませんが、お答えします。まず、エフィッシモさんの株主提案の中で、赤字事業
      からの撤退の公表があれば、取り下げる用意がある、と触れられたことは事実です。ただし、こ
      れは当社とエフィッシモさんが何かご相談したとか、ご提案を受けたとか、要求があったとか、そ
      ういうことではございません。当社の中期経営計画の公表が非常に遅れまして、たまたまその
      公表とエフィッシモ様の株主提案が同時期になってしまっただけですので誤解のないようにご了
      解ください。以上でございます。
      エフィッシモとの関係については苦しい弁解としか聞こえません。
株主D   雇用の見通しについては?
木村    ただいまの件、二つ前提がありまして、一つは家庭訪問販売事業の「科学」「学習」を家庭に
      お届けして いるご婦人中心の雇用ということであれば、この方たちは私どもの当社と直接の関
      係はございませんし、代理店様がこの方たちと雇用契約を締結しています。ただし、どうするの
      か、というご質問なんですが、私ども、この事業から撤退すると何も決めたわけではございませ
      んので、そのご質問は仮定の問題でございますのでお答えする必要がないと思います。以上で
      ございます。
      官僚答弁とも言うべき悪質さです。セールスレディの雇用不安が問題になっている時に
     この答弁です。一方では、「学研のおばちゃん」という大事なブランドを切り捨てたかの報
     道でイメージを傷つけられた、として「日刊ゲンダイ」を提訴しておいて、「直接の関係はな
     い」と知らん顔ですか。この事業への方針を明確にし、いずれにしても2万人弱の雇用に
     どう責任を負っていくのか示すべきです。代理店を含め学研への不信感を拡大しているの
     が今の経営陣のやり方です。

株主D   撤退と縮小と書いてあるから聞いているのですよ。
遠藤    質問は挙手でお願いします。
株主D   聞こえているんだからいいじゃないですか。2010年への計画で、撤退と書かれているから
      言っているんですよ。撤退しないなんて書いてないじゃないですか。撤退と書いてあるじゃない
      ですか。
木村    重ねてお答えします。撤退か縮小、選択的な書き方ですので。それをまだ決めてはいないわ
      けですから。そう書かれているからどうなんだと聞かれても困るわけでして、私どもは決めれば
      もちろん公表しますけれど、まだ決まっていない。従って選択的な見直しということです。
株主D   では質問を変えて、・・
遠藤   (別の株主を指名して)どうぞ。
     (「まだ、関連質問があるのに何だよ」の声)
     ここでも遠藤議長は、質問を一つひとつ受けていく、と自ら言った約束を破って、株主Dの
     残りの質問を一方的に打ち切っています。信用に値しない嘘つき社長と言われても仕方
     がありません。

株主E   私は上場以来の株主なんで、株価的には大変大きなマイナスが出ているわけです。学研に
      特別な愛着がありまして、毎回、この総会には出席をしているわけです。社長が、社内報の学
      研ライフで「63期の最大目標は二桁黒字達成」「学研の運命を賭けての崖っぷちの戦いであ
     る」というような決意を述べておりますけれど、私も同感でございます。しかし、言葉だけでなく、
     実績がないことにはどうしようもないわけです。62期の株主総会が従来の総会と違いまして、
     63期、あるいは4期、5期とこれから永遠に学研の発展につながるような総会でありたい、と申
     し上げて質問に入ります。 先ほど、富樫専務の方から新社屋の売却いついて縷々説明があり
     ましたので、重複するところは省略しますが、私は資産の食い潰しによる新社屋の建設とは言
     いましても、新生学研に相応しいビルができるんじゃないか、というふうに大きな期待も持って
     いたわけです。ところが、5月10に学研新本社ビル売却の報道を見まして、本当にびっくりして
     いるわけです。その内容については富樫専務の方から、塾に集中投資して使う等の説明があ
     りましたので、私の考えと多少の違いはありますけれど、これは省略をいたします。けれど、3点
     だけ、これに関してお聞きしたいと思います。遠藤社長が就任して以来の5年間の実績というも
     のを、私なりに考えて見ますと、大変良い面も反面悪い面もあるわけでございます。良い面では
     7期ぶりに復配を行ったということ、あるいは新規事業への進出、構造改良と。まだまだ軌道に
     は乗っていませんが、62期の実績を見ましても惨憺たるものでございます。また社長を取り巻く
     経営陣を見ましても、新本社ビル売却を行い、いろいろやることがある、と富樫専務の説明にも
     ありましたけれど、果たして、皆様方が経営努力しても、資金ショートでも起こして最悪の事態に
     でもなるのではないかな、という気持ちも私は持っています。 質問に入ります。新本社ビルの
     建築をした時の判断、それから売却をした時の判断、これがどうしても私には理解できないわけ
     です。いま富樫専務からいろいろ説明がございましたけれど、何故、新本社ビルを建築しようと、
     そして完成を待たずにして売却をするという、その判断を遠藤社長に聞きたいと思います。
遠藤    あの、私じゃなく、まず最初に中森取締役お願いします。
中森    新本社ビルの建設の時点での判断ですが、もとより、この案件については証券化を含めて
      流動化しなくては、と同時並行的に検討してまいっておりました。ただし、その時期と相手がな
      かなかマッチングしなかった、ということで、必ずしもその段階から自社所有だけで検討してい
      たわけではありません。たまたま時期が、今回のこの時期に重なったということでございます。
株主E   いま説明がありましたけれど、その説明が正しいとすると、それでよろしいわけですが、ご承
      知のように創業以来の本社ビル、それから2ビル、3ビル、すべて資産を売り潰して、そういう
      決断をしたということでよろしいわけですね。そして新本社ビルも土地も売ってしまうということ
      は、学研はある意味で資産が現状では全くゼロだ、とそういうふうに考えてよろしいわけです
      ね。皆さん方の判断が正しかったということでよろしいんでしょうか?
中森    書面質問でも回答しておりますけど、土地や建物はそのままでは価値を生み出しません。こ
      れは自明のことかとおもいますけど、そういったことを考えて総合的に判断いたしましたので、
      その判断は正しいと考えています。
株主E   判断が正しいということを受け止めまして、仮にですよ、242億の売却益、いろいろな部署
      に使って、そして皆様方が立てています学研グループ2カ年計画2010、それに基づいて結
      果が出なかった場合、現在の状態で社長のお考え、責任の取り方について・・・
       売却益は90億円、譲渡価格が242億円です。
遠藤    (遮って)それはあくまで仮定の話ですので、その場合どういう責任を取るかということは今
      この場でお答えできないと思います。先ほど書面でも回答申し上げましたように、とにかく中
      期経営計画で示されていることを実現することが最大の目標であり、そのために全社一丸と
      なって頑張る所存であります、と申し上げたとおりです。
株主E   頑張る所存であります、というのは分かりやすいですが、しかし、それができない場合は、
      現在の段階で社長としてこういうふうに思っている、ということがお話できませんか?
遠藤    申し上げるとすれば不退転の決意で頑張るとしか
株主E   社長のそのお考えを受け止めておきます。それと、上席役員であります富樫専務と安田専
      務にも今申し上げた、目的にそって結果が逆に出た場合の、専務としての今のお考えをお聞
      かせください。
遠藤    いま申し上げましたように、経営陣が一丸となってやると同時に全社員が一丸となる、とい
      うことでございますので思いは一緒でございます。私からお答えした決意と同じでございます。
株主E   整理についてお聞きします。遠藤社長は確かに前任の沢田社長あるいは小松社長がおで
      きにならなかった復配をやって、57期から60期までは黒字決算というような経験をしており
      ます。そのほか、いろいろなことをやっておりますが、平成13年の7月6日の559号の学研
      ライフの冒頭で「学研にとって何が大切かと言えばそれは社員です」と社長が仰っています。
      ご自身の言葉で記憶があると思いますが、もちろん会社を存続させようと思えばリストラも必
      要だろうし、それを受ける社員もあろうかと思いますが、新社屋を建てて未完成のうちにそれ
      を売ろうという奇想天外の社長のやり方、その他を考えますと、なかなか貴方の功罪といい
      ますのも列記すれば切りがないわけですけど、相半ばすると私は評価しております。そこで
      質問に入るわけですけど、一般的に企業で経営不振、あるいはリストラの実施、マスコミに
      載る問題なり、それについての詫び状を社長名で出したり、ということになっていきますと経
      営責任を役員がまず自ら見える形で責任を取るわけですけど、仮に、そういうことを多分やっ
      ているだろうと思いますが、たとえば役員報酬のカット、賞与の返上、退職慰労金のカット等、
      自ずとその時の役員のやることがあると思いますが、それを具体的にやっているのであれば、
      それをお聞かせ願いたい。
遠藤    先ほど書面の中で、その点についてはご回答申し上げておりますが、一番の責任は中期
      経営計画を達成することであると認識しております。
       いままで経営計画が達成されたためしはなく、その度に業績悪化のつけを社員にし
      わよせしてきた遠藤社長が「社員が大切」などと心にもないことを言っているのは笑
      止千万です。

株主E   それ以前の問題で、達成することが他にあったわけですから、それについての責任として、
      たとえば社長が役員報酬を何パーセントかカットしたとか専務が何パーセントカットしたとか・・
木村     先ほど書面質問の回答で報酬を一部返上しました、とご説明しましたが、その内容につい
      てご説明申し上げます。6月の報酬について、社長が50%返上、専務および常務取締役が
      40%返上、その他取締役が30%返上、および執行役員も一部返上しています。以上です。
株主E   分かりました。
株主D   はい、(と挙手するも遠藤社長は無視)。
遠藤    木村取締役から補足が。
木村     ただ今の返上につきましては、先ほどの書面回答でお答えしたように当期決算および利
       益剰余金の欠損を理由とした返上です。それ以外では、近いところではご承知かと思いま
       すが、いろいろ報道されました子会社学研トイズでの地球儀の件で3ヶ月間役員報酬を返
       上しています。以上です。

株主F   いまの株主の方の関連でもあるんですけど、能力開発事業、これは新ビル売却で調達し
       た資金もかなり、これから2カ年で投入していくということですが、これは前向きのかなり力
       を入れたものとして塾の買収とか考えられておられるわけなんですけど、これまでM&A
       なんかで仲間に入ったグループを見ると必ずしも業績的に芳しくない、例えば秀文社など
       は昨年の段階でかなり赤字を抱えて、身売りの話しなんかもあったということを聞きます。
       それから今期の決算には、秀文社は入っているかどうか分かりませんが、そういった塾の
       関係でのれんの減損というようなことが計上されています。こういう要素を見ると、プラスの
       要素として今後の戦略的な事業として立てられているけれど、必ずしもそうでない、非常に
       不安な要素があると思いますけど、その点お答えいただきたいと思います。
小野寺   常務取締役の小野寺でございます。書面によるご質問で一部触れていますけれど、あの、
       今回我々と提携している会社は6社ございますけど、6社とも寸前のエリアで、かなり無理
       をして拡大している、従ってその中でご承知のように塾一校舎、一校舎が減損対象になっ
       ておりますので、いくつかの不採算校がございます。そういう中で買収を行ったということは
       事実でございますが、いま現在、その不採算校の整理あるいは隣接校との統合ということ
        を行っておりまして、早期にこれは黒字化を図りたいと思っております。なぜ、そういう会
       社が学研との提携を望むかと言いますと、これも先ほどの冒頭のご回答にもありましたけ
       れど、一部を補充させていただきますと、学研教室はご存じのとおり、29年前に学校教育
       を補完しようと、そうした方法で教職免許を持った教育熱心な主婦の方々とフランチャイズ
       契約を締結しまして、いわゆる自宅開放型のホームスクールというものを全国的に展開し
       ております。いつの時代でも学校の授業についていけないという方はいらっしゃいますの
       で、その保護者のかたのご希望もあってなんとかついていけるようにして欲しい、というこ
       うした需要というのはいつの時代にもあろうかな、と思っています。学研教室は基本的に
       基礎定着、現在の学力に対した集団の中での教育として赤点方式で行われています。こ
       うしたことは今後さらに拡大する余地はあろうかと思っています。一方、良い小学校、中学
       校、高校、大学に進学したいと願う層もございます。残念ながら、この層に対するオリジナ
       ル教材や指導スキルというものは学研教室にはございません。加えて高学年になります
       と、大変悔しい思いをしておりますけれど、進学塾に変更される方がいる、かなりいらっし
       ゃる。従って、進学塾と提携して学研教室のパイを積極的に送り込んだ方がお互いにシ
       ナジー効果が発揮できるのではないかということで、いまいくつかの会社と資本提携、業
       務提携、M&Aというものを行ってきている。今後もチャンスがあれば、相手があることな
       ので、あれなんですが、基本的には、地方の公立志向の進学塾と提携してまいりたい、こ
       の形になりますと、お互いにシェアの拡大が図れますし、確実に付加価値が生まれてくる
       と思います。現在、いくつか案件がございますけど、基本的な秘密保守契約等もございま
       すので、この場ではご容赦いただきたいと思っています。
株主F   今のお答えだとM&Aなんかにかなり無理がある、ということで、二カ年の計画の中でこう
       した事業で主力の戦略的な事業としてやっていけるのか、というと、非常に不安が残ると
       いうことは正直に申し上げておきたい。同じ提携ということで関連してお尋ねするんですけ
       ど、廣済堂との提携、これは何か私どもが見ていますと唐突な感じがするんですね。お互
       いに株の3%ないし4%くらいを持ち合って、似たような業種で、シナジーとか仰っていま
       すけど、何か降ってわいたようにおきた提携であると。これも、廣済堂のこれまでの経営
       の内容を見てみますと、ここ6〜7年にわたって、人によっては実質的に大きな赤字を抱
       えている企業だということで、残念ながら学研の実態と相当似ているところがある。こうい
       うマイナス同士の企業がお互いに手を組んで何か大きな先行きが開けるんだろうか、つ
       くれるんだろうかということを大きな疑問として持ちます。
        それと様々な不祥事が学研の社内からも、たとえば1万円札を休日出勤して作ってい
       る契約社員がいたりとか、様々な欠陥商品が新聞を賑わしている、そういうものと絡めて、
       一つ申し上げておきたいのは、インデックスの件にしても、廣済堂との件にしても非常に
       不安な要素があるんですけれど、その陰にチラホラですね、反社会的な団体の影がほの
       見える、これは教育出版社として致命的なものじゃないかと思うんです。インデックスの
       場合は、学研は被害者であるということをおっしゃるのかも知れませんが、廣済堂の場合
       はこれは社会的にもかなり知られていることですしね。そういうものも含めてお答えいた
       だきたいと思います。
遠藤    ご質問は何ですか?
株主F   廣済堂との提携はどういうことなのか、ということです。
中森    廣済堂様との資本・業務提携につきましては、書面質問でご回答いたしましたとおり、廣
       済堂様がやっている業務、特に教育関連業務、これは教科書の副読本関係をやってご
       ざいます。当社も同じように文教市場向けに副読本の教科書の販売等をやっております
       ので、こういった業務が非常に近いところでやっている、と合わせまして、ゴルフ関連事
       業、IT関係の事業もそうです。こういったところで非常にシナジー効果が見込めるという
       ふうに判断しています。反社会的行為といった話がございましたけれど、私どもはそうい
       ったことはない、と信じてございます。
株主G   関連することで、エフィッシモの件ですね。先ほどもちょっとありましたけどインデックスの
       こと、それから、ふじせ争議のこと、この3つが関連しているので3点にわたって質問しま
       す。順次お答えいただければいいかと思います。
        エフィッシモの件ですが、いろいろな方から質問があったので簡単にお聞きしたいと思
       いますけど、遠藤社長はエフィッシモが筆頭株主になった直後に、日経金融新聞のイン
       タビューに答えて、「何だろうな、何が目的なのか、どうしようとしているのかよく分からな
       い」と、直後のことでもあって、そういうふうにお答えになったわけですよね。それからずっ
       と経過しているわけですけど、ファンドが筆頭株主になった場合には配当の要求とか資
       産の売却とかを求めて来るというのは一般的には大きな流れになって今、社会的にも
       注目されているわけですよね。ですから、それに対する向き合い方の問題として、先ほ
       ど、エフィッシモとは一切交渉したことがない、と言っているんですけど、実際には、大量
       保有報告書、その変更報告書の中で、書面のやりとりをしたり、補足的な説明を受けた
       りして、社長の解任提案に関してやりとりしたということが書かれていますね。だから、全
       く交渉がなかったかのように・・
遠藤   (遮って)質問は何ですか?
株主G   いま言いますから、ちゃんと聞いてください。私の質問の時になると遠藤さん、いつもそ
       うやって途中で遮らないように。ですから、エフィッシモとの間に交渉が全くなかったとは
       思えないわけですが、その点についてどうだったのか、お聞きしたい。
遠藤    お答え申し上げます。先ほど書面でご回答申し上げたとおりでございます。
株主G   いっさいやりとりがなかったというのですか?
遠藤    何を根拠に、そういうことをおっしゃるのか、先ほど述べたとおり、他の株主様と同様に
       対応させていただいている、ということです。
株主G    実際に、エフィッシモが経営改善提案とかを行い、それが満たされたからということで解
       任提案を降ろしているわけですよね。影響力というのは・・
遠藤    (また遮って)それはですから、先ほど申し上げたとおり、何もございません。
株主G   遠藤さん、こちらが話しているんですから、
遠藤    質問を
株主G   だから簡潔にお聞きしますよ。影響力という点では、こうしたファンドが<筆頭株主になっ
       て力を行使するということがあるわけですから、その影響というのは、従業員や学研関
       係者に出てくるわけですよ。特に働いている人には、リストラという形で、1月、4月と2
       次にわたる希望退職募集、賃下げの新賃金制度導入等が進められようとしたわけです
       ね。こういうことについて、株主利益ということは事業報告書で言ってますけれど、すべ
       ての学研関係者に対して十分な説明をして、例えば労働組合がエフィッシモとやりとりを
       するというようなことを保証すると、そういう考えはないんですか? 大きな影響力が生じ
       た時に。今回生じています。
木村    いま、当社とエフィッシモ様との関係について、縷々、殆ど推測でおっしゃられていました
       ので、私ども、どういう意味なのかも分からないので、申し上げたとおりですので、一方
       的な推測で質問されても、答える手段がございません。
遠藤    他の方(とまた質問を途中で封じようとする
株主G   先ほど、3点と申し上げましたので、続けて。今の答え不十分だったと思いますが次の質
       問に移ります。インデックスの件ですが、暴力団絡みで報じられて事件化したりしていま
       すが、先ほど、ふじせ労組と話し合いが行われている、ということについて、インデックス
       と確認したけれど全くない、ということを昨年の総会で答弁したんだと、言っていました。
       これについては昨年も答えてもらえなかったんですけど、そういう嘘でたらめを学研がい
       う、これは信じがたい。では実際、誰に確認して、私たちがインデックスと話し合い、イン
       デックスが「問題解決が望ましい」と答えた、という事実など一切ない、というようなことを、
       誰に確認されたのか、をお聞きしたいと思います。
木村    先ほど、富樫専務の方から書面質問に対する回答という形で申し上げあげましたが、再
       度、くり返し申し上げます。インデックス様からお聞きしたことをそのままお聞きしました。
       この件は本総会の議題と関係ございませんので、これ以上のお答えはご容赦ください。
       以上です。
株主G    名前は言えない、ということですね。
遠藤     他の方、ご質問を(執拗に質問封じを狙う。昨年以上に悪質な議事進行を図るこ
        の会社の最高責任者のなさけない姿がさらけ出されています

株主G   待ってください。先ほど、3点にわたって質問と言ってるじゃないですか。武岡さん、とい
       うインデックスの法務部マネージャーの方と去年にも話し合って、学研がこんなこと言っ
       てるけど、と言ったら、「前から学研には伝えてあること。ステークホルダーが広範囲に
       存在している中、問題を解決する能力というものが学研にも求められている」、と「前の
       管理局長の時から、何らかの形で学研に伝える、ということは約束したものだ、
    (遠藤、「質問」をと妨害)
       これからも伝えるようにしたい」、ということで、「問題解決が望ましい」という立場表明
       を継続して、学研に対しても働きかけている、ということなので、今のお答えは納得で
       きない、ということです。
        では、3点目の質問に移ります。東京ふじせ企画労組との争議について、非常に長い
       時間を使って毎年、同じことが答弁されているんですが、これは先ほどから出されてい
       るのは学研の使用者性がないんだ、という労働委員会命令が確定をした。裁判所でも
       追認されたんだ、という言い方なんですけども、この労働委員会命令は、85年の派遣
       法が制定された直後の使用者性というものをだんだん否定してくる流れの中での不当
       命令ということで有名になった命令です。それから、裁判の判断ですが・・
遠藤    質問の趣旨は?(と妨害)
株主G   これから言います。東京地裁労働部の不当な判決が2000年前後に続いて、ふじせ
       の判決もその一つとして、東京地裁労働部に対していろいろな労働団体が抗議をする
       と、労働事件についてはこういう不当な判決が出たということで、学研がこうしたものを
       いくら根拠にしても先ほど言ったように、85年の損害賠償訴訟判決でも学研の使用者
       性が明確に認定されて、その中で確定されています。
遠藤    質問を(と執拗に発言妨害)
株主G   学研が先ほど答えたことに、「違うだろう」ということで一つひとつ確認をしようとしてい
       るので、あれだけ長い時間あなた方がしゃべったんだから、それについて本当は一つ
       ひとつ言わせなければいけないと思うんですよ。いま、簡潔に言いますから。
     (ここでマイクの電源が切られる。肉声で質問継続)
        先ほどの話しの高裁判決だって、学研が業務を総引き上げしたことを否定するまで
       は言い切れてない、学研が組合潰しを示唆して倒産・解雇の攻撃をかけたということ
       について・・・
遠藤    それは見解の相違です
株主G   だから、そういう見解の相違があるということについて、それが争議になっているわ
       けでしょう。
遠藤    先ほど答えしたとおりです(と妨害)
株主G   争議が存在しない、などという言い方でなく、話し合って解決することができないのか、
       話し合う以外に解決はないんですよ。その点について、何故答えないのか。ちゃんと
       答えてください。
遠藤    他の株主様。(と回答拒否し質問打ち切ろうとする。)<BR>
株主G   何故、話し合えないのか、答えてください。争議を抱えていることが、学研にとっても
       どれだけマイナスになってきたか。私たちの行動が業績妨害になっているとかいう前
       に、争議を引き起こしたそのことについてきちっと責任を取っていく、相手の主張に対
       して、自分たちはこうだと、互いに話し合って、やってけばいいじゃないですか? どう
       してそれをやろうとしないのか、それがどれだけ学研の経営にとってマイナスになっ
       てきたか、ということについて是非、ちゃんと受け止めてもらいたい。全く、答えていな
       い。このかんの経営悪化というのは、争議を抱えていることからも起きているんですよ。
遠藤   (答えず、別の株主を指名)
      またもマイクの電源を切って質問を途中で封じ、いっさい答えないという悪質な
      総会運営を学研は行ったのです。

株主E   先ほど、富樫専務の方から、インデックスの株の件については詳細な説明がありまし
       たけれど、私の聞き漏らしでなければ確認をしたいんですが、500万株の流出先に
       ついて、確認を求めたら先方ではそれを解決する必要がない、というふうに報道では
       示されているわけなんですが、この株数の大きさから行きましても、学研との提携を
       したいきさつからいきましても、このまま放っておいてよろしいのかな、と感じるわけ
       なんです。市場では、村上ファンドが持っているのじゃないか、あるいは特殊な投資
       会社が持っているんじゃないかとか、それが学研に悪い影響を与えたら困るな、と、
       そういう意味で株が少なければ問題ありませんけれど、500万株というのは、4.72
       %にあたるわけです。それの確認が取れているのか取れていないのか、それについ
       てご回答いただきたい。
木村    くり返しになるかと思いますが、インデックス様がご所有になっている株式が他の方
       に貸し出されている、という状況がございまして当社としてはどのような経緯なのか、
       インデックス様にお尋ねいたしました。その結果は、文書での回答でお示ししました
       が、当社の株を貸し出しているという事実はそのとおりだ、とおっしゃっています。た
       だし、誰にどういう形でどういう契約内容になっているかについては、どうやら契約
       の守秘義務があるようでして、開示できない、ご容赦ください、という回答でした。
        ここでも逃げの答弁ですが、資本提携した相手のインデックスが流出事件
       後これだけ経過しても、学研株を現在に至るまで再度保有することなく推移
      ている(2月には取り戻すと言っていたが)ことの理由が示されるべきなので
      す。

株主H   (ずっと挙手しているが指名されない)
遠藤 
   そろそろ決議事項に移りたいと思いますが。(社員株主が拍手)
株主E   一つ、いいですか? 
      他の株主からも、「まだ他にも手を挙げているぞ」「なんだよ」の声
遠藤    株主Eを指名
株主E    鈴木執行役員にお聞きしたいと思います。5月17日の決算書の記事の中を見ま
       すと、遠藤社長の名前も出ていますが、その中で「看板雑誌の役割を担った両誌
       は従来の形態を大幅に変更し、事実上の廃刊を迎える可能性がありそうだ」という
       記事が載っているわけですが、日経の記事です、前期最終赤字56億円、訪問販
       売事業の不振が響く、ということになっている。ある地方の有力代理店から、私の
       ところに連絡がありまして、鈴木執行役員から「学習の廃刊は誤報です」というよう
       なファクスが流れてきた、と。それを送りましょうということになっているわけですが、
       それは鈴木執行役員、事実ですか事実でないんですか? ファクスは持っていま
       すよ。お見せしましょうか?
遠藤    ただいまのご質問は先ほどお答えしましたが、もう一度、あの繰り返しますけど、そ
       れは結果的に誤報です。こちらはそのような決定も発表もしていませんので何故
       にそういう記事になったのか、こちらとしては認識しておりません。ですから、誤報
       であると先ほど申し上げたとおりでございます。
株主E   代理店が心配されて、継続するんですねという問い合わせがあったんです。
遠藤    一応、継続しておりますから。その経緯は認識しておりません。
株主E   ファクスを流したんですね、あなたが。
遠藤    岩井取締役からお答え申し上げます。
岩井    4月1日付けで第一教育事業本部、家庭教育事業部の担当をさせていただいてい
       ます。今の件は若干誤解があると思いますが、一連の新聞報道の直後に数件の
       代理店様から事業部の方にお問い合わせがありまして、事業部としてもそれぞれ
       の代理店様に会社としての正しい情報を出さなくてはいけないなと判断しまして、
       鈴木執行役員ではございませんが、家庭教育事業部の現部長でございます野村
       部長名で文書を発信しております。そのことをおっしゃっているのかなと想像でき
       ます。
株主E   分かりました。それでは最後に質問ではありません。私の感じを申し上げます。会
       社の混乱は経営者の姿勢にあるわけですが、参考までにこういう文書を見たわけ
       です。幕末の長岡藩家老の河合継之助さんが次のような言葉を残しています。進
       む時は人の助けがいるが退く時は人の助けを借りずに自ら決すべきものである、
       という名言を残しています。これを社長以下、全役員に申し上げて私の質問を終わ
       ります。
遠藤    貴重なご意見ありがとうございました。それでは決議事項に移らせていただきます。
      (以前から挙手している株主を全く無視)「まだ質問」。「社外取締役について
     質問」等の声と複数の株主の挙手が続く。社員株主拍手。遠藤社長、決議事
     項読み上げを始める。「さっきから手を挙げているじゃないか」と抗議の声。「遠
     藤さん、おかしいよ」「議長」と抗議の声がまき起こる。「そういう総会運営やめ
     なさいよ」「遠藤社長、ちゃんと質問させなさいよ」の声。

遠藤   (議案採決を強行)
   
 抗議する株主が議長席に詰め寄り、抗議。雇われガードマンか大柄な背広姿の男たち約10名が、議長席前の二つの通路をふさいで立ちはだかり、抗議する株主を取り囲むようにおさえつける。「何故、質問させないんだ」と抗議が続く。
 抗議の声が飛び交う中、決議事項もよく聞き取れない中、社員株主が遠藤社長の進行に合わせて拍手。「こういう総会運営をやってていいのですか」と抗議の声。遠藤議長の「社外取締役選任について」の声にも、「それが問題だ。その件質問させなさい」の声。「株主に意見を言わせない株主総会があるのか」、「質問権の行使を妨害するのか」「質問を封じて何が採決だ」「今の学研の末期的な症状を現している状態じゃないか」「ロボット社員を動員してこんなことやって恥ずかしくないのか」(新任役員紹介にガードマンが前をふさいでいるので)「見えないぞ」の声も。抗議とヤジが飛び交い続ける。「自分たちの責任を押し隠すために学研はこんな総会運営をやっているんだ」「遠藤社長、恥ずかしくないのか」、「こんな総会は無効だ」「質問権を妨害して総会は成立しないぞ」等々の抗議の声の中、閉会。
 株主Hさんが、「希望退職募集、新賃金制度導入等のリストラ合理化」「争議を抱えたまま五反田へ移転すること」、「社外取締役選任」等につき質問をするつもりでしたが、挙手をしているのに遠藤社長が一切無視し、不当な議事進行のまま終了したので、質問・追及ができませんでした。許し難い暴挙であり、強く抗議するものです。
 冒頭にも述べたように、メディアも締め出し、このような悪質な総会運営をしなければならない学研の現状とは何のか、が厳しく問われるものです。学研経営の一層余裕のない対応が、業績のみならず道義的にも追い詰められた危機的な状況を浮き彫りにした、今年の株主総会でした。