学研、また希望退職募集!35歳以上対象に50人
展望喪失・経営責任放棄の
        労働者への犠牲強要をやめろ!

 会社は4月14日、今度は35歳以上の社員まで対象を広げ、早期退職者を募集すると発表しました。早期退職者の募集は一月に続き今年に入って二度目。前回は予定した人数の100人に対し、58名しか応募者が集まらなかったため、追加募集することにした、と言っています。追加で募集するのは50人。5月14日から募集を始め、22日に締め切り、応募者は6月末で退職する。応募条件は前回提示した勤続10年以上の45〜58歳の社員に加え、勤続五年以上の35歳〜44歳まで。
「50人が募集に応じた場合、試算によると年間約五億円の人件費削減効果が見込めるという。応募者に対する退職金の割増金の支払いで約8億円の特別損失を計上する見通し。」と報道されています。「当初の人員削減目標の達成を目指す。出版事業の不振などで悪化する財務基盤の立て直しを急ぐ」と会社は言っていますが、現在の経営不振の深刻さ、危機的状況を招いてきた経営陣の責任については、何のコメントもありません。
 正社員約千人に対し対象者は732人になる、と言われています。大半の社員に選択を迫っていながら、経営責任を棚上げにしている、まさに労働者への犠牲強要策の典型です。前回応じなかった45歳以上からの応募はそんなに見込めないとなると若手・中堅社員にやめて欲しい、と会社は思っているのか(「本人が希望し、会社が認めた者」「競合他社への転身には適用を認めない」としています)。実は、この希望退職募集には布石が打たれていました。
目的不明な組織再編と新人事制度導入強行姿勢に現場から怒りの声!
 会社は、4月1日付け社達の「管理部門の組織再編」で、従前の経営企画室、総務部等を廃止し、経営企画部・人事総務部・経理部・業務支援センター、内部監査室を新設、このうち3月1日付で新設していた業務支援センターへ30名を越える労働者を強制配転するなど大がかりな異動を行っています。仕事の内容も不明、モチベーションも沸かない状態で事実上の退職への追い込みを狙っているとしか考えられないやり方です。新賃金制度につき具体的な内容も示さないまま導入を強行しようとしている学研経営の姿勢と合わせて、現場の労働者からは怒りの声が上がっています。
 働いている者を大切にしない会社のやり方で、社内の士気低下はますます進んでいます。学研の経営陣が、経営の戦略的展望も喪失し、無方針と混迷の中で自分たちの生き残りだけを図って醜悪な責任転嫁の労務政策を労働者に押しつけてきている末期的とさえ言える状況です。恥ずかしげもなく2度も出してきた希望退職募集をはねつけ、経営陣自らが責任を取って経営再建に当たることを要求していこう!
筆頭株主エフィッシモが遠藤社長解任を要求!
 
現在、20%近い株保有で筆頭株主になっている旧村上ファンドのエフィッシモ・キャピタルマネージメントが学研 の株主総会で遠藤社長の解任を株主提案すると発表しました。「業績不振と不適切な経営管理体制につき、昨年より質問書を送り、再三にわたり回答を求めてきたが、未だ一切回答がない」と大量保有報告書で説明としています。東京ふじせ企画労組は、既に昨秋、エフィッシモに申入書を送り、争議を抱えた学研の問題体質につき説明し、筆頭株主としての対応を問い質していました。(詳報は次号)
学研株トラブル、インデックス恐喝容疑の組長逮捕

 「インデックス・ホールディングス」から現金を脅し取ろうとしたとして、警視庁は 4月19日、指定暴力団山口組系組長、森泰智嘉(やすちか)容疑者(49)ら4人を恐喝未遂の疑いで逮捕しました。新聞各紙が報じ、テレビニュースでも流されましたが、
一番詳しい記事になっている読売新聞から一部を引用すると、『捜査関係者によると、森容疑者らは昨年9月〜10月に複数回にわたり、インデックス社の本社を訪問。同社が保有する学研株の行方が分からなくなっていると指摘したうえで、「成功報酬4億円で株を回収してやる。前金を渡せ」「山口組の人間が幹部を狙っているぞ」などと言い、現金を脅し取ろうとした疑い。・・・インデックス社は2003年、学研と資本提携するため同社の第三者割当増資を引き受け、新株500万株(保有割合4・7%)を6億1000万円で取得した。その後、学研に無断で都内の会社に同株を貸し出し、この会社が、同株を担保に大阪市内の投資関連会社から億単位の融資を受けていたという。警視庁では、貸し出されていた同株が市場で売却されてしまった可能性もあるとみて流出経路を調べている。』とのこと。
学研株流出については、「パルス」11月号、12月号で触れました。流出株の一部が旧村上ファンドのエフィッシモに流れた可能性についても今年2月号で指摘しました。11月号で紹介した山岡俊介氏の「アクセスジャーナル」は、逮捕直前の4月2日、7日に記事を配信しています。それによると
 資金繰りに困っていたインデックスが、千代田区の経営コンサルタント会社P社を通じて、学研株を担保に、「ジャパンコーポレーション」(大阪市中央区)から資金調達したところ、ジャパンの上田実代表が契約条件に背き、即、学研株を叩き売った。学研株は流出してしまった。インデックスへの貸金は約9億円。学研株の時価は約17億円、この差額を考え、詐欺グループは売ってしまったようだ。インデックスの落合社長は売却されてしまい、驚いた。学研株を担保に入れることを提携企業である学研には断っていない、しかも、役員会を通しておらず特別背任罪に問われる可能性もある。そこでその回収に動こうとしたが、素人の落合氏ができる仕事ではない。そこで、その回収をその世界のプロである現役の暴力団組長に頼んでいた。
 このような関係者からの証言や証拠から、山岡氏は、19日の配信記事の中で、森容疑者などはその学研株の回収のために動いたとして報酬を求めていたが、全くの言いがかりとばかり言えない落合社長側の動きもあるとして、完全な被害者という見立てには疑問を呈しています。事件は、インデックスへの家宅捜索や、粉飾決算の疑惑などに拡大し、第2のライブドアとなる可能性も取り沙汰され始めています。因みに、経営ピンチのインデックスは子会社をジャレコホールディングスに売却するなど、リストラで大揺れとなっている様子です。通常の貸し株とその保証金ではなかったわけでしょうか?いずれ、当労組も次の話し合いを申し入れて確認したいと思っています。
 ところで、学研は、4月9日、「内部統制構築の基本方針に関する決議のお知らせ」を東証で発表、コンプライアンスやリスク管理を強化し、「反社会的勢力とは取引関係その他一切を持たない」等をここへ来て打ち出しています。流出した株をめぐり学研へも暴力団からの接触があった可能性を感じさせるような動きです。
憶測を呼んでいる、あの廣済堂との業務・資本提携
 ところで、学習研究社と出版・印刷の廣済堂は3月12日、インターネットを活用した教育事業などで業務・資本提携すると発表しました。協力関係を深めるため両社は4億円相当の株式を持ち合うそうです。
 しかし廣済堂については、学研が提携することに対し、ヤフーファイナンス学研株主掲示板でも過去の同社にまつわる事件を取り上げるなどして疑問を呈する声が書き込まれています。現在はどうなっているのでしょうか?また、同社は、18日に前08年3月期の業績推定を下方修正、連結最終損益を49億円の黒字から23億円の赤字(前々期実績は40億5200万円の黒字)に引き下げました。「印刷物や求人情報関係で競争が激化。地方での求人需要減も響いた。出版関連では売上総利益率が悪化。これに加え、海外孫会社で減損損失を計上したことや、繰り延べ税金資産の取り崩しなども利益を押し下げた」とされています。株流出事件絡みで、新たな提携先として学研が同社にアプローチする理由が何かあったのか、など様々な憶測を呼んでいます。
学研自動車サイトが盗用!
クロスメディアコンテンツ事業失敗を象徴する事態が噴出!
 4月7日、学研の自動車専門サイト「Driving Future」が、記事内容の一部に、(株)二玄社の自動車ウェブサイト「webCG」の記事を3月末に盗用したことが分かった、との報道が各紙で行われました。
 学研は二玄社に謝罪、ホームページ上で、「『Driving Future』に関する重要なお知らせ」として「同一の表現・表記がありました。記事内容に関して、社内調査を行った結果、掲載は不適切と判断し、当該記事を削除いたしました。」として謝罪文を載せていますが、「盗用」とは書いていません。報道では、「学研のモーター編集室の室長が記事を盗用した」とし、元室長の「異動前で忙しかった」との言葉を伝えています。
かつての「ボランティア用語辞典」の時と同様に、経営が責任転嫁のリストラ合理化を繰り返し、現場へのしわ寄せを行っている結果引き起こされていることを窺わせる不祥事であると同時に、パーゴルフオンラインの閉鎖に次ぎ、クロスメディアコンテンツ事業が失敗を重ねつつあることを象徴する事態と言えそうです。
3・12学研社前闘争  遠藤社長ら役員へ追及行動
 3月12日、学研社前で早朝から出社役員を迎える追及行動を展開しました。7時50分に出社してきた遠藤社長に、車の周囲から抗議の声を浴びせ、降りて館内に入っていく背中にもシュプレヒコールをぶつけました。この後、この日はいつも以上に早く出社の富樫、安田専務、中森、須磨取締役、大谷監査役への団交要求を行いました。この日、学研は取締役会を開催し、廣済堂との提携を発表。そのためのいつも以上の早朝からの役員出社となったようです。
4・1学研社前闘争=南部統一行動
 社前を旗・横断幕で埋め尽くし争議状況を現出
 4月1日、南部統一行動の品川庁舎前に続く現場は、ふじせの学研社前行動。11時20分には設営を開始。会社側は全く知らなかった様子で、ガードマンが慌てて出てきて鉄柵、シャッターを閉め始める。この日は、1980年代、90年代の勝利争議団からいただいた年季の入った旗から4・28連絡会、ジャパマーハイツ労組寄贈の最新の旗に至るまで、そして横断幕もかつての手作りのものから新作の幕や幟までを、郵便センター口から長原口まで完全に覆い尽くす形で設営して、まさに学研は争議状況の中に置かれていることを示す光景をつくり出した。これは壮観でした。
 昼集会で全学研労組をはじめ、力強い連帯の発言を受ける
 40分から当該がマイク情宣を行い、12時には集会を開始しました。昼休みに入って職場から出てきた学研労働者が歓声を上げていました。シュプレヒコールの後、ふじせ闘争支援共闘会議から闘いの経過と現状につき報告がされました。31億の赤字決算、希望退職募集等、展望喪失し、なりふり構わぬ労働者への犠牲強要に走る学研、不祥事も噴出し迷走状態で争議を抱えて五反田移転に突き進む学研に対し、的確な闘いを浴びせて行くことと支援結集をアピールしました。
 連帯挨拶は、まず中部の争議団から駿台予備校非常勤講師の解雇を許さない会、北部の争議団から連帯ライフエイドより受けました。地域からは、学研移転先の西五反田に現場があるユニオン東京合同ブリタニカ分会から闘いの報告。そして、共に産別で闘っている出版関連労組交流会議から教育社労組より発言。そして、連帯挨拶の最後は、全学研労組。学研経営が新年度導入の新賃金体系の具体的内容も示さぬ不誠実対応を行っている中、今春闘に突入し、その問題姿勢を追及すると共に、争議解決に向けてふじせ労組との団体交渉を開催せよとの項目も春闘要求に入れて闘っていることが報告され、大きな拍手が起きました。 
決意表明は、統一行動の主催者=南部交流会からス労自主が、4・21第2波のエッソ本社ーアール社前闘争への結集呼びかけを含むまとめの発言を行いました。最後に当該から、希望退職で58名の中高年をやめさせ一方でこの日入社式(13名)も行われたはずの学研本社に対し、社前で争議状況を現出させている意義、4・28勝利を受け継いで南部地域共闘を前進させてきている力がふじせ闘争にも如実に現れていることを確認、五反田移転を迎え撃ち争議解決の決断を迫る闘いへの決意を述べました。統一行動を2波組んでいることで結集が割かれたものの、25団体47名の結集は成功でした。

   4.2学研本社前闘争           4.9伊藤忠商事抗議行動
4・9伊藤忠商事へ抗議行動の第2弾!

 学研と提携している伊藤忠商事への抗議行動、1月に続いて第2弾を4月9日に行いました。伊藤忠は、インデックス等とは異なり、私たちの申し入れ自体を拒否しているためです。昼休みの時間帯に青山の本社前に登場、旗・横断幕を設営し、ビラを配布。マイク情宣を行いました。伊藤忠側は、総務の社員らが中からビデオを撮影、ガードマンと共に監視行動を行っていました。
 学研の中国市場への進出、学研教室会費決済にオリコカードの導入、等の伊藤忠との提携の実態につき情宣し、さらに、新テロ特措法で問題となった海上自衛隊のインド洋での給油を調達しているのが伊藤忠商事であること(年末の国会で質問されても政府は調達先の商社名を明かさなかった)、丹羽宇一郎伊藤忠商事会長が経済財政諮問会議で「残業代不要論」を述べてホワイトカラーイグゼンプション導入を提唱していること、などにも抗議し、ふじせ労組の申し入れへの拒否対応をやめて、学研に争議解決を働きかけるように要求し、シュプレヒコールを本社に浴びせました。
この日は、伊藤忠が入社試験を行っていたようで、沢山の学生が情宣途中に出て来ました。そして、関心を持ってビラを受け取る学生、伊藤忠社員、通行人らに多くのビラを配布。ビラが完配となりました。効果的な抗議・情宣行動となりました。
<共闘報告>
3・9全国争議団交流集会、3・10全国結集行動が成功!
 3月9日と10日に、第27回全国争議団交流会と全国結集行動が展開されました。品川中小企業センターを会場にして、分科会討論の後、交流集会には92名が参加。現場行動は東京都労働委員会(63名)、明大生協大学会館前(90名)、ジャレコホールディング(94名)、国鉄和田さん清算事業本部前(80名)を貫く闘いを成功裡に打ち抜きました。
3・27南部交流会春季集会を開催!
大崎第一区民集会所で恒例の春季集会。昨春の4・28反処分闘争勝利を受けて以降の1年間の闘いを総括、08年度の闘いを、争議・職場闘争の勝利、地域共闘・地域合同労組の強化・発展を、治安弾圧激化・共謀罪制定・労働法制改悪・戦争国家化攻撃等に抗して闘い取っていくことを確認しました。
4・1南部交流会統一行動を打ち抜く!
品川庁舎前ー学研社前を貫き、南部地域・全都の仲間が結集して品川区と学研に争議解決を迫る闘いを力強く展開。4・21第2波統一行動=ス労自主ーアール闘争へ!
4・11出版関連労組交流会議春季集会を開催!
東京しごとセンターで、職場闘争の新展開・争議団闘争勝利を柱に充実した集会開催。4・12争団連統一行動成功  中大生協闘争=大学包囲デモに94名が結集!