6・26株主総会での責任追及から学研本社の
五反田移転を迎え撃つ闘いへ!
学研の第62回定時株主総会に対し、私たちは、以下のような質問書を事前に会社に送付しました(総会での学研の争議責任・経営責任追及の詳細は、7月下旬の本号でお届けします)。株主総会は大揺れの学研の危機と経営陣の無責任を映し出す展開になりました。直販赤字部門からの撤退には代理店から、「崖っぷち」で本社ビル売却にはOB株主からも質問・不安の表明がされるほど。私たち5人の株主もこれらを含む、ふじせ争議、筆頭株主=旧村上ファンドとの交渉の経緯とリストラ合理化、連続不祥事等を追及。当該発言中、会社はまたマイク電源を切断。さらに仲間に質問をさせず決議事項に強行移行したため、議長席に詰め寄り、抗議しました。外部から雇った私服のガードマン大勢が立ちはだかり、抗議の声が轟く紛糾の中で総会は終了しました。前時代的かつ悪質な総会運営に一般の株主はあきれていました。
総会での追及で問題体質を明らかにし、学研が生まれ変わるにはふじせ争議解決は不可欠であることを多くの関係者と確認しながら、いよいよ学研本社の五反田移転を迎え撃つ7月以降の闘いに繋げていきたいと考えています。
全ての学研関連の皆さんと共に、ふじせ闘争はさらに力強く進んでいきます。
株式会社学習研究社
代表取締役社長 遠藤 洋一郎 殿 2008年6月24日
通 知 書
私たちは、貴社の第62回定時株主総会において、以下の点について質問権を行使しますので、あらかじめ通知します。
1、東京ふじせ企画労働組合との30年間に及ぶ労働争議について
1)話し合いを拒む頑迷な姿勢で経営再建は可能と考えているのか?
この争議は、学研経営が、1973年の全学研労組結成直後から同労組を潰す目的で労組員を仕事干しにし、取り上げた業務をふじせ企画に回してスト対策を狙ったものの、1977年12月に、そのスト対策の会社に労組が結成されたことに焦り、業務総引き上げ=会社倒産・全員解雇を仕掛けたことにより起こったものだ。
使用者性をめぐる裁判の判決は、争点整理の段階で確認した最高裁判例である朝日放送事件との同一性につき判決段階で検討を回避した極めて不当で誤ったものであるが、争議の一部分への第三者機関の判断の一つに過ぎず、1985年の損害賠償訴訟では、貴社の争議責任と使用者性を明確に認定する判決も出されている。倒 産責任の履行をはじめ争議全体の解決は自主交渉を行う以外にない。「争議は存在しない」と貴社がいうのは苦しい言い逃れである。現実に続いているこのかんの争議経過につき、貴社は、誤った認識ながら「組合の行動で迷惑を受けている」旨言及していることからも争議が厳然として存在していることは明らかである。
貴社も本音では争議の存在を認めざるを得ない中で、争議解決を拒んでいる。解決を図るべきとの声は、これまで社内外から起きている。全学研労組との争議から実に35年間に及んで争議を抱えていることが、会社の経営にとって、多岐に渡るマイナス要因となって、経営再建を不可能にしている。争議をひき起こした体質、それを解決しない問題体質が、このかんの経営行き詰まりと労働者使い捨て、不祥 事続出の末期症状に繋がっている。このまま争議を引きずって、経営再建が可能と本当に考えているのか、を問い質したい。
2)インデックスと当労組の話し合い内容を否定する貴社の虚偽の主張とインデック スによる学研株流出事件をめぐって、
昨年の株主総会において、遠藤社長は、インデックスはふじせ労組と会ったこともない、と言っているとの虚偽の答弁を行うに至った。当労組は当時の大株主の中からも解決を望む声が上がる程、貴社の解決拒否姿勢は常識を欠いたものである好例として、04年の株主総会以来この件を指摘してきた。
インデックスの誰が、「会ったこともない」との報告をしているのか、貴社は明らかにしていない。貴社は、このような虚偽の答弁を撤回するか、インデックス側の発言者を示すか、を求められている。回答されたい。
また、学研株流出事件について、インデックスとの今後の関係がどうなるのかを含めて、貴社の見解を述べられたい
3)争議を抱えたまま、五反田へ移転することについて
現状のままだと、学研は争議を解決することなく五反田へ移転することになる。新本社ビルでの新しいスタートのはずだが、今までの学研の在り方を改める気はないのか、お尋ねしたい。
2、経営の危機的な状況と経営再建の見通しについて
1)事業報告書と財務諸表、及び2カ年計画について
62期の最終損益は56億円の赤字(前の期は七億円の黒字)だった。訪問販売 事業で赤字が拡大したほか、雑誌の販売や広告が低調だった。成長分野と期待したクロスメディア事業も損失が膨らんだ。約40億円の資産売却益を特別利益に計上したが、特別損失も70億円を超えた、とされている。他の事業も振るわず、営業 赤字は21億円に拡大した。利益剰余金は26億円の欠損となった。
06年より経営計画との乖離を避けるため、単年度毎の目標や業績予想を慎重に立てる旨述べていたが、売上げ高810億円、営業利益14億円、純利益7億円という予想を極端に下回った。遠藤社長自身が、社内報で学研の現状は「崖っぷち」と言わざるを得ないほど、経営は危機的な状況に陥っている。ここまでに至った責任を経営陣はどのように考え、責任履行を行うつもりか、示されたい。
経営計画、2009年3月期売上高800億円、営業利益10億円、2010年3月期810億円、営業利益15億円、はとても実現可能とは思えないが、どのような根拠に基づいて策定したのかも示されたい。
2)筆頭株主、エフィッシモキャピタルマネージメントとの交渉について、
昨年の同社からの質問書と遠藤社長解任提案及びその取り下げに至る経過を明らかにし、何が交渉されたのか、実態を開示されたい。
3)希望退職募集、新賃金制度導入等のリストラ合理化について
1月に100名を募集し、58名の応募があった今年第1次の希望退職に続いて
4月に35歳まで引き下げて、50名の募集をし、35名の応募となった第2次の希望退職募集、そして今春導入強行を図った、賃下げ対象者が344人(社員の35%)に達する新賃金制度、等は、労働者への犠牲強要策でしかないのではないか?自らの経営責任をどう示して、社内の納得を得るつもりかを示されよ。
また、エフィッシモとの交渉では、この点も了解を得た事項なのか?
4)新本社ビルと土地の売却について
五反田に建設中のビルは自社ビルとして使用する予定ではなかったのか?売却計画は、いつ、どのような事情から起きたのかを明らかにされたい。
また、三井住友ファイナンスアンドリースには、月々いくらのリース料でビルを使用するのか、今後、ビルの一部は他社がテナントとして利用する等のことがあり得るのかを示されたい。
5)家庭訪問販売事業の現状と赤字部門からの撤退方針について
5月9日に発表した「2カ年経営計画2010」において、赤字事業の縮小・撤退として、家庭訪問販売事業からの撤退・縮小等の抜本的な見直しを表明しているが、具体的な計画を示されたい。
また、06年の中期経営計画で書かれた家庭訪問販売事業の2年以内での赤字解消は現時点でも達成可能と考えている、との昨年の総会答弁はやはり虚偽の説明だったのか、明らかにされたい。
現在2万人弱のセールスレディーは順次削減とも報じられているが、その点はどうなのかも示されたい。
6)廣済堂との提携や秀文社の買収など、学研の意図する経営戦略について
このかんの業務提携は、インデックスとの例に示されるように芳しいものではない。廣済堂との提携は、業績が悪い同士の不可解な提携である。受験塾の買収も同様ではないのか。どのような展望に基づいて、提携や買収を行っているのかを示されたい。
3、止まることのない不祥事に現れている学研の問題体質について
昨年、3月に経済産業省から業務停止処分を受けた学研GICの件について、株主総会で質問をした。コンプライアンス及びグループ全体のガヴァメントの問題としての認識だと言っていたが、明確な回答がないまま、形だけのお詫びですませた。
そして、その後も学研においては、偽札使用事件や中国製地球儀問題、自動車サイトでの盗用事件、確定申告ガイドブックの不備、等が起きている。働く現場に士気 やモラルの低下が起こり、社員が追い詰められている状況が起きているのではないか。これらは、経営の問題体質に起因していると考えるが、見解を示されたい。
以 上
5・28社前役員追及行動を展開!
5月28日、学研本社前で争議責任追及から逃亡し続ける無責任経営陣への抗議・団交申し入れ行動を行いました。
7時30分を回った頃、遠藤社長が車で出社、周囲から「争議を解決しろ!」「団交に応じろ!」等のシュプレヒコールを浴びせ、玄関前に横付けされた車から降り、館内に入っていく背中にも抗議の声を浴びせました。
多くの社員の前で追及を浴びたくないのか、早朝出社をくり返す遠藤社長が役員の中でも一番に出社してきます。
続いて8時少し前に出社してきた安田専務、8時20分過ぎから富樫専務、中森取締役、本間、大谷両監査役らを追及、いずれも押し黙ってうつむいて社内へ逃げ込んで行く背中に抗議の声をぶつけました。
遠藤社長の乗った車に抗議の声 出社役員へ抗議・追及
6・10工事中の学研新本社ビル前で情宣行動
学研の移転を迎え撃つ構えを示すと共に地域への事前の予告の意味を込めて、6月10日には、完成間近の五反田の新本社ビル前で、出勤時間帯に五反田地域労働者へ情宣行動を展開しました。
午前8時半を回った頃から学研新社屋を挟んだ組合事務所前の通りも東興ホテルから大日本印刷へ向かう通りも沢山の労働者がやって来ました。学研移転への関心も高く、ビラの受け取りは大変良く、1時間足らずで460組(920枚)のビラを配布、問題企業が争議を抱えたまま移転して来ることと私たちの闘いへの理解を訴えました。
マイク情宣も行なう中、移転間際に新ビルを売却したこと等を知って驚きの表情を見せてビラを読む人、話しかけてき来る人など、反響も大きい行動となりました。私たちの事情説明を聞き。「頑張ってください」と激励の言葉をかけてくださる方もありました。